2024年5月17日、カメラ記者クラブが主催しているカメラグランプリ2024の結果が発表されました。
毎年ニュースサイトに取り上げられるなど、カメラ愛好家の中で話題となっている賞であり、多数の写真・カメラ有識者によって審査されるため、国内カメラ業界の最も権威のある賞といっても過言ではありません。
果たして、どの機種が栄光の大賞に選ばれたのでしょうか。
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目次
カメラグランプリとは?
カメラグランプリは、カメラ記者クラブが主催し、年度別に優れた製品を選考している受賞式です。
選考委員は、国内の写真関連雑誌やWEBメディアの担当責任者から構成されるカメラ記者クラブをはじめ、国内の写真家やカメラライターなどの有識者、欧州の写真関連団体であるTIPAにも及びます。
2023年度は総勢47名が参加し、カメラ製品から選ぶ大賞、レンズ賞、上記2つの賞以外で話題となった製品を選ぶカメラ記者クラブ賞を決定しました。
また、一般のカメラユーザーによって投票された「あなたが選ぶベストカメラ賞」も発表されています。
カメラグランプリ2024
大賞・あなたが選ぶベストカメラ賞:α9 III(ソニー)

2024年1月26日にSONYが発売したα9 III。
世界初※、グローバルシャッター方式の有効約2460万画素フルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラです。
これにより、ローリングシャッター方式で発生してしまう画像の歪みを抑えることができ、肉眼で見た通りの瞬間を収められます。
また、ブラックアウトフリーでAE/AF追随・最高約120コマ/秒と、圧倒的な連続撮影性能を実現しました。
これまで撮り逃してしまっていた瞬間、抑えることができなかった決定的瞬間を、取りこぼすことなく収めることが叶うでしょう。
※レンズ交換式デジタルカメラとして。2023年11月発表時点。ソニー調べ
| 製品名 | SONY α9 III |
|---|---|
| 発売日 | 2024年1月26日 |
| レンズマウント | Eマウント |
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 有効画素数 | 2460万画素 |
| 動画記録画素数 | 4K(3840×2160)119.88p |
| ISO感度 | ISO250~25600 |
| シャッタースピード | 1/80000~30秒 |
| 連続撮影速度 | Hi+時:最高約120コマ/秒 |
| 液晶モニター稼働方式 | 4軸マルチアングル液晶 |
| 外形寸法 | 136.1×96.9×82.9mm |
| 重量 | 約703g(バッテリー、メモリーカードを含む) |
スペックをもっと見る
| ボディ内手ブレ補正機能 | イメージセンサーシフト方式5軸補正 (補正方式はレンズ仕様による) |
| ダスト低減機能 | 〇 |
| ローパスフィルターレス | 〇 |
| 撮影可能枚数 | ファインダー使用時: 約410枚、液晶モニター使用時: 約520枚 (CIPA規格準拠) |
| 画像ファイル形式 | JPEG (DCF Ver.2.0、Exif Ver.2.32、MPF Baseline準拠)、HEIF (MPEG-A MIAF準拠)、RAW (ソニーARW 5.0フォーマット準拠) |
| 記録媒体 | SLOT1: SD (UHS-I/II対応)カード、CFexpress Type Aカード用マルチスロット、SLOT2: SD (UHS-I/II対応)カード、CFexpress Type Aカード用マルチスロット |
| ファインダー形式 | 1.6cm (0.64型)電子式ビューファインダー (Quad-XGA OLED) |
| ファインダー視野率 | 100/100 |
| ファインダー倍率 | 0.9倍 |
| AF検出方式 | ファストハイブリッドAF (位相差検出方式 / コントラスト検出方式) |
| AF検出範囲 | EV-5〜20 (ISO100相当、F2.0レンズ使用、AF-S時) |
| フォーカスポイント | 静止画時: 最大759点 (位相差検出方式)、動画時: 最大759点 (位相差検出方式) |
| 動画ファイル形式 | XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264、XAVC HS: MPEG-H HEVC/H.265 |
| Wi-Fi(無線LAN) | IEEE 802.11a/b/g/n/ac (2.4 GHz帯/5 GHz帯) |
| Bluetooth | Bluetooth 標準規格Ver. 5.0 (2.4 GHz帯) |
| NFC対応 | – |
| 防塵・防滴 | ○ |
| 使用温度範囲 | 0 – 40 ℃ |
選考理由
これまで理想とされてきたグローバルシャッター方式をいち早く採用したミラーレスカメラ1。画面内の全画素を同時に露光できるようになったことで、従来の電子シャッター撮影で発生していた動体の歪みを排除。決定的な瞬間を捉えるスポーツや野生動物の撮影に最適な1台として多くの票が集まった。フラッシュ撮影も1/80,000秒まで全速同調可能2となったほか、同社初のプリ撮影にも対応。写真表現の可能性を広げる技術的革新であり、今後の普及機クラスへの展開を期待する声もあった。加えて、従来機種からの大型化を最小限に抑えつつ細部形状をリファインし、道具としての使いやすさに手が加えられた点も評価が高かった。 *1 レンズ交換式デジタルカメラとして。2023年11月発表時点。ソニー調べ。 *2 Ver.2.00以降のファームウェアにて、連続撮影時もシャッタースピードの上限が1/80,000秒までになった。F値が1.8より明るい設定で撮影すると、シャッタースピードが上限1/16,000秒になる。高分解シャッター機能使用時、レンズ未装着時はシャッタースピードは1/80,000秒にならない。
カメラグランプリ2024 より
投票理由
・ワクワクさせてくれるカメラ・ゲームチェンジャーとなったカメラ
カメラグランプリ2024 より 一部抜粋
・世界初のグローバルシャッター搭載ミラーレス機で新しい歴史を作ったカメラ
・フラッシュ同調速度が、もはや異次元レベル・グローバルシャッターによる歪みのない画像、秒間120コマ、全シャッター速度に同調するフラッシュ。今まで不可能だったものが撮影できる
・ハイスピードで動くモノに追従が画期的だったから
・他社製品の追随を許さない驚異の開発力
・世界に誇れるカメラである
・グローバルシャッター初搭載という先進性に期待します。早く普及帯の製品にも搭載してほしい。
・カメラの次の世界を切り拓いた
・プロ野球撮影が趣味なので、メカシャッターから開放される世界を体験してみたい…
・グローバルシャッターをいち早く民生品に取り入れたこと。その割に価格が極端に高額になっていないことも評価に値すると考えます
・ミラーレスの新たな時代に入った画期的なカメラ
・従来のカメラとは全く異なるシャッター形式を取り入れ、写真の未来を変革する機種となると思ったから
カメラグランプリ2024 レンズ賞・あなたが選ぶベストレンズ賞:NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena(ニコン)

「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」は、ニコンが2023年10月13日に発売した中望遠端焦点レンズ。ニコンが光学性能を追求した「S-Lineレンズ」の中でも屈指の解像度を誇ります。
高度なレンズ構成により、円形度の高いボケを実現。画面周辺部であっても、潰れることなく、円形を保てます。
さらに、SRレンズとEDレンズを採用することで、ボケのエッジ部分の色にじみを抑制しています。大きく柔らかいボケとグラデーションにより、被写体を美しく際立たせた表現を楽しめます。
複数のSTM(ステッピングモーター)が連携する「マルチフォーカス方式」を採用した高速・高精度・静寂なAFを搭載。動体撮影時にも被写体を素早く捉えるので、動物やスポーツ撮影にもおすすめです。
レンズ各所に施したシーリングやレンズマウントゴムリングにより、高い防塵・防滴性能を実現しているので、あらゆるシーンで撮影に集中できます。
| 製品名 | NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena |
|---|---|
| マウント | ニコンZマウント系 |
| 対応センサーサイズ | フルサイズ |
| 焦点距離 | 135mm |
| 開放F値 | F1.8 |
| レンズ構成 | 14群16枚 |
| 最短撮影距離 | 0.82m |
| フィルター径 | 82mm |
| 最大径×全長 | 98×139.5mm |
| 重量 | 約995g |
スペックをもっと見る
| フォーカス | AF/MF |
| 最大撮影倍率 | 0.2倍 |
| 絞り羽根枚数 | 11枚(円形絞り) |
| 手ブレ補正機能 | – |
| 防塵・防滴 | ○ |
| 付属品 | レンズキャップ、裏ぶた、レンズフード、レンズケース |
選考理由
画面周辺部まで口径食を感じさせない丸ボケを保った描写を「Plena」(プレナ)という固有名称で表現。ボケの美しさだけでなく、ピント面のシャープさと立体感も併せ持つ点が、多くの選考委員に評価された。Plenaは「空間が満たされている」という意味のラテン語Plenumに由来するが、この描写特性をデジタル補正に頼らず実現した設計者の哲学やこだわり、ファインダーを覗いただけで感動したという撮影体験から、“心まで満たされた”とのコメントも寄せられた。
カメラグランプリ2024 より
投票理由
・圧倒的、玉ボケが美しい
カメラグランプリ2024 より 一部抜粋
・周辺部までも完全な丸ボケが実現されている
・メーカーの担当者(技術者)が、とことん描写とボケに拘って作ったことが伝わる
・並ぶものの無い描写力
・質感もよくこのレンズが生み出す美しい色、美しいボケは他社の同じ規格のレンズと比較しても1番素晴らしい表現力だと思います
・高い光学性能を盛り込んだレンズ。開放での口径食の少なさ、色収差の少なさなどの光学性能の高さはグランプリにふさわしい
・他のレンズメーカー製の135mm単焦点レンズと一線を画す玉ボケの綺麗さがある
・Plenaという名前が良い
・使ってみて、ただただ驚いた
・玉ぼけの美しさが際立っている。このレンズを使いたいのでミラーレスに変える気になった
・写真を撮った時に、腕が上がったように感じさせる優れものレンズだから
カメラグランプリ2024 カメラ記者クラブ賞
【企画賞】INSTAX Pal(富士フイルム)

INSTAX Palは、富士フイルムが2023年10月5日に発売したチェキです。
INSTAXシリーズで最小のため、より持ち運びやすく、いつでもチェキを楽しめます。
デジタルカメラのため、スマホと接続してリモート操作も可能。
また、レンズが広角な点も魅力。
自撮りをしても背景をしっかり入れて、雰囲気をのそのまま切り撮れます。
選考理由
INSTAX“チェキ”シリーズで最小となる手のひらサイズのデジタルカメラ。別売のスマホプリンターなどと接続してチェキプリントにできるだけでなく、スマホアプリとの連携により、チェキプリント風のフレーム付き画像をSNSにシェアしたり、リモート撮影やオリジナルシャッター音の設定も可能。1万円台という手頃な価格で、若者を中心とした新規層に写真の新しい楽しみ方をアピールする斬新なパッケージングを評価した。
カメラグランプリ2024 より
【企画賞】Osmo Pocket 3(DJI)

従来機より大型化したモニターと、1.0インチになったイメージセンサーが特徴です。
モニターの大型化で映像を確認しやすくなったうえ、モニターが回転式になったことで、SNS投稿動画など、スマホでも見やすい縦型動画の撮影が可能になりました。
イメージセンサーは1/1.7型から1型にサイズアップしたことで、より高画質での撮影が可能になりました。
照明を抑えたカフェやイルミネーションなど、明るさの少ない場所でも暗部をしっかりと描写し、コントラストの高い美しい映像を楽しめます。
また、新たに「10-bit HLG」と「10-bit D-Log M」の2つのカラーモードに対応。
白飛びや黒つぶれを抑えた広いダイナミックレンジでの撮影や、カラーグレーディングによる本格的な色調調整ができるようになりました。
| 製品名 | OSMO POCKET 3 |
|---|---|
| 発売日 | 2023年10月25日 |
| センサーサイズ | CMOS 1型 |
| 有効画素数 | 3840×2160(16:9) 3072×3072(1:1) |
| 動画記録画素数 | 4K/120fps |
| 焦点距離(35mm判換算) | 20mm |
| F値 | F2.0 |
| シャッタースピード | 写真:1/8000秒~1秒 動画:1/8000秒~1/X秒(X:フレームレート設定値) |
| 最短撮影距離(レンズ先端より) | 20cm |
| 外形寸法 | 42.2×139.7×33.5mm |
| 重量 | 179g |
スペックをもっと見る
| 手ブレ補正機構 | 3軸スタビライザー |
| ダスト低減機能 | – |
| ローパスフィルターレス | – |
| 撮影可能枚数 | – |
| 画像ファイル形式 | JPEG、DNG |
| 記録媒体 | microSDHCカード、microSDXCカード |
| ファインダー形式 | – |
| ファインダー視野率 | – |
| ファインダー倍率 | – |
| AF検出方式 | – |
| AF検出範囲 | – |
| フォーカスポイント | – |
| 動画ファイル形式 | MOV、MP4 |
| 液晶モニター形式 | 2.0インチインチタッチLCD |
| タッチパネル | ○ |
| シャッター方式 | – |
| Wi-Fi(無線LAN) | 2.4GHz 5GHz 802.11 a/b/g/n/ac |
| Bluetooth | Bluetooth5.2 |
| NFC対応 | – |
| 防塵・防滴 | – |
| 使用温度範囲 | 5℃ ~45℃ |
| 使用湿度範囲 | – |
選考理由
定番のジンバル一体型カメラが1インチセンサーを搭載。片手で撮れる使いやすさをキープしながら、1/1.7インチセンサーの従来モデルより画質が向上。さらに高品位な4K動画を撮れるようになった。カメラバッグの隅に入れて持ち歩けるコンパクトさ、専用ワイヤレスマイクをセットにしても10万円を切る価格は、動画撮影をより多くの人にとって身近なものにすると評価した。
カメラグランプリ2024 より
【技術賞】ニコン Z 8の「オートキャプチャー機能」

選考理由
ニコンZ 8(同Z 9 *3)のファームウェアアップデートで搭載された「オートキャプチャー」。AIによる被写体検出機能や、距離・動作検知を掛け合わせることで、カメラが自動でシャッターを切るという新しい撮影体験を提供する。従来のプリキャプチャ―機能と合わせて使うこともできるなど、設定した条件を満たすことで自動でシャッターが切れるので撮り逃しもなく、写真家が思い描いた瞬間を捉えることができる。撮影者がカメラから離れられることで野生動物にプレッシャーを与えずに撮影できるなど、これまでは特殊なシステムを組み上げる必要があった撮影を手軽に行えるようになった点を評価。 *3 Z 9には2023年6月のファームウェアアップデートで搭載。
カメラグランプリ2024 より
【功労賞】ラムダ

自らも山岳写真家である佐久間博社長が、“山と写真を知り尽くした安全設計”を掲げて1982年に創業。誠実な物作りで質実剛健なラムダのカメラザックは、多くのプロ写真家をはじめ山岳・風景写真愛好家を中心に熱烈に支持され、その撮影をサポートした。2023年8月末の終業まで、40年の長きにわたり続けてきたそのカメラザック製作活動に対して。
カメラグランプリ2024 より
まとめ
カメラグランプリ2024の結果を発表しました。
今年度は、大賞のカメラ「α9 III」とレンズ賞「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」が、あなたが選ぶベストカメラ・レンズ賞と同一の結果となりましたね。
カメラ記者クラブの選考委員と一般ユーザー、両者から太鼓判を押されたカメラとレンズ、一度は使ってみたいと思いませんか?
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