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てのひらの炎 3ページ目

足首のあたりまで積もった雪を蹴散らしながら、父の背中を必死で追いかける。
距離があと2メートルくらいのところまで迫り、もう一度叫ぼうとした時、父が振り向いた。
私の姿を認め、ああ、とため息をつき、目尻を下げて微笑んだ。
最後の記憶の中の父は痩せ衰え、病院のベッドの上で苦しそうに息をしていたが、今目の前にいる父は血色も良く、元気な頃の姿のままだった。
「お父さん・・・?」
語尾が震えた頼りない声は、まるで他人の言葉のように響いた。息は荒く、頭の芯がぼうっとしている。
父は力強く頷き、口を開いた。
「うん。ただいま」

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この記事を書いた人

学生の頃に写真活動を始め、独学で撮影技術を獲得。「季節のうつろいや物語性を感じさせる写真」をテーマに数々の作品を制作。元国家公務員で、現在は兼業カメラマンとして活躍中。2022年9〜10月には「恵比寿 gallery HALO」にてAoki Nagisa氏との合同写真展『透光』を開催した。

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