近年はスマートフォンなどの普及により、写真撮影がとても身近になりました。
そんな中、スマートフォンで撮る写真に物足りなさを感じ、高級コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)やレンズ交換式の一眼カメラを購入する方もいます。
しかし、いざ購入してみたら「写真の撮り方がよくわからない」「スマートフォンで撮る方が綺麗だった」と、カメラでの撮影に満足していない方もいるのではないでしょうか?
今回はそんなカメラ初心者の方に、写真の撮り方と基礎知識を詳しく解説します。
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目次
【写真の撮り方】(1)ボケの特性を理解する

本格的な機材を買ったら、「まずボケ写真を撮ってみたい」と思う方が多いのではないでしょうか。
スマートフォンでもボケが作れる機能が出てきましたが、カメラのボケとは本質が異なり、美しさはやはり一歩及びません。
とはいえ、機材があれば必ずしもボケが作れるわけではなく、押さえるべきポイントがあります。
まずはボケの仕組みや、きれいにボケを作るための要素をまとめました。
写真のボケとは?
ボケとは、ピントが合っていない状態を指す言葉のこと。
意図せずピントがずれた「ピンボケ」とは異なり、撮影においての「ボケ」はレンズの焦点範囲外(前景や背景)を意図的にぼやかす表現の1つとして用いられます。
全体の情報量を減らし、ピントが合った箇所に注目してもらうことがボケ表現の主な目的です。

ボケ具合のことを「ボケ味」といい、前景のボケを「前ボケ」、背景のボケを「後ボケ」と呼びます。
写真のボケにかかわる4つの要素
写真で美しいボケを作るための4つの要素を理解しましょう。
▼ボケを作るために必要な要素
F値(絞り値)

レンズには、円弧状に並んだ羽根からなる「絞り」と呼ばれる機構が存在します。
羽根を広げたり畳んだりすることでカメラへ届く光量を調節し、露光に変化を加えます。
F値(絞り値)を簡単に説明すると、絞り羽根が作る穴の大きさを変える調節度合いのこと。
F値が小さい(絞りを開く)ほど明るくボケの多い写真になり、逆にF値が大きい(絞りを絞る)ほど、暗くボケの少ない写真になります。



- 絞りを開く=F値が低い:ボケ量が増える。取り込む光量が多く写真は明るくなる
- 絞りを絞る=F値が高い:ボケ量が減る。取り込む光量が少なく写真は暗くなる
また、玉ボケ※を作る際にはF値が低いほど玉ボケのサイズも大きくなります。



※点光源でボケを作った際に、丸く円形状になったもの
焦点距離
焦点距離とは、レンズから撮像素子(センサー)までの距離のこと。
焦点距離が短いほど画角が広くなり、長いほど画角は狭くなるため、同じ場所から撮影した場合は後者の方が被写体が大きく写ります。
焦点距離とボケの関係は以下の通りです。


ただし、上記はF値や撮影距離などが同じ場合に限ります。
超望遠レンズになるほどピント合わせがシビアと言われるのは、ピントが合って見える範囲が浅くなるためです。
より背景をボケさせたい場合は、広角レンズより望遠レンズを使用してみましょう。
撮影距離

同じF値、同じ焦点距離であった場合、カメラが被写体に近づけば近づくほど、よくボケます。


ピント面以外を大きくぼかした写真を作りたい場合は、できるだけ被写体に近づきましょう。
ボケが作りにくいと思われがちな広角レンズも、被写体に寄って撮影すると背景にボケを入れることが可能です。
被写体と背景の距離

最後は、被写体と背景の距離です。
「F値を下げても望遠レンズを使っても被写体に近づいてもボケが作れない」という方は、主題とぼかしたい背景との距離を確認してください。
被写体(ピント面)が背景から離れれば離れるほど、大きくぼけます。


大きなボケを作りたい場合は、できるだけ遠くにあるものを背景にしましょう。
▼より詳しい解説は下記の記事をチェック!
【写真の撮り方】(2)撮影モードを使い分ける
カメラには、自動で設定(露出)を決めてくれるオート以外に、さまざまな撮影モードが搭載されています。
思い描いている写真を実現させる近道は、露出をコント―ロルできるようになること。そのために、必要に応じてモードを使いこなせるようになりましょう。
ここではコンデジやレンズ交換式のカメラに搭載されている、代表的な5つのモードの解説をします。
※写真・名称はCanonのものです
AUTO(オートモード)

| F値 | シャッタースピード | ISO |
|---|---|---|
| カメラ | ||
「A+」「AUTO」と表記されるモードです。
F値やシャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなど、すべての設定をカメラが自動で行なってくれます。
初めてカメラを扱う人は、まずこのモードで撮影そのものに慣れるのがよいでしょう。

初心者向けモードとは言われるものの、スナップ撮影などテンポを重視する際にプロでも使用する場合があるほど。
自分で設定するものが無く楽ではありますが、満足のいく仕上がりにならない場面がしばしば出てきてしまうのがデメリットです。
また、ストロボ(瞬間光を出す発光装置のこと)内蔵のカメラでは、設定と状況によってストロボが発光されるため注意しましょう。
M(マニュアルモード)

| F値 | シャッタースピード | ISO |
|---|---|---|
| 自分 | ||
M(マニュアル)モードはオートとは正反対で、F値やシャッタースピード、ISO感度、色温度などすべての設定を自分でカスタマイズできるモードです。

カメラ任せにせず、自分ですべてをコントロールして撮影したい人が使います。
基本的な露出の知識が必須なモードですが、逆にいえば「どの設定にすればどのような写真になるのか」確認しやすく、露出について能動的に学べるモードです。
P(プログラムオート)

| F値 | シャッタースピード | ISO |
|---|---|---|
| カメラ | 自分 | |
ISO感度と被写体の明るさに合わせて、F値とシャッタースピードをカメラが自動で設定するのがPモードです。

Pモードは、まだ露出を自分で決定するのが難しいけれど、カメラ設定に少しずつ慣れたい方におすすめ。
ただし、ボケのコントロールができない点や、動きの速い被写体がブレてしまうなど対応できないシーンがある点は短所です。
尚、プログラムオートにおけるF値とシャッタースピードの決定方法はメーカやカメラによって異なるため、同じISOで同じ被写体を撮っても設定が変わる場合があります。
Tv(シャッタースピード優先モード)

| F値 | シャッタースピード | ISO |
|---|---|---|
| カメラ | 自分 | |
シャッタースピード優先と呼ばれる「S」「Tv」は、シャッタースピードとISO感度、ホワイトバランスを撮影者が設定でき、F値を自動で決めてくれるモードです。

運動会やスポーツの試合、動物や乗り物など動く被写体を撮影したい場合は、高速シャッターで被写体ブレを防ぐ必要があります。
逆に低速シャッターで滝を糸のように表現するときなど、シャッタースピードを調節して撮影するシーンでシャッタースピード優先モードが便利です。
ただし、暗すぎる(または明るすぎる)など状況によっては設定したシャッタースピードではF値が対応しきれず、シャッターが切れない、指定露出にならない場合もあります。
Av(絞り優先モード)

| シャッタースピード | F値 | ISO |
|---|---|---|
| カメラ | 自分 | |
A・Avモードはシャッタースピード以外を自分で指定できるモードで、F値・ISO感度・ホワイトバランスなどを好みの設定にできます。

前述のボケ味を活かした写真を撮影するなら、このモードがおすすめ。
ポートレートやスナップ、風景写真などさまざまな場面で使用頻度の高いモードです。
ただし、シャッタースピードは自動なので環境によっては手ブレが発生するシャッタースピードになっている場合があります。
適宜シャッタースピードも意識しながら、手ブレしないギリギリの数値を探りましょう。
最後に、各撮影モードの設定できる項目と自動設定の項目をまとめました。
| F値 | シャッタースピード | ISO感度 | |
|---|---|---|---|
| オート(AUTO) | カメラ | カメラ | カメラ |
| マニュアル(M) | 自分 | 自分 | 自分 |
| プログラムオート(P) | カメラ | カメラ | 自分 |
| シャッタースピード優先(Tv,S) | カメラ | 自分 | 自分 |
| 絞り優先(Av,A) | 自分 | カメラ | 自分 |
▼さらに詳しい解説は下記の記事をチェック!
【写真の撮り方】(3)代表的な構図を知る
カメラ初心者だと構図を考えずなんとなく写真を撮っている方も多いのではないでしょうか?
写真を上手く撮るには代表的な構図を知っておくことも大切です。ここでは代表的な構図を5つ紹介します。
三分割構図

三分割構図は写真を縦と横に3つずつ分割し、その分割線上の交点に被写体を配置する構図です。
被写体が複数の場合は複数ある交点に被写体を配置すると、バランス良く写すことができます。
電子ビューファインダーや液晶画面にグリッド線を表示できる機材が多いので、表示しながらの撮影がおすすめ。
人物や動物であれば目線の先に、花であれば開花している方向に余白を作ってあげると安定感のある写真に仕上ります。
日の丸構図

日の丸構図は、その名の通り被写体を写真の中央に配置する構図です。
素人写真と思われがちですがプロの現場でも使用され、被写体を引き立てたりインパクトを与えたりする効果のある構図です。
単純な分、背景には気をつけなくてはいけません。
背景がごちゃごちゃしていると主題が伝わりづらく、なんとなく撮った写真に見えてしまうので背景はシンプルにすることがポイントです。
四分割構図

三分割構図に1つ分割線を足したものが四分割構図です。
四分割構図のメリットは、三分割構図よりも被写体を外側に配置できるため余白のスペースを広く取ることができ、表現の幅が広がる点。
空や海、山などを広がりのある風景写真でよく使われます。三分割構図では窮屈に感じるときには一度試してみてください。
対角構図

対角構図は写真を対角線で分割する構図です。 分割線が水平ではなく斜めであることにより、写真に動きやリズムがうまれるのが特徴です。
また、視線を手前から奥に誘導できるため、奥行きが出しやすい構図でもあります。
必ずしも対角線でなくてよいので、画面上に斜めの線を描くのを意識してみるとよいでしょう。
放射線構図

放射線構図は写真上のある1点から、いくつもの線が放射状に伸びて見える構図です。
こちらも写真に奥行き感や広がりを持たせるのに効果的な構図で、最終的に被写体に視線を集めることができます。
街並みや建物、鉄道、道路などの人工物が放射線を作りやすいのでロケーションを意識してみましょう。
▼構図に関しては詳しく知りたい人は下記の記事をチェック!
おしゃれな写真の撮り方のコツ

「被写体はおしゃれなはずなのに、なぜか映えない……」そんな悩みはありませんか?
ここでは、写真の見栄えが上がる4つのコツを紹介します。写真技術も向上するので、毎回意識してみましょう。
自然光を活かす
カメラ初心者が陥りやすいミスの1つが「ライティングの失敗」。特に室内撮影で十分な露光が得られない場合が挙げられます。
しかしライティングは奥が深く、フラッシュを使い自分で光をコントロールするのは大変です。
そのため、まずは簡単に使える自然光(太陽光)を有効活用しましょう。
例えば、カフェでテーブルフォトを撮影するときは奥まった席ではなく、窓際の自然光が入りやすい席を選ぶと露光不足になりません。


※写真はイメージです
自然光は室内照明と比べとても明るいため、撮影の際にISO感度を低く設定しやすく、ノイズを押さえた写真を撮影できます。
自然光を入れる注意点としては、強すぎる光を直接画角に入れてしまうと、フレアやゴーストなどの反射が起きてしまう点です。特に屋外撮影では注意しましょう。
▼屋外で自然光を生かす際の注意点
交換用レンズを使い分ける
レンズ交換式カメラの場合、シーンや被写体に合わせてレンズを使い分けるのがおすすめです。
もちろん標準のズームレンズでも撮影は可能ですが、少しステップアップしたい場合は被写体に合わせて単焦点レンズを使用してみてください。
単焦点レンズはズームレンズよりも開放F値が低いものが多いため、より明るくたくさんのボケを作れます。
また、ズームレンズでも単焦点レンズでも、撮影時には焦点距離と画角を意識してみましょう。


広角レンズはパース感のある写真に、望遠レンズは遠近感の薄れたダイナミックな写真が撮れるなど、焦点距離によって同じ被写体も印象が変わります。
「自分の撮りたい写真はどれくらいの焦点距離で撮ればいいか」がイメージできるようになると、自然と魅せる写真の撮り方が身についていきます。
▼単焦点レンズに関する詳しい解説はこちらをチェック
構図やアングルに意図を持たせる
ただなんとなく撮っているだけでは、おしゃれな写真にはなりません。
まずは前述の構図を参考に、構図やアングルを考える習慣をつけてみてください。
撮影の際に「何をどう見せたいからこの構図にするのか」意識するのが、写真上達の近道です。
また、今はインターネットやSNSでさまざまな作例を探せるようになりました。撮る予定の被写体の作例を探して、まずは真似をしながら学んでみましょう。
GOOPASSのアプリではインスタグラマーやフォトグラファーの作例写真を見ることができます。ぜひ写真撮影に活用してみてください。
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撮影グッズを使いこなす
機材や撮影テクニックだけでは、どこか物足りない仕上がりになってしまうこともあります。
たとえば照度が足りない場合や、日の出など画面内の明暗差が激しすぎるシーンなど。
そのようなときは、撮影グッズを活用して+αの写真を目指しましょう。
レフ板や、光を補うストロボ(スピードライト)、レンズに装着して入射光を調節するフィルターなど、グッズはさまざまです。

特に物撮りは、撮影ボックスや背景布など撮影以外の点も工夫すると、写真のクオリティが向上します。
▼ストロボに関してはこちらの記事をチェック!
シーン別のおすすめ撮影テクニック

撮りたい被写体やシーンが決まっている方は、シーン毎の撮影テクニックを知っておくことで、さらに表現の幅が広がります。
ポートレート

ポートレートの際に気を付けるべき基本的なポイントは「構図」「背景」「光」の3つ。
まず、構図は三分割構図がおすすめです。分割した交点にモデルの顔や瞳が来るように配置すると、安定感が得られます。
そして、背景はモデルを引き立てる重要な要素です。雑然とした背景は避け、色味やトーンが調和する場所を選びましょう。
絞り優先モードやマニュアルモードでF値を低く設定し、ボケを作ると被写体が際立ちます。

屋外で撮影する際は、曇りの日や朝夕の柔らかい光を利用するのが理想的。
晴天の場合はモデルの後方から光があたる逆光かサイド光で撮ると、被写体が眩しすぎず自然な表情で撮影できる以外にも、立体感のある画作りができます。
▼さらに詳しい解説は下記の記事をチェック!
風景

風景撮影では「構図」「光」「時間帯・天気」が重要なポイントです。
構図は前半で説明した5つの構図をうまく使い分け、被写体をバランスよく配置できるよう心がけてください。
中でも、三分割構図を中心に前景・中景・遠景の三層構成を意識して奥行きを作ると、風景の広がりや雄大さや伝える写真が撮れます。

また、光の当たり方・差し込み方によっても写真の雰囲気は左右されます。
カメラの後ろに太陽がある順光の場合はくっきりとした青空になったり、反対の逆光では光芒や明暗差を描写できたりとイメージが変わるので、思い描く写真に近づけられるよう何度も挑戦してみてください。
そして風景撮影は時間帯や天気でも雰囲気が変わります。
特に日の出・日没前後30分の「ゴールデンアワー」と呼ばれる時間帯は、柔らかな光と幻想的な空の色によってドラマチックな描写が可能です。
限られたタイミングを狙うので、撮影場所には早めに到着する癖もつけておくとよいでしょう。
▼さらに詳しい解説は下記の記事をチェック!
スナップ写真

スナップ写真とは目に飛び込んできたものを、瞬時に撮る写真のこと。
作り込まずにその場の雰囲気で撮るため、被写体のありのままの姿を写すことができ、撮影者にとっても気軽に挑戦できる撮影方法でもあります。
スナップは移動をしながらの撮影が基本なので携帯性と機動力に優れたコンパクトな機材がおすすめ。とにかく軽快にたくさんシャッターを切るのが上達のコツです。

いかにテンポよくシャッターチャンスをものにできるかがスナップ撮影のポイントであり、ときには動きの速い被写体を撮るかもしれません。
プログラムオートやシャッター優先オートを使いながら、咄嗟の状況でも露出不足や被写体ブレをおこさないよう対応してください。
最初のうちは便利なズームレンズを使い、好みの画角を見つけたらよりコンパクトな単焦点レンズでこだわっていくとよいでしょう。
▼スナップ撮影におすすめなレンズをチェック!
スポーツ

スポーツ撮影で重要なポイントは、いかにして被写体にピントを合わせ、シャッターチャンスを逃さないかという点。
そのため、「シャッタースピード」「オートフォーカス」「連写」の3点を意識して撮影しましょう。
シャッタースピードは、被写体ブレを防ぐ場合は1/500~1/1000秒ほど、あえてブレを作って躍動感を出すときや流し撮りをするときは1/320秒以下にするなど、競技や撮影意図によって変更します。

ただし、シャッタースピードが速いと露光不足になりやすい点や、ISO感度が上がり過ぎて画面がザラザラするノイズが出やすい点は要注意です。
また、AFは必ずオンにして、プレーヤーの顔にピントが合うように顔認識や瞳AFを利用しましょう。
決定的な瞬間を逃さないために、高速連写モードはONにして撮影してください。
▼さらに詳しい解説は下記の記事をチェック!

子どもの試合をスマホで撮ったのに、選手が米粒のように小さい。 動きの速い場面ではブレブレで、がっかりした経験はありませんか? わかります、その気持ち。 本記事では...
GOOPASS SPORTS MAGAZINE写真の撮り方を習得して脱初心者を目指そう!

写真は「これをやれば必ず上手く撮れる」という正解がありません。そのため、今回紹介したテクニックを実践してもすぐには上手く撮れないこともあります。
まずは今回紹介した内容を意識しつつ、自分の好きなフォトグラファーや写真家の作品見て真似するところから始めてみてください。
1枚1枚考えながら撮影することで、テクニックを身につけ魅力的な写真に近づくはずです。









