OM SYSTEM O-M1で野鳥を撮影してみた!おすすめ機能を作例写真付きでレビュー

各メーカーが様々なカメラを発売する昨今。「野鳥撮影をしたいけれど、どんなカメラがいいのだろう?」と迷っている方は多いのではないでしょうか? そこで今回は、選択肢のひとつとして、OM SYSTEM(オーエムシステム)より発売された最新モデル※『OM-1』を紹介します。なぜOM-1が野鳥撮影に向いているカメラなのか。どのような機能が野鳥撮影に便利なのか。野鳥撮影初心者が実際にOM-1で撮影した作例を交えつつ、OM-1の特徴を解説します。野鳥撮影のカメラ選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回の撮影でレンズは『M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』を使用しています。
※2022年4月現在
風景・星景をはじめとする撮影が中心で、野鳥撮影は今回が初めて。カメラ歴は5年以上。普段の使用カメラはCanon EOS 6D。
目次
OM-1が野鳥撮影に向いている理由

OM-1が野鳥撮影向きの機材である理由を、5つのポイントでまとめました。
- 機動力と堅牢性
- 鳥認識AF
- 優れた連写性能
- 高感度耐性・高ダイナミックレンジ・高解像度
- 視認性のよい電子ビューファインダー
以下で具体的に解説します。
その1.長時間の手持ち撮影を可能にする機動力と水辺でも使える堅牢性

一つ目は、携帯性を含めた機動力と、過酷なアウトドア環境でも使用できる堅牢性です。OM-1はサイズ134.8×91.6×72.7mm、重量は599g(バッテリー等含む)と非常にコンパクト。グリップも深いため握りやすく、長時間の撮影も苦になりません。撮影の際は大型の望遠レンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』を手持ちで使用しましたが、手首の痛みなどもなく2~3時間ほど安定して撮影が行なえました。
動きながらでないと見つけられない野鳥の撮影や、三脚の設置が難しい場所など、手持ち撮影をするシーンは多いはずです。さらに、野鳥が飛ぶ瞬間や木に戻ってくるタイミングを気長に待たなくてはいけない場面もあるでしょう。そのようなときに負担を軽減してくれるOM-1は心強い味方です。
加えて、外が撮影地である野鳥撮影では堅牢性も重要。防塵・防滴の性能を示すIP規格※は『IP53』であり、機材に影響を及ぼすような粉塵がほとんど入らない外装設計になっています。防滴に関しても、雨がかかる程度ではびくともしません。水辺でのしぶきや突然の悪天候を心配せず安心して撮影が行なえます。「どこにでも持ち歩ける」というOMシステムの理念通り、環境を理由に諦めることなく撮影を続けられるでしょう。
防水・防塵性能を示す規格です。10の位が防塵、1の位が防水の指標であり、数字が高いほど防塵・防水性能に優れています
IP5X…機器の正常な作動に支障をきたす粉塵が内部に侵入しない
IPX3…垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない
その2.ファインダーにいる限り瞳まで追い続ける鳥認識AF

AF性能は、従来機と比べ最も進化を遂げた点であるといっても過言ではありません。オールクロス1053点の広いAFエリアに加え、一度ファインダーに捉えた野鳥を離さない『鳥認識AF』機能が撮影をサポート。鳥認識AFとは、AIが野鳥の動きを分析して、野鳥に自動でピントを合わせ続けてくれるシステムのことです。動物なので、やはり撮影の際は瞳にピントを合わせたいところ。しかし、野鳥の多くは小さいうえに動きもせわしなく、瞳にピントを合わせ続けるのは至難の業でした。そんななか、鳥認識AFはあちこちに動き回る野鳥でもファインダー内にいる限りは瞳まで追い続けます。おしりを向けて瞳が見えないときにはきちんと認識がOFFになるほどの高い精度です。
今回初めて野鳥を撮影しましたが、AFだけで瞳にピント合わせが行なえて感動しました。ピントをカメラ任せにできる分、野鳥を追うことや構図作りに集中できます。上級者やプロの方はもちろん、初心者の方は想像以上にピンボケ写真が防げるため、撮影の楽しみが増すこと間違いなしです。
その3.優れた連写性能が羽ばたきの一瞬も逃さない

野鳥は動きが素早く、特に羽ばたきや毛づくろいは目で捉えるのも難しい一瞬のできごとです。そのような場面を撮影するには、毎秒10コマ以上の高速連写ができる機材が欠かせません。
OMシリーズは従来機も連写性能に優れていましたが、新たに『高速連写SH1』『高速連写SH2』機能が追加されました。高速連写SH1ではAE・AF固定で最大120コマ秒、高速連写SH2では、AE・AFを追従しながら最大50コマ秒の連写が可能です。AE・AF固定でのピント合わせは不安だったため、高速連写SH2を主に使用しましたが、50コマ秒の連写でも決定的なシーンを押さえられました。

たとえば、上記の作例は瞬きのシーンを高速連写SH2で捉えたものです(50コマのうち連続した3コマを抜粋)。瞼が動き始めてから完全に閉じ再び開くまでの1秒に満たない動作が、50コマのうち40コマにわたり写っていました。数ミリ単位のわずかな瞼の動きも撮影できたのは、OM-1高速連写があったからこそです。
また、野鳥撮影で特に役立つのが進化した『プロキャプチャーモード』。半押しレリーズから全押しでシャッターを切るまでの間を記録してくれるので、シャッターを押した瞬間に撮り逃したと思っても遡って撮影されています。AE・AF固定で最大120コマ秒、AE・AF追従で最大50コマ秒撮影が可能。一瞬の間に終わってしまう羽ばたきのシーンを初心者でも撮影できました。


とはいえ、野鳥が羽ばたくタイミングが読めずに、動きのない静止画を大量に撮影してしまったり、構図を決める前に飛び立ってしまったりする失敗が多々ありました。野鳥撮影で大切なのは、やはり野鳥について知ることなのかもしれません……。
その4.高感度耐性・高ダイナミックレンジで朝夕の撮影も高解像で豊かな色調に

OM-1はマイクロフォーサーズでありながら、そのセンサーサイズを凌駕するISO25600の高感度を達成しました。優れた高感度耐性と暗所でも色調豊かに描写できるダイナミックレンジの広さにより、撮影シーンの幅が広がります。たとえば、作例写真は、早朝の薄暗い林の中で撮影したものです。ブレを防ぐためシャッタースピードを速くしので、必然的に高感度での撮影を余儀なくされました。しかし、解像感や色調を大きく損なわない写真が撮れたと思っています。
従来機OM-Dシリーズは最高常用ISOが6400で、ISO5000を超えたあたりから画像がザラつくノイズが発生してしまい、実用的ではありませんでした。OM-1ではその壁を越え、ISO6400も問題なく使用できます。
早朝や夕方など、今までは撮影を諦めたり、画質や色調を妥協したりしていたシーンも満足のいく1枚に仕上げられるでしょう。


また、新開発エンジン『TruePic X (トゥルーピック エックス)』と新画像処理アルゴリズムにより達成されたのは、高感度での解像感の良さだけではありません。低感度では、より圧倒的な描写力を発揮します。作例は家の前に現れたハトです。動きがなく太陽光がさんさんと差す場所だったので、低感度で撮影してみました。すると、拡大してもこのディテール感。羽毛や目元など細部も崩れることなく緻密に描写されています。
その5.光学ファインダーのようにリアルな電子ビューファインダー
今回の撮影では、9割以上ファインダーを覗いて撮影しました。普段の愛用機が一眼レフである点も理由ですが、ファインダー撮影の方が野鳥を追いかけやすく手ぶれも起こしにくいと感じたためです。そんな中で驚いたのが、EVF(電子ビューファインダー)の視認性のよさでした。ミラーレス一眼のファインダーは、目が疲れたり、不自然さを感じたりする方もいるのではないでしょうか? 常日頃「ミラーレスでも一眼レフのようなファインダー像を見たい」と感じていました。OM-1は576万ドットの高解像を達成。限りなく自然な像を描き出してくれます。
従来機だけでなく、他社メーカーと比較しても※1トップクラスの解像度です。また、高解像でありながらファインダーフレームレートは120fps、表示遅れも0.005秒と被写体の動きを滑らかに表示できるため、動体撮影に最適。連写SHモードではブラックアウト※フリーに対応したため、野鳥の姿を逃さず次の撮影に切り替えられます。小型軽量の機動力だけでなく、機能面でもフットワークの軽さを実感できました。
※1 Canon・Nikon・SONY三社の新機種EVF
・Canon EOS R3:約576万ドット
・Nikon Z9:約369万ドット
・SONY α7Ⅳ:約369万ドット
※2 シャッターが開閉する際にファインダー像が消失して画面が真っ暗になる現象
OM-1のスペック

まずは、OM-1を簡単に紹介します。OM-1は2022年3月に、OMデジタルソリューションズより発売されたミラーレス一眼カメラ。昨年『OLYMPUS』からブランド名を変更した『OM SYSTEM』のフラグシップ1号機です。
1972年に「世界最小最軽量の35mm一眼レフ(発売当時)」として注目された一眼レフと同じ名前がついている本機。
マイクロフォーサーズセンサーのメリットである小型・軽量を生かしつつ、フルサイズ・APS-Cにも引けを取らない描写性能を実現しました。進化したOM-1の詳しいスペックは以下の通りです。
当サイトの記事「野鳥の撮影にオススメのカメラ10選」で紹介した、同メーカーの「OLYMPUS OM-D E-M1X」「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II」と比較しています。
| OM-1 | OM-D E-M1X | OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II | |
|---|---|---|---|
| 発売日 | 2022年3月18日 | 2019年2月22日 | 2015年2月20日 |
| タイプ | ミラーレス一眼カメラ | ミラーレス一眼カメラ | ミラーレス一眼カメラ |
| センサーサイズ | 4/3型 | 4/3型 | 4/3型 |
| 有効画素数 | 2037万画素 | 2037万画素 | 2037万画素 |
| 動画性能 | C4K(4096×2160)59.94fps 4K(3840×2160)59.94fps | C4K 24fps 4K 29.97fps | フルHD(1920x1080) 59.94fps |
| ISO感度 | ISO80~25600 | ISO64~6400 | ISO100~1600 |
| シャッタースピード | 電子:1/32000~60秒 電子先幕:1/320~60秒 メカニカル:1/8000~60秒 | 電子:1/32000~60秒 電子先幕:1/320~60秒 メカニカル:1/8000~60秒 | 1/8000~60秒 |
| 性能 | 連写:約10コマ/秒 静音・プロキャプチャー:約20コマ/秒 静音・プロキャプチャー(SH1):約120コマ/秒 | 連写H:約15コマ/秒 静音連写H/プロキャプチャー連写H:約60コマ/秒 | 連写H:最高10コマ/秒 |
| 手ぶれ補正機構 | 5軸手ぶれ補正(最大8段) | 5軸手ぶれ補正(最大7.5段) | 5軸手ぶれ補正(最大5段) |
| 幅x高さx奥行き | 134.8×91.6×72.7mm | 144.4×146.8×75.4mm | 123.7×85×44.5mm |
| 質量(本体のみ) | 511g | 849g | 417g |
| その他 | Wi-Fi、Bluetooth4.2、2軸可動式液晶、ダブルスロット、USB充電 | Wi-Fi、Bluetooth4.2、2軸可動式液晶、ダブルスロット、USB充電 | Wi-Fi、バリアングル液晶 |
まとめ

野鳥撮影の面からOM-1のメリット・便利な機能を紹介しました。素早い野鳥の動きを追いかけてピントを合わせてくれる鳥認識AF、一瞬のシャッターチャンスも逃さない高速連写。それらの機能を十分に発揮したうえでよりクオリティの高い写真に仕上げる解像度や高感度耐性。あらゆる点から、OM-1は野鳥撮影をしたい方をサポートしてくれるカメラです。
そしてなにより、撮影を楽しませてくれます。最初は「いきなり野鳥なんて撮れるわけがない」と思っていましたが、始めてみると予想以上に野鳥の姿をおさめられ、もっと色々な野鳥を撮影したいと感じました。もちろん、カメラの機能に頼りきりでは写真の腕は上達しません。しかし、撮影のしやすさはモチベーションの維持にもつながるはずなので、野鳥撮影の際は進化した機能をフル活用したいところ。
普段から積極的に野鳥撮影をしている方、そして「野鳥撮影は難しそう」「過去に撮ってみたけれど上手くいかなかった……」という方も、ぜひOM-1で野鳥撮影にチャレンジして撮影の面白さを味わってみてください。
OM-1をレンタルする

OM-1は2022年4月現在、生産が需要に追い付かず品薄状態が続いています。また、部品調達に遅れが生じているため、今後も出荷までに時間がかかる可能性があるとのこと。
「OM-1を使ってみたいけれど購入が難しい」「すぐに野鳥を撮ってみたい」という方におすすめなのが、カメラ機材のレンタルサービスです。
カメラ機材が手軽にレンタルできる『GOOPASS』では、会員登録から最短1〜2日後に、自宅へ配送することが可能。また、レンズも同時に借りられるので、マイクロフォーサーズのレンズを持っていない方でもすぐに撮影が行なえます。
GOOPASS ANIMAL MAGAZINE 編集スタッフ Chino
こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASSを展開するGOOPASS株式会社のライター。自社Webメディア『GOOPASS MAGAZINE』などの、ディレクション・記事制作などを担当する。数年のブランクを経て、2014年にカメラを再開。 風景・星景をはじめとする自然物の撮影が中心で、季節感のある写真を好む。使用カメラはCanon EOS 6D、SONY α7RⅢ。
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