丁寧な梱包に包まれてNIKKOR Z 24-120 f/4 Sが家にやってきた。
単焦点レンズしか使ってこなかった僕にとって喉から手が出るほど使ってみたかった高いズームレンズ。関西大学×GOOPASSの授業内での企画として、本来のサービス同様1ヶ月間のレンタルをする機会を頂いたのです。

申し遅れました。カメラ歴10か月の大学3年生。ひかりです。
とりあえずカメラを購入したのはいいものの、俗にいう単焦点の撒き餌レンズしか持っていませんでした。好んで単焦点しか使っていたわけではなく、シンプルに「ズームレンズ、高ぇ」という理由から手を出せないまま毎日を過ごしていたのです。

人間の三大欲求

かねてから使いたかったNIKKOR Z 24-120 f/4 Sはカメラ屋の展示品では無くなり、外で使いたいという願望が叶ったのです。

そしてこの度は喉から出た手がやっとレンズに届いたのですから、それを駆使しカメラ欲を満たしてやるのです。ご飯を食べて撮影へ行き、ナイトルーティンの一環で現像をする1日は充実感に満ちています。

このレンズで僕は何を撮りたいのだろう?

▲焦点距離:120mm、絞り:F/4、シャッタースピード:1/250、ISO感度:1000

ずっと使いたかったズームレンズ。
借りられただけでは満足できません。

ですが何を撮ればいいか分からない。こんなに次のステップが見えないのは初見のマインクラフト以来。ヘリオスレンズのボケ並にぐるぐる思考の沼にハマりました。

写真なんて何を撮ってもいいのに。そう。何を撮ってもいい。(もちろんコンプラは守ります)僕はNIKKOR Z 24-120 f/4 Sでスナップを撮りまくることにしました。

それは写真を撮りたいという欲望と写真を上達したいという欲望、身の回りの美しいと感じた場面を残したいという欲望。全てが詰まっている行為です。心の中の森山大道も「写真は量だ。量は欲望だ。」と言っています。間違いない。これだ。

欲望を満たすという行為は、僕が僕であるためにする儀式のようなものです。
誰かが代わりに満たしてくれる欲によって作られる僕の像は虚像でしかない。もちろん自分が作り上げる「自分」も究極的には虚像なのだけれども、第三者によって作りあげられる虚像とは違います。

結局自分を救えるのは自分自身なのです。100人の人間がいれば救われ方は100通り。自分が自分であるための儀式だって千差万別で良い。僕はその儀式にカメラを使います。

▲焦点距離:120mm、絞り: F/4、シャッタースピード: 1/200、ISO感度: 500

▲焦点距離:120mm、絞り: F/9、シャッタースピード: 1/200、ISO感度: 500

期限があるから使い倒す

サブスクといってもレンズはお借りしている機材です。使用には期限があります。
いつもはカメラを持たない場所へ出かける時でも、GOOPASSで借りているのだから使おうと、フォーカスリングではなくズームリングに手を沿えて歩くことになりました。

するとどうでしょう。機会がなければまじまじと見ることのなかった世界が実はとんでもない情報量を持っていると気づきました。
いつもは背景だったあの建物が主役に、いつも工事しているあそこも主役に。

なんだか、良い。そう感じる場所にカメラを向けて撮る写真は、心の底にいるカメラ欲を着々と満たしてくれます。
外に飛び出して、練り歩く。カメラを構える。
そんなことを繰り返していると限られた期間であってもズームリングが手に馴染んだような感覚がありました。

手がズームリングに馴染んだと言ったほうが正しいかもしれません。どちらにせよ、この限られた期間だけは、自分のモノになっていたのです。

余談ですが、借りた機材に張られているGOOPASSのラベルが小さくて嬉しい。もしチープなラベルシールで「レンタル」なんて書かれていれば、毎日持ち歩いて使い倒そうとは思わなかったでしょう。

▲焦点距離:120mm、絞り:F/4、シャッタースピード: 1/250、ISO感度: 1000

▲焦点距離:120mm、絞り:F/5.6、シャッタースピード:1/200、ISO感度: 1250

カメラ欲は更新される

1か月間、みっちりと向き合ったカメラ欲は写真の上達という形で見返りを僕にくれました。

そして何よりお借りしたレンズNIKKOR Z 24-120 f/4 Sはカメラ欲を満たし、自分を自分たらしめる行為の道具となりました。この行為は他人に理解されなくてもいい。
ひとりでできるもん。

自分のやり方で欲を満たしたとて、人間は貪欲。もう少しこのレンズを使いたいな。いや、他のレンズも触ってみたいな。次はカメラ本体も借りようかな。などと思いながらレンズを返却します。

写真への意欲は量なのです。量は欲望だし、欲望はダークな底なし沼です。
そのダークな部分に光を向けるのは僕自身であるし、それを可能にする道具がカメラであるし、レンズでもある。

また僕は底なしのカメラ欲を満たすためにGOOPASSを頼るでしょう。
その時は何を借りよう。

▲焦点距離:120mm、絞り:F/4、シャッタースピード: 1/320、ISO感度:1000

Nikon(ニコン) NIKKOR Z 24-120mm f/4 Sのスペックを見る

天野 光(あまの・ひかり)

2002年生まれ。筋トレと写真をこよなく愛する大学3年生。本名なのにペンネームだと思われがち。
自らをZマウント世代と呼ぶ。写真の上手さは肩幅に比例すると信じているが、ダンベルよりもカメラを持つことが増えたせいか、肩幅が広くなる気配はない。

Instagram:@hkr_amn
Twitter:@Hkr_Amn