金沢ひとり旅の二日目は、活気あふれる市場から始まりました。
海も山も近い金沢市は、海の幸はもちろん、野菜や果物などあらゆる“食”を堪能することができます。市街地中心部にある近江市場は、伝統ある市場。わたしはどうしてもその市場で、海鮮丼を食べたかったのでした。




市場を駆け巡る威勢の良い掛け声は朝眠たいわたしをシャキッとさせますが、一方、新鮮で脂ののった海の幸は、わたしの全身をだらーんとリラックスさせます。ご飯をかきこんでむせかえるのも、時折鼻をつくわさびも、何も気になりません。だってわたしはいま、旅人ですから。


特に何かしたいというわけではありませんでしたが、その活気にあてられてか、海鮮丼を食べたあとはゆっくり市場を観てまわりました。
「活きの良いのがあるよ」「へいらっしゃい」「このウニうんまっ!」
色々な声や音が合わさって、ひとつの曲として奏でられているよう。市場にいるすべての人々がオーケストラの一員となって、さてそのひとりであるわたしはどんな楽器担当なのかな、なんて考えるなどして。


お昼前、市場をあとにしたわたしは、近くにある喫茶店を訪れて、今回の旅を振り返ります。今回のひとり旅も、もうすぐおしまい。列車の本数がそれほど多くありませんから、お昼にはこの街を発たないと、今日中に帰れないのです。



日記帳を取り出して、今回の旅のさまざまなことを、メモしていきます。浅煎りのコーヒーと甘めのプリンはペンをより滑らかに滑らせて、旅の振り返りをより素敵なものにしてくれました。



