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旅と記憶のリフレーム #6 能登の夏祭りと写真のつなぐ縁

5月に能登の記事を出したばかりなのに、また、能登半島に来てしまった。
目的はお祭り。それも月を跨いで二回も、である。

能登半島には独自の文化で生まれた数多くの祭りがある。
その数、約200。
能登の人口や面積を考えると圧倒的な数だ。

過去に見に行った能登の祭りはどれも素晴らしかったが、特にあばれ祭りは衝撃的だ。

巨大な松明の周りをキリコが燃え移りそうな距離でぐるぐると回ったかと思えば、翌日は神輿が海にダイブし、川で火攻め・水攻めにあい、さらに神社の境内では更なる火攻めでこんがりと焼き上がった上で地面に叩きつけられる。
荒ぶる神スサノオノミコトがそのルーツと聞くと納得はできるもののカルチャーショックに近い驚きと興奮だった。

2度目の今回でもその興奮は冷めることなく、毎年変わる各チームの揃いの祭り衣装や激しさを増して荒ぶる火の粉、増えて盛り上がる観客など、今年も大いに楽しむことができた。

幸いにも地元の人たちとも少し話をする機会があった。
恋人が神輿を担いでいるという若い女性と妻が話していると、昨年私が撮った写真にその彼が映っていることがわかり、
なんとAirDropで写真を渡す機会にも恵まれた。フォトグラファー冥利に尽きる体験である。

燃え盛る炎の中で乱舞する群衆の中から彼を判別するヒントとなったのは、その筋骨隆々の背中だ。
このとき「筋肉はすべてを解決する」と私は確信した。

祭りの佳境が過ぎると宿に戻り、宿泊者同士での飲み会が広間で始まる。
みな、能登にひと方ならぬ思いを持った人たちである。中には今年だけでも毎月来ている、という猛者もいる。
大分能登フリークを自負している私もその圧倒的能登情報量の前にはひれ伏すしかなかった。輪島 林乾物店の海苔の佃煮はこの時教えてもらって以来常備している。
惜しげもなく使われた大きなサイズの海苔はうま味成分三銃士であるグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸を贅沢に含み、一度茶碗に乗せれば貴殿の白ごはんは事象の地平線へと瞬時に消し飛ぶためくれぐれも注意されたい。

一方で、別の夫婦と突如開催した“能登お気に入りの寿司屋の店主の細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”で大盛り上がりもした。
「ありがとうございます」の言い方であれだけお互いに共感を呼び、狂ったコメツキバッタのように首を縦に振ったのは過去経験がない。
盛り上がったついでに一つお願いを受けた。いつもお世話になっている宿に能登の写真集を作ってプレゼントしたのだが、それを自分にも販売してほしいというありがたい申し出だった。もちろん、と返事をし、後日無償でお送りした。これも何かの縁だからだ。

そんな能登にまみれた素敵な晩を過ごした翌日
「来月鵜川で『にわか祭り』があるんやけど、hirotoさんたち来る?」
と宿の方からお誘いを受けた。
誘われたら断らないスタイルなので二つ返事で答えると8月の予定が埋まった。

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この記事を書いた人

-北は利尻・礼文島(北海道)から南は波照間島(沖縄)まで
-アジアから北米、南半球でへリスキー、スペインで牛に追われるまで
-高級宿から寒くて寝れないハードコア野宿まで
-三ツ星レストランからフルコースの自炊まで
-天下の名湯からヒグマに怯えつつ入る野湯まで

と振れ幅のある旅を得意とする(ちょっとだけ)副業フォトグラファー。

旅に出ていない時は主にTwitterに生息しているか、noteで旅の思い出を綴っている。
M型ライカを愛用しつつ、風景や仕事ではSONY機を利用。 最近では「World Cupでドイツに日本が勝ったら・・・」と口が滑ってLeica M11を買う羽目になった41歳厄年。