タムロンが発表した新作レンズ『17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)』。
技術大国の日本で古くから現代に至るまで、絶え間なくレンズを作ってきたメーカーの底力を感じるこのレンズのレビューを書かせていただきます。
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目次
Xマウントへの参入と新レンズの特徴
同社は2021年にXマウントレンズ18-300mm F/3.5-6.3 Di Ⅲ-A VC VXD (Model B061)を発表し、FUJIFILMのXマウントへの参入を果たしています。
一本目のレンズは高倍率ズームレンズで広角から望遠までを一本で撮り切る、TAMRONの強みを活かしたレンズでした。
一方で、今回は広角域から中望遠域までをF2.8通しという明るさでカバーしています。
フルサイズ換算で25.5mm-105mmという日常使いから、旅先での撮影まで天候や時間にとらわれない使い勝手の良さを実現したレンズです。
TAMRONからのメッセージ
TAMRONが掲げるブランドメッセージに”Human Focus 焦点は、いつも人。”という理念があります。
写真を撮影する方々に快適な撮影体験を。
この理念に基いた物作りが今回のレンズにももちろん投影されていて、気持ちよく使える一本です。
単焦点ではなく、あえてズームレンズで明るさと解像度を確保しています。
使い勝手の良さと性能をトレードオフにしないところに物作りに対する精神を感じるレンズです。
FUJIFILM特有の機能、フィルムシミュレーションと焦点距離の自由度の相性が良く、カメラやレンズを取っ替え引っ替えせずともあらゆる写真が撮れる点からも撮影体験の快適さと面白さを追求する姿勢が感じられます。
17-70mm F/2.8の性能
F2.8でフルサイズ換算25.5mm-105mmというのはよくよく考えてみると驚異的な性能です。
一般には標準ズームというと、もう少し狭い範囲のズームレンズを連想する方も多いのではないでしょうか。
僕も最初に話を聞いたときに、そのズームレンズならF値は4では?と思いました。
担当の方のメールの文面の打ち間違えを疑ったくらいです。
届いたレンズをX-E4に装着して表示されたF2.8をみて思わず唸ってしまいました。
それでは作例を交えつつ特徴をみていきましょう。
緩やかなボケで質感を残す

X-E4, 32mm, 1/500, f2.8, ISO200
開放F値2.8という性能が可能にする緩やかなボケは、溶ける様な極端なボケではなく、ボケつつも質感を残すことができます。
背景はピント面から距離を取ってしまえば、ある程度強制的にボカすことができますが、前ボケは開放値の影響を色濃く受けるもの。
このレンズはしっとりとした甘いボケの中にしっかり葉の質感を残してくれます。
街角で気軽に撮った一枚にも奥行きが宿りますね。
硬い質感も違和感のない感触に

X-E4, 44mm, 1/2000, f2.8, ISO200
こちらは道端で見つけた花の写真ですが、背景の壁とはそう距離はありません。
それでも空気孔の金属の線が綺麗にボケています。
ピント面の解像度の高さとこのボケの両立が立体感を演出していますね。
気になったものを気軽に撮れるというのはこういった点からも感じることができます。
高い解像度のピント面

X-E4, 17mm, 1/30, f5.6, ISO200
シャッタースピードを上げ忘れたまま撮影した一枚ですが、シャープに撮ることができました。

これは上の写真の一部をLightroomで300%まで拡大したものです。
驚くことにピント面がこの拡大率でも綺麗に写っています。
このピントが合っている位置のシャープさと、柔らかいボケの両立がこのレンズ特有の立体感の表現に一役買っていますね。
MTF曲線からもみてとれますが、中心はもちろん周辺に至るまで高い解像度を保ちます。構図の自由度を約束してくれる高い描写力を持っています。
新時代の標準ズームを定義する換算25.5mm-105mm
ダイナミックな描写が可能

X-E4, 17mm, 1/250, f2.8, ISO160
17-70mmはAPS-Cセンサーで使用するとフルサイズ換算で25.5-105mmになります。
広角的な表現と中望遠的な表現が一つのレンズの中に共存しています。
上の写真の様にパースを活かすことで、広い写真が簡単に撮影可能です。
望遠側では圧縮効果を引き出せる

X-E4, 70mm, 1/180, f2.8, ISO800
一転して70mm側では中望遠として優れた一面を見せてくれます。
被写体が浮き出る様なボケ具合は秀逸の一言に尽きるのではないでしょうか。
従来、この2枚の写真を撮ろうと思えばレンズを交換するのがこれまでの常識かと思います。
少なくとも自分は70mm付近と100mm付近の圧縮効果では程度は違うと考えているので、ここまで圧縮できるのは素直に嬉しいと思います。
また背景の玉ボケの丸さもポイントです。
絞り羽根の綺麗な円形を伺わせます。
中望遠レンズは便利ながら、重いものが多く、標準レンズと一緒に持ち歩くには荷物になるケースが多いです。
使用するシーンも限定的になりがちですが、それでもそれでしか撮れないものがあるから、と持ち歩いている方も多いのでは。
このレンズで中望遠域までカバーしてくれるので、負担なくテンポのいい撮影を可能にします。
このレビュー期間は連日雨で、レンズ交換するには向かない天候でしたが、このレンズ一本で様々な作例に挑戦できました。
両極端な二刀流ではない万能感

X-E4, 24mm, 1/500, f3.2, ISO200
広角側と望遠側のパースや圧縮効果以外に、標準域での表情が豊富な点もこのレンズの特徴かと思います。
こちらの写真は、ポートレートやスナップで重宝される焦点距離・35mm付近。
広さを活かしつつも派手な演出にはならない普遍的な写りはフォトグラファーにとって嬉しいものです。

X-E4, 34mm, 1/180, f3.2, ISO1000
こちらは34mm、換算でほぼ50mmです。
当然キングオブ標準とも言える焦点距離も内包していて死角がありません。
17mmから70mmまで連続する単焦点レンズを使っている様な気持ちにさせてくれます。
いちいちレンズを交換することなく、スマートにあらゆる表現に対応し即座にシャッターを切らせてくれました。
25.5mmや105mmといった特徴的な焦点距離のみならず、安定した標準域と明るさの組み合わせにはまさにHuman Focusの精神とものづくりに対するこだわりが宿っています。
圧倒的な寄る力

X-E4, 70mm, 1/500, f2.8, ISO640
このレンズにはもう一つ特徴があります。
それが、最短撮影距離の短さ。
簡単に言えば、被写体に寄って撮ることが可能です。
具体的には広角側で最短撮影距離が0.19m、望遠側で0.39m。
広角から望遠までの使い勝手の良さに加えて、クローズアップまで撮れてしまいます。
これは最早、一体何ができないんだという次元です。
ここでも明るい開放値がブレの防止に貢献します。
ズームによる長い焦点距離の可変と、寄って撮れる魅力を備えた明るいレンズ、文字にしてみると尚更死角が見えないです。
感触
実際にこのレンズを手に持つと、軽くはないです。重さが530g。
しっかり握ることでホールド感はありますが、人に寄っては重いと感じることはあると思います。
しかし、このレンズはできることがとても多いです。
単焦点レンズとズームレンズをそれぞれ持って行くことを考えると、多少重くても数本を合計するよりは軽いはず。
またレンズ交換も不要になればその分ストレスなくサクサク写真が撮れます。
タムロンが魅せるこの挑戦的な新しいレンズを是非使ってみてください。
作例写真

X-E4, 17mm, 1/250, f2.8, ISO200

X-E4, 17mm, 1/250, f2.8, ISO200

X-E4, 70mm, 1/250, f2.8, ISO200

X-E4, 37mm, 1/1000, f5.0, ISO200

X-E4, 17mm, 1/125, f4.0, ISO640
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TAMRON(タムロン) 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) [フジフイルム用]


17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) [フジフイルム用]
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