「このカメラで撮った写真をみているわたし、なんだかふわふわしているなあ」

Kenko KC-ZM08のレビュー記事を書くにあたって「わたしはこのカメラのことをどう思っているのだろう」と考えた結果出てきた言葉は、こんな感じでした。

「心地よい写真を撮ることのできるカメラ」と言い換えられるでしょうか。

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28mm(35mm換算)、1/5、F3.9、ISO800

ともかく、このカメラで撮った写真を見ながらわたしは今、この文章を書いていますが、やはり気持ちはふわふわしていて、北イタリアを旅したおよそ2週間の日々が、まるで昨日のことのように思い出されます。

このカメラの一体どの部分が、わたしにそのような感情をもたらしたのか、実は、この文章を書いているいまもよく分かっていません。

レビューを頼まれているというのに、情けないですよね。でもだからこそ、わたしはレビューを書こうと思います。書きながら、このカメラの魅力をひも解いていけることを信じて。

著者プロフィール

ありあ

写真家、文筆家

山形県出身。大学で西洋美術史を学んでいる。

2021年に祖父の形見としてフィルムカメラを譲り受けて以来、写真の魅力に取り憑かれてしまう。幼少期から書いている日記や、世界中を旅した際に記した旅日記を、写真とともにSNSで発信し話題に。『MARSH』やFUJIFILMの公式WEBメディア『IRODORI by X Series』をなど複数のメディアで連載コラム・執筆を担当。

2万円台で買えるデジタルカメラ

「カメラを買いたい!」となったとき、「こんなカメラが欲しいなあ、こういう機能があればなあ」なんて思いを、皆さん少なからず持っているのではないでしょうか。

機能はもちろん、見た目や写り、シャッターの音まで、何を重要視するかは人それぞれであって、だからこそ、この世界にはたくさんのカメラがあります。

しかし誰しもが共通して気にすることのひとつに「価格」があります。これはとても難しいことで、安く買えるにこしたことはないのですが、機能やスペックを求めれば求めるほど価格が上がってしまう、というジレンマを抱える方も多いはずです。

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結論からいうと、わたしはこのカメラを2万円台で買えると聞いたとき、びっくりしました。

だってこんなにわたし好みの写りや機能があって、それに今の物価高のご時世では、3,4万円すると言われても、不思議ではありませんでしたから。

この時点で、この価格にピンときていない方もいらっしゃると思います。

当然です、まだ作例もお見せしていませんから。

ここから先の文章で、その価格の魅力について感じて頂けたら、嬉しいなと思います。

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28mm(35mm換算)、1/140、F3.9、ISO100

記憶に寄り添った写真を撮れる

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28mm(35mm換算)、1/430、F3.9、ISO100

冒頭で、KC-ZM08は「心地よい写真」を撮ることのできるカメラだと申し上げましたが、そこから少し時間が経ち、もっと深く踏み込んで考えてみると、「記憶に寄り添った写真」を撮ることのできるカメラだと言うことができます。

「記憶に寄り添う」という言葉はちょっと曖昧かもしれませんが、この表現はわたしにとって「エモい」とか「レトロ」という流行りの言葉にも少し関係していると考えています。

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28mm(35mm換算)、1/50、F3.9、ISO100

写真とはその性質上、そこに写っているものは必ず「過去」となります。

だから写真を見るときには、写っている「過去」を自身の脳にある記憶と結びつけて、「ああ、あのときこういうことがあったなあ」とか「そうそう、この日はめちゃくちゃ暑くてさあ」みたいな擦り合わせが行なわれるわけです。

この擦り合わせの際に感じる心地良さが、まさに、「記憶に寄り添った」とわたしが表現する理由です。

このKC-ZM08で撮った写真は、少しずつ鮮明ではなくなっていく記憶に対して上手に重なっていくような色表現を持ち合わせていて、特に楽しかったことや幸せに感じたことを写真として残した場合には、その温もりみたいなものが写真にちゃんと表れていると感じるのです。

これはなかなかに表現し難い事象であって、レビューとしてはいかがなものかと思うところはありますが、そのように感じてしまったのですから、仕方ありません。

実際にこのカメラで撮影した北イタリアの風景を、ご覧になっていただくほかありませんね。

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28mm(35mm換算)、1/1900、F3.9、ISO100
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28mm(35mm換算)、1/636、F3.9、ISO100

気軽に持ち歩けるコンパクトサイズ

このカメラの良さの1つは、なんといっても、撮りたいときに、どこからともなくさっと取り出して撮ることのできるその瞬発力にあると言って良いでしょう。

今回わたしは北イタリアへのひとり旅に持っていきましたが、重いバックパックを背負いながらでも「今だ!」と思ったときにポケットから取り出してシャッターを切ることができたのですから、わたしのこれまでのひとり旅を比較しても撮影枚数がいつもより多くて、思い出がいっぱいで嬉しくなったものです。

約100×62×32mmというサイズは、持っているスマホよりもちょっと小さいくらいで、そりゃあ、ポケットに入れたくなっちゃいますよねえ。

さらにとても軽量(なんとバナナ1本よりも少し重い約171g!)で、時折ポケットの中に入れていることを忘れてしまうほどです(それはわたしがドジなだけなのかもですが)。

これはつまりそばにいる機会が多くなるということを示していて、朝のゴミ捨てで外に出るだけでも、あるいは友だちと市民プールに泳ぎに行くときにも、そしてもちろんわたしの大好きな旅に出るときにも、「持っていかない」というタイミングがまるでないのです。

光学5倍ズーム

もうちょっとズームできたら、良い感じの構図になるのになあ。

これまで単焦点のレンズ搭載したコンパクトフィルムカメラやデジタル一眼レフカメラをいくつか使ってきた中で、そう思ったことが何度かあります。

「コンパクトデジタルカメラ」という位置付けのカメラにこれまでほとんど出会ってこなかったわたしは、正直にいうと「コンデジのズーム機能かあ、まあ、どうしても使いたいときに使おう」くらいの気持ちでいました。

ですから、北イタリアひとり旅を終えて撮影した写真を見返したとき、「あれ、思った以上に、ズームして撮ってる写真が多いぞ」となったことにびっくりしました。

構図を意識して、無意識にズーム機能をたくさん使っていたのです。

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77mm(35mm換算)、1/240、F5.4、ISO100

たとえばこの写真は、岩場に佇む3人の男性だけを写したくて3.5倍の約100mmまでズームして撮影したものですが、画質が落ちることもなく、上手く写したいものを写すことができました。

このコンパクトさで最大5倍(142mm)まで光学ズームできるというのですから、コンデジ(というよりKC-ZM08?)、舐めてました・・・画質を気にせずにオールマイティなシーンで使用することができるのは、とても嬉しいことですよね。

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43mm(35mm換算)、1/400、F4.7、ISO100

リアカメラ

ほかのカメラではあまり見ないけど、このカメラにはある機能の1つに、リアカメラ機能があります。

スマホ世代のわたしにとって、特に友だちと遊ぶときにはスマホでの自撮りを1日に何枚も撮るわけですが、それをコンデジですることができるのですから、使わない手はないですよね。

今回の北イタリアひとり旅では、行く先々で、いろいろな出会いがありました。

もちろんリアカメラ機能を使って出会った方々と2ショットを撮ったりしたのですが、チンクエ・テッレで出会ったおばあちゃんに「あらなあにこのカメラ、すごいじゃない。さすが日本のカメラねえ、生きててよかったわ」って言われたことが印象的です。

ボタン1つでフロントとリアを切り替えられますから、皆さんもぜひ使ってみてください。

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寄って撮れる

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28mm(35mm換算)、1/50、F3.9、ISO200

コンデジで何を撮りたいかは人それぞれですが、常に持ち歩けるという性質上、日常の場面、特に料理の写真を撮る方は多いのではないでしょうか。

カフェでもレストランでも、美味しい料理、美しい料理はついつい撮りたくなってしまうものですが、そんなとき、最短10cm(広角時)まで被写体にカメラを近づけて撮ることができるというこのカメラは、とても役に立ちます。

料理は至近距離で撮ることが多いですから、椅子に座っていてもテーブル上の料理にピントを合わせて撮影できるというのは、魅力的なスペックといえます。

機内食からホテルの朝食まで、北イタリアでのひとり旅では、たくさんの食事をこのカメラで撮りました。

それらの写真を見返しているいまもよだれが口いっぱいに広がっているのですから、撮ってよかったなあ、撮れてよかったなあと思います。

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28mm(35mm換算)、1/30、F3.9、ISO800

内蔵LEDフラッシュ

フィルムカメラ使いとして、実はこれまであまりフラッシュ撮影をしたことがなかったので、今回フラッシュ機能のあるこのカメラでいったいどんなものを撮ろうかなと、ワクワクしていました。

作例として、このレビュー記事を執筆している今から1時間ほど前に撮った花火の写真を載せたいと思います。

え、どうしてそんなついさっきの写真をって?そんなの、めちゃくちゃ楽しかったからに決まっています。

それに聞いてください、このフラッシュ機能が思わぬところでとっても役に立って、感動したのです。

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28mm(35mm換算)、1/8、F3.9、ISO800

周りに一切の明かりがない河川敷で撮った1枚ですが、フラッシュを使用しなかったら、きっとブレちゃってたんだろうなあと思います。

フラッシュの光と花火の光が混ざり合って、少し幻想的に写っています。お気に入りのスニーカーがちょこんと写っているのも、フラッシュのおかげですね。

とても好きな1枚です。

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28mm(35mm換算)、1/10、F3.9、ISO100

「飲み物ありがとね!」って、この飲み物をくれたわたしの両親に送るために撮った写真です。

本当にそれだけのために撮った1枚なので、日常感あふれた記録写真ではありますが、実はこの1枚に、わたしの感動が隠れています。

フラッシュって、シャッターを切る瞬間だけパッと光るものだと思っていたのですが、なんとこのカメラ、フラッシュをずっと付けっぱなしにして撮影できるのです。

本当に真っ暗な場所での花火だったので、写真を撮るときに構図とか決めづらいなあと予想していたのですが、フラッシュを付けっぱなしにできたので、撮影する前にきちんと構図を確認できました。

これはわたしのスマホでも友だちのスマホでもできない機能でしたし、動画でも写真でもこの機能が使えるのは、ちょっと感動しましたね、はい。

LEDフラッシュということで、明るさも申し分なく、花火のあと片付けときには懐中電灯として使用していたのは、内緒です。

友だちも「めっちゃいいじゃんそれ!」てずっと興奮していました。

この記事を書いている今でも、わたしは興奮しています。

Kenko デジタルカメラ KC-ZM08を手に入れる方法

購入する

ケンコー・トキナーオンラインショップ公式店では27,830円(税込)で購入できます。また、家電量販店やネットショップなどでも購入可能です。 

レンタルする

「KC-ZM08」に興味はあるけど、過去にレンズの購入で失敗したことがあるから、いきなり買うのはちょっと怖い…」という方には、レンタルするという選択肢がおすすめ。 

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まとめ

ここまでレビューを書き終えて、「うむ、わたし、このカメラ大好きだ」となっていることは、きっと皆さんにも伝わっているのではないでしょうか。

「レビューを書きながらこのカメラの魅力を紐解いていく」と冒頭に書きましたが、蓋を開けてみたら、魅力たっぷり。

自身の文章を読むごとに、「よし、今度はあれも撮ってみよう」「今度友だちとの旅行にも持っていきたいな」と、次から次へと持ち出したい場面が増えていきます。

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28mm(35mm換算)、1/755、F3.9、ISO100

さまざまな機能をご紹介しましたが、なんといっても「記憶に寄り添う写真」を撮ることのできるカメラであることを、わたしはこのレビューで一番に言いたいです。

ちょっと抽象的な表現ではありますが、さらに言うなら、「数十年後にこのカメラで撮った写真をみたら、きっとわたしは満面の笑みを浮かべるだろうな」そう思えるカメラです。

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