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田舎者写真日記【番外編:科学的根拠のないお話〜フィルム写真と欧州ひとり旅〜】 4ページ目

「おばあちゃん、わたし、写真を撮り始めたんだ。カメラってすごく面白いんだよ。」

用意してくれた苦めのコーヒーを一口飲んでから、わたしは突然話を切り出しました。

「これ見て、可愛いでしょ。50年も昔のフィルムカメラなんだよ。」
「ソフィアおばあちゃん、もしかしたら知ってるかなあ。」

わたしがこんなにもカメラの話をするのには、理由がありました。ソフィアおばあちゃんの写真を撮りたかったのです。可愛らしいえくぼ、つやのある髪の毛、そして凛々しくも優しさを秘めた、この素敵な表情。また会えるかも分からないソフィアおばあちゃんのことを、わたしはどうにかして、記録として残したいと考えていたのでした。

「ありあ、わたしはね、カメラがそんなに好きじゃないの。」
ソフィアおばあちゃんからの突然のひとことに、わたしの企みは、唐突に終わりを迎えることとなります。

「どうして好きじゃないの?」
わたしに紡ぐことのできる言葉は、質問を投げかけることだけでした。

わたしの精一杯の問いかけに、ソフィアおばあちゃんはなにも言わず、そっと席をたち、リビングを離れます。

たくさんカメラとか写真の話をして、怒らせちゃったかな。
せっかくの再会を台無しにしてしまったのではないかという、焦りと後悔のこみあげてくる午後の束の間。ちょうど外からは、教会の鐘の音が聞こえてきます。

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この記事を書いた人

写真家、文筆家。東北の田舎町出身。

ドイツの大学で西洋美術史を学んでいる。
2021年に祖父の形見としてフィルムカメラを譲り受けて以来、フィルム写真の魅力に取り憑かれてしまう。「青春」や「日常」をテーマとしつつも、様々なジャンルの写真に挑戦し、絶賛成長中。

また、幼少期から書いている日記を、SNSで毎日発信している。