本来は写真家アラーキーとその奥様である荒木陽子さんの愛の軌跡を辿るため、陽子さんの著書「愛情生活」をもとに二人が訪れた場所へ赴き、写真コラムを綴るこの企画ですが、前回に引き続き今回も番外編。
(この連載の細かな企画内容については#1をご覧になっていただけますと幸いです。)

オーストラリアに住んでいる友人の結婚式に参列する為、実に四年ぶりの海外旅行へ行ってきました。
2週間ほどの滞在で、オーストラリアのメルボルンからパース、そして帰国前のトランジット中にシンガポールへ訪れました。
コロナ禍での規制が少しずつ緩和されてきている今、その旅路を少しご紹介させていただきます。
今回はオーストラリアから日本へ帰国する便でのトランジット中に降り立った、シンガポール編。
旅のお供となるカメラは、前回に引き続きPENTAX645NⅡという中判フィルムカメラ。

今回の旅行、結婚式の日程は半年以上前からお知らせいただいていたにも関わらず、航空券をいざ購入したのは2ヶ月前でした。
仕事のスケジュールがそんなに先まで読めないし、家の引越しも控えていたため、どのくらいの滞在期間にするか決めかねていたのでした。
そんなこんなで直前まで迷っているうちに、直行便はとんでもなく価格が高騰し、仕方なくトランジットが必要な帰路で帰ることに。
それでもトランジットの待ち時間が短い便は、本当に高い!帰りの航空券にウン十万円も払えません・・・。
そこで私が思い付いた案は、わざとトランジットの待ち時間が長く、比較的価格帯の低い便を購入し、トランジット中に街へ出てその国も観光しちゃおう!というものでした。
トランジット中ならキャリーケースも預けてしまっているから身軽だし、デビットカードがあれば現地通貨もATMでいつでも引き出すことができます。
という訳で帰りの航空券はシンガポール経由の航空券を購入しました。トランジットの待ち時間はなんと20時間!
仮眠をして、入国手続きともう一度出国手続きをする時間を考慮しても12時間は観光できる時間があります。
シンガポール空港は世界中の空港の中でもかなり巨大なことで知られており、空港内にショッピングモールや映画館、庭園やウォーターフォールがあったりと時間が余っても退屈することはありません。
空港内でラクサを食べて腹ごしらえをし、早速街へ出てみました。
ちなみにラクサはマレーシアやシンガポールの料理で、ココナッツミルクベースのスープに香辛料が効いた麺料理。大好物です。



シンガポールと聞くとマーライオンやビルの屋上のプール、近未来的な建築物などかなり発展している都市なイメージが強いかもしれません。
ただ観光時間も限られている中でローカルな文化が知りたいと思い、ビルが立ち並ぶ観光地ではなくアジア街の方へ足をはこんでみました。
電車に乗るための紙の切符はもう取り扱っておらず、SuicaやICOCAのような電子カードか、タッチ機能付きのクレジットカードで改札を通ることができます。
これには本当に驚きました。日本でも取り入れてほしい!
チャイナタウンではちょうど旧正月のお祝いムードが残っており、華やかな飾り付けがされていました。
どこの国へ行ってもチャイナタウンは活気があり、そのエネルギーに毎回圧倒されます。


少し歩いてマーケットのようなところに辿り着きました。
マーケットでも様々な国籍の人々が働いています。
ちなみに駅や街中では英語の他に中国語も同様に表記されていることがほとんどで、多国籍な文化だということがよくわかります。
公用語は英語・中国語・マレー語・タミル語と、なんと4つの言語があるそうです!
地元の人々で賑わうフードコートのようなところで、ランチをとることに。
写真を見て選び注文したのですが、ビーフンのような麺に餡がかかっており、初めて食べた料理でしたがとても美味しかったです。


ランチの後は、仏牙寺龍華院というお寺へ。
シンガポールは国民の40%ほどが仏教徒だそうです。
煌びやかさと繊細さを兼ね備えた装飾は本当に素晴らしかったです。




そして、そのままインド街へ。
街の名前も「リトル・インディア」というだけあって、ヒンドゥー教のモチーフやインドのアクセサリーが売られているお店や飲食店が多く立ち並んでいます。
スリ・ヴィーラマカリアマン寺院というヒンドゥー教の寺院にも行ってみました。
残念ながら中では撮影禁止だったので写真は外装の1枚だけですが、先ほどのお寺とはまた違ったエネルギーに圧倒されました。
入り口で靴をぬぎ、中はお祈りをされている人々で賑わっています。
寺院は華やかという点では先ほどの仏牙寺龍華院と共通していますが、こちらは原色が多く取り入れられておりとてもカラフル。
お供えの為の花飾りが本当に綺麗で、ハワイで有名なハイビスカスのレイのような花飾りになっています。
マリーゴールドやジャスミンの花など、縁起が良く香りの良い花が使われるそうです。


そして最後に、イスラム教のモスクへ。
モスクでは短パンやノースリーブなど、過度な露出はNGとされています。
タイルやステンドグラスが施されているモスク内は、これまでの寺院とはまた違った美しさが。
東京の代々木上原にも国内最大級のモスク、東京ジャーミィがあるので興味のある方はぜひ行ってみてください。
一般公開もしているし、隣には工芸品やお弁当などの食材が売られているショップもあり私のお気に入りの場所のひとつです。


寺院めぐりを終え散歩していると、先ほどとはまた別のフードコートが。
帰国前にラストラクサを食べ、これが本当に美味しかった!具沢山で今までで食べたラクサのなかでナンバーワン。
ちなみにラクサは$8。日本円で¥900弱なので、日本とさほど値段は変わらないかも。
名残惜しくもTigerビールを飲み干し、空港へ。

トランジット中とはいえ、ひとつの航空券で2ヶ国を旅することができて、大大大満足でした。
成田空港のように空港から市街地までが離れていると大変ですが、シンガポールのチャンギ空港は市街地までも電車で1本、所要時間は30分もかかりません。
こんなことが出来るなら貧乏旅行も苦にならない(?)かも。
くれぐれも時間には余裕を持って空港へ戻りましょう!
そして空港へ戻ると手荷物検査を含めた出国手続きをもう一度しなければならないので、お土産の内容物や重量にはご注意を!
コロナ禍から少しずつ落ち着きを取り戻しはじめ、国内外へ旅行する方々も増えてきました。
この夏は好きなカメラを持って、懐かしい街や未だ見ぬ街へ訪れてみてはいかがでしょうか?
著者紹介:髙木 美佑(たかき・みゆ)

1991年生まれ、東京都在住。 日本大学芸術学部写真学科卒業。セルフポートレートや 自己の体験を中心に作品制作を 行う。
2020年12月に初の作品集「きっと誰も好きじゃない。」を刊行。
■WEB:https://www.takakimiyu.com/
■Instagram:@miyu.takaki
■Twitter:@2h35m
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