冬の野鳥10選!おすすめの撮影時期や観察スポットも解説

秋から冬にかけては、越冬のために鳥たちが北の国から日本へ渡って来たり、山地から平地の身近な環境に移動して来たりと、多くの種類の鳥たちがやって来ます。
山や林では木々が葉を落とし、枝の中にいる小鳥が見つけやすくなり、水辺ではカモなど、開けた水面にいる鳥をじっくり観察することが可能。
春・夏はレジャーに繰り出した人々で賑わう森林や水辺も、落ち着いた環境に。冬の田んぼや河川敷など開けた場所は、猛禽類に出会える格好のポイントです。
本記事では、多くの鳥に出会える冬に撮影したい、特におすすめの野鳥を紹介します。
住宅地や近くの公園などでも出会える身近な小鳥から、冬のシンボル的存在・ハクチョウまで10種類の野鳥を選びました。
おすすめの撮影時期やレンズの焦点距離なども紹介しているので、ぜひ本記事を参考に野鳥撮影に出かけてみてください。
冬に野鳥を撮影する魅力

野鳥観察や撮影の魅力は、四季それぞれにありますが、「鳥の見つけやすさ」でいえば晩秋から冬にかけてがおすすめ。
冬は、開けた水辺にやってくるカモ類や、見通しのよい林で出会える冬の小鳥たちをじっくり観察できるのが魅力です。
野鳥たちにとって、冬は寒さやエサの不足など、厳しい季。
通年見られる鳥たちも、ほかの季節に比べ警戒心を少し緩めて、セッセとエサ探しをします。
木の実などを食べに人家の庭先に現れたり、エサ台などを賑わせてさまざまなしぐさや表情を見せてくれたり…。
冬に見られる野鳥たちの姿は健気で、たくましさを感じます。
ぷっくり丸くなって寒さをしのぐ小鳥たち、越冬中に繁殖相手を決めようと美しさを競うカモたちなど、冬はこの時期ならでは野鳥の姿を撮影できる季節です。
冬の野鳥10選
ルリビタキ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月上旬~3月下旬
- オススメのレンズ
-
200~500mm
明るいブルーの羽根、脇腹のオレンジ色、そしてつぶらな瞳。ルリビタキは日本で見られる「青い鳥」の中でも人気の高い小鳥です。
「日本三瑠璃」といわれるオオルリ、コルリ、ルリビタキの三種のうち、オオルリ、コルリは秋には南へ渡ってしまいますが、ルリビタキだけは日本に留まっています。
そして、ルリビタキは冬が撮影シーズン。夏の繁殖期には亜高山帯にいて、なかなか出会えないルリビタキに、公園などの身近な場所で出会えるからです。
日本に生息するルリビタキの多くは渡りをせず、およそ1500m以上のやや標高の高い山地で夏に繁殖します。そして11月下旬頃から平地にやってきて、冬を過ごします。
ルリビタキは落葉樹や照葉樹のあるまとまった林、特に低木の繁みや笹やぶなどのある暗い林が好きな鳥です。
しっかり繁った林があれば、新宿御苑や明治神宮などの都心にもやってきます。
食べるものはおもに、昆虫や木の実です。地上でエサを探すことが多く、特に冬は落ちた木の実や、落ち葉の中に隠れた虫を採食しているので、低い目線で探すと見つけやすいでしょう。
探すポイントは少し暗めの林の林縁(林と開けた場所の境目)や、林道沿いの低木の繁み、下草の藪など…。
テリトリーの中で行動する習性があるので、公園や緑地で一度見つけることができれば、その後も出会える可能性が高い野鳥です。
「ヒッヒッ」「カッカッ」という地鳴きに、耳を澄ませてみるのも「青い鳥探し」の方法の一つ。
じっと待っていると、繁みの中から姿を現わしてくれます。
ジョウビタキによく似た地鳴きですが、ジョウビタキのほうが明るい林や開けた場所にいます。
ルリビタキは警戒心が低めで、こちらが動かずにいるとかなり近くに来てくれることもあるよう。
枝などにとまってじっとしていることも多いので、撮影初心者の人にもおすすめです。
公園などの実のついている木も、要チェックです。
秋・冬の木の実は小鳥たちの大事な食糧。実がついていれば、ルリビタキも藪から出てきてせっせとついばみます。
運がよければナンテンやナナカマド、ナンキンハゼなどの赤い実をくわえたルリビタキが撮影できるかもしれません。
また、小鳥たちは冬、寒さをしのぐために羽毛を膨らませて丸くなります。ぷっくり丸くなったルリビタキの可愛さは格別です。
撮影にオススメのスポット
- 明治神宮御苑(東京都/渋谷区)
- 万博記念公園(大阪府/吹田市)
ルリビタキの基本情報
- 生息環境
-
低地から山地の林(冬) 亜高山帯の森林(繁殖期)
- 大きさ
-
約14cm
- 鳴き声
-
ヒッヒッ、カッカッ(冬) チュロチュロロ ヒリョヒリョヒュルル(夏のさえずり)
シジュウカラ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月中旬~3月上旬
- オススメのレンズ
-
200~500mm
シジュウカラは全長約15cm、スズメほどの大きさの鳥です。
留鳥または漂鳥としてほぼ全国に生息し、山林から市街地、公園、街路樹など、さまざまな環境で暮らしています。
特徴は、黒い頭とよく目立つ白い頬、グレーの翼と白い腹に一本通った帯のような黒い線。
「ネクタイ」とも呼ばれるこの帯のついた胸を張って、枝から枝へすばしこく飛び回ります。
シジュウカラのオス、メスの区別もこの「ネクタイ」が決め手です。黒い帯が太くお腹を通っているのがオス。メスはネクタイが細く、お腹のあたりで途切れています。
身近な環境で、一年中見ることのできるシジュウカラですが、木の葉の落ちた冬は夏よりも姿が見やすくなります。
シジュウカラは繁殖期以外は群れで行動することが多く、特に冬はエナガやヤマガラ、メジロやコガラなどの他の種類の野鳥たちと一緒に行動する「混群」でいます。
また、冬はエサ台などのある庭先にも姿をよく現わすようになるため、愛らしい姿を楽しませてくれるのも魅力です。
ただし、シジュウカラはすばしこく動き回るため、撮影は難しいもの。
水場やエサ台などにやってくるのを待つとチャンスが増えます。
見つけること自体は簡単なので、シジュウカラの動きをよく観察して、食事や水浴びの前に止まる枝などの撮影位置を決めるとよいでしょう。
また、撮影はさえずりの時期もおすすめです。2月下旬頃からオスは枝先などで「ツピツピツピ…」とさかんにさえずるようになります。
いつもせわしなく木の枝の中を飛び回っているシジュウカラですが、この時は胸を張って、目立つ場所にしっかりとまっていてくれるからです。
小首をかしげたり、くるりと向きを変えたりと、一瞬一瞬のしぐさが愛らしいシジュウカラ。連写機能を使ってたくさんの瞬間を切り取るのがおすすめです。
撮影にオススメのスポット
- 新宿御苑(東京都/新宿区)
- 万博記念公園(大阪府/吹田市)
- 西湖野鳥の森公園(山梨県/南都留郡)
シジュウカラの基本情報
- 生息環境
-
森 林 公園 河原など
- 大きさ
-
約15cm
- 鳴き声
-
ツピツピツピ ツツピー ジジジジ・・・など
ヤマガラ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月下旬~3月上旬
- オススメのレンズ
-
100~400mm
ヤマガラは全長約15cm、シジュウカラの仲間です。特徴はオレンジ色の体と、クリーム色の頬、黒い頭と喉の個性的な配色。
小笠原諸島を除く全国に広く分布し、低い山の森や平地の林で一年中見ることができます。カラフルな色合いと可愛らしいしぐさの、愛嬌のある小鳥です。
冬は林や緑の多い公園などで、しばしばシジュウカラの群れと混じって、混群で行動するのが見られます。
特別な場所へ出かけなくても、常緑樹のまとまった森があれば出会えるのもヤマガラの魅力です。
ヤマガラは雑食で、多くの種類の昆虫や木の実などを食べます。冬の間の主な食べ物は、木の実や落ち葉の下に隠れた虫など。
特に特徴的な点は、ヤマガラが木の実をかくして貯めておく「貯食」を行なうこと。
秋にエゴノキ、シイなどの実を自分のテリトリーの中の木の幹や根元などにかくしておき、冬に取り出して食べ物の少ない時期を乗り切ります。
撮影は、水場や食事に現れる場所で待つのがおすすめです。
人をあまり怖れない、好奇心旺盛なヤマガラは、人がじっとしていれば近くまで来てくれることもあるでしょう。
決まったテリトリーの中で行動をするので、一度見かけた場所には、またやって来る可能性があります。
また、食事の時のさまざまなしぐさも魅力的。足で食べ物をおさえたり、木の実のついた枝に逆さにぶらさがったり、落ち葉をかきわけたり…。
運がよければ木の割れ目などから貯めておいた木の実を掘り出して食べる姿が見られるかもしれません。
撮影は、2月下旬頃からもおすすめ。
日射しの明るくなりはじめる2月下旬頃から、ヤマガラのオスはテリトリーを主張してよくさえずるようになります。
枝先など目立つところにとまり、「ツーツーピー、ツーツーピー」と、シジュウカラよりゆっくりしたテンポでさえずります。
近くにライバルがいると、長く鳴き合うこともあるので、さえずりのときは撮影しやすいでしょう。
撮影にオススメのスポット
- 泉の森自然観察センター(神奈川県/大和市)
- 明治神宮(東京都/渋谷区)
- あいな里山公園(兵庫県/神戸市)
ヤマガラの基本情報
- 生息環境
-
平地から山地にかけての森 林
- 大きさ
-
約14cm
- 鳴き声
-
地鳴き:ニーニー ビィービィー さえずり:ツーツーピー、ツーツーピー
ジョウビタキ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月中旬~3月中旬
- オススメのレンズ
-
200~500mm
ジョウビタキは全長約14cm、10月頃から姿を見せはじめる冬鳥です。
オスは胸から腹にかけての鮮やかなオレンジ色と、顔と翼の黒、頭グレーの配色が特徴。
メスは褐色の体で、腰と尾の部分だけオレンジ色が入っています。
オス・メスともに翼に白い斑点があり、着物の紋付に見立てられ「紋付鳥」の愛称があります。
最近はSNSなどでオスを「ジョビ男(お)」メスを「ジョビ子」と呼ぶ人たちが増えているそう。それだけ親しみがあり、ファンの多い野鳥といえるでしょう。
北海道や、積雪の多い地方をのぞき、全国の林や公園、住宅の庭などにやってくる身近なジョウビタキ。
美しさ、撮影のしやすさで秋・冬に特におすすめしたい鳥です。
単独で一定のテリトリーの中で越冬するため、11月頃から盛んに枝先などで「ヒッヒッ」「カッカッ」と特徴的な高い声で鳴きます。
これは「この場所は自分のテリトリーだ」と主張するなわばり宣言。尾を振りながら時々、お辞儀をするようなしぐさを見せるのも特徴の一つです。
ジョウビタキは、あまり人を怖れず、気がつくと数mほどの近くにとまって、じっとこちらを見ていることがよくあります。
せわしく飛び回らず、木の枝などに止まりながらさまざまなポーズをしてくれるのも魅力的。
ジョウビタキの特徴である背中の白い「紋付」の斑を見せつつ、振り返ってこちらを見る「見返りポーズ」は特にジョウビタキの決めポーズです。
羽毛をふくらませて丸くなったり、小首をかしげるポーズも可愛らしさが引き立ちます。
赤い実をつけたツルウメモドキやピラカンサの植栽など、季節感のある場所で撮れるとさらに絵になるはず。
ジョウビタキのメスは可愛い顔の写真を撮りやすいですが、オスは顔が黒いので、少しアップで目に光が入るように撮影できると、表情が出るでしょう。
撮影にオススメのスポット
- 明治神宮の森(東京都/渋谷区)
- 花博記念公園鶴見緑地(大阪府/大阪市)
ジョウビタキの基本情報
- 生息環境
-
雑木林 草地 農耕地 市街地 公園
- 大きさ
-
約14cm
- 鳴き声
-
ヒッヒッ カッカッ
アオジ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月下旬~2月下旬
- オススメのレンズ
-
300~400mm
アオジはスズメより少しだけ大きい、ホオジロの仲間の鳥です。
冬の藪や低木の茂みから、ちらりと姿をあらわす深緑と黄色のアオジは一見、地味ですが、「冬のバードウォッチングでアオジに会いたい!」というファンの多い鳥。
かすかな鳴き声に耳をすませて探し、そっと待って出会うことのできる繊細なアオジは、「地味カワ系」の人気者といえるでしょう。
アオジは留鳥、または漂鳥として全国に広く生息しています。
夏と冬とで、習性や生息地を変化させるのもアオジの特徴の一つです。
夏は北海道や、本州の標高1000mほどの森林で繁殖します。繁殖期にはカラマツなどの高い木のてっぺんで、美しいさえずりを響かせるアオジですが、冬は本州の平地に移動して、ひっそりと越冬。
冬は高い木など目立つ場所には出て来ず、藪や低木のしげみの中で過ごします。このため北海道ではアオジは夏鳥、本州の関東以南では冬鳥として見られるのです。
高地から平地にやってくる冬のアオジ。林の中や、河川敷などの草藪、公園の植え込みや民家の植栽などで見つけることができます。
食べ物は地面に落ちた植物の実や種、小さな昆虫などです。地面に近く、草や枝がこみいった暗い場所にいることが多いので目線を低くして探しましょう。
コツは耳を澄まして、繁みの中にいるアオジの声を聞き取ること。アオジはチョコチョコと藪の中を動きながら、細い声でチッ、チッ、と鳴き声を立てます。
藪から出て姿を見せる時は、だいたい決まった場所から現れるので、観察して撮影ポイントを見つけましょう。
アオジはとても臆病な鳥です。平地に来たばかりの晩秋から冬の初め頃は、特に警戒心強めです。
藪の中から細い声だけがして、一向に姿を見せないことも…。観察施設の水場など、現れることが予想できる場所での観察がおすすめです。
少し警戒心が低くなるのは真冬から。食べ物が少なくなってくるので、繁みから出てきて地面をついばむ姿が頻繁に見られるようになります。
都市部の公園などではアオジも人慣れして、かなり近くまでくることもあるようです。東京では明治神宮や新宿御苑などが、アオジの姿を撮影しやすいスポットとして知られています。
アオジの撮影では、驚かさないように、しゃがんだ低い姿勢でシャッターチャンスを待ちましょう。
撮影にオススメのスポット
- 明治神宮(東京都/渋谷区)
- 横浜自然観察の森(神奈川県/横浜市)
- 守谷野鳥のみち(茨城県/守谷市)
アオジの基本情報
- 生息環境
-
冬:平地の藪 低木の茂み 公園・民家の植え込みなど
夏:平地~山地の林
- 大きさ
-
約16cm
- 鳴き声
-
冬:チッチッ 夏:チョッピーチョッチリリ
オシドリ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月上旬~3月下旬
- オススメのレンズ
-
500~600mm
オシドリは全長約45cm、カモの仲間の中でもひときわ美しい、目を奪われる極彩色の鳥です。
主にカシやナラのドングリや、植物の種などを食べ、森のある環境に生息します。
夏は北海道、または本州、九州の山間の渓流などで繁殖し、冬は群れを作って樹林に囲まれた水辺や湖沼、ダム湖、溜池などで越冬。
地域にもよりますが、10月下旬から11月頃に飛来し、他のカモ類と混じらずにオシドリだけで群れています。
オシドリの特徴は、なんといってもオスの羽根の極彩色と、翼から背中に飛び出している飾り羽。この飾り羽は「銀杏羽」と呼ばれる、繁殖期のオシドリの特徴です。
オシドリのオスは、飛ぶために重要な風切り羽の一番内側の羽根を、メスにアピールするため、目立つように立てています(飛翔時には、この部分はしまって普通に飛んでいます)。
艶やかな羽色に変わるのは晩秋、11月頃から。カモの仲間は越冬中に恋のシーズンを迎え、冬ごとに新しくつがいを形成します。
そのため、オシドリをはじめ多くのカモのオスは、晩秋からそれぞれ独特の装いをこらすようになるのです。
越冬中のオシドリたちは、集団お見合い状態。オスたちは、越冬中の群れの中で、メスを囲んで泳ぎ回り、「我こそは」とビジュアルを競います。
胸をそらせて上半身をもちあげ、鮮やかな羽根の色を見せつけたり、首を上下に動かして見せたり、あの手この手でメスにアピール。メスをめぐって争いが起きることもしばしばです。
恋の季節である冬は、オシドリの生き生きした姿を撮影できるチャンス。
カップルが成立すると、オシドリのペアは、群れの他の鳥たちよりも近い距離で過ごすようになります。寄り添って泳いだり、羽繕いのようにくちばしを寄せたり…。
絆を深め合う姿は、仲のよい夫婦を表す「オシドリ夫婦」そのもの。
求愛のさまざまなしぐさが活発になるのは夕方と朝です。
3月頃から、徐々にオシドリの群れは分散しながら繁殖場所へ移動して行きます。冬の終わりから4月上旬頃までは、カップルで泳いでいる姿が撮影できるでしょう。
オシドリの飛来スポットで、水面にあまりオシドリがいない時は、木の枝が岸から水面に張り出した場所や、岸に近い木陰を双眼鏡で探してみてください。
また、意外に警戒心が強く、人の動きや音で飛び立ちやすい面があります。撮影の時は驚かさないようにしましょう。
撮影にオススメのスポット
- 新宿御苑(東京都/新宿区)
- 日野川(鳥取県/日野郡)
オシドリの基本情報
- 生息環境
-
池 湖沼 河川
- 大きさ
-
オス約45cm メス約41cm
- 鳴き声
-
ピュイー クアックアッ
ミコアイサ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
12月~3月下旬
- オススメのレンズ
-
200~500mm以上
ミコアイサは全長約44~38cm。11月頃から九州以北の湖沼、河川、池、湾などに飛来するカモの仲間です。
オスは特徴的な白い体と、目の周りの黒い色から野鳥ファンの間では「パンダガモ」と呼ばれています。
ミコアイサはあまり大きな群れを作らず、集まっている場所でも数羽から数十羽程度。
近年は群れでの越冬はかなり局地的になっているようです。一つの場所で見られるのは、1羽から数羽ということが多くなっています。
11月頃、飛来してきたばかりの時期はミコアイサのオスがまだ白い衣装になっていません。
ミコアイサの撮影のベストシーズンは、白い体になる年明けから2月頃です。12月から1月頃にかけて恋のシーズンを迎えます。
オスの特徴的な姿は、いわばメスにアピールするための勝負服。白いスーツと、サングラスで決めているのです。
特徴的で見つけやすいミコアイサですが、撮影にはカメラマン泣かせな点もあります。
ミコアイサは水中に潜って魚や甲殻類などを食べる、「潜水ガモ」です。一度潜ると、どこから浮かんでくるか予想がつきません。
頻繁に、長い時間潜るので、潜りながらだんだん遠くに行ってしまうことも…。群れでいても、グループ全体で潜るなど、撮影のタイミングをつかむのが難しい鳥です。
撮影の際は、なるべく水面の広範囲を見渡し、浮上するミコアイサを探しましょう。
さらに警戒心が強いのもミコアイサ撮影の注意点。岸近くにいることは少なく、多くの場合は岸から離れた所で泳いでいます。
水鳥がたくさんいる中で、他のカモは落ち着いているのにミコアイサだけが飛び立ってしまう、ということもしばしば。
とはいえ、ミコアイサは飛び立ちの時に水の上で助走が必要なので、飛翔時はシャッターチャンスの一つです。
飛翔をぴたりと止めたり、流し撮りにしてみたり、躍動感のあるミコアイサの姿を捉えてみてください。
撮影にオススメのスポット
- 福島潟(新潟県/新潟市)
- 新横浜公園(神奈川県/横浜市)
- 山田池公園(大阪府/枚方市)
ミコアイサの基本情報
- 生息環境
-
湖沼 池 川 湾
- 大きさ
-
オス 約44cm メス 約38cm
- 鳴き声
-
フィー、 クアッ(越冬中はあまり鳴かない)
オオハクチョウ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月上旬~翌3月頃
(地域により異なる)
- オススメのレンズ
-
150mm~400mm(餌付け場)
200mm~500mm(自然環境下)
オオハクチョウは全長約140cm、翼を広げると225cmにもなる大きな鳥です。冬鳥の中でも、その堂々とした威厳ある体格と美しさで魅了する、別格の存在といえるでしょう。
大きな体は被写体としてピントを合わせすいため、鳥の飛翔写真に挑戦したい人にもおすすめです。
日本で見られるハクチョウはおもに「オオハクチョウ」と「コハクチョウ」。2種は大きさが少しちがうものの、食べ物や習性など多くの点が共通しています。
ハクチョウにとって「日本の玄関」といえる北海道では、10月から11月上旬に多くのハクチョウが見られます。
一部のオオハクチョウは北海道で越冬しますが、その他のオオハクチョウたちは、おもに東北地方を中心に越冬。
ハクチョウは毎年決まった場所にやって来きます。多くの飛来地で餌やりが行なわれたり、刈入れの終わった田んぼに水をはって、ハクチョウたちがエサを食べやすい環境にしたりと、保護活動や見守りがされています。
餌やりが行なわれる池や湖は、絶好の撮影ポイント。水上でも岸でも、オオハクチョウの姿を間近でとらえることができます。
餌やりの時間はハクチョウたちだけでなく、カモやオオバンなど他の水鳥たちも集まるため、水面が見えないほどひしめき合って大騒ぎになることも…。
ハクチョウたちは餌やりの時間をよくわかっているので、時間の前から待っていると、次々と飛んでくるダイナミックなシーンを撮影できるでしょう。
撮影におすすめの時間帯は、早朝とねぐらに帰って来る夕方。朝日の水面や、夕焼けの空の映り込みなどを入れて撮れると、とっておきの1枚に仕上がるはずです。
また、飛翔する姿を撮りやすいのもオオハクチョウの魅力。飛翔は、オオハクチョウの長い首と大きな白い翼がもっとも引き立つシーンでもあります。
体の大きなオオハクチョウは、飛び立つまでに長い助走が必要。水しぶきを蹴り立てて走っている間にピントを合わせましょう。
岸や人のいる場所の近くからは飛ばず、岸から離れた、充分な助走のできそうなところから飛び立ちます。
観察しているとオオハクチョウの「滑走路」の始点と終点の予想がつけられるので、構図を決めやすくなるはずです。
オオハクチョウの長い助走距離を利用して、流し撮りも◎。翼のブレをいかしたり、顔にピントを合わせて周囲を流したり、シャッタースピードを変えて撮ってみましょう。
撮影にオススメのスポット
オオハクチョウの基本情報
- 生息環境
-
池 湖沼 海岸 河川 水田(昼間)
- 大きさ
-
約140~165cm
- 鳴き声
-
コォー、コォー
コハクチョウ

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月中旬~翌3月頃(地域により異なる)
- オススメのレンズ
-
150~400mm(餌付け場)
200~500mm(自然環境下)
コハクチョウは全長120cmほどで、オオハクチョウより少し小柄。東北地方を中心に越冬するオオハクチョウに比べ、関東や山陰地方、西日本まで広い地域で見られます。
2種が同じ水辺に集まることも多く、識別にはちょっと迷うかもしれません。
見分け方のポイントはくちばしの黄色と黒の部分。オオハクチョウよりコハクチョウは黄色い部分が小さく、黒い部分が多めです。
また、首もオオハクチョウよりやや短いので、見比べるとややずんぐりした印象です。
生態や食べ物は、オオハクチョウと共通しています。
コハクチョウも朝、ねぐらの水辺を飛び立ち、昼間は周辺の水田などでイネや草の種を採食し、夕方に帰ってきます。
コハクチョウはオオハクチョウより首が短いので、深い場所の水草などを食べるのが苦手です。水田や畑などでは、せっせと食べ物をついばみます。
地域によっては、ハクチョウがエサを取りやすいように冬の水田に水を張っている所もあるそう。泥んこになりながら食事している姿は、自然の中に生きるたくましさを感じさせます。
コハクチョウはオオハクチョウより警戒心が強い傾向にあります。昼間、水田や畑にいるときは人の動きにも敏感になるので、充分に距離をとって邪魔をしないようにしましょう。
家族単位で行動するハクチョウは、つがいの絆が深いのも特徴。
美しいハクチョウの、仲睦まじい姿もぜひ撮影したいもの。ハクチョウのペアの決めポーズといえば、向かい合った二羽が首を曲げ、くちばしを寄せ合ってつくる「ハートの形」。
このポーズはコハクチョウ、オオハクチョウ共通で見ることができます。仲のよいペアを見つけて狙いを絞ってみてください。
ハートの形にならなくても、夕日や朝日が照り返した水面に、寄り添って泳ぐ姿が写るのもよいでしょう。リフレクション撮影は、晴れて水面が穏やかに凪いだ日がおすすめです。
撮影にオススメのスポット
- 天神山公園(茨城県/坂東市)
- 福島潟(新潟県/新潟市)
- 米子水鳥公園(鳥取県/米子市)
コハクチョウの基本情報
- 生息環境
-
池 湖沼 海岸 河川 水田(昼間)
- 大きさ
-
約120~150cm
- 鳴き声
-
コォー、コォー(オオハクチョウより少し低め)

コミミズク

- 撮影のしやすさ
-
- オススメの時期
-
11月下旬~3月下旬
- オススメのレンズ
-
400mm~600mm
コミミズクは秋の終わり、11月頃にツンドラ地方などからやってくる、フクロウの仲間です。
全長は約38cm。日本の森に通年暮らしているフクロウよりもひとまわり小さいですが、翼が大きく、飛ぶとよく目立ちます。
コミミズクにはフクロウの仲間でありながら、特徴的な性質が3つあります。
一つ目は、昼間も比較的活動するフクロウであること。
二つ目は、草地に暮す「草原性」であること。
三つ目は、長距離の渡りをすること。
この3つの性質から、コミミズクはフクロウ類の中でもっとも親しまれている、野鳥カメラマンに人気の鳥です。
開けた場所に全国的に見られ、フクロウの仲間でありながら昼間から活動していて、飛んでいる姿も見つけやすい。大きな翼や鋭い表情の黄色い目も魅力的です。
広い湿地の広がる渡良瀬遊水地などでは、複数のコミミズクが越冬するため、休日には多くのカメラマンが集まります。
コミミズクは見つけやすい鳥ですが、狙ったアングルや背景になるかは別問題。撮影場所の中に杭や低い木があれば、とまるのを待ちましょう。
出現頻度の高い場所には他のカメラマンも集まっていることが多いので、よくとまる場所を教えてもらえるかもしれません。
コミミズクの鋭い黄色い目や、頭の「コミミ」(正確には「羽角:うかく」)を入れた正面顔が撮れると◎。
大きな翼を広げて野原を低空飛行するコミミズクは、ぜひ狙いたいシーンです。とはいえ、飛んでいるコミミズクを撮影するのはやや難易度高め。
広い草原をヒラヒラと飛び回り、Uターンあり、急降下ありで飛行コースの予想がつきません。トラッキングAFや、鳥認識AFなどを活用し、コミミズクの動きに追つきましょう。
また、明るいうちにも活動するとはいえ、基本的にはやはり夜行性です。夕日が傾く頃から、コミミズクの狩りも盛んになります。
夕方の撮影はISO設定をオートにして、明るさの変化に対応できるようにカメラを設定しておくとよいでしょう。
撮影にオススメのスポット
- 渡良瀬遊水地(栃木県/小山市)
- 手賀沼(千葉県/柏市)
- 野辺山高原(長野県/南佐久郡)
コミミズクの基本情報
- 生息環境
-
草原 農耕地 河川敷 湿地帯
- 大きさ
-
約38cm
- 鳴き声
-
ギャアー
まとめ

冬に撮影したい野鳥を10種類紹介しました。紹介した鳥たち以外にも、多くの野鳥たちが秋から冬かけて見られます。
夏の繁殖期には山地にいる野鳥たちも、意外に身近な場所でがんばっている冬。
水辺や冬の藪ではお目当て以外の鳥にも出会えるかもしれません。撮影の際は寒さ対策を万全にし、冬鳥たちとの出会いを楽しんでください。



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