はじめまして、写真家の角野 正樹(かどの まさき)と申します。
今回は、TAMRONから2023年10月31日に発売されたNikon Zマウント用 超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」のレビューをお届けします。
このレンズはもともとソニー Eマウント用や富士フィルム Xマウント用が発売されていましたが、待望のNikon Zマウント用が追加されました!
今回は、よこはま動物園ズーラシア、千葉市動物公園、浜松市動物園、多摩動物公園(すべての動物園で撮影許可をいただいています)、そして、航空自衛隊 岐阜基地で開催された航空祭など、動物から戦闘機までさまざまなタイプの被写体を撮影してみました。
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150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057) [ニコンZ用]

目次
執筆者プロフィール

角野 正樹(かどの まさき)
Position
サーバルやアムールトラ、キツネなど日本各地の動物園で動物写真を撮影しています。
撮影した作品は動物園の許可を得て写真集を制作し、動物園の売店などで販売しています。
TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067) の作例写真を担当。
株式会社サードウェーブと東京カメラ部が開催した「壁紙にしたい写真コンテスト」にて、raytrekアンバサダー賞を受賞。
リニアモーターフォーカス機構による高速AF駆動
このレンズの長所のひとつは、AF駆動にリニアモーターフォーカス機構 VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)が搭載されていることです。
その性能を確かめるため、よこはま動物園ズーラシアで開催されたチーターランを撮影してみました。
まずチーターランについて簡単に説明します。
チーターといえば、時速100kmものスピードで走ることのできる地上最速の哺乳類です。
チーターランは高速で走る疑似餌をチーターが全力疾走して追いかける模様を観察するというイベントで、しばらく中止されていたものの4年ぶりに2023年12月17日に開催されました。
観覧するためのオススメスポットについては、よこはま動物園ズーラシア公式ブログに記載されていますのでご覧下さい。
高速AF駆動を評価するためにはどこから撮影すればよいか検討した結果、長い直線区間を正面から捉える場所が良いだろうと考え、公式ブログでAゾーンとBゾーンと記載された場所の中間地点から撮影に挑戦してみました。
チーターが走るのは2回。
しかし、1回目と2回目は反時計回りと時計回りで走る方向がかわります。
しかも、大勢のお客さんが見学しているため、撮影スポットを容易に移動することはできません。
つまり、正面から走ってくる姿を撮影できるのは1回こっきりという撮影チャンスに賭けてみることにしたのであります。
周囲の楽しげな雰囲気の中、1人ピリピリとした緊張を感じていたところでイベントが始まりました。
レンズの最大望遠である500mmに焦点距離をあわせ、遠くの方で第1コーナーをターンしてすごい勢いで走ってくるチーターに向けて、3Dトラッキングのカーソルを合わせると・・・
シュパッとAFがチーターを捉え、木の陰に見切れるまでAFを使って撮影することに成功したのです。
Nikon Z8の動物瞳AFと秒間20コマの連写性能を、いかんなく発揮できるレンズではないでしょうか!

よこはま動物園ズーラシア チーター

よこはま動物園ズーラシア チーター

よこはま動物園ズーラシア チーター
少しトリミングして仕上げたカットはこちらです。

よこはま動物園ズーラシア チーター ※トリミングあり
秒間20コマの連写速度のおかげで、4本の脚が浮く「飛びチーター」のカットが何枚か撮れていましたし、狙い通りにトラッキングAF性能を実証できるカットを撮影することができて、正直ホッとしました。
でも、撮影難易度の難しい被写体であればあるほど、また撮りに行きたくなりますよね!!!
よこはま動物園ズーラシアは、チーターとキリンやシマウマなどを同じ運動場で展示する混合展示をしていたり、オカピやドール、テングザルなど他の動物園ではなかなか見られない動物も展示されていますので、機会があれば足をはこんでいただければ幸いです。

よこはま動物園ズーラシア ドール
次に、航空自衛隊 岐阜基地で開催された航空祭で撮影した写真を紹介させていただきます。
2023年の航空祭には自衛隊が誇るアクロバット飛行チーム ブルーインパルスがやってきました。
早朝、駐機場で待機する7機のブルーインパルスの機体が一直線に整列していたので、機体が重なっている奥行き感を出すため、Z8のモニターをチルトさせ、頭上にカメラをかかげながら撮影したのですが、手ブレすることなく撮影ができました。
なお、航空祭も動物園も基本的には三脚を使用することが難しいため、今回のレビューでの作例写真はすべて手持ちで撮影しています。
手ブレ補正機構の効き具合は良好でしたよ!

※トリミングあり
さて、ブルーインパルスは、背面飛行する機体のまわりをぐるぐる回りながら飛行するコークスクリューの演目や、クリスマスツリーのような編隊を組んで飛来する演目などさまざまなアクロバット飛行を披露してくれました。
まずはコークスクリューの演目を撮影した写真がこちらになります。

※トリミングあり
次に、クリスマスツリーの演目については、この日があいにく曇天の空模様であったため、モノクロで仕上げてみました。

※トリミングあり
岐阜基地には航空機の開発部隊が配備されており、F-15戦闘機やF-2戦闘機、C-2輸送機などさまざまな機体を見学することができます。
あっという間に頭上を通りすぎるF-15戦闘機などを撮影しましたが、素早く動作するAFのおかげで難なく撮影することができました。

※トリミングあり

中望遠150mm から超望遠 500mm まで1本で楽しめる
言わずもがなではありますが、ズームレンズは大きく拡大して撮ることもできますし、引いて小さく撮ることもできるレンズです。
まずは、最大望遠となる500mmの焦点距離で浜松市動物園のアムールトラが「よく来てくれたね」といった感じでくつろぎながら私の方を見ていた様子を撮影してみました。

浜松市動物園 アムールトラ
次は、150mmの焦点距離で撮影してみました。
浜松市動物園のアムールトラ舎には竹林があり、そこを150mmで撮影すると竹林とアムールトラを一緒に撮影することができます。
虎には竹林が似合いますよね!

浜松市動物園 アムールトラ
このように望遠端500mmから広角端150mmまで、レンズを引き伸ばしする際のズームリングの回転角は75度です。
動物の一瞬の仕草の変化に対応して撮影するには、ズームリングをグルグル回し続ける時間の余裕はありません。
75度という回転角は、感覚的には少し回しただけで行き来できる回転角度で、最小限の操作でストレスなく任意の焦点距離に調整することができました。
次は、341mmの焦点距離で千葉市動物公園のレッサーパンダが美味しそうにリンゴをほおばる様子を撮影してみました。

千葉市動物公園 レッサーパンダ
そして、この様子を引いて150mmの焦点距離で撮影してみるとこんな感じになります。
立ち上がって台の上に置いてもらったリンゴを食べていたのでした。

千葉市動物公園 レッサーパンダ
このようにかわいらしい動物の表情を拡大して切り取ったり、逆に引いて動物がどんなところで過ごしているのか切り取ったり、1本のレンズで自由自在に構図を選択できるのがズームレンズの良いところですね。
ズームにはロック機構が搭載されていますので、カメラをストラップでぶら下げながら歩いたときに、気付いたらレンズが望遠端に伸びてしまっているというようなことも防止することもできます。
ちなみに、立ち上がるレッサーパンダとして一世を風靡した風太くんは千葉市動物公園でいまも元気に暮らしています。
御年20歳となり、足腰が弱くなったため立ち上がることはないのですが、風太くんの子供たちは日本各地の動物園で愛されているようです!

千葉市動物公園 レッサーパンダ 風太
動物の毛並みを精細に描写する光学性能性能
最新技術が搭載されたこのレンズの光学性能は素晴らしく、動物たちの毛並みをくっきりとシャープに描写しており、ファインダーでのぞいてもよし、撮影した画像データもよし。
撮っていて気持ちが高ぶるようなレンズでした。

浜松市動物園 レッサーパンダ
やわらかくボケる緑地を背景に立ち上がっていたミーアキャットは、細やかなまつげまで描写されていただけでなく、朝日を浴びて光り輝く毛並みまで写しとめることができます。

千葉市動物公園 ミーアキャット
ボケ味についても調べてみました。
まずは前ボケです。
垣根を大きく入れながら、奥の運動場を悠々と歩くアムールトラを撮影してみたのですが、心地良い緑の木々の輪郭がやわらかくボケる感じが良いですね。

浜松市動物園 アムールトラ
次は、後ボケです。
楽しげに歩いていたシタツンガの背景で光り輝く玉ボケは、中央部では円形であるものの、4隅の周辺部では楕円形のレモン形の形状になってしまっていました。

千葉市動物公園 シタツンガ

千葉市動物公園 フクロテナガザル※トリミングあり
また、キレイに色づいた紅葉の木がありましたので、逆光の作例も撮ってみました。

千葉市動物公園
フレアやゴーストはでないとは言いませんが、出にくい方ですね。

千葉市動物公園
キラキラかがやく木漏れ日をすこし黄色よりに色温度を振ってみて切り取ってみましたがいかがでしょうか?

千葉市動物公園
蝶々も撮影できる最短撮影距離
最後は、最短撮影距離について調べてみました。
広角端150mmでは0.6m、望遠端500mmでは1.8mの距離とカタログに記載されており、多摩動物公園の昆虫生態園で蝶々を撮影してみましたが、カタログ値以上に近寄って撮影できると感じました。
まずは広角端150mmで、オオゴマダラを撮影してみました。

多摩動物公園 オオゴマダラ
次は、望遠端500mmで、リュウキュウアサギマダラを撮影してみました。
昆虫の撮影にもこのレンズを活用することができそうです!

多摩動物公園 リュウキュウアサギマダラ
TAMRON(タムロン) 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057) [ニコンZ用]を手に入れる方法
購入する
TAMRON Online Shopでは、174,900円(税込)で購入できます。
また、家電量販店やネットショップなどでも購入可能です。
レンタルする
「TAMRON(タムロン) 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」に興味はあるけど、過去にレンズの購入で失敗したことがあるから、いきなり買うのはちょっと怖い…」という方には、レンタルするという選択肢がおすすめ。
“カメラのレンタル・中古買取・中古販売” GOOPASSでは、「TAMRON(タムロン) 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」をレンタルすることができます。

150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057) [ニコンZ用]
まとめ
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は全長が212.3mmと短く、重量は1,875gと軽量コンパクトに仕上げられています。
冒頭でもお伝えしましたが、2023年10月31日に発売されたNikon Zマウント用 超望遠ズームレンズ「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)」は、ソニーEマウントと富士フイルムXマウント用が発売されています。
Zマウント用では、レンズ側面にあるスイッチボックス部にフォーカスのレスポンスを調整できるスイッチが追加されましたので、MFで合焦位置を調整しながら撮影する際に活用できそうです。
私は開園から閉園まで動物園で撮影することも多いのですが、重い機材を持ち歩きつづけると疲労し集中力が落ちてしまいます。
このため必要最低限の機材だけを持ち歩くようにしており、軽量であることは使用するレンズを選択する重要な要素のひとつになっています。
また、コンパクトなことは撮影する際だけではなく、カメラバッグの中に収納しやすくなるということも意味します。
地方の動物園へ遠出する際に持って行けるレンズの本数を増やせることになりますので、これもまた重要なポイントですね。
そして、今回のレビューでは三脚を使用しなかったため三脚座は使用しませんでしたが、三脚座にアルカスイス互換の溝が刻まれているため、アルカスイス互換三脚でアタッチメントを取り付けることもなく使用できるのは良いですね。
また、ネジ1本を緩めるだけで三脚座を回転できたり、取り外すこともできるので、カメラバッグの中に収納しやすい角度に調整することも簡単でした。
今回のレビューでは、動物から戦闘機、果ては昆虫まで、さまざまな被写体を撮影してみましたが、いかなる被写体を対象にしても快適に撮影を楽しめるレンズでした!

多摩動物公園 サーバル

150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057) [ニコンZ用]









