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田舎者写真日記【番外編:科学的根拠のないお話〜フィルム写真と欧州ひとり旅〜】 3ページ目

旅をする目的がたいしてないかというと、それは嘘になります。
事実、わたしはその一番の旅の目的地に、これから向かおうとしているのですから。

水上バスに乗り換えて、ヴェネチア本島から東へ40分ほどのところにある、ブラーノ島へ向かいました。そう。ソフィアおばあちゃんに、会いに行くためです。



ソフィアおばあちゃんとは、数年前、わたしが初めてブラーノ島を訪れた際に出会いました。
小さなパン屋さんを営んでいて、少し怖そうだけど、でも実はとっても優しくて。イタリア語の分からないわたしは、彼女と拙い英語でたくさん会話したことを覚えています。

「こんにちは、生ハムとチーズのパニーニをひとつください!」

水上バスを降りてから真っ先にパン屋へ向かったわたしは、パン屋に入るなり、元気よく。

「あら?あなたは確か、日本人の・・・」「そう、ありあだよ!良かったあ、覚えていてくれて。」

残念ながらこの店イチオシの生ハムとチーズのパニーニは売り切れていましたが、ソフィアおばあちゃんがわたしのことを覚えてくれていたので、そんなことは落ち込むに値しません。代わりに、白身魚のハンバーガーを注文しました。

その後、少しだけソフィアおばあちゃんとやりとりしましたが、お昼時で忙しそうだったので、テイクアウトでハンバーガーを受け取り、わたしは海沿いのベンチに腰掛けて、ひとりランチをすることにしました

頭上を飛ぶカモメにハンバーガーを取られまいと、4口くらいでぱくり。
少しだけのどに詰まったハンバーガーをミネラルウォーターで整えて、ごちそうさま。
やっぱり、ソフィアおばあちゃんの作るパンは美味しいなあ。

「ありあ、わたしの家に来なさい。コーヒーとお菓子をご馳走してあげるわ。」

しばらくして、どうやらほかの従業員さんに仕事を任せてきたらしいソフィアおばあちゃんが、遠くから声をかけてきました。

エプロンをつけたままのソフィアおばあちゃんは、それはもう小さくて可愛らしいパステルカラーのおうちへ、わたしを招き入れます。

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この記事を書いた人

写真家、文筆家。東北の田舎町出身。

ドイツの大学で西洋美術史を学んでいる。
2021年に祖父の形見としてフィルムカメラを譲り受けて以来、フィルム写真の魅力に取り憑かれてしまう。「青春」や「日常」をテーマとしつつも、様々なジャンルの写真に挑戦し、絶賛成長中。

また、幼少期から書いている日記を、SNSで毎日発信している。