あんなに好きだった言葉に怯えるようになったのは、いつからだったでしょう。
色々な虫たち植物たちが、風の指揮する交響詩を奏でる畑そば、県道沿いのもの耽り。
自ら発する言葉も、聞く言葉も。わたしたち人間の作り出した言の葉の森の、木々のあらゆるところからトゲが生えているようにみえて、それは薔薇のようなトゲというよりかは、邪悪な何かで。迷い込んだら簡単に抜け出すことのない、そんな感じ。

そう、最近のわたしは、SNSにおける言葉に悩みを抱えていたのでした。
嘘か本当かも分からない情報の、ひとり歩きと複製。
詳細の出ていないものごとに憶測で重ねられる、議論。
無慈悲に行われる晒しや炎上、それから誹謗中傷。
言葉というものは、これほどに残酷で、悲しいものだったでしょうか。
いいえ、少なくともわたしは、言葉をそのように教えられて生きてはこなかったはずです。
楽しくて面白くて、そして時には優しい悲しさのある、わたしにとって言葉とは、そういうものであるように思います。



