皆さんは「シャッター」に種類があることをご存知でしょうか。
「シャッターを切る」という言葉は使っていても、構造や機能的なことはあまりよく知らないという方も多いはず。
そこで今回はメカシャッターと電子シャッターの特徴や、メリット・デメリット、向いている被写体・シーンについて詳しく解説します!
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目次
メカシャッターとは?

メカシャッターとは、シャッター幕が稼働することで露光を行なう機械的なシャッター方式です。
多く採用されているのは、イメージセンサー前面にシャッター幕が配置されている「フォーカルプレーンシャッター」。
2枚のシャッター幕で構成されており、先幕が稼働して露光が始まり、後幕が稼働して露光が終わります。
メカシャッターが使用できるカメラ
現在、デジタル一眼レフカメラ・ミラーレス一眼カメラの多くはメカシャッターと電子シャッター両方が搭載されており、先幕は動かさず後幕のみ作動させる「電子先幕シャッター」というものもあります。
コンパクトデジタルカメラなどレンズ一体型カメラの場合は、レンズに羽状のシャッターが搭載されている「レンズシャッター」もありますが、機種によって異なるので注意が必要です。
また、フィルムカメラはイメージセンサーが搭載されていないため、メカシャッターの機種しかありません。
メカシャッターのメリット

後発の「電子シャッター」のほうが技術的に優位だと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、メカシャッターには以下の3点のメリットがあります。
動体歪みが起きにくい
メカシャッターは、動体歪みが起きにくいのが大きな強みです。
「動体歪み」は、横に動く被写体の上部から下部にかけて斜めに歪む現象であり、電子シャッターが採用しているローリングシャッターが主な原因です。
「ローリングシャッター」は、イメージセンサーの上部から下部にかけて露光を行うため、その露光開始のタイムラグによって歪みが生じます。
一方で、メカシャッターは素早くシャッター幕を開閉でき、露光タイミングが均一で写真を読み出す時間も早いため、動体歪みは起きにくくなっています。
フリッカー現象に強い
メカシャッターは、フリッカー現象も起きにくいことが特徴です。
「フリッカー現象」とは、蛍光灯やLED照明の明滅によって写真に縞模様のような色ムラができてしまう現象です。
メカシャッターは電子シャッターに比べて素早くシャッター幕を開閉でき、露光終了してから写真を読み出す時間を早くできるため、フリッカー現象の影響を受けにくくなっています。
ストロボ(スピードライト)の制限が少ない
メカシャッターでは、ストロボ(スピードライト)を使用する際の制限がほとんどありません。
理由は、メカシャッターは露光時間をシャッター幕で制御するからであり、ストロボ(スピードライト)の発光時間内にイメージセンサーがその光を受けきれるためです。
しかし、ハイスピードシンクロの使用はカメラとストロボ(スピードライト)が対応している必要があるため、メカシャッターといえど制限があります。
メカシャッターのデメリット

メカシャッターには複数のメリットがある一方で、物理的にシャッターを動かしていることから以下の3点のデメリットもあります。
レリーズタイムラグが大きい
メカシャッターは、電子シャッターに比べてレリーズタイムラグが大きくなってしまいます。
「レリーズタイムラグ」とは、シャッターボタンを押してから実際に露光が開始されるまでの時間差のこと。
これは先幕を物理的に動かしているため発生してしまいます。
シャッターショックによってブレやすい
メカシャッターは、低速撮影時に写真がブレやすいので注意が必要です。
これはシャッター幕の動作によってカメラに振動が発生するためであり、手ブレや被写体ブレ同様にカメラ自体がブレてしまいます。
各メーカーが対策を行なっているものの、構造上完全には防ぎきれません。
電子シャッターに比べて連写速度が遅い
メカシャッターは、電子シャッターに比べて連写速度に劣ります。
これも物理的にシャッターを動かす速さには限界があるためで、イメージセンサーの電子制御のみで撮影を行う電子シャッターには太刀打ちできません。
しかし、中級機以上であればメカシャッターでも秒間10連写はできる機種が多くなってきているので、ほとんどの撮影シーンでそれほど問題にはならないでしょう。
メカシャッターに向いている撮影シーン・被写体
まずは、動体歪みが起きにくいというメリットがあるため、被写体が素早く動く「スポーツ」や「乗り物」の撮影に有効です。
また、フリッカーの影響が少ないということから「室内撮影」、ストロボ使用時の制限も少ないため「ポートレート」にも向いています。
電子シャッターとは?

電子シャッターは、シャッター幕を機械的に動かすことなくイメージセンサーの制御のみで露光を行なうシャッター方式です。
具体的には「ローリングシャッター」という方式が採用されており、イメージセンサーの上部から下部に向かって帯状に順次露光をしていきます。
電子シャッターが使用できるカメラ
ミラーレス一眼カメラと、近年発売された一部の一眼レフカメラでは電子シャッターが使用可能です。
ただし、デジタル一眼レフカメラではミラーが搭載されていることで、電子シャッター時は光学式ファインダーが使用できないなどの制限があります。
また、ミラーレス一眼カメラが普及される以前のデジタル一眼レフカメラでは電子シャッターが使用できない可能性があるため、使用前に確認するようにしましょう。
電子シャッターのメリット

電子シャッターは物理的にシャッター幕を動かしていないため、以下の3点のメリットがあります。
静かでブレない
電子シャッターは物理的にシャッター幕を動かしていないため、動作音がありません。
そのため「サイレントシャッター」というモードを使って撮影すれば、ほぼ無音で撮影できます。
また、同様の理由でシャッターショックがないため、レリーズ後にカメラ自体がブレることはありません。
高速連写枚数が多い
電子シャッターは、メカシャッターに比べ秒間の高速連写枚数が圧倒的に増やせます。
機械的にシャッター幕を動かす速度には限界があるため、メカシャッターでは多くても秒間16枚程度の連写速度が限界です。
しかし、電子シャッターではその制限がないため、秒間60コマといった驚異的な連写が可能となっています。
耐久性を気にしなくてよい
電子シャッターはイメージセンサーの劣化以外、耐久性を気にする必要がありません。
それに対し、メカシャッターは機械の摩耗があるため「シャッター耐久回数」が決まっています。
高速連写を多用する場合はメカシャッターの摩耗が早いため、電子シャッターに分があります。
電子シャッターのデメリット

メリットばかりに見える電子シャッターですが、以下3点のデメリットもあります。
動体歪みが発生しやすい
電子シャッターは、動く被写体に対して高速シャッターを切った際に動体歪みが発生します。
メカシャッターのメリットの項でも解説したとおり「動体歪み」は、横に動く被写体の上部から下部にかけて斜めに歪む現象であり、電子シャッターが採用しているローリングシャッターが原因です。
「ローリングシャッター」は、イメージセンサーの上部から下部にかけて露光を行うため、その露光開始のタイムラグによって歪みが生じます。
フリッカー現象の影響を受けやすい
電子シャッターは、メカシャッターに比べフリッカー現象の影響を受けやすい欠点があります。
「フリッカー現象」とは、蛍光灯やLED照明の明滅によって写真に縞模様のような色ムラができてしまう現象です。
影響を受ける大きな原因は電子シャッター使用時の写真の読み出し速度で、明滅周期より遅い速度で読み出す機種に多く見られます。
ストロボ(スピードライト)使用に制限がある
電子シャッターでは、ストロボ(スピードライト)の使用に制限がかかるのもデメリットです。
原因は「ローリングシャッター」で、イメージセンサーの上部から下部にかけて露光を行うタイムラグのうちにストロボ(スピードライト)の光が全て通過しきってしまうことで起こります。
1/125秒などのシャッタースピードに設定すると、結果として上半分が明るく下半分が暗い写真ができてしまうので、実用的ではありません。
これはスローシャッターにすると解決する機種もありますが、基本的にはメカシャッターを使用するほうが無難です。
電子シャッターに向いている撮影シーン・被写体
電子シャッターでも、そこまで高速に移動しない「スポーツ撮影」や「野鳥撮影」は可能です。
また、高速な画像読み出しを実現しているフラグシップモデルなどであれば、撮影シーンは広がります。
静音性が高いという点から「コンサート・観劇」「発表会」「子どもやペットの寝顔」を撮影するときには積極的に使用しましょう。
まとめ

今回は「メカシャッターと電子シャッターのメリット・デメリット」を解説しました。
シャッター方式はどちらが良いということではなく、撮影シーンによって使い分けることが大切です。
ぜひ、お手持ちのカメラで撮影する際に試してみてください。











