GOOPASS MAGAZINEをご覧の皆さんこんにちは、フォトグラファーの山下貴久です。
今回はSONY α6700 ILCE-6700 のレビューです。
2024年7月時点で、SONYのAPS-Cセンサー最上位の高性能カメラです。
前のモデルから約4年の時間をおいて登場したα6700はどんなカメラに進化したのか?
さまざまなシチュエーションで実写しながらレビューしていきます。
購入する前にレンタルで試すこともできます。
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α6700 ILCE-6700 ボディ [ブラック]
目次
執筆者プロフィール

山下 貴久(やました・たかひさ)
フォトグラファー。日本最大級のカメラ専門店勤務を経て、2018年にフォトグラファーとして独立。ビジュアルの力でひと・もの・ことの魅力を伝えることをテーマに活動中。得意ジャンルは、イベント、カンファレンス、ブライダルなど多岐にわたる。
また、現在はフリーランスとして活動する一方、GOOPASSスタッフの一員として、機材管理や商品開発を担当。これまでに2000種類以上の機材を使用しており、一眼レフ・レンズから、ライカやオールドレンズ、動画機材まで幅広くカバー。
豊富な知識と経験をもとに、カメラのお悩みや最適な機材の提案など、お客様の『思い出をより自分らしく残すこと』をサポートしている。
α6700の特徴
α6700はSONYのAPS-Cセンサーのミラーレスカメラです。
商品展開のポジションとしては、2024年7月現在でAPS-C機の最上位機、最新のスペックを誇ります。
部分的には同時期に販売されているフルサイズカメラを上回る性能もあり、どんな被写体にも対応できる懐の深さが魅力です。

画質の中核となるセンサーは読み出し速度の速い約2600万画素のAPS-C裏面照射型Exmor Rセンサーを採用することで連写性能が向上しています。
画像処理はα7 Ⅳなどのフルサイズ機に採用されている BIONZ XR と最新世代機が搭載されたAIプロセッシングユニットによって被写体認識と最適なAFを実現しました。
AF性能については記事中でじっくり解説します。
動画性能についても妥協がありません。
最高4K120pのハイスピード撮影やS-Cinetoneの採用など動画専用のFX30と同等の機能です。
静止画でも動画でも妥協なく高性能を凝縮した最上位モデル。
これがα6700の特徴です。
| 製品名 | SONY α6700 ILCE-6700 |
| 発売日 | 2023年7月28日 |
| マウント | α Eマウント |
| センサーサイズ | APS-C |
| 有効画素数 | 2600万画素 |
| 動画サイズ | 4K/120fps |
| 常用ISO感度 | ISO100〜32000 |
| シャッタースピード | 電子:1/8000〜30秒 メカニカル:1/4000〜30秒 |
| 連続撮影速度 | 最高約11コマ/秒 |
| 液晶モニター稼働方式 | バリアングル液晶 |
| 外形寸法 | 122.0x 69.0×75.1mm |
| 重量 | 約493g |
| その他 | ボディ内手ブレ補正搭載、USB Type-C対応 |

α6700 ILCE-6700 ボディ [ブラック]
α6700の作例、実写でレビュー
ここからは撮影しながらの使い心地をレビューします。
スペックだけではなく、使い勝手や画質について3つのシチュエーションで紹介します。
スポーツ
草野球で撮影してみました。
レンズは 「E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS SEL70350G 」です。
撮影のコツや設定は「野球を上手に撮影する方法!撮り方のコツを伝授」の記事で紹介しているのでぜひご覧ください。

E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS SEL70350G

α6700はスポーツを撮影するのに十分なスペックを持っています。
連写速度は1秒あたり約11コマあるのでシャッターチャンスに強いです。
しかもメカシャッター、電子シャッターともにAF/AE追従で約11コマなので動きが激しい被写体でもピンボケしづらくなっています。
初心者の方でカメラに不慣れだからという理由でエントリー機を選ぶ方もいますが、スポーツ撮影は機材への依存度が大きい撮影ジャンルです。
最初から連写やAFに強い機種を選んだ方が快適に失敗なく撮影できます。
α6700はコンパクトなサイズにハイスペックな機能が凝縮されているので初めてのスポーツ向けカメラとしてもおすすめです。
自分の腕前が上達してもしっかり応えてくれるAPS-C最上位モデルとしてふさわしい仕上がりになっていると感じました。

他の機種に対して大きくアドバンテージになっているのはAF(オートフォーカス)です。
SONYのカメラはAFに強い機種が多いのですがその中でもα6700は抜きん出ています。
最新世代であるα7R Vに搭載されている「AIプロセッシングユニット」がAPS-Cセンサー機として初搭載。
被写体を画像認識して骨格や姿勢の動きからAFを最適に行なう機能です。
もちろん顔認識や瞳認識AFとの併用も可能です。
スポーツを撮りたい方でSONYを使いたい場合は「AIプロセッシングユニット」搭載機を強くおすすめします。フルサイズであればα7R V、α7C II、α9 IIIに搭載されています。


APS-C機は望遠の撮影に有利になります。
α6700はボディも小型にまとまっていて、フルサイズ用のレンズを使うこともできます。
普段はフルサイズ機を使っている方でも、スポーツ専用機としてα6700を使うというのもおすすめの使い方です。
街歩き
小型軽量を活かしてみようと街に繰り出しました。
スナップのようにさっと取り出してさっと撮るスタイルには小さいカメラが適しています。
カメラの小ささを活かせるようにレンズは以下の2本を選んでみました。

E 15mm F1.4 G SEL15F14G

18-50mm F2.8 DC DN [ソニーE用]

水平垂直に気をつけながらさっとスナップ。
画面右側の窓から差し込む日光が右から左にグラデーションになっているのが気持ちいいですね。
直線が多い被写体を撮る際はカメラの画面にグリッド線を出したり、内蔵の水準器を使うと水平垂直が撮りやすくなります。
建築物を撮る際は活用してみましょう。

シャッタースピードを長めにして人の流れをぼかしてみました。
ボディ内手ブレ補正が効くので1/15程度のシャッタースピードなら問題なく撮影できます。
こう撮りたいという要求にしっかり応えてくれる頼もしさを実感します。

ダイナミックな表現は広角レンズの得意とするところです。
ビルに挟まれた場所で真上を見上げて撮ってみました。
空がビルのガラスに映り込んで印象的な写真になりました。
バリアングル液晶のおかげでカメラを真上に向けても構図を決めやすかったです。

AFの優秀さを感じた1枚をご紹介します。
道の反対側で親子が向かって来るのを見てとっさに構えてシャッターを切りました。
人物認識をオンにしたおかげで簡単に撮影できました。
手前にピントがあってしまったり、背景にピントが抜けることもなく限られたシャッターチャンスをしっかり捉えられるオートフォーカスはありがたい限りです。
手前のポストの赤と奥のポールの赤がペアになっていてお気に入りの1枚です。
α6700は「クリエイティブルック」機能が追加されました。
カメラに搭載されている画作りの機能で質感や色合いを簡単にカスタマイズできます。
今回の作例では特に断りがない場合は標準的な「ST」を使用しています。

この写真はクリエイティブルック「VV」で撮影しました。
「VV」は彩度とコントラストが強めのルックです。
爽やかな花の色と力強い軸の緑のコントラストを表現することができました。

同じく「VV」ですが暗めに撮影してみました。
露出を下げて周辺を暗くすることで情報量を抑え、VVのルックでオレンジ〜赤の「色」の主張で画面を成り立たせるのが狙いです。
暗い中に色が浮き立つような写真にすることができました。

「今月から少し値上げ」
悲しいお知らせです。
スナップは今を記録します。何年か経った頃にそういえば値上げラッシュだった時期もあったなと思い出す時がくるのでしょうか。
ちなみに値上げ短冊の下にあるのは毎年バレンタインの時期に売られているライカ風チョコレート缶ですね。
撮影後に見返してしっかり写っていて驚きました。
後から見返して発見があるというのも写真の楽しみですね。
小旅行
α6700と一緒に小旅行に行ってきました。
レンズはSIGMA 18-50mm F2.8 DC DN [ソニーE用] と SONY E 15mm F1.4 G の2本です。
18-50mm F2.8 のレンズがコンパクトで万能なのでつけっぱなしの標準ズームレンズとして使って、15mm F1.4 のレンズで広角を生かした風景やF1.4なので暗いときの撮影に使います。
2本のレンズの得意分野を活かしていろんなシチュエーションに対応するという選び方です。
カメラとレンズ2本の重さを合計してほぼ1kgになります。
旅行としてはもう少し軽ければ嬉しいのですが妥協ない最高峰スペックで1kgほどというのは十分納得の重さ、いや軽さと言っていいですね。
それでは作例をみていきましょう。

F5.6まで絞って撮ることで手前から奥までしっかり解像しています。
空の青のグラデーションや木々の緑の描き分けなどjpeg撮って出しでも自然な発色です。
クリエイティブルックで撮り比べてみました。
1枚目がスタンダードな「ST」、2枚目が透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりになるという「SH」です。
印象ががらりと変わるのが面白いですね。
個人的には「SH」はハイキーになりすぎるので露出補正を−2にしていました。
少し湿度を感じるしっとりとした仕上がりにすることができました。

冷たい飲み物でちょっと一休み。
α6700は完全に無音で撮影することもできます。
シャッター音をたてたくない静かな場所では電子シャッターを活用しましょう。

大口径広角レンズの良さを生かすべく開放で被写体に寄って撮ってみました。
ボケ感も十分。+に露出補正したことで爽やかな写真になりました。
この鳥は少し高い位置にあったのですが、手を伸ばしてバリアングル液晶を自分の方に向けることで楽に撮影できました。
さらに、α6700はタッチ液晶で直感的にフォーカスポイントを決めることができるので狙ったところにピンポイントでピントを合わせることができます。
撮りたいときにストレスなく直感的にカメラを操作できることは心も身軽にしてくれます。

身軽さも写真の質も妥協したくないというときにα6700と軽量レンズの組み合わせは理想的です。

α6700の魅力
AFが強力
AFについては文句のつけようがないほど強力になりました。
ほとんどのシチュエーションでピントをAFに任せることができるので構図やタイミングに集中することができます。
AIプロセッシングユニットとリアルタイム認識AFの組み合わせはそれまでのAFとは世代が違うと言っていいほどの飛躍があることを体験できました。
SONYのカメラを選ぶ時はAIプロセッシングユニット搭載の機種にすることをおすすめします。
クリエイティブルックで撮って出しでも写真として決まる
作例でも紹介しましたが「クリエイティブルック」で写真の印象を簡単に決めることができます。
クリエイティブルックをベースにハイライトやシャドーを個別に微調整できるので自分好みの設定を追い求めるのも楽しいでしょう。
自分らしい設定を見つければ撮って出しでお気に入りの質感や色合いの写真になるので気軽に写真を楽しみたい方に嬉しい機能です。
新メニューがわかりやすい
先代のα6600からメニューが一新されました。
項目が整理されわかりやすくなっています。
タッチ操作できるようになったのも改善点です。
これからSONYの機種を検討する際にはα6700に限らず、新メニューに切り替わっている機種をおすすめします。

アプリとの接続がスムーズ&安定
「Creator’s App」というスマートフォンアプリが用意されています。
リモート撮影や撮影した写真の取り込みなどができます。
このアプリが非常に安定していたのは高評価です。
特に画像の自動転送の機能はスマホで別のことをしていてもバックグラウンドで機能するので便利でした。
旅行中にオンにしておけば撮ってすぐに自動でスマホに送られるのでSNSにアップしたい時などに重宝します。
スマホをリモコンとしても使えるので家族写真や集合写真を撮るときにも活躍してくれます。
アクティブ手ブレ補正は諸刃の剣
最近のSONY機は動画にも力を入れています。
α6700はスチル、動画の両方に対応したハイブリッド機になっているので動画機能も充実です。
特に動画での手ブレ補正は強力かつ自然。
手ブレ補正を「アクティブ」にするとさらに強力になります。
スタンダードではカメラの上下動に気をつけて歩けば揺れないくらいの補正ですが、アクティブでは普通に気をつけずに歩いても揺れないほどに補正してくれます。
アクティブ手ブレ補正は強力ですがその分画面をトリミング(クロップ)して電子補正を行います。
画角が狭くなるのがデメリットです。
Vlogや風景を撮影したい場合はクロップされる分、広角のレンズを用意する必要があります。

α6700のここが気になる
手ブレ補正の効きがイマイチ
メーカー公称5.0段のボディ内手ブレ補正となっていますが体感的には少し弱いかなと感じました。
特にスポーツを撮影したときに、シャッターボタンを半押しにしても像の揺れが気になります。
撮影した写真でブレていることはほとんどないので、シャッターを切る瞬間に手ブレ補正効果が最大になるようになっていると思われますが、構えているときにもう少し揺れを抑えるようなチューニングだと扱いやすいですね。
これは静止画撮影での感想なので、動画での手ブレ補正については別の評価になります。
グリップが小さい
グリップの高さが低いため小指の引っ掛かりがギリギリになりました。
私は手が小さい方なのでなんとか握れるかなという印象なのですが、手が大きめの方は小指がかからないこともありそうです。
小型なカメラなので軽快に使いたいところなのですが、グリップの握りに気を配らないといけないのは少しストレスに感じました。

α6700はこんなひとにおすすめ
α6700の特徴やメリット、デメリットをここまで紹介してきました。
カメラ選びはただスペックがいいカメラよりも、自分に適したカメラを選ぶことが大事です。
α6700は静止画、動画の両方を高水準で両立したハイブリッド機となりました。
さまざまな被写体や使い方に妥協なく対応したい場合はα6700が第一候補になるでしょう。
Vlogのように短いクリップを気軽にたくさん撮影したいという場合はVLOGCAM ZV-E10 IIがいいでしょう。

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静止画は撮らず、長時間録画を含めて動画撮影をしたい場合はFX30が有力な候補です。

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コスト的に1つ前のモデルのα6600も選択肢に入ってきます。しかしAF性能や動画性能の差があります。
短期的なレンタルならコスパの良さがありますが、購入する場合や長期的に使いたい場合はα6700を選ぶのがおすすめです。
まとめ

約4年ぶりに更新されたAPS-C最上位機は待たされた甲斐がある高性能機でした。
さまざまな性能が一気に最先端に引き上げられました。
AFや動画性能はもちろん、ボタン配置やメニュー構成に至るまで最近のSONYのトレンドを取り込んで扱いやすさも向上したと感じます。
選択肢が豊富なEマウントレンズから自分にあったレンズや機材を探していくのも楽しみになるでしょう。
カメラとしての基礎体力が大幅に引き上げられた本機。SONYの本気を体感してみてください。



















