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田舎者写真日記【番外編:Die schöne Zeit -ありあの南ドイツひとり旅-】

修道院の写真

 修道院の鐘が鳴りましたから、わたしはまた、旅に出ようと思います。次の鐘の音を聞くために、そして、心の鐘を鳴らすために。

午前6時14分

“Guten Morgen!”

 夢のような夢を見ていたのに、わたしを眠りから目覚めさせたのは、渋く少し滑舌の悪い、車掌のあいさつでした。

「お客さん、朝ごはんの時間だよ。何にする?」

「えっと、これとこれと、あ、やっぱりハムじゃなくてチーズが良いかも」

 目覚めの余韻に浸ることなく、朝ごはんの注文を急かす車掌さん。車掌室に戻った彼はきっと、わたしの寝ぐせを笑っているに違いありませんが、そのあと運ばれてきた朝ごはんの匂いがこのA寝台の個室に充満すると、あらゆる感情がその匂いに包まれてゆき、肩を少し上げて深呼吸するわたしは、ひとつ小さな笑みを浮かべるのでした。

ちょっとはしたないけど、ベッドで食べた朝ごはん

「このパンとチーズうっまー!」

 2秒に一度くらいの頻度でパンを照射する朝焼けの光は、薄汚れた窓の外から。わたしはいま、寝台特急に揺られ、ひとり旅をしています。

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この記事を書いた人

写真家、文筆家。東北の田舎町出身。

ドイツの大学で西洋美術史を学んでいる。
2021年に祖父の形見としてフィルムカメラを譲り受けて以来、フィルム写真の魅力に取り憑かれてしまう。「青春」や「日常」をテーマとしつつも、様々なジャンルの写真に挑戦し、絶賛成長中。

また、幼少期から書いている日記を、SNSで毎日発信している。