GOOPASS MAGAZINEをご覧の皆さんこんにちは、写真家の藤原 嘉騎です。
今回、クラシカルな外観で見ているだけでもわくわくするNikon Z fをご紹介します。

Nikon Zf
目次
執筆者:プロフィール

藤原 嘉騎
photographer
米国 Walt Disney Company、National Geographicとフォトグラファー契約を結び、 まだ見ぬ風景を求め撮影を行っている。世界最高峰のコンテストである National Geographic Travel Photo Contest `People’ 世界2位を受賞。その他にもIPAプロ部門 `Nature’ 世界2位、など国内外のコンテストで多数の賞を得ている。多くの企業から依頼 を受け写真を提供すると共に、国内外の新聞・書籍・雑誌など数多くのメディアでも活躍 している。元プロスノーボーダー。
Z fの最も魅力的な部分である個性的な外観と機能

Nikon Z fのカメラデザインは80年代に登場したフィルムカメラ Nikon FM2の外観にインスピレーションを得たたおしゃれな見た目を備えていて、Z fのペンタプリズムには1970年代から80年代のカメラと同じNikon ロゴを彫刻し、こだわりのあるデザインにしています。
カメラのボディ天面にはシャッタースピード、ISO、露出のためのダイヤルがあり、絞り値が表示される小さなディスプレイが配置されているのも印象的です。
ダイヤルはプラスチックではなく真鍮を使用し、ボディは堅牢なマグネシウム合金。
触り心地も良く高級感が手から伝わってきます。
特にレンズキットで販売されているNIKKOR Z 40mm f/2(SE)はZ fとマッチするヘリテージデザインで相性が非常によく、机に置いてずっと見ていたくなるほどの外観です。
背面ディスプレイは明るい3.2型のバリアングルタッチスクリーンを採用。
クラシカルなデザインを邪魔することなくカメラデザインに溶け込み、クリアで自然な画像を表示してくれます。
自分はシャッターを押した時に表示されるディスプレイの画像の綺麗さをとても重要視します。
その理由は写した時に綺麗な画像が出てくると気分が上がりさらにいい写真が撮れる気がするからです。
このZ fは自分の中の合格基準を遥かに超える美しさで、皆さんにもこのディスプレイを生で見てほしいと思うほどでした。
この見た目に反してZ fは最近のカメラのようにボタンの機能の割り振りも自分の好みに設定でき、ファインダーを覗き込みながらこれまで通りの違和感のない撮影を行なうこともできます。
アナログカメラと同じようにボディー天面に配置されたダイヤルを回し、じっくりカメラ操作を楽しみながらの撮影も行なえるのも魅力です。
シャッタースピードダイヤル下にはモード切り替えレバーが配置されていて、簡単にカラー写真からモノクロ写真への切り替えができるユニークな機能も用意されています。
カメラサイドにはUSBケーブルを介してカメラ内のバッテリーを充電したり、ヘッドフォンやマイクを接続したりするための最新のポートも備えています。
カードスロットにはSD UHS-IIスロットがあり、その横にはフルサイズミラーレスでは初のmicro SDカードのスロットが用意されています。
自分はSDカードをたまに自宅に忘れてきてしまうことがあり大慌てする事がありますが、このスロットがあれば車のドライブレコーダーやスマートフォンで使用しているmicro SDで代用できるのでいざというときは安心だなと思いました。
パワフルな内部・高性能な処理能力
クラシカルな外観にもかかわらず、内部はNikonの上位クラスのモデルであるZ 9と同じ画像処理エンジん「Expeed 7」を内蔵していて最新の技術が注ぎ込まれています。
Z 9・Z 8と同等のオートフォーカスシステムを備えていて人、動物、鳥、車両、飛行機などの被写体の追跡に長けています。
さらに-10EVのような暗くてフォーカスの合わせにくい撮影条件でも精度を確保しているので、夜の撮影時でもマニュアルフォーカスにする事なくスムーズに被写体にピントを合わせて撮影してくれます。
Expeed 7によりノイズをうまく低減し、カメラのノイズはISO6400でも目立たず、ISO12800になると細かく見れば少しざらつき感はありますが普通に使用できるレベルで驚かされました。
こちらは深夜3時にISO6400に設定して撮った写真ですが山の木々の立体感も潰れることなく写し撮り、雲にもざらつき感がありません。

こちらはISO12800で撮影した写真です。さすがに海の辺りにざらつき感はありますが言わなければわからないくらいのレベルで山の木々の立体感も維持しています。
驚きの描写性能です。

ダイナミックレンジも非常によくて、夜景や日の出日の入り時の明暗差のあるシーンでもハイライト部を飛ばすこともなく、シャドウ部分のディテールもしっかり表現できていました。
このような状況下では画像の細かいディテールが落ちたりしますがそのようなこともなく、クラシカルな見た目では想像もつかないほどのトップレベルの表現力を備えています。

こちらは夜景撮影をした写真です。
街のライトは非常に強く白飛びしやすいですがそれもなく、川にかかる橋のシャドウ部もきちんと写し出しています。
こちらはカメラが最も苦手とする太陽を画角内に入れた写真ですが、画質の劣化もなく葉の1枚1枚も細かく写し撮り、右上の木の幹も真っ暗になることなくよくみると幹の模様や凹凸もわかるほどです。

感動の描写力と色再現
画素数は2450万画素。
現在のカメラでは少し物足りなさを感じる人も多いとは思いますが、プロの写真家でもこの画素数であれば作品撮りや雑誌、企業での仕事でも十分に使用可能な画素数です。
しかも写真の保存などストレージスペースを気にすることなく何十枚何百枚でも気にすることなく気軽に撮影できるのも良い点です。
今回はこのページ全ての写真がNIKKOR Z 40mm f/2(SE)レンズを使用して撮影しています。
細かな木々や葉などカメラの描写力が最も問われるシーンで使用しましたが、立体感ある美しい結果をもたらしてくれました。
葉の一枚一枚の細かいディテールもしっかり写し撮り、洗練されたニコンカラーサイエンスのおかげで色も美しく、現場の感動をそのままに表現してくれます。
さらに解像度の高いSラインレンズを使用すればより印象的な結果をもたらしてくれそうです。

脅威の手ぶれ補正
Z fの手ブレ補正はZ シリーズで最も優れた8段分※の揺れを抑えてくれます。
手ブレ補正がボディに内蔵(ボディー内VR)されているので古いFマウントレンズやオールドレンズをつけても安定した撮影を楽しむことができます。
今回は真夜中に撮影したり、陽が沈んで暗くなってきた森の中などで手持ちで撮影をしてみましたが手の震えによるブレもなく綺麗な写真を撮ることができました。
この写真は真夜中に写したもので、手持ちで1.3秒の写真です。
自分は普段から明るくても三脚使用で撮影するので手持ちでの撮影はかなり苦手です。
普通の人よりも手持ち撮影が相当下手な方だと思います。
今回のこの写真は6枚撮影しているうちの1枚。
6枚撮影して1枚でもこれだけのものが撮れていれば自分にとっては十分でとても嬉しかったです。
※CIPA規格準拠。NIKKOR Z 24-120mm f/4 S(望遠端、NORMALモード)使用時

こちらの写真は夕暮れ時に撮影したものですが、山中の谷あいの場所なので周辺は結構暗くクマ出没の恐怖に怯えながら1/4秒で撮影しましたがブレることなく撮ることができました。

超解像の繊細な描写が可能なピクセルシフト
Nikon Z fはニコンでは初となるピクセルシフト撮影を搭載しました。
ピクセルシフト撮影を行なう事で最大9600万画素の写真を生成することができ、モアレや偽色、ノイズを抑えた新次元の解像度を得る事ができます。
撮影した複数枚の画像を無料でダウンロードできる純正ソフト「NX Studio」を使用して一枚の写真を作り出します。
そうしてできたのがこの写真なのですが、手前の木々が浮き上がるような立体感を持っています。

さらにこの写真の真ん中辺りを切り取ってみたのですが、こんなに小さく切り取ったのに葉っぱの細かいところまできちんと写していました。
約4万円ほどで購入できるNIKKOR Z 40mm f/2(SE)で撮影したとは思えないほどの写りです。

気軽に楽しむB&Wモード
Z fにはB&W(白黒)モードにするためのモードセレクターに専用レバーがあり、瞬時にモノクロ写真を撮る事ができます。
B&Wモードには「モノクローム」「フラットモノクローム」「ディープトーンモノクローム」と3種類の設定ができるようになっていて、今回は「モノクローム」で撮影してみました。
コントラストが程よく高めで力強さと繊細さのバランスが良く、普段は全くモノクロでの撮影をしない自分ですが、今後はさまざまなシーンで撮ってみたいと思わされました。

ビデオ機能
動画は4K UHD/60p対応。
フルHDの解像度であれば120pで撮影でき、滑らかなスローモーションも撮影できます。
※撮像範囲:4K UHD/60pはDXフォーマット時のみ対応。FX時は4K UHD/30p/25p/24p

Nikon Zf
その他の撮影した写真たち
F2.0にして撮影したボケのある風景写真。

空もそうですが、雲海に陽が当たり微妙に色が変化している部分もきっちり表現しています。

滑らかな水の流れ、岩のぬれた感じもしっかり写し撮り透明感ある描写性能。

明暗差のあるシーンですが、左手前にある大きな木のディテールも黒潰れすることなくしっかりとらえています。

まとめ
今回使ってみて思ったのは、Z fは本当に素晴らしく強くおすすめできるカメラだということです。
クラシカルなデザインには想像もつかない、今の時代にあった機能が多く備わっていて、十分にプロ写真家が仕事カメラとしても使用できるスペックでした。
オートフォーカスも素早く、4K動画や最大9600万画像の写真もつくりだせる高機能。
それでいて、Z 9や Z 8とは異なり威圧感がないので人が写り込む旅行でのスナップフォトやストリートフォトでも被写体が身構えることなく自然な写真を撮ることができ、友人の結婚式やお正月などの人が多く集まるシーンにもぴったりのデザイン。
洋服や和服どんな姿でもコーディネートしやすいのでアクセサリーとしても使えそう。
フルサイズミラーレス史上最も美しく上品なカメラだと思います。
所有しているこの喜びをぜひ皆さんも味わってほしいと思いました。

Nikon Zf








