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てのひらの炎 11ページ目

涙に濡れた目を開けると、見慣れた自分の部屋の窓が見えた。
柔らかな朝の日差しを受け、埃がキラキラと輝いている。
上半身を起こすと、一筋の涙が頬をつたった。

父の笑顔が、後ろ姿が、網膜に貼り付いている。
その記憶を少しでも長く留めるため、暫く目を閉じていた。
それでも、指の間から砂がこぼれ落ちるように、夢の記憶は遠ざかっていく。
私は気持ちを落ち着かせるために息を吐き、壁の時計に目をやって、やっと気がついた。
父が亡くなってから初めて、朝日が昇るまで目を覚まさなかったことに。

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この記事を書いた人

学生の頃に写真活動を始め、独学で撮影技術を獲得。「季節のうつろいや物語性を感じさせる写真」をテーマに数々の作品を制作。元国家公務員で、現在は兼業カメラマンとして活躍中。2022年9〜10月には「恵比寿 gallery HALO」にてAoki Nagisa氏との合同写真展『透光』を開催した。

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