カメラを勉強していくと、レンズに関する用語として出てくるのが「焦点距離」。

簡単にいってしまえば「どれくらいの画角で撮影できるか」ということですが、より突き詰めていくとセンサーサイズやF値とも関係してきます。

聞きなじみのない言葉だとは思いますが、焦点距離は撮影するときやレンズを選ぶときに確実に知っていなくてはなりません。そのため、早い段階で頭に入れておきましょう。

そこで今回は、焦点距離の基礎知識やほかの要素との関係まで徹底解説します。

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焦点距離の基礎知識

焦点距離の基礎知識

まずは、焦点距離の基礎について学びましょう。ここでは、画角との関係と最短撮影距離について解説します。

焦点距離と画角

カメラの焦点距離

レンズにおいて、まず理解しておきたいのが焦点距離と画角の関係です。

焦点距離とは、被写体にピントを合わせた際のレンズの中心から撮像素子(イメージセンサー)までの距離のこと。そして、画角とは写る範囲を角度で示したもので、焦点距離と相互関係にあります。その関係は、以下の通り。

  • 焦点距離が短くなるほど広角になり、画角は広くなる。
  • 焦点距離が長くなるほど望遠となり、画角は狭くなる=遠くの被写体を大きく写せる。

レンズの焦点距離別画角の目安

レンズの画角は、焦点距離によって広角・標準・望遠などに分けられますが、明確に区別する基準が決められているわけではありません。

しかし、単焦点レンズでは標準画角を焦点距離50mmとし、広角レンズは35mm以下、望遠レンズは85mm以上とすることが一般的です。

それ以外にも焦点距離が24mm以下を超広角レンズ、標準と望遠の中間は中望遠レンズと呼ばれることもあります。また近年では、焦点距離35mmを標準画角として扱う動きもあり、基準は人によって実に様々です。

ズームレンズも、焦点距離に応じて広角・標準・望遠の3種類に分かれます。広角ズームが12-35mm、標準ズームが24-100mm、望遠ズームが70-400mmに収まる焦点距離が一般的です。

焦点距離と最短撮影距離の違い

焦点距離は、レンズの中心点から撮像素子(イメージセンサー)までの距離で、画角に関係します。

それに対し最短撮影距離は、被写体から撮像素子(イメージセンサー)までの距離のこと。一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラには、ボディ上部に撮像素子の位置を示すマークが記されていることがあります。

そこから測った最短撮影距離が短いほど被写体に近づくことができ、大きく撮影できます。テーブル上の料理や花の写真を撮りたい人などは、最短撮影距離が短いレンズがおすすめです。

注意点としては、単焦点レンズでは焦点距離を変えられないため、最短撮影距離も変わりませんが、ズームレンズは焦点距離を変えると最短撮影距離も変わることがあります。

また、最短焦点距離を、レンズ先端から被写体までの距離を示す「ワーキングディスタンス」と混同することが多いため、間違えないようにしましょう。

焦点距離とセンサーサイズの基礎知識

焦点距離とセンサーサイズの基礎知識

焦点距離と画角の関係がわかったところで、次はセンサーサイズとの関係です。自分の使っているカメラのセンサーサイズに関して覚えておくとよいでしょう。

主なセンサーサイズ

センサーサイズ

現在カメラに使われているセンサーサイズは、主に以下の5種類あります。

  1. イメージセンサーの基準となっている「フルサイズ」
  2. デジタルカメラで最も採用されている「APS-C」
  3. マイクロフォーサーズマウントのカメラに採用されている「4/3型」
  4. コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)などに多く使用されている「1型」
  5. フルサイズより大型の「中判」

スマホでは、それらより小型の「1/3型」や「1/2.3型」が多く採用されています。

レンズの焦点距離とセンサーサイズの関係

センサーサイズが変わると、レンズの焦点距離自体は変化しないものの、画角が変わってしまうので、実質焦点距離が変化してしまいます。

焦点距離の基準は、イメージセンサーの基準と同じく「フルサイズセンサー」に対応したレンズの値です。焦点距離の値が同じでも、それよりセンサーサイズが小さくなるごとに画角は望遠、大きくなるごとに画角は広角になっていきます。

センサーサイズが大きいことによるメリット

センサーサイズが大きいことによるメリットは、主に2つあります。

まずは、高画素化しやすいこと。イメージセンサーには光の情報を取り込む「画素」が敷き詰められていますが、その画素を多く配置することができます。

そして、効率よく光が取り込めること。センサーサイズが大きい方が受光面が広く、たくさん光を取り込むことが可能なため、光が少ない暗い場所でも小さいイメージセンサーより有利です。

また、センサーサイズが大きいことで画素ひとつひとつの画素ピッチ(サイズ)が大きくなり、明暗差の大きなシーンでも階調豊かな写真が撮影できます。

35mm判換算の焦点距離の計算式(求め方)

35mm判とは、Leica(ライカ)が採用していたフィルム規格で、現在ではイメージセンサーのフルサイズが同じサイズに該当します。

なぜフルサイズがイメージセンサーの基準になっているかというと、Leica(ライカ)が一眼レフカメラを開発したメーカーだからです。

フルサイズ以外のセンサーサイズに対応したレンズの焦点距離は、フルサイズ対応レンズの焦点距離と同じ値「35mm判換算」に直すことができます。

計算方法は、以下の通り。

  • レンズの焦点距離×センサーサイズごとの倍率=35mm判換算

センサーサイズごとの倍率は、以下の通り。

センサーサイズ倍率
フルサイズ1倍
APS-C(キヤノン以外)1.5倍
APS-C(キヤノン)1.6倍
4/3型2倍
中判0.8倍

たとえば、4/3型センサーを搭載したマイクロフォーサーズマウントのカメラで35mm判換算の焦点距離の計算をしてみると、以下のようになります。

4/3型対応のレンズの焦点距離25mm×4/3型センサーの倍率2倍=35mm判換算50mm

つまり、マイクロフォーサーズマウントのカメラに装着する場合は、25mmのレンズが標準レンズということです。

焦点距離とF値の基礎知識

焦点距離とF値の基礎知識

さらに、焦点距離とF値も相互に関係しています。どちらもレンズを選ぶ際に必要な値なので覚えておくとよいでしょう。

F値とは

絞り値とも呼ばれ、光を取り込む量を示す値です。レンズの内部には絞り羽が搭載されており、開閉することで光量を調整するとともに、ピントの合う範囲「被写界深度」にも影響を与えます。F値を変えた際の変化は、以下の通り。

  • F値を小さくすると、多くの光を通す(また、被写界深度が浅くなり、ピント面以外がボケる)
  • F値を大きくすると、光を通す量が減る(また、被写界深度が深くなり、全体にピントが合うようになる)

設定できる最小のF値は「開放F値(開放絞り値)」と呼ばれており、レンズごとに値が異なります。

レンズの焦点距離とF値の関係

レンズのF値は「焦点距離÷有効口径」で求めることができます。そのため、焦点距離とF値の関係は以下の通りです。

  • 同じ焦点距離でも、有効口径が大きいとF値は下がる。
  • 同じ有効口径でも、焦点距離が短いとF値は上がる。

ただし、ズームレンズの中には焦点距離を変えても開放F値が変わらないモデルもあります。また、よく有効口径をフィルター径と混同することがあるため、注意しましょう。

ズームレンズと単焦点レンズについて

ズームレンズと単焦点レンズについて

この2種類のうち、特に単焦点レンズは一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを買わないと、耳にすることがない用語だと思います。

2つの特徴は明確に違うため、しっかり覚えて状況に応じて使い分けをしましょう。

レンズのラインナップについて

レンズには、ズームできる「ズームレンズ」とズームできない「単焦点レンズ」の2種類があります。さらに単焦点レンズは、マクロレンズ・ティルトシフトレンズ・ミラーレンズ・トイレンズなど、様々な種類に細分化可能です。

単焦点レンズの特徴

単焦点レンズは、ズーム機構を持たないレンズです。

そのため、レンズ内部の機構を複雑化しなくてよく、内部レンズの枚数が減らせるため、クリアな描写で撮影できます。また、鏡筒を短く設計できるため、レンズの中心から撮像素子(イメージセンサー)の距離も短くなり、開放F値の低い明るいレンズが多いことが特徴です。

スマホでは、大型のズーム機構は搭載できないという理由から、基本的に単焦点レンズが搭載されています。

ズームレンズの特徴

ズームレンズは、その場にいながら画角を変更できる利便性が特徴です。そのため、初心者向けのエントリーモデルのレンズキットには、基本的にズームレンズがキットレンズとして付属されています。

ただしズーム機構分、構造が複雑化するため、単焦点レンズより開放F値は低く、描写力もわずかに劣ります。

カメラ初心者には単焦点レンズがおすすめ

カメラ初心者の方には、単焦点レンズがおすすめです。理由は2点あります。

1.美しいボケの写真が撮れる。
2.写真撮影の練習になる。

まず、単焦点レンズは開放F値がズームレンズより低いものが多いため、ズームレンズよりボケ味が深い写真を撮れます。スマホカメラやコンパクトデジタルカメラからステップアップしても開放F値が高めなキットレンズでは、そこまでボケ味が深い写真が撮れません。

おそらく、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを買うとしたら、SNSなどで見た美しいボケの写真を撮りたいという可能性が高いと思います。単焦点レンズなら、その希望を実現できるでしょう。

また、単焦点レンズは写真の練習にもなります。ズームができず、覗いたまま自分が動いて画角調整しなくてはならないため、その焦点距離での被写体との距離感や画角感を身に付けることが可能です。さらに開放F値が低いため、F値の選べる幅が広く、変更することによる表現の幅も広がります。




50mm単焦点レンズの魅力

50mm単焦点レンズの魅力

焦点距離50mmのレンズというのは、一般的に「標準レンズ」と呼ばれています。その理由は、人間の視野に近い自然な画角と言われているからです。

ファインダーを覗いた際に見たままの画角感で撮影できるため、撮影自体がしやすく、写真を見ても違和感を感じないとされています。

そのため、スナップ撮影に用いられることが多く、日常をそのまま切り取るのに便利です。また、画角と単焦点レンズ特有の開放F値の低さから、モデルを引き立てたいポートレート撮影にも適しています。

Nikon(ニコン)・Canon(キヤノン)などのカメラメーカーやSIGMA(シグマ)・TAMRON(タムロン)などのレンズメーカーは単焦点レンズの魅力を知ってもらうために、中でも初心者が扱いやすい標準レンズを比較的安価に販売しているため、コストパフォーマンスの高さもおすすめできるポイントです。

▼おすすめの50mmレンズは下記をご覧ください。

さまざまな焦点距離のレンズ

35mmの単焦点レンズ

50mmの単焦点レンズ

70-200mmのズームレンズ

85mmの単焦点レンズ

100mmの単焦点レンズ

135mmの単焦点レンズ

300mm超の望遠レンズ

600mmに対応する超望遠レンズ

レンズをレンタルしてお気に入りを見つけよう!

単焦点レンズをレンタルしてお気に入りを見つけよう!

焦点距離について、理解できましたでしょうか。

焦点距離は撮影したい被写体に応じてレンズを選ぶ際、絶対に必要な指標です。理解していないとレンズ選びの際、特にズームができない単焦点レンズでは失敗する可能性が出てきてしまいます。

そのため、まずは実際にレンズを使ってみて、自分のイメージに合った画角やボケ表現ができるかなど、様々試してみないといけません。

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