『世界一奪還!漫画でも描けないストーリー!』【WBC2023 決勝:日本 vs アメリカ レポート】

よう、俺はこのGOOPASS SPORTS MAGAZINEさんを根城にするハイエナ、ヤムチャってもんだ。
野球の世界大会「WBC」についての短期集中連載も最終回を迎えたぜ。
これが最後の試合だからな。
俺自身、野球好き芸人を自負してやってきたが、今回このコラムを任せてもらえたのをきっかけにこれまでよりも深く掘るように今大会を見てきた。
それが最終的にこんな嬉しい結末を迎えるなんて、個人的にも喜びはひとしおだ。
コラムを読んでくれたみんなもありがとうな。
それじゃあ、最後の記事といこうか!
ここらでお遊びはいい加減にしろってとこをみせてやりたい!
目次
3月16日(木)日本-アメリカ戦のレポート
決戦前、ロッカールームにて。
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) March 21, 2023
決勝・アメリカ戦の円陣声出しは #大谷翔平 選手!
▼侍ジャパン試合速報https://t.co/PnCFO1PH8P#侍ジャパン #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/VASNb5iBJV
今大会の主役は間違いなく大谷翔平だ。
その大谷は試合前の円陣でこう言っていた。
「憧れるのをやめましょう。越えるために来たんで」
大スターが揃うオールスターのようなアメリカと戦う前に、チームで1番強い侍が発した言葉は、ハッキリと「優勝」を意識したものだった。
奮い立った侍たちは、夢の舞台ではなく現実としてこの地に立ち、勝利に向かい一丸となった。
緊張の序盤。確信の一打。
Last night's hero goes UPPER DECK to tie the game! #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/ZHhCjgK94l
— World Baseball Classic (@WBCBaseball) March 22, 2023
決勝の先発マウンドを託されたのは、DeNAの左腕・今永昇太。
ノビのあるストレートと伝家の宝刀チェンジアップを武器に初回を0点に抑える。
アメリカの先発はケリー。34歳とベテランに入る年齢だが、昨季リーグ最多の33試合に先発するなど元気いっぱいで、13勝8敗、防御率3・37と安定した成績を残している。
サイヤ人のように戦える若い期間が長いタイプかもしれないな。
そんなケリーの前に日本も初回は0点。
0-0の立ち上がりとなったが、緊張感は今までの比じゃなく、ヒリヒリとした空気が漂い、まるで8回・9回あたりの終盤のような集中力を持ってプレーしているようにみえた。
そんな空気の中、2回に早くも試合が動いた。
6番ターナーのソロホームランでアメリカが先制。
準決勝までは9番打者だったが、好調さを買われ打順を6番に上げたのが功を奏した格好だ。
選手の好不調の判断が完璧だ。
ホームランの後もピンチを招くが、ここは今永が抑える。大崩れしない所は流石と言えるだろう。
その裏、今度は日本の攻撃。先頭は前日に復活のサヨナラ打を放った村上宗隆。
その初球だった。
甘く入ったストレートを見逃さず、そして力みもなく振り抜いた一打がスタンドに突き刺さる。
村上は打った瞬間にホームランを確信し、ゆっくりと歩き出した。
WBC決勝、アメリカを相手に「確信歩き」が見れるなんて!
「やっぱアメリカ強ぇ…」そう思ってしまいそうになる所を、1球で「やれる!」という確信に変えてくれた価値のある一打だった。
そしてアメリカ同様、ホームランの勢いのままチャンスを作り、一死満塁。
ここで日本はボテボテのファーストゴロで3塁ランナーがホームに帰り1点を追加し、泥臭く逆転に成功する。
この日本人らしい、泥臭くも執念で1点を奪うバッティングをしたのが、他ならぬラーズ・ヌートバーだった。
誰よりも日本野球を体現してみせたのがアメリカ生まれの侍とはね。
ナメック星も知らなかったピッコロが、ナメック星人の誇りとプライドをフリーザにぶつけた時のような気持ちになったよ。
日本は4回に岡本のソロホームランでさらに1点追加。
前日のメキシコ戦ではホームランの当たりをアロサレーナにキャッチされ、1本損してる岡本としては、まさに打ち直しの一打となった。
これで2点差となり、日本の投手のレベルの高さを考えたら「おい、これマジで優勝しちゃうぞ…!!」と日本中がワクワクし始めただろう。
1本のホームランが、最高の舞台を作る。
An EPIC 10-pitch battle ends with a @kschwarb12 dinger! #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/vgwKh1eSeA
— World Baseball Classic (@WBCBaseball) March 22, 2023
中盤は我慢の展開。
5・6・7回と、お互いチャンスを作るが最後のところで1点が遠い。
特にアメリカはリードされてる焦りからか、打ち損じる場面もあった。
どっちに転んでもおかしくない状況で、選手たちは素晴らしい集中力を発揮していた。
つまらないミスもなく、点は入ってなくても見応えがありすぎて、
「この試合をずっと見ていたい」
そう思えるくらいの面白いゲームだった。
そんな中、8回にドラマが始まる。
大歓声に包まれて日本のマウンドに上がったのは、アメリカでも大人気のダルビッシュ有。
そしてブルペンではここまで野手として出場している大谷が投げる準備を進める。
8回ダルビッシュ、9回大谷。
これが栗山監督がこの試合、この大会の最後に選んだドラマ。日本中の野球ファンだけでなく、普段は野球を見ない人達も大興奮だったろう。
悟空とベジータがポタラで合体するような展開だ、これで日本が優勝したら凄すぎる!!
だがここで野球の神様は「それはちょっと違うんじゃない?」と言った。
…かは定かではないが、そのまま試合は終わらなかった。
5番シュワーバーの放った打球は右中間上段に飛び込むホームラン。
つい忘れてしまっていたかもしれないが、ここは相手の本拠地アメリカだ。
満員の大観衆は一気に興奮のるつぼとなった。
我慢の展開からの一打。
それはサウナのあとのビールのような、またはミステリー小説の全ての伏線が繋がった時のような、もしくはセルマックスの脅威に皆が倒れる中、起死回生の魔貫光殺砲を放った時のような。
そんな何かが爆発したかのような喜びに、会場は一気にアメリカの逆転ムードとなった。
俺だったら押しつぶされてもおかしくない状況に、ダルビッシュは顔色ひとつ変えずに投げ続けた。
そしてヒットを1本許しながらも後続を斬り、1点リードを保ったまま、8番のマリンズを抑えたところで8回表を終える。
そうなると、大谷が投げる9回のアメリカの攻撃は9番から。2番のトラウトまで回る。
メジャーリーグの大スターで、年俸48億円で、大谷と同じエンゼルスのトラウトに。
「ほら、この方が面白いでしょ」
野球の神様がそう言った…気がした。
歓喜の瞬間!最後は「やりすぎ」!!
Trout vs Ohtani lived up to the HYPE! #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/Z8aZAjpDRg
— World Baseball Classic (@WBCBaseball) March 22, 2023
8回裏に日本は追加点をあげれず、1点差のまま9回アメリカの攻撃。
マウンドに上がったのは大谷翔平。
テレビでは中居正広氏が「泥だらけのストッパー」と言った。
普通、9回に登板するストッパーは、そこで初めて試合に出るのだから、綺麗なユニフォームで現れる。
しかし大谷はそこまでに打って、走って、滑り込んで、泥だらけになりながら世界一をかけた最後のマウンドに上がってきた。
そんなの世界中探したってこの男しかいないよ。
先頭に四球を与えてしまうが、次の打者を鉄壁の日本の守りでダブルプレーに。
1点差、ツーアウトで大谷とトラウトの対決に。
世界一を決める決勝の最後の最後にこんなドラマが待ってるなんて、漫画だったとしても「やりすぎだよ!」と言われかねない展開だ。
カウント3-2まで進み、ともすれば永遠に見ていたくなるような2人の対決は、大谷の渾身のスライダーで空振り三振となり、日本中に歓喜をもたらした。
そして試合前に「憧れるのはやめよう」と言った男は、世界中から憧れられるヒーローとなった。
バードフミヤa.k.a.ヤムチャの総評
アメリカは強かったし、日本も強かった。
エラーは両チームゼロ。緊張感溢れる試合の中で選手たちは最高のパフォーマンスを見せていた。
四球の数は日本が4個に対しアメリカは8個。2回裏の攻撃で四球が得点に絡んでる以上、勝負を分けたのはこういう本当に細かい部分だったのだろう。
終わってみれば…という話だけど、両チームソロホームランが2本ずつ飛び出したこの試合、もう1点を奪ったのは好投手を相手に「最低限」の仕事ができた日本の方だったということになるよな。
1番から9番まで強打者がズラリと並び、下位打線なんてものは無いという雰囲気のアメリカに対し、日本の源田や中村はどちらかと言えば守備を期待されてスタメンになっている選手。
その守備職人たちが打席で粘り仕事をした事が、ヌートバーに繋がっている。
(もちろん投手が頑張ったのもあるが)アメリカがホームランでしか得点が奪えなかったのに対し、日本はホームラン+もうひとつ得点パターンがあったのが良かったね。
これぞ職人大国ニッポン。
若さとパワーで押し切る悟空に、老獪な技で勝ち天下一武道会を優勝したジャッキー・チュンのような男がかつていた事も、そんな日本の風土を生んでるのかもしれない。
大会全体を通して
今大会を通して証明したものがある。
まずは日本の投手力は世界一であること。
これは前々から言われているが、多くの日本人投手がメジャーリーグで活躍していたり、世界大会のたびに投手を中心とした守りのレベルの高さを見せつけていることから間違いない。
今回の優勝もこの投手力による所が大きい。
しかし俺は、攻撃陣の方が評価したいなと思っている。
かつてWBCを優勝した2006年には「スモールベースボール」を標榜したり、2009年もホームランは少なかった。
それに対し今回は完封勝利はないものの7試合で9本のホームランを放つなど、全試合で打ち勝ってきた。
これは日本の打者のレベルが世界的に見ても上がっているのだという証明だと思う。
大谷のようなメジャーでもホームラン王争いする者も現れ、遠くに飛ばす技術もパワーもこれまでより世界基準になっているんだ。
これまで積み重ねてきた緻密さに、世界トップクラスにも劣らないパワー。
そして世界一の投手力。
奇跡でもまぐれでもない、まさに取るべくして取った優勝だったんじゃないかな。
バードフミヤa.k.a.ヤムチャが選ぶMVP(野手)
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) March 22, 2023
決勝 日本🇯🇵 vs 🇺🇸アメリカ
2回に同点ソロを放った #村上宗隆 選手と、4回にソロ本塁打を放った #岡本和真 選手
▼侍ジャパン試合速報https://t.co/PnCFO1PH8P#侍ジャパン #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/nguIcFhL0I
これは村上だろうな。
先制したアメリカに流れが行きそうなところを一振りで戻してくれたホームランは本当にカッコ良かった。
準決勝メキシコ戦でのサヨナラ打、そしてこの日のホームラン。
不振に苦しんでたとは思えない、三冠王の村上だった。
決勝点となったホームランを打った岡本とも迷ったけどね。
この決着は、今年のセ・リーグでつけてもらおう。
バードフミヤa.k.a.ヤムチャが選ぶMVP(投手)
SHOHEI OHTANI STRIKES OUT MIKE TROUT TO WIN THE #WORLDBASEBALLCLASSIC! pic.twitter.com/F7vUtIiRR1
— MLB (@MLB) March 22, 2023
投手の、というか、今大会のMVPだと思うよ。
大谷翔平。
誰よりも早く参加を表明し、他のメジャーリーガー達に「一緒にでよう」と声を掛け、投手として2勝1セーブ、打者として.435 1本塁打 8打点、四球も10個取っている。
そして最後のトラウトとの対決は、後世に残る歴史的なシーンになった。
声を張り上げチームを盛り上げ、常に全力プレーでチームを引っ張る。
戦後の野球を見てきた人が「長嶋・王」の凄さを語るのを見てきたが、こういう事だったのかと思えたよ。
大谷きっかけでこれから二刀流をやる選手は増えると思う。
でも「このレベルで」二刀流をやれる選手なんて、俺が生きてるうちに見れるかどうかじゃないかな。
長生きするために、途中で神龍に若返らせてもらおうかな…
あともう1人、ダルビッシュ。
成績としては圧倒的なものは残せなかったのかもしれないが、合流が遅れるメジャー組の中で1人最初から合流し、日本の投手達にアドバイスを送ったり食事会を開いてまとめてくれた。
投手陣のリーダーとして支えてくれた。
感謝しかないよ。
若い頃はヤンチャなイメージだったけど本当に大人になったよな…ピッコロみたいなものか。
侍JAPANにエール

エールというか、感謝になるのかな!
本当に最高の試合を、最高の野球を見せてくれてありがとう!!
野球ファンとして、今回のWBCをリアルタイムで見れた事を、我々の国の代表がこんな素晴らしいチームであった事を、誇りに思うよ!
このコラムもこれで終わりになってしまうのは寂しいけれど、最高の終わり方が出来て良かったと思うよ!
そしてこうして最後まで読んでくれたそこの君!
ありがとう!
それじゃあ、これからも野球界の発展を願って…
繰気弾!!!!
またな!
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