GOOPASS MAGAZINEをご覧の皆さん、こんにちは。
GOOPASS MAGAZINE編集部のchinoと申します。
今回、OMデジタルソリューションズ様から発売された最新フラグシップ機『OM-1』をお借りして、実写レビューをすることになりました。撮影ジャンルは、『風景』『星景』『野鳥』の3つ。
私は普段、地元・長野県で風景や星景を中心に撮影を行なっています。山に囲まれ、綺麗な星空もあり、近所に野鳥がいる。そんな環境に住んでいることから、OM-1 のレビューを担当することになりました。
とはいえ、初めてのOM SYSTEM(旧名称:OLYMPUS)に、初めての野鳥撮影……。撮影前は正直不安がありましたが、OM-1の性能・操作性に助けられて、何とか作例写真を撮影することができました。
作例写真と併せて、実際にOM-1を使用して感じた、解像力・コンピュテーショナルフォトの表現力・高速性能・堅牢性能などを説明しているので、良かったらぜひ最後まで読んでいってください。
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目次
OM-1のスペック

『OLYMPUS』から『OM SYSTEM』へ
2021年10月、OMデジタルソリューションズ株式会社は、『OLYMPUS(オリンパス)』から『OM SYSTEM(オーエムシステム)』へのブランド名変更を発表しました。
OMの名は、1970年代から開発が始まったデジタルカメラ・オリンパスOMシステムが起源です。登場した当初から『大きい』『重い』『シャッターの作動音、ショックが大きい』という”一眼カメラあるある”をカバーする、軽量・コンパクトで使いやすいモデルを多数発表してきました。そして、現在でも『マイクロフォーサーズ』のシステムは多くの写真家を魅了しています。
フィルムカメラ時代から現在のミラーレス一眼カメラに至るまで、80年以上に渡りカメラ開発に携わってきたOLYMPUS。ブランド名が変わっても、「新たなことに挑戦し、新しいものを生み出す姿勢」は受け継がれていくことでしょう。
OM SYSTEMの1号機『OM-1』
そんなOM SYSTEMから2022年3月18日に発売された『OM-1』。
OM SYSTEMの始まりにして、最後のOLYMPUSロゴを背負うこととなるフラグシップの1号機です(OLYMPUSのロゴはOM-1が最後になるのではないかという噂があります)。1972年にOLYMPUSが初めて出した一眼レフも、同じくOM-1の名前を冠していました。原点にして新たな歴史を築いていく本機に注目が集まっています。
OM-1はマイクロフォーサーズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラです。同ブランドの代名詞とも言える軽量・コンパクトなフォルムはそのままに、新開発のセンサーや画像処理エンジンにより、マイクロフォーサーズの常識を超える高画質を実現。また、手持ちハイレゾショットや手持ちライブコンポジットなど、PCで行なう処理がカメラ内で完結できるようになりました。機動力と表現力を兼ね備えた、革新的な1台といえるでしょう。
スペックに関しては、下記の表をご参照ください。
| OM-1 | |
| 発売日 | 2022/3/18 |
| タイプ | ミラーレス一眼カメラ |
| センサーサイズ | 4/3型 |
| 有効画素数 | 2037万画素 |
| 動画性能 | C4K(4096×2160)59.94fps 4K(3840×2160)59.94fps |
| ISO感度 | ISO80~25600 |
| シャッタースピード | 電子:1/32000~60秒 電子先幕:1/320~60秒 メカニカル:1/8000~60秒 |
| 連写性能 | 連写:約10コマ/秒 静音・プロキャプチャー:約20コマ/秒 静音・プロキャプチャー(SH1):約120コマ/秒 |
| 手ぶれ補正機構 | 5軸手ぶれ補正(最大8段) |
| 幅x高さx奥行き | 134.8×91.6×72.7mm |
| 質量 | 599g(付属充電池およびメモリーカード含) |
| その他 | Wi-Fi、Bluetooth4.2、2軸可動式液晶、ダブルスロット、USB充電 |
OM-1と従来機の比較

まずは、従来機と比較してより進化を遂げた性能・機能を4点ご紹介します。
今回の比較対象は、OM-1と同様にプロ~ハイアマチュア向けモデルのOM-Dシリーズ『OM-D E-M1 Mark III』と『OM-D E-M1X』です。
| OM-1 | OM-D E-M1 Mark III | OM-D E-M1X | |
| 発売日 | 2022年3月18日 | 2020年2月28日 | 2019年2月22日 |
| センサー | 4/3型 裏面照射積層型 Live MOS センサー | 4/3型 Live MOS センサー | 4/3型 Live MOS センサー |
| 有効画素数 | 2037万画素 | 2037万画素 | 2037万画素 |
| 動画性能 | C4K 59.94fps 4K 59.94fps | C4K 24fps 4K 29.97fps | C4K 24fps 4K 29.97fps |
| ISO感度 | ISO80~25600 | ISO64~6400 | ISO64~6400 |
| 画像エンジン | True Pix X | TruePic IX | TruePic VIII |
| 連写性能 | 連写:約10コマ/秒 静音・プロキャプチャー: 約20コマ/秒 静音・プロキャプチャー(SH1):約120コマ/秒 | 連写H:約15コマ/秒 静音連写H/プロキャプチャー連写H:約60コマ/秒 | 連写H:約15コマ/秒 静音連写H/プロキャプチャー連写H:約60コマ/秒 |
| 防塵防滴 | IP53 | IPX1 | IPX1 |
| AF測距点 | 1053点 (クロスタイプ位相差AF) | 121点 (クロスタイプ位相差AF) | 121点 (クロスタイプ位相差AF) |
| 液晶ビューファインダー | 約576万ドット | 約236万ドット | 約236万ドット |
| 幅x高さx奥行き | 134.8×91.6×72.7mm | 134.1×90.9×68.9mm | 144.4×146.8×75.4mm |
| 質量 | 599g | 580g | 997g |
OM-1には、新画像処理エンジン『True Pix X』と、有効画素数約2037万画素の『裏面照射積層型 Live MOSセンサー』が搭載されています。これにより、マイクロフォーサーズのセンサーサイズからは考えられない解像感を実現。明暗差の激しいシーンでも、豊かな諧調を再現します。
また、低照度下でISO感度を上げてもノイズが出にくい高感度耐性も、特徴の1つ。ISO25600の常用最高感度は、OM-Dシリーズの『OM-D E-M1 Mark III』や『OM-D E-M1X』がISO6400である点からも、大きな進化が伺えます。
特に違いがわかる場面は、朝夕の低照度下や屋内でのスポーツ撮影など、ISOを高い数値に設定しないと撮影が難しいシーン。従来では撮影できてもノイズが多かったり、黒つぶれが生じてしまったりして不満が残るシーンでも、OM-1なら作品作りを可能にします。
実際にISO4000で野鳥撮影を行なった際は、野鳥の毛並みや瞳、くちばしなどの細部も崩れずに描写できました。画像処理エンジンと新センサーにより、より幅広いシーンで満足のいく1枚が仕上がります。
新EVF
OM-1は、EVF(電子ビューファインダー)も進化しています。表示遅れを、0.005秒まで短縮。576万ドットの高解像で、美しく高速な表示を可能にします。
過去に他社メーカーのミラーレス機を何度か使用しましたが、メイン機が一眼レフの私は、ミラーレス機のEVFを使用すると「モニターに映った作り物感」が否めませんでした。正直EVFは苦手だったのですが、OM-1のファインダーは一眼レフで撮影しているかのような見やすさがあり、ほとんど目も疲れません。レフ機から乗り換えをする方でも受け入れやすいEVFだと感じました。
メニュー画面

メニュー構成も一新。私自身はOM-Dシリーズなどの使用経験がないため同ブランド内の比較はできませんが、他メーカーと比べて、OM-1は色分けがされており使いやすいと感じました。
次々と新しい機能が増えるに従い、メニュー画面が複雑になっていく昨今の最新モデル。新機能がどのタブにあるのか探してしまう場合もありますが、OM-1ではハイレゾショットやライブND、インターバル撮影などの特殊機能が一ヶ所にまとまっています(画像:上部の左から2番目)。
一目で特殊機能が把握できるデザインなので、私のように従来機の使用経験がない方でも安心して操作可能です。
4K 60pに対応した動画性能
昨今の動画撮影ニーズ急騰と共に、近年は動画性能の高いカメラが多く発表されています。
OM-1も例にもれず、4K 60pの動画に対応しています。モータースポーツやロードバイクなど動きの激しいシーンでも滑らかに、かつ細部まで表現でき、より臨場感のある映像が撮れるようになりました。
また、従来は連続記録に30分の制限がありましたが、OM-1では連続記録時間の制限を撤廃。(予備バッテリーなどの用意があれば)長時間のロケでも連続撮影が可能です。
OM-1の特徴
実際の使用感を踏まえつつ、5つの観点からOM-1の特徴をご紹介します。
今回は風景・野鳥・星景のアウトドアシーンを撮影しました。注釈にて表記がある写真以外は手持ちで撮影しています。
高感度耐性・高ダイナミックレンジ

マイクロフォーサーズはセンサーサイズの小ささゆえに、『暗所に弱い』という印象をお持ちの方が多いはず。私も高感度撮影には向かないと思っていました。
しかしながら、OM-1は常用最高感度ISO25600を達成。有効画素数が同様のミラーレス機『OM-D E-M1 Mark III』や『OM-D E-M1X』がISO6400である点からも、その躍進具合がわかります。フルサイズに匹敵するといっても過言ではありません。
実際に早朝の林で野鳥撮影を行なった際は、周囲が薄暗くブレを防ぐためにもISO感度をオートにしました。結果、ISO2500~4000ほどの高感度撮影となったものの、細部の解像感は残っています。拡大しても毛並みが確認でき、実用的な感度といえるでしょう。シャッタースピードを上げた撮影、朝夕や夜間の撮影で重宝すること間違いなしです。
AF性能

オールクロス1053点の広いAFエリアを持つOM-1では、被写体が画面内のどこにいてもピントが合います。さらに、AIのディープラーニングにより8種類の『インテリジェント被写体認識』が撮影をサポート。これは被写体の動きをAIが分析し、自動でピントを合わせ続けてくれる画期的なシステムです。バイク、飛行機、鉄道など乗り物の他、犬・猫・鳥などの生物にも対応しています。今回実際に野鳥を撮影して、野鳥の体はもちろん、瞳まで検出しフォーカスしてくれるから驚きました。
今回初めて野鳥撮影に挑戦するにあたり、自信がまったくなかった私……。案の定たびたび野鳥の姿を見失うわけですが、撮影者が見失ってもファインダー内にいる限りカメラは追従します。1秒たりとも同じ場所に留まらない鳥の動きも検出し、そのたびにせわしなくフォーカスも動きました。撮影中に手動で瞳にピントを合わせるのは至難の業ですが、瞳AF機能によりピントの合った写真がパシャリ。設定などに気を揉むことなく撮影できました。
高速連写

AFと合わせて驚かされたのが連写機能です。新たに追加された連写機能は、『高速連写SH1』『高速連写SH2』。高速連写SH1ではAE・AF固定で最大120コマ秒、高速連写SH2では、AE・AFを追従しながら最大50コマ秒で、ブラックアウトすることなく撮影可能です。動体撮影をしないため、最初は「こんなに連写する必要があるのか?」と疑問でしたが、SH1・SH2があるのとないのとでは大違いでした。
OM-1は、半押しレリーズから全押しでシャッターを切るまでの間も記録してくれる『プロキャプチャーモード』が進化しています。プロキャプチャーモードは、野鳥の飛び立ちなど素早いシーンでも時間を遡って記録できるため、「どこかのコマには写る」という便利な機能。OM-1はプロキャプチャーモードもAE・AF固定で最大120コマ秒、AE・AF追従で最大50コマ秒撮影が可能です。
決してよい構図ではありませんが、作例ではシジュウカラの飛翔シーンを捉えました。逃したと思ったものの、見返すと決定的な1コマをゲット! もちろん肉眼では捉えていないので、人間の目を完全に上回っています。とはいえ使いすぎるとすぐにSDカードがいっぱいになってしまうため、カードの容量と書き込みスピードには要注意です。
▼OM-1での野鳥撮影について詳しく知りたい方はコチラの記事をご覧ください

OM SYSTEMのフラグシップ1号機「OM-1」を野鳥撮影の面から紹介する実写レビュー記事です。野鳥撮影に向いている理由や、野鳥撮影をするうえで便利な機能を解説します。
GOOPASS ANIMAL MAGAZINEコンピュテーショナルフォトグラフィ

コンピュテーショナルフォトグラフィとは、コンピューターによって処理された写真のことです。撮影時にレンズが捉えた像だけでなく、複数の写真を合成して総露光時間を延ばしたり、手前から奥まで被写界深度の深い画像を得たり……。従来はPC等のコンピューターが必須の技術でした。しかし、現在ではコンピュテーショナルフォトグラフィをカメラ内で行なえます。
例えば、センサーを移動させながら複数枚を撮影し合成することで、本来の画素数を超える高解像な写真が作成できる『ハイレゾショット』。動体には使えませんが、風景撮影においてより緻密な描写が実現できます。OM-1ではハイレゾショットが手持ちで可能なだけでなく、ボタン一つで通常撮影からの切り替えができるようになりました。
作例は300mm(35mm判換算)の望遠で手持ちハイレゾをしたときのものですが、ブレなく遠くの山並みが描写されています。

また、NDフィルターを使用せずスローシャッターを切れる『ライブND』も一段階分プラス。より透過光をカットするND64が加わりました。優れた手ぶれ補正機構とかけ合わせることで、三脚がないと難しかった糸のような川の流れも再現できます。

100枚近い画像をPC内で編集する必要がある星の比較明合成も、カメラ内で作成可能。一枚一枚記録されるわけではないため後に個別の編集はできませんが、気軽にできるのでコンポジットに挑戦してみたい方におすすめです。
堅牢性能

軽量なボディながら、IP53※に対応した防塵・防滴性能が搭載。防塵性能はMAXが6なので、OM-1の5はほぼ最高レベルです。防滴性能も雨や水辺での散水に耐えられます。
降雪の中で撮影した際には写真の通りボディに雪がかかりましたが、問題ありませんでした。『人生にもっと冒険を』のスローガンに違わず、フィールドを選ばない撮影が期待できます。
※ IP規格とは防水・防塵性能の規格です。10の位が防塵、1の位が防水の指標であり、数字が高いほど防塵・防水性能に優れています
アクセサリー
OM-1発売に伴って登場したアクセサリーもご紹介します。
バッテリーホルダー・HLD-10

縦位置でも横位置でも快適な手持ちをサポートするバッテリーホルダー。本体と同様に、IP53の防塵、防滴と耐低温設計で安心です。ボディの電池と合わせると、約1,100枚の撮影が可能。野鳥・スポーツなど、連写機能を多用するような枚数重視のシーンで活躍します。
ワイヤレスリモコン・RM-WR1

防塵・防滴、耐低温設計のRM-WR1は、あらゆる環境下でリモート撮影が可能。通信可能範囲は5m以内です。ワイヤレスは苦手という方でも使いやすいよう、付属のケーブルで有線リモコン化することができます。
リチウムイオン充電池+充電器セット・SBCX-1

容量2,280mAhの大容量を持つリチウムイオン電池と、2個同時の充電を可能にした充電器BCX-1。旅行先など頻繁に電源の供給ができない環境下で撮影する際、休憩時に短時間で2つの充電ができると、その分撮影時間も多く取ることができます(約150分で2本をフル充電)。
さらに、モバイルバッテリーからの充電も可能。移動中や撮影中に充電ができ、電源のある場所を探す必要もありません。
作例写真
OM-1で撮影した作例をご紹介します。レンズは『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO』『M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』を使用しました。
野鳥


星景


星空の撮影も手持ち撮影が可能です。星に自動でピントを合わせる『星空AF』と、EVFや背面モニターでも周囲が見える『ナイトビューモード』※が便利。
※ 従来のライブビューブースト
風景





(撮影地であるしらびそ高原は冬季閉鎖中ですが、特別に許可をいただき通行しています)


まとめ

満を持して登場したOM SYSTEMのフラグシップ、OM-1。広いダイナミックレンジと高感度耐性、夜でも気兼ねなく撮影できるナイトビューモードや手振れ補正など、進化した機能が目白押しでした。さらに動体撮影に便利な被写体を検出するAIや、高速連写機能。小さいボディに無限大の可能性を詰めた1台です。
今回、撮影をしながら地元を周りましたが、今までにないほど様々な地点に降り立ちました。理由はやはり、OM-1の機動力です。特に夕方や夜間の場合、普段は撮影に三脚が必須でした(私の所有機材には手ぶれ補正がありません)。そのため、普段は面倒になり素通りしてしまうときもありましたが、OM-1を持っていることで「手持ちでも撮れるかも」と考え撮影に踏み切れたのです。
グリップが深く握りやすかった点も好印象です。コンパクトで軽量な点も相まり、『M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』での手持ち撮影でも疲れをあまり感じませんでした。
リアルさのある電子ビューファインダーや、複雑性を削った操作モニターなど、細かな点にもユーザーが撮影に集中できるような配慮がみられます。
「軽くて持ち運びやすい機材が欲しい」「でも画質や描写力は妥協したくない」。そんな一見無理難題な願望が実現しました。ぜひOM-1を手に、冒険(撮影)へ出かけてみてください。
OM-1の入手方法

購入する
OM-1はOM SYSTEM オンラインショップで、272,800円(税込)で購入可能です。
また、各家電量販店や通販サイトでも販売中(オープン価格)。
レンタルする
一眼カメラは決して安い買い物ではありません。そのため「カメラ選びで失敗したくない」と考える方が多いはず。「試しに使ってみたい」「実際の使用感を知ってから購入を決めたい」という方におすすめなのが、カメラ機材のレンタルサービスです。
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用途にあわせてレンタルプランが選べるので、気になる方はぜひ検討してみてください。

OM SYSTEM OM-1 ボディ









