GOOPASS MAGAZINEをご覧の皆さんこんにちは、写真家の藤原 嘉騎です。
今回、TAMRONさんより発売前のレンズをお借りしましたので、レビューをお届けます。
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2 はSONY Eマウント用に設計されたレンズです。
ズーム全域でF2.8通しという高い性能を持ち、全域で美しい写真を作り出す描写性能、簡易防滴構造で自然風景などのアクティブな撮影にも対応できます。
写真を撮る人にとって望遠ズームは人気の焦点距離で、特にズーム全域がF2.8通しのレンズはいつかは使用してみたい憧れのズームレンズです。
今回はこの新しい「TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2」をレビューします。

70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2(Model A065)
購入する前にレンタルで試すこともできます。
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目次
執筆者:プロフィール

藤原 嘉騎
photographer
米国 Walt Disney Company、National Geographicとフォトグラファー契約を結び、 まだ見ぬ風景を求め撮影を行っている。世界最高峰のコンテストである National Geographic Travel Photo Contest `People’ 世界2位を受賞。その他にもIPAプロ部門 `Nature’ 世界2位、など国内外のコンテストで多数の賞を得ている。多くの企業から依頼 を受け写真を提供すると共に、国内外の新聞・書籍・雑誌など数多くのメディアでも活躍 している。元プロスノーボーダー。
前モデルとの違いについて
前モデル「TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VXD」の発売からわずか3年ですが、新たに光学設計を見直し改善を行なったことで全焦点距離においてこれまで以上にシャープで解像感があり、空気感も伝える描写性能に生まれ変わっています。
タムロン独自の手ブレ補正機構VCを新たに搭載し、より安定したブレのない撮影が可能になりました。
最短撮影距離も改善され焦点距離70mmで30cm、180mmで85cmとなっていて被写体にめいっぱい近づいて背景をぼかすことができ、花の撮影でこの能力が発揮されそうです。
さらに今回新たに追加されたカスタムボタン。
このボタンには「カメラボディ機能割り当て」「フォーカスプリセット」「A-Bフォーカス」「フォーカス/ 絞りリング機能切り替え」などの機能を3つも割り当てることができるようになっています。
最近はカメラで高品質な動画撮影が当たり前になっているのでこの機能の追加はとても嬉しい。ピントが合った状態からピントを外していく動作を自動で行う「フォーカスプリセット」。
ボタンを押すごとにピント位置がAとBを行き来する「A-Bフォーカス」。これらの手法はマニュアル操作だと非常に難しい撮影手法ですが、カスタムボタンに設定する事で簡単にできようになっています。
これらの割り当てや調整はPCからレンズをカスタマイズするソフト「TAMRON Lens Utility」をインストールして使用できます。
| 製品名 | TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VXD [ソニーE用] |
| 対応マウント | ソニーEマウント系 |
| 焦点距離 | 70-180mm |
| F値 | F2.8 |
| 最短撮影距離 | 0.3~0.85m |
| フィルター径 | 67mm |
| 最大径×長さ | 83×156.5mm |
| 重量 | 855g |
1本で多彩な撮影を楽しめる焦点距離
ズームレンズは同じ立ち位置で撮影しても多彩な表現ができる魅力的なレンズです。
特に自然風景を撮影する際には圧倒的にズームレンズが便利。
70〜180mmの焦点距離は手の届かないような遠くの風景も大きく切り取る事ができ、想像を超える表現を得ることができます。
1 枚目の写真は雲海よりもさらに高い山に登り眼下を70mmで撮影しました。

2枚目は1枚目の写真にある雲海の隙間を180mmで切り取っています。
1枚目は自然風景の写真に見え、2枚目は都市風景の写真に見えます。
同じ場所から撮影した写真でも切り取り方で違う雰囲気にすることができるのがTAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2の魅力です。

次の写真は崖上から川を見下ろす場所から撮影しました。
垂れ下がる木を大きく捉えたかったのですがとても近づくことができない危険な場所でした。
しかし180mmの焦点距離のおかげで同じ場所から動く事なく安全に垂れ下がる木を大きく切り取る事ができました。
自然風景ではこのように近づく事ができない場所が多くあるのでTAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2のような望遠ズームが1本あると非常に活躍してくれます。
その場の空気感を捉える描写性能と繊細なグラデーション表現
全焦点距離で光学設計を見直し改善を行った性能をさまざまシーンで撮影してみました。
結果はどれもコントラストが良好でありながら少し柔らかな印象のある素晴らしい描写で、シャープネスは高く立体感もあり満足のいく写りでした。
最新の技術が盛り込まれたレンズはやはり画質がよく、カメラのディスプレイに映った画像に何度もハッとさせられました。
特に1枚目の薄い水色から薄いピンクに移り変わる空の繊細な色の再現は素晴らしく、トーンの繋がりの美しさをここまで表現できる能力に驚かされました。
2枚目の写真は朝靄の立ち込める幻想的な空気感を捉えながら、岩の立体感と木々の細かな描写もしっかりとらえています。しっとりとした撮影地の雰囲気も伝わってきます。
3枚目は花の背景ボケの写真ですが、こちらもメインとなる花は驚くほどシャープで浮き上がるような立体感を持ち、背景ボケになっている色とりどりの花は滲むことなく滑らかにボケています。



ズーム全域においてF2.8という絞り
F2.8通しのレンズを持っているといろんなシーンで撮影が楽になり表現が広がります。
結婚式場やステージなどの室内撮影、夜景撮影、星や蛍などさまざまな環境でブレやノイズの少ない写真撮影が可能になります。
そのほかにも単焦点レンズのような背景ボケを活かした撮影もでき、一度使うとその便利さで手放せなくなるのがF2.8通しのレンズです。
下の写真は移動中にサッと手持ちで撮影した写真です。
できるだけノイズが少なくブレのない写真を撮るために絞り値をF2.8にする事で短いシャッタースピードと低感度で撮影することができ、手持ちでありながらブレとノイズの少ない写真を撮る事ができました。

次の写真は70〜180mmという長めの焦点距離とF2.8の絞り値だからこそできる背景ボケを活かした花の写真です。
花に思い切り近づいて撮影することで、ピントの合った花と背後に広がる滑らかで美しい背景ボケを作る事ができます。
この2つが交わることで被写体を浮き上がらせるような立体感が生まれ花を強調してくれます。
背景に木漏れ日などの光源を入れれば美しい大きな玉ボケも作れるのもF2.8の魅力です。

AFも速く、違和感なくスムーズ
純正レンズと比べるとどうしてもAFスピードが遅いと思われがちなサードパーティ製レンズですが、このレンズを実際に被写体に向けて撮影して驚きました。
動物は人と違って立ち位置や顔の向きなど指示することができないので、ほんの一瞬のシャッターチャンスを逃すともう2度と撮る事ができません。
AF性能が非常に重要なシーンです。下の写真はこちら側を向いている鹿がいる事に気がつき慌ててカメラを向けて撮影したものですが、構えた瞬間にAFが静かに鹿に合いスムーズに撮影できた1枚です。
撮影した瞬間こちらに気がついた鹿はスッと森の中へと消えていきました。
あとコンマ数秒遅れていれば撮る事ができなかった写真です。

光源にも強い光学性能・フレア抵抗
ゴーストやフレアの発生を抑制できているのかを見るために、今回強い光源を放つライトを画角内に入れて撮影を行ってみました。
結果は良好でコントラストもしっかりしていて描写が低下することもなくクリアな写りを見せてくれました。
新しいコーティング技術BBAR-G2の採用でゴーストやフレアの発生を抑え、解像感ある画像を実現しています。
これなら安心して太陽や強い光源に向けて撮影する事ができ、写真表現の幅が広がります。

TAMRONのフルサイズミラーレスラインアップ共通の67mm径
日の出日の入り時の空の色が劇的に変化していく時間帯。
自分はこの時間の撮影になるとレンズを頻繁に変えて撮影するのでカメラバックの中にキャップのしていないレンズとレンズキャップが放置されていきます。
いろんなメーカーのレンズが混在すると、どのキャップがどのレンズに合うのかが分からなってしまい、キャップはしたいのですが、それを探していると美しい空の色を逃してしまうのでいつもこの状態になります。
しかし、タムロンレンズで揃えておけばフィルター径が同じなので、どのレンズキャップでも取り付ける事ができシャッターチャンスを逃すリスクを減らせます。
さらに径が同じという事は、PLやNDフィルターなどを各径ごとに買う必要もなくなり、1つ買っておけば他のタムロンレンズにも使用できるので非常に経済的です。
自分は山岳撮影用のレンズとしてSONY EマウントのTAMRON 28-200mm F/2.8-5.6を所有しています。
このレンズも今回のレンズと同様のフィルター径なので、新たに購入する事なくその時に使用しているNDフィルターをTAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VCVXD G2につけて撮影してみました。
通常、太陽に照らされる明るい時間帯で長時間露光をすると白飛びしてしまいますが、NDフィルターを使用することで滝の流れや雲海の流れを幻想的に表現する事ができます。

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2を手に入れる方法
購入する
TAMRON Online Storeでは、165,000円 (税込)で購入できます。また、家電量販店やネットショップなどでも購入可能です。
レンタルする
「TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2」に興味はあるけど、過去にレンズの購入で失敗したことがあるから、いきなり買うのはちょっと怖い…」という方には、レンタルするという選択肢がおすすめ。
カメラのレンタル・中古買取・中古販売「GOOPASS」では、「TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2」をレンタルすることができます。

70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2(Model A065)
まとめ

今回「TAMRON 70-180mm F/2.8 Di Ⅲ VC VXD G2」を持ち出してさまざまな場所で撮影してきましたが本当に楽しいものでした。
望遠ズームといえば重量があるので持ち歩くのに少し気合が必要なのですが、このレンズは小型軽量でカメラバッグにもすんなりと収まるし気楽に撮影できました。
さらにズーム全域で絞り開放F2.8。光学手ブレ補正も搭載され、近接撮影能力も高く、なによりAFが速いので撮り逃しがない。
そして、最も重要な画質も自然風景を撮っていると小さな葉や木々が画像内にたくさん入るので描写性能がないと立体感がなく面白みのない写真になってしまうのですが、このレンズはしっかりと写し撮り立体感のある写真が撮れるのも良かったです。
望遠ズームってこんなに楽しいかったっけ?!と思わせてくれるレンズでした。
















