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私(オタク)にカメラは猫に小判か?
私はオタクだ。
人生、一にも二にも推し。次元を問わず好きなものがたくさんあるが、私が好きになるものには大抵Z軸がなかった。そんな私だから、大学のフォトグラフィ実習に参加するまでカメラなんてまともに触ったことがなかった。
しかし、あれよあれよという間に、カメラと過ごす一か月が始まった。GOOPASSの豊富な機材の中から私が選んだのは「Canon 本気のフルサイズ&純正大口径標準ズームセット EOS R5 + RF24-70mm F2.8 L IS USM」だ。本来であればボディだけで50万円を超える代物を、一介の学生である私が手にする機会などない。ましてや、推しが出るかどうかは買って蓋を開けるまでわからない、魔のランダムグッズで貯金を溶かしたばかりの私ならなおさらだ。
フォトグラフィ実習が始まって三か月も経たないうちに、漫画のような展開の速さでとんでもないものを手にしたオタク。決められているのは期間だけで、その間カメラとどう過ごすのかは各人の自由にまかされている。正直最初は何を撮っていいか分からなかった。自分は何を撮りたいのか。考えた末、好きなものを撮ることにした。
決意の私(オタク)に当たるべからず
聖地巡礼とは、元は聖地や霊場に信者が赴くことを指す宗教用語である。転じて、今は漫画やアニメなどにゆかりのある場所を“聖地”と称して愛好者が訪れることを指す言葉としても使われている。
そう、カメラを手にした私がやりたかったことは“聖地巡礼”だ。大好きな漫画の舞台である北海道に行きたいとずっと思っていた。まだ行けていなかったのは、地元・京都から北海道までの1500kmという距離がやはりネックだったからだ。しかしこんなに良いカメラが手元にあるうちに行かないでどうする。思い立ったが吉日、気が付けば航空券とホテルを予約していた。
十代最後の夏、初めての一人旅行。私は、北の大地へ飛んだ。

▲焦点距離:34mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/6、ISO感度:100
「北海道開拓の村」は、明治から昭和初期にかけての北海道各地の建造物を、広大な敷地に移築、再現した野外博物館だ。
開拓時代の生活が保存されている貴重な施設である。
そんな開拓の村は私の大好きな漫画のファンの間で“聖地”として親しまれている。私が北海道の中で一番行きたかった場所だ。
記事のための撮影となると、許可が必要になってくる。しかも、博物館である開拓の村の撮影には北海道県知事の許可をいただく必要があった。
突然のお願いにもかかわらず、事務所の担当者さんは電話やメールを通じて温かく対応してくださった。
どきどきしながら申請書を書く。結果快く撮影を許可していただき、私は胸をなでおろしたのであった。
同じ志を持った者たちが直前に真っ青になりながら撮影許可について調べる羽目にならないように、簡単に覚書を記しておく。
おまけ:撮影許可申請フロー 〜北海道開拓の村編〜
1.撮影許可について相談できる窓口や申請のフォームを見つける
北海道開拓の村の場合は申請についてまとめたページがある
https://www.kaitaku.or.jp/assets/pdf/userguide/photography.pdf
禁止事項を確認。そもそも撮影が許可されないこともあると心得る。
2.早めに申請する
一週間前までには連絡を取る必要があるところが多い。撮影許可の連絡を受け付けている期間は施設によって異なるので、それぞれの公式ホームページ等を確認する必要がある。しかし、撮影日程の打ち合わせなどが必要になってくる場合もあるので連絡は早いほうがいいだろう。このとき、勢いだけで物事を進めていた私が連絡を開始したのは一週間前というギリギリのタイミングで、担当者のみなさんが好意的に進めてくださらなかったら許可が降りなかった可能性もあった。何事も余裕をもっておくのが重要だ。

▲焦点距離:46mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/10、ISO感度:100
空気を持ち帰る方法
大学にスーツケースを引いていくことになるとは思わなかった。
四限の英語が終わった直後に教室から飛び出して、関西空港に到着してから先のことはよく覚えていない。気づけば、乗り込んでいたタクシーの中で、夜の札幌をぼんやり眺めていた。
運転手さんが言った「14条」という言葉に耳を疑ったのが北海道での最初の思い出だ。
札幌と私の地元である京都には「碁盤の目」の街であるという共通点がある。
しかし京都が十条までしかないのに対して、札幌は南に39条、北に至っては51条まであるという。試される大地がさっそく私の想像を超えてきた。これが三次元の厚みか。
動き出したのは北海道に到着した次の日。通勤中の人たちにまぎれて開拓の村へ向かう。

▲焦点距離:34mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/6、ISO感度:100
現地で体感する明治の空間は、私の中の作品の解像度をこれでもかというほど上げてくれた。
空気も独特で、違う世界に迷い込んだのではないかと錯覚させるほどだ。キャラクターがいたかもしれない場所に実際に立つ特別感
脳内の映像と実際の景色が一致したときの感動は形容しがたい。これこそが聖地巡礼の醍醐味であろう。
聖地巡礼に来ると、この特別な感情を、現地の雰囲気と一緒にどうにかして持ち帰りたくなってしまう。
冷静でなければ缶詰で空気を採取していたかもしれない。オタクは全員分かってくれるに違いない。みんな私と同じはずだ。きっと。
しかし今回はそんな倒錯した衝動と戦う必要はなかった。私の手元にはカメラがあった。
景色を閉じ込めてしまいたくて、たくさんシャッターをきった。

▲焦点距離:56mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/200、ISO感度:100

▲焦点距離:46mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/15、ISO感度:100
カメラが写しとる細な光を透かせばその地で暮らした人の生活が見える気がする。その向こうにキャラクターの体温が、宿る気がする。火鉢にあたるあのキャラクターが、確かにいる気がする。

▲焦点距離:70mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/40、ISO感度:100

▲焦点距離:50mm、絞り:F/2.8、シャッタースピード:1/30、ISO感度:100
聖地を相手にシャッターを切り続けて気づいたのは、カメラは現実をただそのまま写す機械ではないということ。
人は見たいようにものを見る。カメラもそれに応えてくれる。私が見たい現実を見せてくれるような気がするのだ。
もちろん、実際に目で見て、肌で感じるものには代えがたいものがある。それでも、写真にもそれと同じだけの温度が残るような気がしてならない。
オタクの執念が宿っただけかもしれない。
オタクとカメラに関する新提案
好きなものを感じる手段としてのカメラ。キャラを召喚する方法としての写真撮影。
同志達よ、カメラを持って聖地巡礼に行こう。
カメラは単に三次元を記録するだけの道具ではなく、推しの「存在」を感じるための装備でもあるのだ。
しかし、カメラはやはり気軽に購入できるようなものではない。
オタクの神器に加えるには少し敷居が高いかもしれないカメラ。ならばサブスクリプションというかたちでならどうだろう。
今回私がGOOPASSを利用したのは一か月間だったけれど、一週間での利用だって出来てしまう。
私はこれから先思い立ってまた北海道に行くかもしれないし、逆に最南端へ、あるいは国境すら越えて好きなものの面影を追いに行くかもしれない。
そんなときに、ふと呼び出せる相棒のような存在としてGOOPASSに出会えたのはとてもうれしい。
注文から二日で届いたこのスピード感。うるさいオタクの旅行についてきてくれるフッ軽な相棒の存在は貴重である。
今回の相棒契約は一旦一か月で終了したけれど、たぶん私はまた次の聖地巡礼に向けて再契約をすることになるだろう。
Canon 本気のフルサイズ&純正大口径標準ズームセット EOS R5 + RF24-70mm F2.8 L IS USMのスペックを見る
著者プロフィール:中木 楓子(なかき・ふうこ)

2002年生まれ、京都出身。
年がら年中腹十分目、欲望のままに生きるオタク。焼きそばの麺はちょっと焦がしたい。






