登山道具選びで重要視すべきこと。それは小型軽量。そして忘れてはならないのが「スタイリッシュ」であること。

持つ事に喜びを感じない道具は持つ価値がない。僕の哲学だ。

アウトドアで使用するカメラも同じである。小型軽量であることが正義でありクリエイティブ思考へと繋がる糸口である。

僕は黒部源流の山々や南アルプス南部を主戦場として写真創作を行なっている。撮影ポイントに6~8時間歩く山域だ。

山小屋も水場も限られザックの中身は登山道具でいっぱいになる。そんな中で撮影を試みる訳だから機材は小型・軽量・高性能である必要がある。

そして防塵・防滴・堅牢であることも付け加えたい。

今回紹介する「OM-5 Mark II」はそんなフィールドで僕が実際使用し活躍しているカメラだ。

兄貴分の「OM-1MarkⅡ」や「OM-3」も気になるが入門機としてはハードルが高い。

やがてはそれらを手に入れてOM-5 Mark IIをサブ機にと長期的なシステム計画を考えても良いだろう。

OM SYSTEM機はメニューや操作系が統一されており併用しても違和感が無く使える。豊富なレンズ群も魅力的だ。生涯付き合うことができるシステムと言える。

OM SYSTEM

OM-5 Mark II [サンドベージュ]

筆者プロフィール

秦 達夫

写真家

長野県飯田市遠山郷(1970/4/20 生)。自動車販売会社・バイクショップに勤務。後に家業を継ぐために写真の勉強を始め自分に可能性を感じ写真家を志す。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトルの写真集を信濃毎日新聞社から出版。写真集『山岳島_屋久島』『RainyDays 屋久島』『Traces of Yakushima』『風光の峰 雲上の渓 黒部源流の山々』エッセイ『雨のち雨ところによっても雨_屋久島物語』他多数。小説家・新田次郎氏『孤高の人』の加藤文太郎に共感し、『アラスカ物語』のフランク安田を尊敬している。
日本写真家協会会員・日本写真協会会員・日本風景写真家協会会員・Foxfire フィールドスタッフ・日本写真芸術専門学講師・Intel® Blue Carpet Project Member

https://aboutme.style/photohata

OM-5 Mark IIはどれくらい軽くて凄いのか? 

ボディの重量はわずか418g。500mlのペットボトルよりも軽量。この数値はバッテリーとメモリーカードを装着した状態での重さになる。

レンズキットとして販売されているM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II(285g)と組み合わせても合計703gにしかならない。

数字を並べられてもピンとこないかもしれなしが、ボディとレンズを合わせても非常に軽いことがご理解いただけると思う。

そして次に気になるのは、「このレンズでは、どれくらいの範囲を撮れるのか?」という点ではないだろうか。

以下の写真を見て欲しい。これは筑波山の山頂から日没後に撮影した風景。

1本のレンズで、これだけ異なる画角の写真が撮影可能。スマートフォンの望遠撮影はデジタルズームが使われるため、画質が劣化しやすいのが難点。

しかし、OM-5 Mark IIでは光学ズームを使用しているため、ズームアップによる画質の劣化はない。

遠くに富士山が小さく見えるのがわかる。昼から夜の狭間の空のトーンが美しい。

レンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの広角側で撮影。画角は焦点距離:14.0mm(焦点距離35mm換算:28.0mm)

【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ
OM-5 Mark II+M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II , F9.0 , 1/200秒 , ISO200

焦点距離を望遠側にスライドさせて撮影。遠くに小さく見えていた富士山が大きくハッキリ写し出された。

レンズM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの望遠側で撮影。画角は焦点距離:150.0mm(焦点距離35mm換算:300.0mm)

ちょっとマメ知識

被写体は近づけば大きく撮影できるし、離れたら広く撮れるのに、なぜプロはたくさんレンズを使っているの?

確かに被写体の大きさは撮影距離で変える事ができます。

物理的に近づけない被写体、たとえば飛んでいる鳥や柵越しの花は必然的に望遠レンズが必要になりますよね。逆に狭い場所は下がることができないので広角レンズが必要になります。

しかし、これがレンズを使い分ける本当の理由ではありません。

下記の2枚の写真を見比べてください。龍のオブジェが同じ様な大きさで写っていますが、背景の写り込み方に違いがあります。このように背景コントロールをするためにレンズバリエーションが必要になるのです。

広角レンズで近づいて撮影。背景面積が沢山写り込みます。臨場感が欲しいドキュメンタリーなどの撮影によく使われます。たとえばお祭り撮影やスナップ撮影ですね。

望遠レンズで離れて撮影。背景面積が狭く写る様になります。背景を整理し易く被写体が浮かび上がる効果があります。たとえばポートレート撮影や花撮影に効果的です。

このように撮影距離と焦点距離の組み合わせによって背景コントロールをするためにレンズバリエーションが必要なのです。

焦点距離の数だけ表現力が増えていくと考えるとレンズがたくさん欲しくなりますね。そのほか、同じ焦点距離でも開放F値や最短撮影距離の違いで撮れる被写体が大きく変わってきます。

詳しくはまた違う機会にお話しできたらと思います。

スタイリッシュなデザインはフィルムカメラ譲り

デジタル機器はタッチパネル全盛の時代だがOM-5 Mark IIは操作性を追求しながらもボタンやダイヤルでの操作が中心。

そのスタイルは往年のフィルムカメラを連想させ操作することの喜びや所持欲を刺激するデザインになっている。

また持ちやすさ構えやすさを追求した新形状のグリップが手の小さな女性でも長時間撮影を楽しむ事ができるようになっている。

ボディーカラーはシルバー・ブラックにサンドベージュ加わり全3色。往年のシルバーやブラックを選ぶか?他社にないサンドベージュを選ぶのか?迷うところである。

【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ

【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ

どんなシチュエーションにも対応できる機動力

山歩きをしていると突然写欲が湧き上がることがある。

このときの注意事項だが、必ず立ち止まって観察&撮影をして欲しい。転倒のリスクがあるからだ。

「そんなことしない」と言うと思うが意外とその姿を目にする。山での怪我の殆どは不注意から発生する。

しかし、湧き上がる写欲を我慢する必要は無い。それに応えてくれるのがOM-5 Mark IIである。

現在ザックのショルダーハーネスなどにカメラを固定できるアイテムがたくさん販売されている。小型軽量防塵防滴だからこそ、そのようなアイテムを多用できる。

ただし、転倒時に機材破損や怪我の元にもなり破損した部品がほかの登山者に当たるなどのリスクが想定されるので足場が悪いところや人通りの多い場所での使用は避けて欲しい。

ルールやマナーを守ることも撮影の心得なのである。

【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ
【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ

僕が愛用している例。ザックのショルダーハーネスにカメラを固定するアイテム。

森林限界を抜け展望の良い場所でであった雲海。自分がいる場所の高さを実感すると共に今までの疲労が一気に解放される瞬間。

出会いはいつも突然である。茂みの向こうに佇む雷鳥。霧が立ち込め風の強いだった。

OM SYSTEM

OM-5 Mark II [サンドベージュ]

星の軌跡を撮ってみよう

星の軌跡はとても人気の高い被写体である。

山の上で見る星空はとても綺麗で撮影して持って帰りたいと思うユーザーも多いのではないだろうか。しかし、撮影の難易度が高そうで機材も特別なものが必要なイメージがあるのでは?

そのイメージを吹き飛ばしてくれるのがOM-5 Mark IIである。

使う機能は「ライブコンポジット」カメラ内で全て完結する。操作はとても簡単だ。

撮影中、背面モニターに星の軌跡が伸びていく様子が写し出されるので待っている時間退屈することはない。

先日、編集者とライブコンポジット撮影をしていたらモニターに写し出される伸び行く軌跡に興奮が抑えきれずカメラを倒しそうになっていた。皆さんはそのようなことが無いように落ち着いて撮影して欲しい。

シャッター速度10秒、F2.8 ISO1600のカットを308コマ自動撮影しカメラ内自動合成によってできあがってきたカット。北の空に浮かぶ北極星を画面内に捉えて撮影すると丸い円が現れる。

ちょっとマメ知識

星の軌跡はライブコンポジットを使えば誰でも簡単に撮影できます。

しかし、一番難しいのは星にピントを合わせる事です。暗闇で通常のオートフォーカスは作動しないからです。

でも、大丈夫!OM-5 Mark IIは「星空AF」機能が装備されておりAFモードを切り替えることで星が見えていればAF撮影が可能なのです。

コンピュテーショナル フォトグラフィ

この単語は「コンピューターを使って高度な画像処理をすることを前程とした写真撮影」を意味する。前項目で解説している「ライブコンポジット」もその1つである。

OM SYSTEMはこの分野を得意としており、その他にハイレゾショット・ライブND・深度合成・HDR撮影・多重露出がある。今回はその代表例である「ハイレゾショット」について説明しよう。

ハイレゾショットとは簡単に説明するとシャッターボタンを1回押すと自動で複数撮影を行ない1枚に写真を合成し高精細なデータを作り出すことができるシステムだ。

「三脚ハイレゾ」と「手持ちハイレゾ」の2種類が存在する。撮影後の記録時間に差が出るが画質は両方約5000万画素相当の高解像度のデータを作り出すことができる。

厳冬の上高地。かっぱ橋付近から見た穂高連峰。朝日に照らされたモルゲンロートが美しく、その繊細さを引き出したく手持ちハイレゾで撮影しました。

拡張性の高さ

デジタル機器を扱っていて困ることの1つにバッテリー問題がある。予備バッテリーを持ち歩くことが対策の1つだが宿に入れば充電をしたくなるのが人情と言うもの。

そのために充電機を持ち歩くのは折角小さなボディを手に入れたのに本末転倒のような気分がする。

しかし、これも大丈夫。OM-5 Mark IIはUSB Type-C端子を採用しておりケーブルさえあればどこでも本体に充電可能だ。

しかもモバイルバッテリーからも充電・給電が可能になっている。その他、動画撮影に欠かせないマイク関係の機材も充実している。

前にも述べているがレンズバリエーションが豊富でさまざまなシュチュエーションに対応できる。それらが全てコンパクトである。

【OM-5 Mark IIレビュー】小型・軽量でありながら高性能しかもスタイリッシュなタフなヤツ

まとめ

カメラが趣味ではないけれど、道具にはちょっとこだわりたい。スマートフォンでは物足りない、写真に何かしらの可能性を感じている──。

そんな思いの入り口にあるカメラが今回ご紹介している「OM-5 Mark II」だ。

小型・軽量・防塵防滴・高性能。まさにアウトドアで使うためのカメラに仕上がっている。風景をじっくりと見つめ、写真に収めることで、自然をより深く感じ、大切に思う気持ちが膨らんでいく。

この記事が、そのような気づきやきっかけの1つになったら、とても嬉しく思う。

OM SYSTEM

OM-5 Mark II [サンドベージュ]

使用したレンズ

OM SYSTEM

M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

OM SYSTEM

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO

OM SYSTEM

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO

OM SYSTEM

M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II