新連載:「副業フォトグラファー(カメラマン)のキャリア」
記念すべき連載の初回は、現在沖縄でフリーランスをされている、こもりたさん。
大学卒業後、大学の体育の先生として就職。
大学の先生は時間を有意義に使えないことにモヤモヤを抱え、独立。しかし、安定した収入が欲しくて次は営業職として再就職。
営業職として働きながら、まずはライターとしての副業をスタート。奮発して購入した一眼レフを武器にインタビュー記事+写真などを担当するうちに、写真単体の仕事も受けるようになったそうです。
沖縄に移住した現在はフリーランスとして活動し、睡眠時間は削ることなく、会社員時代より充実し、お給料が増えているこもりたさん。その詳細についてお伺いしました。
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目次
卒業2週間前に決まった就職先は、大学の先生。でも、モヤモヤが募るばかり

ー大学を卒業してどんなキャリアプランを描いてましたか?
大学生の頃は、働くということがよくわからなくて、とりあえず就職をしました。
4年制のスポーツ学部を卒業し、別の大学の体育の先生として教鞭を取ることに決めたのです。
大学教員は研究者なのですが、学部を卒業した程度では自分の専門分野などで研究したいものもなく、とても暇な時間が多くて。
それでも社会人になりたてだったし、石の上にも3年じゃないけど(今となっては考え方が少し古いですが…笑)3年間は勤めようと思っていました。
その頃、ストレートネック(本来自然なカーブを描いているはずの頚椎が真っ直ぐになっている状態)で首を痛めたことが原因で、ピラティスに出会いました。
たまたま行ったスポーツクリニックがリハビリとしてピラティスを取り入れており、定期的に通っていると首の痛みも取れたし、内面的な変化(今まで毎日が退屈で嫌だなと思っていたのに、なんだか世界がキラキラして見えたんです)も現れてとっても感動したことを覚えています。
ここから、ピラティスを口実に仕事を辞めようと考えるようになりました。
ピラティスインストラクターの資格を取得し、自分の中で密かに退職する準備を始めてからは、それまですごく暇でつまらないと思っていた業務時間も、楽しい時間へと変わっていきました。
ー女性のキャリアについてはどう考えていますか?
結婚したとしてもそうでなくても、誰かや何かに収入源を依存したくなくて、「自分で稼げるようになりたい!」とずっと強く思っていました。
その思いの背景としては、私が幼い頃から両親は仲が悪く、10歳ぐらいからずっと家庭内別居状態だったことがあると思います。
(私は父親派だったのですが)結局、母が出て行ったのは私が20歳の頃でした。
なぜ、そんなに時間がかかったのかと考えた時に、その要因として「母はほとんど専業主婦だったので、自分で収入を得ることができなかった。だから我慢して結婚生活を続けるしかなかったんじゃないかな?」と子供ながらに思ったんです。
ただ母はすごく多才で、フランス語ができたり、私のピアノの発表会のドレスを毎年手作りしてくれたり、クリスマスには鶏の丸焼きが出てくるほど、料理もすごく上手でした。
そんなに才能に溢れているのに実際の仕事はパートでレジ打ちなどをしていて、母のできることや好きなこと、才能を活かせていない仕事ばかり。
そういう母の姿を長年見てきたので、私は「自分の才能を仕事にしたい!」「会社という枠にとらわれずに自由にのびのびと稼ぎたい!」と思っていたんです。
社会人になって4年目に「ピラティスのインストラクターとして晴れてフリーランスになれる!」と決まった時は、どきどきしながら大海原に飛び込んでいく感覚がとても嬉しかったですね。
自分の時間を有意義に使いたいと思い、独立。

ー独立したことでモヤモヤは晴れましたか?
独立した後はスポーツジムやピラティススタジオなどに所属するのではなく、 自分でお客さんを集客して、企画を立てて、ピラティスのレッスンをするという事業をやっていました。
しかし、それだけではしっかりとした収入にならなかったので、アルバイトとの両立生活でしたね。
1年ぐらい経つ頃には「1人で続けていくのは難しいな…」と思い始め、やっぱり会社員としての安定感は大きいし、「一般企業と言われるような会社で働いてみたい」と考え、会社員に戻ることを決意。
たまたま縁があって、転職先は「この会社の営業マンはすごい!営業スキルを教える社内体制がすごい!」と言われる外資系の企業に入社することができたので、ここで初めて営業職というキャリアをスタートしました。
安定した収入が欲しくなり、再就職。そこでカメラの副業を始めた。

安定した収入だったりボーナスだったり、税金関係だったり。
金銭や事務に関する手続きは会社に所属していると自動的に処理されるので、すごく楽だし安心だなと思っていました。
ー営業職ではどんなことをしていましたか?
その後、営業職で仕事をいくつか転職しています。
業界としては金融や電子機器メーカー、不動産の営業を経験していて、形のあるものないもの、法人向け・個人向けと、あらゆるスタイルの営業を経験しました。
ー写真の副業をはじめたきっかけを教えてください。
社会人になって数年経った頃、「やっぱり自分の力で稼げるようになっておきたい!」「会社に依存せずに収入源を持っておきたい!」と思って、副業をスタートさせたことがきっかけです。
写真の副業については、最初からフォトグラファーとしての仕事を受ける自信はありませんでした。
それまでにアフィリエイトブログで培ってきたライティング力を生かしてWebライティングの仕事を受けていたので、ライティングの仕事との抱き合わせでフォトグラファーの仕事を受けることからスタートしています。
というのも、カメラをどこかで学んだわけではなかったので、カメラマンとしてお金をいただくことに最初は少し抵抗があったのです。
「ライティングと、その記事に合わせた写真を撮ることであればできるな」と思いましたし、それが私ならではの特徴だなと思ったので、 最初は「ライティングとその記事に合わせた写真を撮ることができます」というアピールをひたすらしていました(笑)
カメラを始めた最初の頃は 「物撮り」といって、物やカフェでのお食事を撮ることが多かったのですが、沖縄に移住してからは人物を取りたいなと思い始めました。
その時に地元のカメラマンが立ち上げたコミュニティがあることを知って、 カメラコミュニティに入ったんです。
毎月1~2回、撮影会を開催してくれ、モデルさん(と言っても多くは素人の方)も来てくれるので、この撮影会で人を撮ることの面白さを知りました。
ーその時買った機材を教えてください。
最初のカメラを買う資金は、自分の不用品をメルカリで販売して得たお金でした。
カメラに興味があるなと思い始めた頃に沖縄県の波照間島に一人旅をしたことがあったのですが、波照間島でプロのカメラマンさんと出会って連絡先を交換していたので、実際にカメラを買う時はそのカメラマンさんに相談して決めました。
「一眼レフを始めるならば、物撮りで背景がぼけている写真が撮りたい」と話をしたところ「レンズ選びは、撮りたいものが明確にあるなら、撮りたいものにあったレンズを選ぶのが良い」とおすすめされたものです。
その方がおっしゃるには、「最初から望遠レンズなどを使ってしまうと、写真の楽しさが感じられないまま写真から離れてしまうこともよくあるから」とのことでした。
カメラ機材については、本体はキヤノンを使いたいという思いがあったのでEOS 8000Dを選び、レンズは、物撮りでぼかし写真を楽しめるようにキヤノン EF-S 24mm F/2.8 STMを買いました。

EOS 8000D ボディ
その後、慣れてきて「外に出かけて遠くのものを撮りたい」という気持ちが強くなってきたので、「望遠レンズも欲しいな」と思ってEF-S55-250mm F4-5.6 IS IIを追加で購入しました。
カメラ機材に関しては、元々すごく気に入って揃えた機材だったこともあって、今も一番最初に買った機材をそのまま使っています。
ー仕事はどのように獲得しているのでしょうか?
写真の仕事については、先ほども紹介したようにライティングの方が自信があったので、ライティングと抱き合わせる形で「一眼レフでも写真が撮れますので綺麗な写真を提供することができます!」とアピールするところからスタートしています。
仕事の受注方法については、ランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサービスを使って、自分がやってみたい案件やできそうな案件にたくさん応募して受注してきました。
1つの案件に応募者がたくさんいますので、 プロフィール文や提案文は使いまわしてコピー&ペーストで済ますのではなく、案件ごとに変えるなどの工夫をしています。
また、初期の頃から、自分で撮った作品が載っているInstagramのアカウントや自分でやってたアフィリエイトブログなど、ポートフォリオになるようなものを添えることでアピールしていましたね。
そのようにライティングと抱き合わせて仕事をこなしていくうちに、 写真の評価がとても良くなり、いろんなお褒めの言葉をいただけるようになったので、「写真だけの仕事を受けても大丈夫かもしれない」と自信がついて、徐々に写真だけの仕事にも応募するようになっていきました。
単価としては、2万円から5万円の案件が多いです。

ーGOOPASSでは、「人生を彩ろう」をパーパスとして掲げています。写真を撮ることで誰かの人生、または自分の人生を彩れている瞬間はありますか?
私は本当に「一眼レフカメラを買ってすごく良かったな」と思っていて、なぜかというとまず画質がとても綺麗なので、それだけで私自身のテンションがすごく上がるからです。
自分が「とてもいいよ!」「綺麗な写真が撮れたよ!」「いい写真が撮れたよ!」と相手に提案・提示することができるので、その雰囲気が相手に伝わって相手もとても喜んでくれるなと感じています。
皆さん、スマホで写真を撮ることには慣れていても、 やはり一眼レフの画質って全然写真の綺麗さが違うので、まず第一には画質の良さで感動してくれますね。
提出先の編集者さんが感動してくれるからその記事自体もすごくいいものとして発信され、さらに、その記事を見た読者の方々が「(記事の中で紹介しているものを)これ、素敵だな」 と感じてくれて、その商品の購入に繋がると、その人の人生がまた豊かになっていく。こうやって繋がっていくんじゃないですかね。
また、最近は人物を撮ることが多いんですけれども、ポートレートも大変好評を頂いています。
例えば、女性を撮影させてもらった時に「私の内側に眠る女性の魅力を引き出してくださって、大人の女性という感じがします。正直、見るまでは『(自分が)思っている自分と違いすぎたらどうしよう』とかいろんな部分もあったけど、写真を見て、コンプレックスも含めて個性とか魅力に変わるんだなと思いました」などと言っていただけました。
私が人を撮る時に意識していることは、「 人は誰でも美しい」という部分にフォーカスすることです。
誰しも辛い経験や辛い過去があって、自分のことを好きになれない人、いわゆる自己肯定感の低い人も、日本人の中には多くいらっしゃると思います。
しかし、誰しもが持っている、子供の時のような純粋で、自由で、のびのびとした自分らしい自分を絶対に秘めているので、 そこを引き出しながら撮影していくことを意識していますね。
なので、私が人物を撮影するときは、 ポージングをしてもらってワンショット、ワンショット撮っていくのではなく、モデルさんと会話をしながら連写で流れるように撮っていきます。
そうすると笑顔がとても自然で、 表情も大変柔らかい写真が撮れますよ。
ー本業とのバランスについて教えてください。
本業とのバランスについては、 平日フルタイムで働いている時は、仕事以外の時間にできる案件のみを受けていました。
インタビュー案件などは平日の日中に指定されることが多いので、いつかやってみたいなという気持ちはありつつもなかなか難しく、本業以外の時間にできる案件に絞っていましたね。
楽しそうな案件があるとついつい応募しすぎてしまって、 納期が同じようなタイミングの案件が重なり、1週間ゆっくり休めてないような時もあって。
「しっかり休むことも必要なんだな〜」と、感覚のバランスを取りながら仕事を受けていました。
自分がどのようなペース感で仕事をするのが合っているのかを把握していくことも、とても重要だなと感じています。
ーその後、沖縄に移住されたそうですね。
沖縄に移住するきっかけになったのは、福岡で営業職をしており、鹿児島に出張した先の飲み屋さんで沖縄の方と一緒に飲んだことがきっかけでした。
沖縄の方言・イントネーションに魅力を感じ、そこから沖縄という土地に興味を持ったという流れです。
沖縄には独特な言葉・文化・風習があり、例えばお盆やお正月は今でも旧暦で動いていることやお盆の過ごし方、仏壇、結婚式の盛大さなど、本土の人には馴染みのない習慣もあります。
沖縄の文化や風習を楽しく学べるのが、沖縄芸人さんのお笑いでした。
(基地問題などの政治的な内容も含めて)ネタにはふんだんに沖縄のことが散りばめられているので、移住する前に沖縄に出張に来ていた頃は、毎回お笑いライブにも足を運んでいたほどです。
「沖縄移住をしたい」という思いが強くなって、今の環境が耐えられなくなった時、当時所属していた会社の社長に「沖縄に営業所を作らないんですか?」と尋ねたところ、「しばらくは予定ないね」と言われてしまいました。
「それなら、会社を辞めて移住するしかない」と退職届けを出したところ、約1週間後に部長から「沖縄に営業所を作るから、仕事が決まってないなら行ってきてほしい」と打診をされるというミラクルが起きたのです。
こうして、仕事を辞めることなく移住が叶いました。
その後、2020年1月に別の会社の営業職に転職しました。
しかし顧客が観光客の仕事だったので、コロナの影響で休業したり、通常営業したり、を繰り返していてペースが乱れてキツかったことと、ずっとやりたかった在宅の仕事がかなり増えていたので「フリーランスでもやれる」と思い、2021年7月に退職して今は沖縄でフリーランスとして活動しています。
沖縄移住でフリーランスに。これまでのスキルを活かしてさまざまな仕事を手がける。

とはいえ、 周りに独立して稼いでいる友達があまりいませんでしたし、会社員を卒業するということへの不安はずっとあったので、結局12年間、会社員として働いていましたね。
2017年頃から副業を始め、少しずつ実績を積んでいます。
コロナをきっかけに在宅でもしっかり稼げる仕事がかなり増えてきたので、本業の方が休業になったり通常営業になったり、リズムがすごく崩れていた中でも独立することが決意できました。
ー今はフリーランスで活動されています。どんな仕事をされていますか?
私はこれまで、一つの仕事を長く続けられないことに少しコンプレックスに感じていました。
周りは、「いろんな経験をしていてすごいね」と言ってくれていたのですが、それを素直に認められない自分がいたんです。
しかし、自分の個性学を見ていくと「一つのことにとらわれない星」「風のように次から次へと移り変わっていく星」「人に教えることが得意な星」などが出てきました。
さまざまな観点から自分のことを知っていくと、「才能の全てを仕事にしているだけだ!」と捉えることができるようになり、そこからは自分自身にパワフルさが取り戻されて、今さらに事業拡大をしているところです。
私は個性学に助けられたので、個性学で自分の特性を理解しつつ、これまでの経験を生かして自分にピッタリ合った仕事を選んでいます。
例えば、私は文章を書くのが得意、人を育てる・教えるのが得意、コミュニケーションが得意です。
職歴としては体育の先生、ピラティスインストラクター、営業職、オンラインバックオフィス、WEBライター、カメラマンなど。
自分の特徴と経歴を組み合わせて、いくつもの企業様と業務提携させていただいています。
そして、「集客不要・SNS発信不要」でもできる仕事であると気づかせていただいたので、私の経験や知識をもとに「会社員で副業を始めたいけれど、何から始めたらいいか分からない」という方に向けて3ヶ月間一緒に経歴の棚卸しをしたり、個性学で自己理解を深めたりしながら、自分にピッタリあった副業を見つけ、会社員以外の収入で毎月5万円を得ていくというマンツーマンサポートも始めました。
さまざまな事業を行いながらカメラマンとしての仕事も行っていて、県内各地に出向いています。

ーフリーランスという働き方はどうですか?
フリーランスの働き方になって良かったことは、好きな時間に好きな場所で仕事ができることですね。
私は自分の家が大好きなので、家で仕事ができることが本当に幸せです。
デメリットとしては、やはり収入面でしょうか。
フリーランスは案件ごとに報酬が発生するので、いかに安定して仕事を依頼していただける先があるかが重要になります。
副業で会社員という安心材料があるうちから、安定して依頼いただける取引先を作ることを意識しながら活動していくのがおすすめです。
他には、確定申告を自分で行う必要があるので、その部分でしょうか。
経費精算ツールを利用しておりますが、提出時期になると大変になるので、昨年は月に一回レシートを入力する時間を取るようにし、1年分がたまらないように工夫していました。
今年からは、友人に依頼して毎月入力をしてもらっています。(もちろん、報酬もお支払いしています!)
確定申告をすると、「いかに会社員の時に知らぬ間に税金をとられていたのか」ということを痛感できましたので、「制度の中でいかに賢く生き抜いていくか」という新たな視点を持てたところは、よかった点と言えるかもしれません。
少しずつではありましたが、仕事の量を増やしてこれた結果、今では会社員の収入を超えることができています。
そして、これまでは自分一人で仕事をこなしていて、ある意味では自分一人で報酬を受け取っていた段階から、今年は確定申告のためのレシート入力を皮切りに、自身の仕事の一部を人にお願いすることができるようになりました。
私自身、ここからどのように変わっていくのか、次の展開が楽しみです。
今は「自分に合った働き方ができているな」と感じているのでとても楽しいのですが、全く不安がないわけではなく、「病気になったらどうなるのかな?」といううっすらとした心配はあります。
会社員であれば、もし病気になっても会社に守られていますからね。
フリーランスは、何においても自己管理が大事だなと思っています。
ー今後について教えてください。
私は写真を撮るのが好きで、沖縄が好きです。
今後は、引き続きいろんな仕事をしつつ、カメラマンとしては、沖縄の人や文化・風習など「ヒトを撮る」仕事を増やし、その人の魅力を発信できるような仕事をしていきたいと思っています。



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