青山裕企、17年の写真家人生を振り返る。

ー改めて、本日はよろしくお願いいたします。
青山:よろしくお願いします。
ー著書100冊刊行を軸にするか、17周年を軸にするか迷っていたのですが、個人的には、著書の中に記載されていた『写真家17歳』という肩書き・フレーズがとても素敵だなと思いました。まさに、青山さんの作品のルーツにある思春期・青春真っ只中の年齢というか。銀杏BOYZとか、森高千里とか、『17歳』にちなんだ曲もいっぱいありますし……。
青山:ありがとうございます。
ー青山さんの『SCHOOLGIRL COMPLEX』を初めて下北沢のヴィレッジヴァンガードで見たときに、自分の病名を言い当てられた気がしたんです。直訳すると、”制服少女症候群”でしょうか。僕も17歳の時はああいう感じだったな〜、ああいう目で女性を見てたな〜って思い出しました。完全に自分自身のモテないエピソードなんですけど、放課後とか下駄箱で、クラスメイトの女子から「バイバイ」って言われても、その「バイバイ」が言えなくて……。
青山:あー、挨拶されても言葉を返せないですよね。
ーはい。腋汗がぶわって出て。左下を見ながら「さ、さようなら」みたいな挨拶しかできませんでした。要は、思いっきり拗らせていていたんですね。
青山:それは、なんかいいですね(笑)分かります、言えないです。というか、女の子を見れない、目が合わせられないですよね。だから、『SCHOOLGIRL COMPLEX』はあんな写真になったんですよ。思い出せないんですよね、女の子の顔が。好きな子とか気になってる子とかはいたんですけど、あんまり鮮明に思い出せないんですよ。写真を始めたのが20歳なので、中学・高校時代の写真が残ってないのもありますけど。やっぱり思い出されるのは、登校時の後ろ姿や、前を歩く子の足とか、教室で斜め前に座ってる子のうなじとか…。そういうイメージしか残ってないから、あの作風になったっていうのはありますね。
ーなるほど。それで女の子の顔が写っていない、匿名性の高い作風になったんですね。
青山:はい。今はもう(被写体モデルの)女性に向き合えるので、ポートレートも撮れますけど、『SCHOOLGIRL COMPLEX』を撮り始めた28歳頃っていうのは、今思い返してもまだまだ拗らせていましたね。当時は今ほどポートレートをたくさん撮っていなかったので、モデルさんの緊張をほぐす軽妙なトークも、上手くポージングを誘導することもできませんでした。そうなるとどうしても、ロッカーに顔入れてもらった状態で撮るとか、顔をこっちに向かせないようにして撮るとか…。それで、ようやく落ち着いてこう、ピントが合わせられるようになるんです。ただ、ドキドキしながら女の子を見ている感覚って、やっぱり当時の感じに近いんじゃないかなというのもあって、こういう撮り方がいいんだろうなとは思いました。
ー確かにそうですよね。『SCHOOLGIRL COMPLEX』は、読んでるこちらもドキドキする作品でした。
少し話を戻しますね。今回は、2022年の今が写真家人生の17歳だとして、この17年間を年表のように振り返る形で、取材を進めることにしようと思います。



