写真家・田中雅美さん解説!野鳥の撮り方Vol.5「野鳥撮影向けレンズの選び方とおすすめレンズ」

  • 2023.12.28
  • 2023.12.28
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(編集:GOOPASS ANIMAL MAGAZINE編集部)

「思うように野鳥写真が撮れなくて悩んでいる」「これから野鳥撮影にも挑戦してみたいけれど、どんな機材を選んだら良いの?」という方は多いのでは?

そこで、FUJIFILMのX-ProphotographerやNHKのネイチャーカメラマンなども務める写真家・田中雅美さんに野鳥の撮影方法やコツをうかがいました。

今回は、野鳥撮影におすすめのレンズの選び方、お気に入りのイチオシレンズなどについて、解説いただいています。

また、田中雅美さんの記事では、毎回撮影テーマに沿った撮影のコツや愛用機材を解説いただきます。

田中 雅美(たなか まさみ)

写真家。自然と動物を静止画と動画ともに撮影。埼玉県在住。作品は主に日経新聞、フジ産経系列で公開。富士フォトサロンを始めメーカー展や企画展にも参加している。雑誌掲載は、写真誌や旅行誌、パンフレット、ポスターそのほか多数。旅行会社のツアーインストラクターや同行撮影も務める。

  

  

F2やF2.8のレンズがおすすめ

F2.8

F7.1

基本的にマイクロフォーサーズまたはAPS-Cカメラを使っています。そのため、レンズは焦点距離200mmくらいを良く使っています。F2やF2.8のレンズはやはり描写が抜群ですね。

基本的には、できる限り明るいレンズで撮影するのが◎。

Panasonic DC-GH5S・Leica DG ELMARIT 200mm f/2.8 Power O.I.S.(35mm判換算:400mm)・F3.2・1/500秒・ISO1250・露出補正:+0.66・モード:絞り優先

フルサイズ対応のレンズでも明るい望遠レンズはありますが、なかなか簡単に買える金額ではない思います。そういった意味で、マイクロフォーサーズは良いですよね。

そのうえ、非常に綺麗に映るので、生き物にはすごく有利だと思います。

レンズの焦点距離は撮影方法で決める

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:150mm)・F6.4・1/400秒・ISO800・露出補正:+1・モード:絞り優先

ベストな焦点距離はどんな撮影方法で撮るかで決まります。

例えば、ブラインドに入って隠れて待つ撮影の場合。レンズの焦点距離はあまり長くなくても撮れることが多いです。焦点距離が短い分、明るいレンズが選べるのも良いですね。

ブラインド撮影

センサーサイズを変えてあげると、安価なレンズでも意外とよく撮れることがあります。ブラインド撮影の人はそういった意味でもすごく有利です。

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:579mm)・F6.4・1/2400秒・ISO500・露出補正:+1・モード:ノーマルプログラム

また、車の中から撮る場合。車の通る道の周辺にいる生き物は、 車に対しての警戒心が少ないので、結構近づいて撮影できます。

車から撮れない時とでは、レンズ選択は異なる!

つまり、「警戒心の強いものを撮るのか」、「人慣れしているものを撮るのか」。はたまた、「ある程度一定の間隔をおけば大丈夫なものを撮るのか」。

撮りたいものと撮り方でレンズ選択は変わってくる、ということです。

野鳥撮影の場合は経験上、焦点距離が長い方が使いやすいですね。被写体を選ばないから。

マイクロフォーサーズ、APS-Cを使うなら、200~400mmのレンズがおすすめです。フルサイズを使う人は800mmまであるものを選んで良いと思います。

カメラが最新モデルでなくてもレンズが良ければ良いものが撮れる

FUJIFILM X-T3・XF200mmF2 R LM OIS WR(35mm判換算:420mm)・F4・1/2000秒・ISO8000・露出補正 :-0.67・モード : 絞り優先

もちろん、最新のものが選べるならレンズは最新のモデルが良いと思います。そうすると、カメラも最新モデルが良いですが、実は良いレンズと組み合わせれば古いモデルのカメラでも良いものが撮れます。

実は今回、FUJIFILM X-T3(現行の最新モデルはX-T5)の作例が多いんですよ。

カメラのモデルが数世代古くても、レンズの組み合わせではなんとでもなる。X-T3との組み合わせなら、『FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR』を選べば問題なしです。

どのボディーを使おうが、この200mmは性能が高すぎるので、ほぼカバーできます。

おすすめレンズとカメラの組み合わせ

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:600mm)・F4.3・1/1500秒・ISO3200・露出補正:+1.33・モード:絞り優先
  • LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.
  • FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR

おすすめは上記の2レンズ。この後詳しく紹介しますが、どちらも素晴らしいレンズです。

『FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR』は、1.4倍テレコン装着で420mmF2.8(35mm判換算)。

『LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.』はマイクロフォーサーズなので、デフォルトで400mmF2.8(35mm判換算)。さらに、1.4倍、2.0倍テレコンがつけられる。800mm相当で撮れて、F値は5.6。

どちらも換算すればヨンニッパ(400mmF2.8レンズの総称)ですね。

使ってすごいなと思ったレンズはどれも200mm!

Panasonic(マイクロフォーサーズ)ならレンズは『LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.』

マイクロフォーサーズなら私はPanasonicを使っています。レンズは『LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.』がおすすめ。

とにかく画質が良く、テレコンバーター(以下、テレコン)を入れても、画質の劣化をほとんど感じません。

テレコンって2倍のものを入れるのに勇気がいりませんか?画質が気になりますよね。

でも、『LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.』なら大丈夫。以前の撮影では、デフォルトで2倍テレコンを入れていました。

Panasonic DC-G9・Leica DG ELMARIT 200mm f/2.8 Power O.I.S.+TC2.0(35mm判換算:800mm)・F5.6・1/800秒・ISO400・露出補正:±0・モード:絞り優先

このレンズなら、テレコンを付けっぱなしにしていても問題ないと思います。レンズ自体が400mm相当にもかかわらず、超小型ですしね。

私は動画も撮影しているので、Panasonic GH-5系ともよく組み合わせて撮影しています。何を撮っても綺麗。かなりレベルが高いものが撮れますよ。

Panasonic DC-GH5S・Leica DG ELMARIT 200mm f/2.8 Power O.I.S.+TC1.4(35mm判換算:560mm)・F4・1/640秒・ISO6400・露出補正:+1.33・モード:絞り優先

FUJIFILM(APS-C)ならレンズは『FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR』

それから、APS-Cなら『FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR』も外せません。

FUJIFILM

フジノンレンズ XF200mmF2 R LM OIS WR テレコンバーター XF1.4X TC F2 WR キット

コンパクトで使い勝手が良く、非の打ち所がない、本当に素晴らしいレンズです。

FUJIFILM X-T3・XF200mmF2 R LM OIS WR+XF1.4X(35mm判換算:420mm)・F2.8・1/1600秒・ISO800・露出補正:+0.66・モード:絞り優先

大変高価なレンズ(公式サイト:943,800円※2023年12月現在)なので、レンタルで使ってみるのも良いかもしれませんね。

この200mmを超えるレンズは簡単に現れないかも

150-600mmのレンズもよく使って撮影しますが、このレンズの足元にも及ばない印象です。

『FUJIFILM XF200mmF2 R LM OIS WR』をつけるボディは、どれを組み合わせも良いと思います。

実際にXSシリーズやXTシリーズも全て組み合わせて使いましたが、どのボディを使っても大丈夫でした。

1.4倍テレコンならデフォルトでつけていてもほぼ画質は劣化しないと思います。外したものと1.4倍テレコンで撮ったものを比べてもほぼ分かりません。

センサーサイズを上手く活用しよう

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:600mm)・F6.4・1/70秒・ISO800・露出補正:+1・モード:絞り優先

どうしても「フルサイズが良い」という方は、各メーカーの看板レンズを使いましょう。

フルサイズだと、カメラ本体・レンズも大きく、重くなりがちです。もちろん、フルサイズもすごく良いのですが、野鳥や生き物を撮影する時はあまり好んでは使ってこなかったですね。

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:150mm)・F4.5・1/30秒・ISO200・露出補正:+1・モード:ノーマルプログラム

その理由は先ほどから説明している通り、マイクロフォーサーズやAPS-Cの画質が向上して、十分綺麗な作品が撮れるようになったから。

そのうえ、撮ったものを後処理をするソフトウェアもずいぶん進化しています。

もうマイクロフォーサーズだけで撮っても正直困らないくらい。生き物の撮影にはすごく向いています。

もう少しセンサーサイズにこだわりたい方は、APS-Cを選びましょう。

さらに上をいきたい方は、フルサイズを選んで良いと思います。ただ、フルサイズまで必要としない人は小さいセンサーをうまく活用する方が◎。

初めての方なら、マイクロフォーサーズでも十分気に入るんじゃないかと思います。

自宅にマイクロフォーサーズで撮影した写真を飾っていますが、それを見た人が「やっぱりフルサイズいいよね」と言っていますね。

純正レンズorサードパーティー製レンズ?

純正レンズでなくても全く問題ありません。AFも十分速いです。カメラに装着できれば何を使っても良いと思います。

SONY α1 ILCE-1・SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports(焦点距離:600mm)・F6.3・1/250秒・ISO200・露出補正:+3・モード:絞り優先

カメラと同様にレンズもフィーリングが大事

FUJIFILM X-T3・XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(35mm判換算:600mm)・F5.6・1/400秒・ISO3200・露出補正:+0.67・モード:露出自動

カメラ選びの時にもお伝えしましたが、自分が使いやすいか、フィーリングが合うかも重要です。

使った感じでなんとなく相棒みたいにぴたっとハマるか。やはり合っていないと、本来上手く撮れるはずのものが上手く撮れなくなってしまいます。

お気に入りのレンズ、カメラこの組み合わせがやっぱり1番良いものが撮れると思います。

これからどんどん、小型化された 素晴らしいレンズが出てくるはず

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LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8/POWER O.I.S. H-ES200

XF200mmF2 R LM OIS WR

フジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM

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GOOPASS ANIMAL MAGAZINE編集部 木村

こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSを展開するGOOPASS株式会社の編集ライター。自社Webメディア『GOOPASS ANIMAL MAGAZINE』の編集スタッフとして、記事制作などを担当する。カメラを使い始めたのは2020年から。愛犬2頭を美しい景色の中で撮影するのが好き。使用カメラは、Canon EOS R6。

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