こんにちは。兼業写真家の高埜志保です。
これまで3回に渡りズームレンズのレビュー記事を執筆させていただきましたが、今回が最後の記事となります。



今回レビューさせていただくのは、SIGMA 28-70mm F2.8 DG DNです。
前回の記事でも触れましたが、前回の記事でレビューさせていただいたTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063) と、スペック的には非常によく似たレンズとなります。
是非、前回の記事も併せて読んでいただき、写りを比較していただければ嬉しいです!
撮影シーン①:非日常を愉しむ古民家宿で
まずは、このレンズを連れて築130年の古民家宿で撮影した写真を紹介します。

焦点距離39mm、 F2.8、1/200秒、ISO3200

焦点距離40mm、 F2.8、1/160秒、ISO3200
「ん?撮影スタジオではなくて古民家宿?」と思われた方もいるかもしれません。
ここは、私がアンバサダーを務めさせていただいている古民家宿るうふさんが、今年の夏に千葉県に新しくオープンした宿「遊之家」です。
撮影に協力してくれたのは、俳優の安川 摩吏紗さんと村上 陽菜さん。
二人は実は、前日まで同じ舞台で共演していたとのこと。友達同士で旅行に来たような気持ちで今回の撮影に臨みました。

焦点距離28mm、 F2.8、1/800秒、ISO250
普段使っている50mmの単焦点レンズでは、屋内の撮影に限界を感じ、もどかしい思いをすることも多々ありました。

焦点距離70mm、 F3.5、1/400秒、ISO250
その点、このレンズでは引きも寄りの画も思うがままに撮影することができるので、フラストレーションを感じることが殆どありませんでした。

焦点距離28mm、 F2.8、1/125秒、ISO4000
難易度の高い、暗い場所での撮影でも大活躍してくれました。
薄暗くなってきてからの手持ち花火の撮影と、完全に暗くなってからの焚き火の撮影です。

焦点距離64mm、 F2.8、1/5000秒、ISO10000
翌日の早朝、露天風呂にて撮影しました。

焦点距離28mm、 F2.8、1/160秒、ISO640
上に開けた空の広がりを表現するために最も広角側で撮影したり、木々がお湯に映って揺らめいている様子に焦点を当てるために最も望遠側で撮影したりと、同じ場所で様々な撮影方法を堪能しました。

焦点距離70mm、 F2.8、1/30秒、ISO160
宿の魅力をアピールするための写真としては少し弱いかもしれませんが、私はこういった何気ない写真を撮るのが大好きなのです。

焦点距離40mm、 F2.8、1/800秒、ISO320
光と影のコントラストに惹かれる場所が多く、シャッターを切る手が止まりませんでした。

焦点距離63mm、 F2.8、1/2500秒、ISO250
歴史を感じる空間で非日常に浸ることができると同時に、これまで撮影したことのないような雰囲気での撮影を楽しめ、とても充実した滞在となりました。

焦点距離65mm、 F2.8、1/1250秒、ISO160
撮影シーン②:澄んだグラデーションの広がるビルの屋上にて
次にご紹介するのはポートレートです。
モデルを務めてくださったのは、何度も撮影をご一緒している俳優の小澤 舞里子さんです。

焦点距離53mm、 F2.8、1/5000秒、ISO1000
夕方から夜のはざまの時間。刻々と色を変えていく空の美しさに、2人して感動しながら撮影しました。

焦点距離57mm、 F2.8、1/8000秒、ISO1600
シルエットの髪の毛一本一本を、精細に写し出すことができました。

焦点距離63mm、 F2.8、1/8000秒、ISO1000
この日は本当は爽やかなイメージで撮影しようと話していたのですが、何故か悲しい物語を思い浮かべて撮ってしまいました。

焦点距離63mm、 F2.8、1/1600秒、ISO1000
舞里子さんと撮影する時は、あるあるのパターンです。

焦点距離62mm、 F2.8、1/160秒、ISO3200

焦点距離70mm、 F2.8、1/80秒、ISO5000
レンズの口径が小さいので、柵の隙間からレンズを差し込み、眼下に広がる夜空と街並みを撮影することができました。

焦点距離28mm、 F2.8、1/500秒、ISO1600
暗い環境下での撮影には苦手意識があるのですが、明るいレンズのおかげで耐え抜くことができてホッとしました。

焦点距離28mm、 F2.8、1/3200秒、ISO3200
まとめ 〜SIGMA 28-70mm F2.8 DG DNを使ってみて〜
前回の記事と今回の記事で、2つのよく似たスペックのレンズで約1ヶ月間撮った写真をご紹介しました。
屋内、風景、人物……多様なシチュエーションで様々な被写体を撮影することで、それぞれのレンズの力を試し、その魅力を実感することができたのではないかと思います。
今回ご紹介したSIGMAのレンズを使っている時は、小さな被写体に寄って撮影するのが楽しくて仕方ありませんでした。
最短撮影距離が広角側で19cmと、近接撮影に優れているので、例えば以下の写真では葉に付いている雨粒にぐっと寄って存在感を強調することができました。

焦点距離63mm、 F3.5、1/320秒、ISO640
また、ピントの合った部分のシャープな写りが非常に好みで、いつもなら撮らないような露出アンダー目の植物写真を量産してしまいました。

焦点距離70mm、 F2.8、1/3200秒、ISO640
開放F値でも、ここまでキレのある描写を実現できるなんて凄いですよね。
一方で、このレンズを使っていると、歪曲収差が目立つかなと気になる時がありました。

焦点距離70mm、 F2.8、1/250秒、ISO3200
後で調べてみたところ、カメラ側の設定で歪曲収差の補正を「オート」にすればかなり改善されるのだとか……(私は「切」にしたままでした)。
全く対策を取らなかった場合、真っ直ぐな被写体が歪んで写ってしまうことがある、という点には要注意かもしれません。
前回紹介したTAMRONのレンズかこのレンズのうち1本を、初めてのズームレンズとしてお迎えしてしまおうかと本気で考え、値段を調べて驚きました。
販売場所にもよるのでしょうが、基本的には10万円以下で購入することができるようです。
この価格でこの写りが実現できるなんて、コスパ最高なのでは……?

ズームレンズで何を購入しようか迷われている方は、まずお試しでも良いので、これら2つのレンズを手に取っていただきたいです。
さて、これまで4回に渡って、ズームレンズのレビュー記事を執筆させていただきました。
普段使っている単焦点レンズとの違いに戸惑うこともありましたが、幅広い焦点距離をカバーしてくれるズームレンズを様々な環境に連れて行ったことで、「これ1本で何とかなる」という信頼感が徐々に芽生えてきました。
また、これまでは仕事の撮影で複数の単焦点レンズを持っていくことがあり、レンズを付け替える時間が地味に勿体無いと感じていました。
その点、レンズを付け替える手間や精神的なプレッシャーを軽減することができるのが、ズームレンズを使う大きなメリットなのだと思います。
近い将来、運命のズームレンズを手に入れ、そのレンズの魅力を皆様にお伝えできる日を楽しみにしています!
SIGMA 28-70mm F2.8 DG DNをレンタルする

| 対応マウント | SONY E マウント Leica L マウント |
| 焦点距離(広角端) | 28mm |
| 焦点距離(望遠端) | 70mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 19 (WIDE)-38 (TELE)cm |
| 最大撮影倍率 | 1:3.3 (WIDE) – 1:4.6 (TELE) |
| フィルター径 | φ67mm |
| 最大径×長さ | φ72.2mm×101.5mm(ライカ用) φ72.2mm×103.5mm(ソニー用) |
| 質量 | 470g |
| 付属品 | 花形レンズフード、フロントキャップ、リアキャップ |
高埜志保さんによる写真小説『てのひらの炎』

高埜志保さんによる機材レビュー












