
昨晩アムステルダム中央駅を発ってから、およそ10時間。どんより曇りだった昨日とは異なり、今日、ここ南ドイツの天気はとても良さそうです。ひとり旅の道中でわたしが一番頻繁に開くスマホのアプリは、きっと天気予報でしょう。雨具を身につけなければならないし、髪の毛はくるくるになるし、とにかくわたしは、雨が嫌いですから。

7時11分
ミュンヘン中央駅は、誘惑でいっぱい。18番線ホームに到着した寝台特急から降りてすぐに香るソーセージの匂いは、きっと右奥にみえる青看板のカフェから。さっき朝ごはんを食べたばかりだというのに、見事に鳴ってみせるわたしのお腹ったら、なんともまあ、だらしないものです。


しかし、ソーセージにそそのかされている暇はありません。いまのわたしには目的地があって、ミュンヘンはあくまで経由地でしたから、何枚か写真を撮りながら、次の列車の出る23番線ホームへ向かいました。
そこからのことは、実はあまりよく覚えていません。覚えているのは、10月にしては朝日がうるさくて、時折ひらく瞼に映ってみえるバイエルンの朝霧が、わたしを夢の世界へ連れて行ってくれたことくらい。旅と夢の境目が分からなくなるようなその原風景を、人々はロマンチック街道と呼びます。




