GOOPASS MAGAZINE編集部です。今回は、風景写真や山岳写真ファン必見の写真展情報をお届けします。

写真家・秦達夫氏による写真展「ほっついたぐりん聖・光岳山旅の記」が、2026年7月2日(木)の東京(OM SYSTEM GALLERY)を皮切りに、大阪、静岡、長野の全国4会場で開催されます。

南アルプス深南部の奥深い自然と、ご自身の故郷への想いが交錯する本展。大自然の圧倒的な姿と対話するような作品の数々を、ぜひ会場で体感してください。

写真展:秦達夫「ほっついたぐりん聖・光岳山旅の記」

〜故郷の情景と思い描いたあの山の向こう〜

写真展概要

南アルプス南部の聖岳、光岳、赤石岳。これらは日本百名山に数えられながらも、深い谷、長大なアプローチ、高い森林限界などから「訪れる者を選ぶ山域」とも称される、静かで奥深い世界です。

写真家・秦達夫氏はこの地をあえて「裏山」と呼びます。聖岳の麓に位置する遠山郷で生まれ育ちながらも、幼少期に山の姿を見ることはありませんでした。やがて写真家となり、人生経験を重ねる中で再び故郷の山々へ向き合い、長年にわたり撮影を続けてきました。

本展では、朝焼けに染まる稜線、原始の気配を残す深い森、烈風に耐える岩峰、世界最南端に生息するといわれる雷鳥など、南アルプス深南部の四季折々の表情を展示します。

山を畏れ、敬い、委ね、ときにあらがう――。

本展は、自然と人との関係を見つめ直す山旅の記録です。

本展の見どころ

一般的な山岳写真ではあまり語られることのない、南アルプス南部の静けさと奥深さが本展の最大の魅力です。長大なアプローチの先に広がる原始の森、烈風にさらされる稜線、世界最南端に生息するといわれる雷鳥との出会い、そして人の気配が消えた山域ならではの圧倒的な静寂がそこにはあります。

さらに、秦氏が「裏山」と呼ぶ故郷・遠山郷との関係性を背景に、単なる風景の記録にとどまらない“山と人との対話”を感じられる作品群となっています。

なぜ、このテーマに取り組んだのか(制作背景)

秦氏は長野県遠山郷に生まれ育ちました。聖岳の麓の里でありながら、幼少期に聖岳を見た記憶はなかったといいます。谷あいの地形ゆえにアルプスは手前の山に遮られ、「あの山の向こうに大きな山があるらしい」という程度の認識でした。

やがて写真家となり、故郷や霜月祭、全国の自然へとレンズを向けるようになります。屋久島、黒部源流、白神山地。惹かれるまま各地を歩き、山をほっつき歩く中で経験を重ねましたが、心のどこかにはいつも故郷の山がありました。

25歳の頃、無知ゆえに聖岳で苦い経験もしました。水も持たずに登り、自然の厳しさを思い知らされたのです。だからこそ、いつか改めて向き合わなければならない山だと感じていました。

50歳を迎え、体力が必要な取材ができる時間にも限りがあると感じた時、再び南アルプス南部へ向かう決意をします。そこにあったのは、想像を遥かに超える深い森、圧倒的な静寂、人を容易に寄せつけない自然の厳しさでした。そして稜線から故郷・遠山郷を見下ろした時、初めて「裏山」と呼んできた意味を理解したように思えたといいます。

この写真展は、単なる風景の記録ではなく、秦氏が故郷と向き合い、自分自身の原点を見つめ直す旅の記録でもあります。

開催情報

本写真展は全国4会場で巡回展示されます。

■ 東京会場:OM SYSTEM GALLERY

  • 会期: 2026年7月2日(木)~7月13日(月) ※最終日は15時まで
  • 営業時間: 10:00 – 18:00
  • 定休日: 火曜・水曜
  • 住所: Google Maps
  • イベント: 平日14時よりミニトークイベントあり/週末イベントあり

■ 大阪会場:MAG南森町アートギャラリー

  • 会期: 2026年7月18日(土)~7月22日(水)
  • 営業時間: 11:00 – 18:00
  • 定休日: なし
  • 住所: 〒530-0044 大阪府大阪市北区東天満2丁目10-16
  • Google Maps

■ 静岡会場:本田宗一郎ものづくり伝承館

  • 会期: 2026年9月3日(木)~9月27日(日)
  • 営業時間: 10:00 – 16:30
  • 定休日: 月曜・火曜日
  • 住所: 〒431-3314 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣1112
  • Google Maps

■ 長野会場:信毎メディアガーデン

  • 会期: 2026年10月20日(火)~10月28日(水)
  • 営業時間: 11:00 – 17:00
  • 定休日: なし
  • 住所: 〒390-0811 長野県松本市中央2丁目20-2
  • Google Maps

展示作品・写真集について

  • 写真展展示作品: カラー約40点(サイズ:全紙相当)
  • 写真集:
    • タイトル:未定(※本展にあわせて刊行予定)
    • サイズ・仕様:B5判 / 112ページ / 掲載点数 90(予定) / カラー
    • 出版社:信濃毎日新聞社
    • 発行日:2026年7月9日(※写真展にて先行発売予定)

プロフィール:秦 達夫(はた たつお)

1970年、長野県飯田市遠山郷生まれ。写真家・竹内敏信氏に師事後、独立。故郷の湯立神楽「遠山郷霜月祭」を長年取材し、写真集『遠山郷霜月祭 あらびるでな』(信濃毎日新聞社)で第八回藤本四八写真賞を受賞。

遠山郷を原点に、屋久島、白神山地、黒部源流、南アルプス南部など、日本各地の自然と人の営みを撮影。「風景は学舎」をテーマに、自然の厳しさと優しさ、人との関係性を見つめ続けている。主な写真集に『山岳島_屋久島』『RainyDays 屋久島』『Traces of Yakushima』『風光の峰 雲上の渓 黒部源流の山々』、エッセイ集『雨のち雨ところによっても雨_屋久島物語』など。日本写真芸術専門学校講師。日本写真家協会(JPS)会員、日本写真協会(PSJ)会員、日本風景写真家協会会員。