「島が怖い」
この感覚はもしかすると、普段田舎に住んでいるわたし特有の感覚なのかもしれません。この感覚を言葉にするのは少し難しいですが、この島が、わたしの住む田舎町の未来を映し出しているような、つまり、わたしの住むこの町も、いつかはこんなふうに世界から切り離されてしまうように廃れていってしまう気がして、焦りや切なさ、寂しさのような感情を「怖さ」と認識してしまうのです。
今日訪れた島は、東日本大震災によって大きな被害を受けて、農業や漁業も衰退しました。最盛期には1,000人も住んでいた島の人口は、今では人口100人にも満たない限界集落となっています。
島のあちこちが数十年前のまま時の止まったこの島に来て、自身の住む町の未来に来たような感覚に陥るなんて、ちょっとしたタイムトラベルをしたような気分です。

「レトロ」「懐かしい」「のんびりしている」。田舎に観光にくる方は、よくそのように言います。もちろんそれを否定しようとは思いませんし、そういった観光には面白さがあって、きっと何か興味をそそられる部分があるのだと思いますが、田舎町に住むわたしにとって、その言葉は「死」を意味するのです。
事実、わたしの住む町も年々人口が減っていて、営みの音は、杖をつく音と、ときおり田畑を駆け抜けていく軽トラックくらい。
じゃあいったい、わたしに何ができるというのか、そもそも無理に町を残そうとすることが良いことなのか、考えたこともありませんでした。
いまひとつ言えることは、この町がなくなったら、きっとわたしは寂しい、ということです。




