明暗差のあるシーンで写真や動画を撮影したときに、白飛びや黒つぶれした経験がある方は多いと思います。
通常の撮影モードでは明るい場所と暗い場所を鮮明に描写するのは難しく、見たままのイメージを伝えられません。そのため、明暗差のあるシーンを撮影するときは、通常モードではなくHDR撮影がおすすめです。HDR撮影に対応した機材を使用することで、自然で美しい描写を得られます。
今回は、HDRの基礎知識とHDR撮影に関する要素について解説します。HDR撮影に向いているシーンと向いていないシーンも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
HDRの基礎知識

HDR撮影をするためには、HDRの基礎知識を理解しておくことが大切です。以下では、HDRの概要と動画と写真撮影におけるHDR技術について解説します。
HDRとは?
HDRとは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略です。従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)と比べて、明るさの幅をより広く表現できます。
SDRでは白飛びや黒つぶれが起こりやすいですが、HDRは明るい部分と暗い部分どちらの階調も犠牲にすることなく表現できます。リアルな描写を得られるので、写真や映像の臨場感を伝えやすいのも特徴です。
動画撮影に用いられるHDR技術と写真撮影におけるHDR技術は、厳密には異なるものを指しています。
動画撮影におけるHDR技術
動画撮影におけるHDR技術とは、ビット深度を増やして明暗表現の幅を広くした映像技術です。表現できる明暗差の幅が広いので、自然かつリアルな映像表現を楽しめます。
次世代の高画質技術として注目されており、ゲームや動画配信サービスでもHDR技術を用いたコンテンツが提供されています。
写真撮影におけるHDR技術
写真の表現技法のひとつとして、HDR技術が用いられています。スマートフォン・一眼レフカメラ・ミラーレス一眼カメラのなかには、HDR撮影機能を搭載した製品が存在。一般的なカメラでは再現できないダイナミックレンジを補えるため、より豊かな色調を再現できるのが魅力です。
HDR撮影は、明るさの違う写真を複数枚撮影した後にRAW現像ソフトで合成することにより、明るさの再現幅が広い画像に仕上がります。同じ露出と画角に統一するため、撮影するときは、三脚が必要です。
HDR映像に関連する5つの要素やガンマカーブの方式

HDRの高画質を実現するための要素は、輝度・解像度・ビット深度・フレームレート・色域です。
写真や映像の画質を左右するため、HDR撮影をする方はそれぞれの項目をおさえておきましょう。
輝度
輝度(きど)とは、明るさを表す数値です。従来の映像入出力装置はダイナミックレンジが狭くて輝度が低いので、目で見る世界とは異なる仕上がりでした。
一方、HDR対応の入出力装置はダイナミックレンジが広く、高輝度を実現しています。見たままの映像表現をおこなえるのが特徴です。
解像度
解像度とは、画素の密度を表す数値です。フルHD(1920×1080ピクセル)、4K(3850×2160ピクセル)、8K(7680×4320ピクセル)と表記され、解像度は数値が高いほど高精細な映像に仕上がります。
高解像度を実現したカメラは、高画質かつリアルな映像表現ができますが、解像度が高いほどデータ量が大きくなるのも特徴です。スマートフォンやパソコンの容量を圧迫したり、動画編集時に操作が重くなる場合もあるので、用途に合わせて解像度を選びましょう。
ビット深度
動画におけるビット深度とは、1ピクセルあたりに割り当てるデータ量です。数値が高いほど色情報が多くなります。
ビット深度は、色やグラデーションのきめ細かさを表し、ビット深度が高い映像は自然で滑らかなグラデーションを再現できるのが特徴です。
地上デジタル放送・BS/CS放送・YouTubeなど、一般的な動画で使用されるビット深度は、24bitを採用しています。
フレームレート
フレームレートとは、1秒間の動画に何枚の静止画を表示させるか表した数値です。24fps・30fps・60fpsなど、「fps」の単位で表示します。
フレームレートが高いほど被写体の動きを滑らかに表現できますが、データ量が増えるのがデメリット。日本人に馴染みがあるのは24〜30fpsといわれているので、一般的な映像を撮影するときは24〜30fpsを目安にしましょう。
60fpsや120fpsなどのハイフレームレートは、スローモーション表現をするときに活用できます。
色域
色域とは、表現できる色の範囲です。デジタルカメラやプリンターなど色を表現する製品はたくさんありますが、製品ごとに再現できる色の範囲は異なります。色の範囲を明確にするために定められたのが色域です。
色域の規格は、主にsRGB・Adobe RGB・NTSCの3種類。各規格はxy色度図上の三角形で示されており、大きな三角形を描いている製品ほど色の再現範囲が広いといえます。
HDR写真の撮影に向いているシーン・向いていないシーン

HDR撮影は、すべてのシチュエーションに適しているわけではありません。高画質な写真を撮影したい方は、向いているシーンと向いていないシーンをチェックしておきましょう。
HDR撮影に向いているシーン
HDR撮影は、明暗差をできるだけ小さくしたいシーンに向いています。
明暗差をできるだけ小さくしたいシーンとは、たとえば、室内と窓の外の景色を同時に画角におさめたいときなどです。
薄暗い室内の明るさに合わせて露出をあげてしまうと、窓の周辺が白飛びします。一方、外の明るさに合わせ露出を下げると、薄暗い室内が黒つぶれする傾向があります。
HDR撮影は、明暗差のあるシチュエーションでも白飛びや黒つぶれをおさえながら、高画質の描写を得られるのが魅力です。
また、夕暮れや日差しが強いシーン、光が反射するシーンでもHDR撮影が活躍します。
HDR撮影に向いていないシーン
HDR撮影は複数枚撮影した写真を合成するため、被写体が動くとブレてしまいます。そのため、動きのある被写体を撮影するシチュエーションには適していません。
また、鮮やかな色合いの花やカラフルに盛り付けられた料理など、色彩豊かな被写体をHDR撮影すると、発色が抑えられてしまう傾向があります。
動き回る被写体や色鮮やかな被写体を撮影するときは、通常モードやポートレートモードがおすすめです。
HDR撮影を活用することで豊かな色調を再現できる

今回は、HDRの基礎知識とHDR撮影に向いているシーンと向いていないシーンについて解説しました。
HDRは明暗差の幅を表しており、明るい部分と暗い部分をどちらもクリアに表現できる技術です。ゲームや動画配信サービスでもHDR技術を用いたコンテンツが多く、より豊かな色彩を楽しめるのが魅力です。一部の一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラのなかには、HDR撮影機能を搭載した製品が存在します。
明暗差の影響を受けず、高画質かつ高精細な表現を楽しみたい方は、機材選びが大切です。
この記事を参考に、ぜひあなたに合った一台を探してみてください。
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