キットレンズを卒業し、次のステップで単焦点レンズを検討されている方も多いのではないでしょうか?

単焦点レンズとは1つの焦点距離しか持たないレンズのことを言い、主に広角・望遠・標準の3つに分けられます。

便利なズームレンズをメインに使ってきた方からすると「単焦点レンズって種類も多いし、難しそう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、今回の記事では、単焦点レンズの撮影シーン別の使い方やポイントを、広角・望遠・標準の3つの焦点距離に分けて紹介します。

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【撮影シーン別】広角の単焦点レンズの使い方

広角の単焦点レンズは、超広角(24mm以下)と広角(24mm〜35mm)の2種類に分けられます。

特徴は、広範囲にピントを合わせた撮影ができることです。被写体との距離を確保できない状況や、広大な景色を撮影するときによく使われるのが広角レンズです。

例えば、目の前の美しい風景やレトロな商店街で建物全体を撮影するのに適しています。

それでは撮影シーン別に、広角レンズの使い方を解説していきます。

風景を撮影するとき

カレンダーや旅行雑誌に写っているような、壮大な風景写真を撮影するときには単焦点の広角レンズが最適

手前から奥のほうまで焦点を合わせることができるため、ディティールを損なわずに絶景を大きく写すことができます。

また、自分の目で見るよりも、広い範囲をカメラで撮影できるため見た目以上の写真に仕上げることができます。

そのため、風景を広角単焦点レンズで撮影する際は、F値をできる限り上げ、ピントが広範囲に合うように撮影するのがオーソドックスな使い方になります。

建物の中を広々と撮影するとき

単焦点の広角レンズは、屋外だけでなく建物の中での撮影にも適しています。

主に、おしゃれなカフェや空港、駅、商業施設、寺院等の内観撮影によく用いられ、内観全体の雰囲気や、建物の広さをなどが伝わりやすい写真を撮影することができます

建物を真っ直ぐ撮影するときは、垂直・水平に撮れるよう、三脚と水準器を使って撮影しましょう。

奥行きのある場所の場合はF値を高く設定し、奥までピントが合うようにするのがおすすめです。

星空を撮影するとき

夜空を埋めつくす星空を綺麗に撮影するのにも、広角単焦点レンズはおすすめです。

広角のズームレンズのF値は低くてもF2.8のものが多いですが、単焦点レンズだとF1.4などの明るいレンズが豊富です。

F値は低ければ低いほど多くの光をカメラに取り込めるので、山奥のような暗い環境で撮影したときでも綺麗な星空を撮影することができます。

また、できる限りISO感度を下げて撮影するため、三脚が必要です。F値もできるだけ低くするのがおすすめです。

ライブビューなどで被写体を拡大し、ピントをしっかりと星に合わせれば、綺麗な星空写真が撮影できます。

広角の単焦点レンズを使う上でのポイント

ここからは、広角の単焦点レンズを使って撮影するポイントを解説していきます。

F値を高めに設定する

広角の単焦点レンズで風景写真や建築写真の撮影をするポイントは、F値を高めに設定して撮影することです。

全体にピントを合わせシャープに写すには、絞りの設定であるF値を高めに設定する必要があります。

F値を低くして写した写真は、全体がぼんやりして何を伝えたいか分からなくなってしまうためです。

全体にピントを合わせるためには、F8〜F13程度までF値を上げるのがおすすめ。全体をボケさせずシャープに写すことができますよ。

画面上半分と下半分のどちらを広めに写すかを意識する

広角の単焦点レンズを使うとき、画角に悩む方は多いのではないでしょうか?

また、全体を広く写せる広角レンズは、標準レンズや望遠レンズに比べて無意識に余計なものが写ってしまいます。その結果、見る人に伝えたいメッセージが伝わりにくくなってしまうことも。

画角をうまく決めるコツは、画角の上半分と下半分のどちらかを広めに写すことです。

撮りたい被写体をはっきりさせることで、写真にメリハリやインパクトを与えることができます。

ただ写っているだけの写真にしないためにも、写したい被写体側を広めにして撮影することを意識しましょう。

パースペクティブ効果を使って撮影する

広角の単焦点レンズを使って撮影するときは、パースペクティブ(遠近感)効果を使って写すのもポイントになってきます。

パースペクティブ効果とは、近くのものが大きく見えて、遠くのものが小さく見える効果のこと。

写したい被写体に思いっきり近づいて撮影すると、パースペクティブ効果が高まり被写体が大きく写ります。さらに、背景のボケを活かした撮影も可能です。

迫力とインパクトを残したい場合は、パースペクティブ効果を意識して撮影してみてください。

前景を取り入れる

広く写るから余白が出てしまう広角の単焦点レンズの特性を逆手に取って、前景を入れて撮影をしてみましょう。

前景とは、被写体の手前に写る景色のこと。撮影する際には、前景・中景・背景の要素を上手く組み合わせて構図を決めていきますが、中景と背景や前景と背景しかない写真もあります。

前景を入れることで、写したい被写体へ視線を誘導したり、単純に余白を少なくできたりするメリットがあります。

【撮影シーン別】望遠の単焦点レンズの使い方

望遠の単焦点レンズは、中望遠(85mm~135mm)と望遠(180mm〜)の2種類に分けられます。

きれいなボケを出したり、遠くの一部分をズームアップして切り抜いたりできることが特徴です。

近くへ行って撮ることができない被写体に対し、望遠レンズがあれば撮影が可能になります。

望遠レンズの特徴を活かして迫力あるシーンを撮影してみましょう。

ここからは、よく使われるシーンでの望遠レンズの使い方を解説していきます。

風景を撮影するとき

風景の撮影では、見せたい被写体をクローズアップするときに望遠の単焦点レンズを使います。

例えば、広大な花畑で数多くある花の中から1輪だけをアップで撮ったり、街中の特徴的な被写体をスナップ撮影したりする際に活躍します。

広角や標準の単焦点レンズでは写せない被写体は、思い切ってズームアップで切り抜き、迫力ある写真にしましょう。

撮影ではF値を低い値に設定し、背景をぼかして撮るのがおすすめ。背景に写り込むものがぼやけるので、より被写体を強調できます。

動物を撮影するとき

動物を撮影するときにも、望遠レンズはよく使われます。

動物は人間と違い予測不能な動きが多く、近づき過ぎてしまうと逃げて撮影することができなくなることも。

動物の予測不能な動きから、一瞬のシャッターチャンスを逃さないように、離れた場所から望遠レンズを使って連写機能で撮影をします

連写機能を使うときは手ブレを起こさないよう、シャッタースピードの設定に気をつけましょう。

また、手ブレを防ぐために手ブレ補正機構が搭載されている機材を選んだり、三脚で固定する撮り方を取り入れてみてください。

乗り物などの高速で動く被写体を撮影するとき

車や鉄道、飛行機など、乗り物系の撮影をするときにも望遠の単焦点レンズはよく使われています。

乗り物は進む方向やスピードが予測しやすいので、撮影する距離やポイント、タイミングを決めて撮影しやすいのが特徴です。

人気の撮影スタイルに、動きを予測しながら写す「流し撮り」という撮影方法があります。

流し撮りは被写体の躍動感を表現するため、わざとシャッタースピードを遅くして被写体にピントを合わせながらカメラを動かして撮影します。

被写体の速さにもよりますが、シャッタースピードを低速(1/60秒~1/125秒)に設定することが多いです。

望遠の単焦点レンズを使う上でのポイント

ここからは望遠の単焦点レンズを使う上でのポイントを解説していきます。

圧縮効果を使って撮影する

望遠レンズで撮影する際に意識したいポイントの1つに「圧縮効果」というものがあります。

圧縮効果とは、被写体より遠くにあるものがぎゅっと圧縮されて大きく見える効果のことです。

広角レンズで撮影したときに、近くのものが大きく写り、遠くのものが小さく写るパースペクティブ効果とは真逆の効果になります。

遠くの背景が被写体にグッと迫りくるような、遠近感のない独特の写真に仕上げることができます。

被写体と背景の距離が離れているほうが圧縮効果を出しやすいため、描写力が高い写真を撮影したい時に意識してみてください。

背景をぼかして被写体を引き立たせる

望遠の単焦点レンズは、背景をぼかした仕上がりにするのに最適で、被写体をより引き立ててくれます。

広角や標準の単焦点レンズで、同じ被写体かつ同じ設定で撮影した場合でも、望遠の単焦点レンズのほうが背景のボケ味がきれいに写ります

よりきれいに背景をぼかして写したいときは、望遠の単焦点レンズで、被写体と背景の距離が離れている場所で撮影してみましょう。

背景をシンプルに撮影する

望遠の単焦点レンズでは、できるだけ背景をシンプルに写すのもポイントになります。

特定の被写体や被写体の一部を切り抜いて撮影したときに、背景がごちゃごちゃしていると何を撮影しているのか分からなくなってしまうからです。

また、人物を撮影するときは、シンプルな背景と合わせて人物の向いている方向に空間をつくるのがおすすめです。シンプルな背景に空間を作ることで、窮屈さを感じさせない仕上がりに。

また、人物の方向に空間をつくる構図として、「三分割構図」で撮影してみましょう。

【撮影シーン別】標準の単焦点レンズの使い方

標準の単焦点レンズは、一般的に焦点距離が35mm〜80mmで重量が軽めです。

最大の特徴は、人の視野感覚にもっとも近いとされている点。そのため、カメラ初心者はまず標準の単焦点レンズを使用して、遠近感の基準を覚えることがしばしば推奨されています。

標準の単焦点レンズは、ポートレート撮影、風景撮影などあらゆるシーンで使える万能なレンズです。

標準レンズの特徴を活かして自然な写真を撮影してみましょう。

ここからは、よく使われるシーンでの標準レンズの使い方を解説していきます。

より自然に風景を撮影する

標準の単焦点レンズは人の視野に近いといわれるだけあって、リアリティを表現するのに適しており、広角や望遠で写す写真よりも、風景をより自然に描写することができます

また、広角レンズで風景写真を撮ったときに出る歪みが出ないため、画角が決めやすいのも魅力です。

ポートレート撮影をする

七五三や成人式、結婚式など、イベントでポートレート撮影をする機会は多いですよね。

標準の単焦点レンズでポートレート撮影をする場合は、撮影の距離感がちょうど良く、自然な雰囲気の写真を撮ることができます。

撮影するポイントは、晴天のときはレフ版を使い、顔にできる影を和らげて撮影すること。

また、開放F値の低いレンズの特性を活かして、夜景を背景にポートレート撮影するとロマンチックな写真が撮れます。

同じ標準レンズでも機材によって写真の雰囲気も変わってくるので、シチュエーションにごとにレンズを選んでみてください。

街のスナップ撮影をする

人の視野感覚に近いレンズなので、スナップ撮影をするのにもうってつけ

スナップ撮影とは、日常の光景や人物のふとした一瞬を切り取る撮影技法のことです。

標準の単焦点レンズは、軽量なモデルが豊富なため、歩きながら撮影する街ぶらスナップで大活躍!

スナップ撮影は露出の設定を瞬時に判断しなければならないため、慣れるまで上手く撮ることが難しいことも。

カメラ初心者の方はまずは50mmのレンズからはじめて、コツを掴んだらほかのレンズを試してみてください。

標準の単焦点レンズを使う上でのポイント

ここでは標準の単焦点レンズを使う上でのポイントを解説していきます。

自分が動いて構図を決める

標準の単焦点レンズの撮影ポイントは、自分が動いて自由に構図を決められることです。

広く写したければ被写体から距離を取り、狭く写したければ被写体との距離を縮めることで、調整しながら撮影が可能。

そのため、ひとつの被写体でも様々な構図を楽しむことができます

背景のボケをコントロールする

標準ズームレンズにはない、F1.4やF1.8の開放絞り値で背景のボケをコントロールして撮影することができます。

風景を撮影するときは、絞り値を高くして写真全体にピントを合わせ撮影をするのがおすすめ。

ポートレート撮影では、逆に絞り値を低くすることで、背景をきれいにぼかし、人物を際立たせるように撮影してみてください。

写したい被写体に合わせて、背景のボケをコントロールできると写真がさらに楽しくなってくるでしょう。

ピント合わせに注意する

標準の単焦点レンズは、被写界深度が浅いので、しっかり被写体にピントを合わせて撮影するのがポイントになります。

写したい被写体から少しでもピントがズレてしまうと、被写体がボケてしまい失敗写真になってしまいます。

AFでしっかりピントを合わせるか、MFでゆっくりピントを合わせるかは状況に応じて撮影をしましょう。

被写体にピントを合わせ、シャッターを押した後も慌てずに少し待つくらいがちょうどいいです。特に初心者はピントがズレないためにも、体を壁に預けたり脇を閉めたり工夫をして撮影するのもポイントです。

単焦点レンズの使い方はシーン別で分けて撮影しよう!

今回は単焦点レンズの使い方やポイントをシーン別で解説しました。

フルサイズとAPS-Cでは同じ焦点距離でもISO感度やフレーミング、画質の違いなどはありますが、使い方や撮影する際のポイントは基本的に変わりません。

一眼レフカメラやミラーレスカメラでの撮影を始めて間もない初心者の方は、「単焦点レンズって種類も多いし、難しそう」という印象を持っている方が多いのではないでしょうか?

キャノン、ニコン、ソニー、シグマ、オリンパスなどなど…、単焦点レンズは各メーカーから様々なモデルが発売されています。ぜひこの記事を参考に、単焦点レンズでの撮影に挑戦してみてみてください!

開放F値の低い広角・標準・望遠の単焦点レンズを初めて使用する人の中には、撮影した瞬間にズームレンズとの違いに驚く人も。

読者の皆さんも、単焦点レンズを一度使えばその魅力に引き込まれてしまうかもしれません。

この記事を参考に、ぜひあなたに合った一台を探してみてください。