
どんな関係なのか?と聞かれると少し定義はし辛い。出会った経緯はSNSのコミュニティだけど、それは経緯であって関係ではない。
「大人になると友達の定義に困ってしまうことがある」という話がある。
個人の見解だが結論から言うと、
大人に友達はいらない。
と思っている。
・・・と、少し大げさに書いたが、大人になるにつれて人はより目的型になっていくのだ。やりたいこと、行きたい場所が明確になっていき、その道行に適したメンバーと歩みを共にする。私はその定義が「友達」だと少し違和感があって、どちらかというと「仲間」に近いと考えている。
近所の公園で遊ぶ以外の選択肢が大人にはたくさんあり、そのために最適なメンバーと都度Assembleする。素晴らしいじゃないか、大人!
これこそが大人の楽しさだ。これがなければアヴェンジャーズだって存在しないし、目的さえあれば、ホビットとドワーフと人間とエルフが旅をすることだってある。
目的次第で勝手に多様性を内包することだってあるのだ。
ただ、だからこそ逆説的に「友達」かどうかは関係なく「仲間」足りうる人は大人にはたくさんいたほうがよい、と思っている。
自戒を込めて言えばかつて自分は誰にも関わることなく一人で写真を撮っていた。
教えてくれるようなつながりもなく、知り合いもおらず、なんとなーくネットで見聞きした情報を元に時々旅に出てはちょっとだけ撮影していた程度だった。
写真もそんなに上達せず、情報も入ってこず、何よりあまりおもしろくなかった。
もちろん、一緒に旅をしてくれる仲間はいたが、こちらが撮影するとなるとどうしてもペースが合わなくなる。

「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だけだ」
と映画『Into the Wild』の主人公は書き残した。
どんなよい写真を撮っても分かち合えないことにはやはり少し物足りない。
SNSの功罪は日々起こる様々な事件とともに語られるけれど、こういった目的や喜びを共有できる人たちと繋がれるようになったのは間違いなく功の部分だ。
だったら活用しない手はないだろう。
そんなことを考えていたら、気づくと熱海のWildernessの中を一行はさまよっていた。

民家を通り過ぎたかと思えば、人の住む気配のない家や建物が連なっている。坂道はどんどん急になる。息は荒くなり、汗は滴り落ち、足取りは重くなる。
そんな山の中をさまよい歩き、遠回りしてMOA美術館へたどり着いたのだ。
みんな「キツかった・・・」と言いながらも、なんだかんだ楽しそうである。
キツくても笑い話にできるメンバー、というのは旅の道連れとしてベストだ。
撮れ高を気にするのであれば確かに一人だけのほうが効率がいい、かもしれない。
気を取られて一瞬を見逃すこともなくなるだろうし、集中もできる、かもしれない。

それでも自分と異なる誰かと歩む道のりは発見の喜びに満ちているし、それがあなたを予想もしなかった場所へ連れて行ってくれることもある。
誰と一緒だとしても、あなたがシャッターを切る瞬間はあなた一人なのだから安心してよいのだ。
誰かがいることで逆説的に自分自身と自分の写真がわかるようになる。
いいところ、悪いところ、興味のあるポイントの違い。玉ねぎの外皮を剥いていくように少しずつあらわになっていく。誰かの存在なくしてはなし得ないことでもある。
写真を撮るのが好きというだけで集まれる、そんな関係もなかなかいいものだ。
SNSだとフォロワーで可視化されたパワーゲームの中で作られたキャラクターやセルフブランディングに左右され実態が見えなくなることもあるけれど、その人が撮っている写真から人となりを想像してリアルで答え合わせをするのも実はちょっと楽しい。
ただ一方で、この大人の仲間というのは楽しくも厳しい。
なぜなら何かを与えられる側に回らない人はやがて置いて行かれる。その厳しさも大人故だ。多分大したものでなくてもいい。知識なのか、情報なのか、経験なのか、それとも喜びなのか、笑いなのか、気づかいなのか。少しだけいつも怖いけれど、自分が何を与えられるのか、今までの生き方が少し試される瞬間でもある。
さて、この茹だるほど暑い夏は誰と何処へでかけようか。


今回使用したカメラ・レンズ

COSINA フォクトレンダー APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical

COSINA フォクトレンダー APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical

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