Nikon Z fとキットの40mm、そしてライカレンズと巡る香港旅。
3日目は朝から友人夫妻が車で迎えに来てくれた。
彼らは大の日本好きで昨年も5回ほど来日している。来るたびに御飯作ったり、レストラン予約してご馳走したりしていたら「んで、君たちはいつ香港に来るの?」と言われたのが今回の旅のきっかけだったりする。
「倍返しだ」とは言っていないものの、もちろん半沢直樹もチェック済みの彼らは日本での恩を返さなくてはと「ランタオ島に連れて行くから一日開けておいてね!晩ごはんも予約済みだから!」と怒涛の接待モード。
まずは昂坪360(ゴンピン360)でランタオ島のシンボル、山頂の仏陀像に向かうのだが、インフルエンサーの友人奥様がそのインフルエンス力を発揮して、激混みの通常ルートから外れてPR案件枠でゴンドラに搭乗。キャンペーンの仕事を受けて今回それを利用したらしい。生まれ変わったら私もやっぱりキラキラインフルエンサーになりたい。



ちなみにこのゴンドラ、足元はシースルー。なかなか新鮮な眺めだが、地上にピントを合わせてもアクリルの反射に惑わされずにサクッと合焦してくれるNikon Z f。ストレスなく撮影も楽しめる。

約20分の搭乗の後頂上に着くとそこでは、目に仏陀、山ほととぎす、クリスマス。そう、仏陀のお膝元でクリスマスソングが爆音でスピーカーから流れてくる。
飲茶のイベリコ豚叉焼然り、異文化を取り入れる節操の無さでは香港も日本に負けてはいない。
ワム!のラストクリスマスが流れたかと思えば、マライア・キャリーが後を追いかける。「去年のクリスマスに心をささげたけど、翌日あなた捨てましたよね」と恨み辛みを言う男と「クリスマスに多くは求めてないわ、あなたがいればそれでいい(けどプレゼントやディナーはあるよね?)」と歌う女。一見ぴったりはまりそうな組み合わせに見えるものの、両者の決して埋まらないであろう溝と人の業(カルマ)を感じながら、仏陀への階段を一段、まだ一段と登っていく。

やがて息も絶え絶えになり、しんどくなってきたところでやっと仏陀のおひざ元にたどり着いた。その手から降り注ぐ光にカメラを向けるとこの通り、キレイな光芒が浮かび上がった。とにかく高パフォーマンスなレンズである。


ちなみにこのNikon Z f、色合いもなかなかよいのでこんなビビッドな被写体を撮っても楽しい。仏陀に祈りをささげてこの組み合わせで撮れば、来世はキラキラできるかもしれない。

祈りをささげたのも束の間、メインの目的地、大澳(タイオウ)へと向かうバスに駆け込む。「棚家」と呼ばれる香港独自の水上住宅が水路に沿って並ぶ小さな漁村だ。かつて棚家は香港のいたるところで見られた、言わば原風景のようなものなのだが、今はもうこの大澳でしか見られないという。
細い路地や味わい深い建物、露店、海や水路など、思わず撮影したくなる景色がそこら中にあふれている。かく言う私も初めてきたのだけれど、写真好きには是非ともお勧めしたい場所だ。友人の話によるとどんどん都心部へと移り、人口も減っているという。
そのうちこの景色が失われてしまう可能性も十分にある。


11月でも大澳の日差しは強く、汗ばみながらカメラを携えてひた歩く。一昨日の煲仔飯(ボウジャイファン)の時に出会った食材、鹹魚ともここで再会した。




ここ大澳にもリノベの流れは来ており、以前警察署だった場所が今ではTai O Heritage Hotelとして再生されている。屋上に建てられたペントハウスではレストランが営まれており、この地域の食材を使ったメニューを楽しめる。
写真は蝦醤(シャージャン)という小エビの発酵ペーストを使った鶏の手羽先のから揚げと塩漬けのレモンをつかったセブンアップ(炭酸飲料)だ。
歩き回って汗を流した肉体に唐揚げの塩分が染みわたり、そのあとに流し込む塩漬けレモンセブンアップのあまりの美味さは筆舌に尽くしがたかった。妻は塩漬けレモンの作り方を友人夫婦に聞いていたが、半年以上かかると聞きギブアップ。
ガラス張りの天井のブラインド越しに柔らかく差し込む光とともに心地よい時間を過ごした。



そのまま晩御飯もご馳走になり、楽しく一日遊び尽くしたものの、疲労メーターはマックス。ホテルへ戻るとすぐに深い眠りに誘われた。
それでも、翌日早朝から写真を撮りに行ったのはNikon Z fでの撮影の楽しさの余韻が残り続けたからだろう。

機材はいつも次なる撮影へのモチベーションをくれる。今回は久々にNikonのカメラを使ったけれど、切るたびにシャッターが次なる瞬間へと私を誘い、突き動かされるように写真を取り続けた。旅の準備はやはりカメラから始まるのだ。
最近はライカとソニーばかりだったけれど、またいつかこうしてNikonと旅に出る日を心から楽しみにしている。
旅と機材。
自分の五感に訴え、新しい刺激をいつも与えてくれるそれらをこれからも楽しんでいきたい。


今回使用したカメラとレンズ
Nikon Z f

Nikon NIKKOR Z 40mm f/2

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