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田舎者写真日記【第一回:嫌いだけれど、好き】

チリリリンとめざまし時計の鳴り響く田舎町の寂しさを、皆さんはご存じでしょうか。

朝6時すぎ。眠たい目をこすり、ベッドのどこかにある暖房のリモコンを手繰り寄せて、あとそれから、寝ぐせを整えて。

まもなく外に出るので、ベッド脇の窓から外を眺めます。

「今日は、きっと晴れみたい」

この時期特有の朝もやが辺りの景色を隠していますが、わたしはあまり納得がいっていません。

「隠さなくったって、こんな田舎町、何もないのに」

朝もやのたちこめる早朝の田舎町

今日はプラスチックごみの日。

ゴミ捨ては、小さい頃からのわたしの役割です。昔はゴミ捨てをするたびに、両親から10円のお小遣いをもらえていたけれど、いつからかもらえなくなってしまったけれど。

適当な上着を羽織り、お気に入りのスニーカーをとんとん。扉を開けた瞬間の「いってきます」は、十軒先の田中さんちくらいまでは、きっと聞こえているでしょう。この町の静けさと相反するように、今日もわたしは元気です。

左手にゴミ袋、右手には、小さなカメラが一台。最近、どこへ行くにもフィルムカメラを持ち歩いています。1年前におばあちゃんちで見つけた、OLYMPUS TRIP 35という小さくて可愛いそのカメラは、亡くなったおじいちゃんの形見です。

軽くて可愛いOLYMPUS TRIP 35

もやが薄まってきた頃、ゴミ捨て場に着きました。

何だかこのまま帰るのはもったいない気がしたので、カメラも持っていることだし、少し散歩することにします。

朝もやが薄れて、姿を現す田舎町

わたしは、田舎が嫌いです。

カメラのファインダーを覗いても、見えるのはどこまでも続く田畑と、空き家かどうかも分からない古民家が、ぽつりぽつり。キラキラしたネオンも、お洒落なカフェもありません。近所に住む老夫婦の杖のつく音や、農道を走るトラックのエンジン音は、田舎町の寂しさをより際立たせています。

車がやっと一台通れるくらいの踏切
田舎道を駆け抜けるバイク

路地裏で新聞を読む近所のおじいちゃん

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この記事を書いた人

写真家、文筆家。東北の田舎町出身。

ドイツの大学で西洋美術史を学んでいる。
2021年に祖父の形見としてフィルムカメラを譲り受けて以来、フィルム写真の魅力に取り憑かれてしまう。「青春」や「日常」をテーマとしつつも、様々なジャンルの写真に挑戦し、絶賛成長中。

また、幼少期から書いている日記を、SNSで毎日発信している。