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青山裕企インタビュー【写真家17歳、2度目の思春期。〜後編〜】 2ページ目

10歳(2015年/37歳)…写真集『むすめと!ソラリーマン』刊行。

青山:次の転機は、2015年、10歳の頃ですね。『むすめと!ソラリーマン』という写真集を出しました。独立して10年経って、仕事は諸々順調だったんですけど、『SCHOOLGIRL COMPLEX』でブレイクした後は、「青山裕企=フェチの人、制服の人」という認識になっていたと思います。でも、実は『ソラリーマン』は『SCHOOLGIRL COMPLEX』と同時期に撮り始めた、『SCHOOLGIRL COMPLEX』と同じくらい自分の中で大切な代表作だったんです。「フェチや制服だけじゃない。僕には、ソラリーマンもある!」っていう気持ちが自分の中にあったんですよね。そんな中で発売した写真集『むすめと!ソラリーマン』は、すごく売れたわけではないのですが、SNSでバズりました。テレビとかメディアにも、ものすごく取り上げてもらったんですよ。『王様のブランチ』とか『news zero』とか『ZIP!』とか『マツコの知らない世界』とか……。CNNとかBBCとかでも取り上げられて、海外でもバズったんですよね。世界や世間からソラリーマンを評価してもらえたのは、すごく自信になりました。

 ー「むすめと!ソラリーマン」に登場する親娘は、血の繋がっている本当の親娘なんですか?

青山:そうです。『ソラリーマン』に関しては、絶対に「写ってる人はリアルでないとダメ」だと思ってるので、本物の親娘を撮影しています。お父さん=サラリーマンの着ているスーツも、自前です。

 ーリアルですね!ソラリーマンのモデルさんは、今でも随時募集されてるんですか?

青山:はい、現在も募集中です。お待ちしています(笑)ただ、『ソラリーマン』は、そんなに応募が来ないんですよ。そもそも、サラリーマンの方って、別に撮られたくないというか、そんな目立ちたい方はいないので。よく考えてみたら、モデル探しが難しいんですよね。

 ーちなみに、『むすめと!ソラリーマン』は、お父様が応募されるんですか?それとも、娘さんが応募されるんでしょうか?

青山:大半は娘さんからです。娘さんが興味を持ってもらって「お父さん撮ろうよ!」になると、大体OKになるんですよ。でも、お父さんが「やりたい」って言っても、娘さんNGになることが多いみたいですね。

 ー何となく分かる気がします(笑) それにしても、お父さんのジャンプ力・浮遊感が素晴らしいですね。初めて目にした時は、合成と見間違えました。

青山:今回の展示の在廊中にも「これは合成なんですか?」とよく聞かれました(笑)もちろん、アングルなど撮り方は工夫していますが、合成ではありません。娘さんが横にいると頑張るんじゃないんですかね。


 ーなるほど(笑)ユニークな表情やポージングは、青山さんが指定されているでしょうか。

青山:原則、こちらから指定はしません。指示すると、サラリーマンだからと紋切り型にはしたくないんすけど、皆さんめちゃくちゃ言うこと聞いてくれるので(笑)、結果その指示通りになっちゃって、個性が消えてしまうんですよ。個性を出したいんです。ちょっとぎこちない感じや、不思議な感じを撮りたくて。もちろん、「もっと勢い良く」とか「足曲げてみますか」とか、多少のディレクションをすることはあります。


ーほとんど指定しないのに、しかも、普通の一般人の方を撮影しているのに、あれだけ個性的な写真を撮影・表現できるのはすごいですね。

青山:これは作品の中で一貫していることなんですが、私が撮影する被写体は、普通の人がいいんですよね。もちろん、私も普通の人間ですけど。仕事ではセレブリティとか有名人の方を撮りますけど、そういう人を作品にしたいという想いはあまりなくて。普通の人を撮影して展示して、普通の人が写ってる写真を見て、喜んだり笑ったりして欲しいんです。そこが写真の良いところかなと思います。

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この記事を書いた人

「こころに残る"トキ"のサブスク・GOOPASS」を展開するGOOPASS株式会社の編集ライター。自社Webメディア『MARSH』の編集長として、企画・ディレクション・記事制作などを担当する一方で、フォトグラファーとしても活躍中。バスケットボール・ラッパー・プロバレーボール選手・フィットネストレーナーなど、スポーツ・ストリートシーンを中心に、スナップ・ポートレートなど幅広い撮影シーンを手がける。愛機はCanon EOS R6 MarkⅡと、FUJIFILM X100V。