GOOPASS MAGAZINEをご覧の皆さんこんにちは。北海道で風景写真を撮っている、misahoです。
突然ですが皆さん、超広角ズームレンズは、普段お使いでしょうか?
私は初めてカメラを購入した時、キットレンズの標準ズームレンズを使っていましたが、色々撮るうちに「もっとカッコイイ写真が撮りたい!」と思うようになり、次に購入したレンズが、超広角ズームレンズでした。
目で見たままではなく、世界観を創造できるような、そんな魔法のようなレンズに感動したのを覚えています。
そんな私が、なんとこの度、SIGMAさんから発売されたレンズ「10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary(キヤノンRFマウント)」のレビューを書かせていただくことになりました。
こちらのレンズを一言で言うと、「いつでもどこでも持ち歩ける万能超広角レンズ」です!
充分なパフォーマンスを発揮するうえに、かなり携帯性に優れていて、とても驚きました。
既に超広角~広角レンズをお持ちの方にも、これから持ってみようかな、という方にも、わたしの作例を通してこのレンズの魅力を伝えられたらと思います。よろしくお願いします。
今回のボディはEOS R7を使用しています。

10-18mm F2.8 DC DN [キヤノンRF用]

EOS R7 ボディ
目次
執筆者プロフィール

misaho
photographer
北海道在住
看護師をしながら写真を撮っている。
2017年より廃墟美に目覚めてカメラを始めるが、北海道の大自然や力強く生きる動物たちの姿に魅了されるようになり、2019年より風景写真を撮り始めた。
北海道観光機構による〈ひみつの絶景北海道 アンバサダー〉としても、北海道の魅力を発信中。
受賞歴
東京カメラ部日本写真100景<四季>2022北海道 受賞
じゃらん紅葉絶景フォトコンテスト2022 最優秀賞
10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryとは?
| レンズ構成枚数 | 10群13枚(FLD3枚、SLD1枚、非球面レンズ4枚) |
| 絞り羽根枚数 | 7枚(円形絞り) |
| 最小絞り | F22 |
| 最短撮影距離 | 11.6(W)- 19.1(T)cm |
| フィルターサイズ | 67mm |
| 最大径 × 長さ | キヤノンRFマウント:72.2×62.0mm |
| 質量 | キヤノンRFマウント:270g |
こちらは既に発売されている、SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN|Contemporaryの兄弟機種として開発されました。
小型軽量を重視しつつも、十分に高いシャープネス。Wide端は16mm相当(35mm換算)という広い画角を備えた、APS-C用の大口径超広角レンズです。
画角は広く最短撮影距離がワイド端で最短撮影距離11.6cmとかなり近いので、片手でのセルフィー撮影にも適しており、旅先でのスナップやVlogにも最適といえます。(実際に自撮りも余裕でできました!)
また、F2.8の明るさと高い光学性能を兼ね備えているため、どんな暗い環境にも対応し、風景写真だけでなく室内ポートレート、星空撮影まで幅広く撮影を楽しむことができそうです。

10-18mm F2.8 DC DN [キヤノンRF用]
高い描写力
超広角レンズでは、レンズの特性や光の振る舞い、光学素子の配置、硝材の特性などが原因で、レンズを通過した光が1点に集まらず、歪みやボケなどの現象が発生しやすいです。(収差といいます)
しかしこちらのレンズでは、各収差を良好に補正し、画面全体での高いシャープネスとF2.8の明るさをコンパクトなレンズ構成で実現しています。
開放からどの絞り値においても高い描写力で楽しむことができます。

岩壁と緑が迫るパース感を表現するために10mmで撮りました。
画角全体で歪みは極限に抑えられているのがわかると思います。また、あえてF2.8開放で撮っていますが、岩肌から隅々の細かい葉までシャープに繊細に解像してくれています。

こちらの滝では、空を入れずに、緑深い森と滝で画角を割りたいと思ったため、18mm側で撮影しています。
F2.8開放は同条件ですが、18mmのズームでも解像感は繊細で、細い木の幹の存在感が美しい1枚になりました。
F2.8の大口径超広角ズームレンズ
ズーム全域でF2.8の明るさを維持できる、ということは、暗い環境下でもシャッタースピードを下げず、ISOを上げず、より好みの設定で撮りやすいということを意味します。
また、F値が小さいほどピント域が狭くなりボケを生み出すことができるため、遠近感や臨場感を強調したダイナミックな表現や、繊細な質感を表現することができます。

夕陽が沈もうとしており、周囲は暗くなってきておりましたが、F2.8の明るさでISOをさほど上げずに手持ち撮影が可能でした。
10mmでできるだけ流木にカメラを近づけることで、奥行感のあるダイナミックな構図となります。ピント位置は手前に置くことで、目の前まで迫る流木の質感を強調することができました。

こちらは他の設定変更なく、18mmにズームした1枚です。
F2.8通しのおかげで、ズームしても暗くなることなく、シャッタースピードやISOをそのままに撮影できています。ピント位置は流木の中心部に調整し、ズームによってどこを強調したいのかを伝わりやすいようにしてみました。

横構図に変更してみました。
縦構図の時と同様に画角の左手前に流木が伸びたような構図をとりましたが、縦構図の奥行感とはまたひと味違う、横方向へのワイド感が強調されています。
背景の海の存在ともあいまって、より広い世界を感じられます。
270gの小型軽量レンズ

長さ62.0mm、最大径72.2mm、重さ270g。
AF対応のAPS-Cミラーレスカメラ用でF2.8通しのレンズの中では、世界最小にして最軽量を誇ります。

レンズ構成は10群13枚(FLD3枚、SLD1枚、非球面レンズ4)であり、特に1群に高屈折率のGM非球面レンズを採用したことで、1群の枚数を削減し全長の短縮を実現しています。
兄弟機種であるSIGMA18-50mm F2.8DC DN|Contemporaryと2本合わせても570g、ペットボトル1本分にしかならないと思うと、驚きです。
登山や旅行など、荷物を軽くしたいかつ、さまざまな被写体に応じた自由度の高い撮影がしたい場合には、2本持っていれば16〜80mm相当(35mm換算)をF2.8通しでカバー出来るわけですから、利便性は言うまでもありません。

こちらはカメラを片手で把持し、下から煽るように構えて撮りました。
そのような体勢ではファインダーは覗けないので、背面のモニター角度を調整して画角を確認しています。不安定な体勢での撮影は、機材が重たいと手ブレの原因にもなってしまいますが、さすがの軽量さで私でも安定して撮ることが可能でした。
最短撮影距離が11.6cmという近さ
最短撮影距離は、Wide端(10mm)で11.6cm、最大撮影倍率は1:4。かなり寄れるので、Wide端では被写体をダイナミックに表現することができ、場面によってはフードが邪魔になってしまうほどの距離感です。

普段、動物は望遠で切り取ることがほとんどですが、あえて10mmの超広角端で、フードを外して寄りで撮ってみました。
F2.8でピント域は狭いですが、エゾシマリスの表情をしっかり捉えてくれています。また、広角なので背景のボケは程々に、しかし広く映ることで、まるでこれから冒険に出るようなエゾシマリスの目線を体感できる1枚になりました。
自宅でわんちゃんやねこちゃんを撮ってみると、新しい表情を捉えられるかもしれませんね。

Tele端(18mm)では、最短撮影距離19.1cm、最大撮影倍率1:6.9。
ピント域で繊細かつシャープさを確保しつつ、その周囲からややソフトな質感となり、距離に応じた美しいボケを生むことができます。
この作例では中心の黒い管状花にピントをあてており、その周囲から花弁、背景と、段階的なボケの変化がわかるかと思います。

ススキは、穂についている毛(芒というそうです)の1本1本が繊細に解像度高く描写されています。
ピント域外の穂はソフトに表現されるため、いっそうそれを強調してくれました。奥に見える微かな太陽光と車のライトの玉ボケも、このレンズの表現の多様性を示してくれ、良いアクセントになっています。
逆光にも強い
逆光や半逆光で撮影すると、レンズやカメラ内に強い光が入って複雑に反射し、筋状や玉状の像が写る現象を「フレア」や「ゴースト」といいます。
一般的に、単焦点レンズよりもズームレンズで発生しやすいと言われていますが、SIGMA独自のスーパーマルチレイヤーコートという多層膜のコーティングが施されていることにより、かなり抑えられている印象でした。
極度な黒つぶれや白飛びを起こすこともなく、鮮やかに色を残してくれるのも嬉しいポイントです。

逆光耐性が弱いと、ハイライト部分の空や木道は白飛びしてしまい、シャドウ部分の緑は黒つぶれしてしまいます。
レタッチでハイライトを抑えたり、シャドウを持ち上げたりと調整することは可能ですが、ノイズの原因にもなりますのでなるべく触りたくありません。その点こちらのレンズでは、自然な色は残しつつも、絶妙なバランスでコントラストが活きるような撮影が可能でした。

こちらはやや横からの光源ですが、こちらでもフレアやゴーストは発生していませんし、空の色やススキの色は飛んでしまうことなく美しく描写されています。
手前側の草の部分は少しわかりにくいかもしれませんが、データ自体は黒つぶれなく、シャドウ部分を持ち上げるともっと色を出すことは可能でしたので、ご安心ください。
Vlogなど動画撮影にも最適
今回動画の作例はありませんが、先述したとおり、機動性と光学性に優れ、超広角でありながら近接撮影が可能なこのレンズは、自撮りを含めた動画撮影にも最適といえます。
また、ピントリングを回してピント位置を調整した際に、勝手に画角も変わってしまう現象を「フォーカスブリージング」といいますが、こちらのレンズではブリージングの少ない光学設計となっているので、動画撮影において滑らかで自然なフォーカス送りが可能です。
注意したい点として、Canon EOS Rシリーズでは全てのボディに手持ち動画用の手ブレ補正が搭載されています。しかし、それをONにすると画角がクロップされてしまい、強にすると更に画角が狭くなってしまうのです。(倍率はメーカーやボディによって異なります)
そういった意味でも、動画撮影するのであれば1mmでも広角なレンズが適しているということです。
新開発のプッシュオン式花形フード
レンズフードを使う目的は主に2点あります。
1つはレンズの先端を破損や汚損から保護する目的。2つめはレンズ内に余計な光が入るのを防ぎ、フレアやゴーストを抑制する目的です。
広角レンズでは、四隅にフードが映り込む「ケラレ」が生じないように、切り込みを入れてお花のような形にした花形フードが使用されます。
今回は、その花形フードも新開発されました。バネとレバー構造を採用することで、フードすらも薄型化・小型化を実現したのです。

※公式から引用
兄弟機種であるSIGMA18-50mm F2.8 DC DN|Contemporaryから比較すると、広い画角を確保するため
フィルター径自体は55mmから67mmと、12mm大きくなっています。しかし、フードの薄型化に成功したことにより、実はフード径は4mmほどしか変わらないのです。不思議なくらい素晴らしい開発技術です。

取り付けはワンタッチで、レンズ側とフード側の指標「-」を合わせてフードを押し込むだけ。
取り外しはフードを反時計回りに軽く捻るだけで可能なので、とても簡単です。
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryを手に入れる方法
購入する
SIGMA公式サイトでは、107,800円(税別)で購入できます。また、家電量販店やネットショップなどでも購入可能です。
レンタルする
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary(キヤノンRFマウント)に興味はあるけど、過去にレンズの購入で失敗したことがあるから、いきなり買うのはちょっと怖い…という方には、レンタルするという選択肢がおすすめ。
“カメラのレンタル・中古買取・中古販売” GOOPASSではSIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryをレンタルすることができます。

10-18mm F2.8 DC DN [キヤノンRF用]
まとめ
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary(キヤノンRFマウント)のレビューをさせていただきました。
超広角レンズの魅力、F2.8通しの魅力、このレンズにギュッと詰め込まれたSIGMAの技術の魅力が、伝わりましたでしょうか?
わたし自身、今使用している超広角レンズは3本目になります。カメラを始めたばかりの頃に購入した1本目はとても大きく重たいものだったので、持ち歩くのが億劫な気持ちを経験しました。
2本目に買い換える際には少しでも小さめな物を、と思い、持ち歩きはやや便利になったものの、今度は歪みが強く建物が斜めになったり、フレアやゴーストも出現し放題だったので困っていたのを覚えています。
そんな今までの超広角レンズ遍歴で悩みとなっていた部分を、SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryは全て解決してくれているような使用感で、本当に驚かされました。
ぜひ、「超広角レンズを使ってみたいけどどれがいいかわからない」という初心者の方にも、買い替えを検討している方にも、強くおすすめしたいです。
そして、新たな被写体との向き合い方や、世界観の表現を楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!








