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おはよう、じゃあね、またあした。「ゴミは哀愁のかたまりだと思う」

おはよう、じゃあね、またあした。「ゴミと花を並べても僕には同等の存在」

ゴミを撮るのが好きだ。

「写真を撮るときに何を意識していますか?」

と聞かれれば目立たないものを撮影すると答える。自分にとってゴミは特別な存在だ。

ゴミは哀愁のかたまりだと思う。例えばおもちゃの場合。買う前はとにかく欲しいと願い、買ったときは至福の瞬間が訪れる。おもちゃを見るたびに心が満たされ、最高の時間を繰り返す。

だけど、人は徐々に慣れていく。いつしか喜びは無くなり、親から捨てるか捨てないかの選択を迫られる。もちろん持ち続けるものもあるだろうけど、どんどん好きなものが変わる子どもの頃は長続きすることは少ない。

日々、街を歩くなかでゴミを探し続けている。つい最近、偶然、街中で僕の姿を見た人は「カメラを片手にウロウロなにか探してる感じでした!笑」と言った。僕は街を歩いているときはずっとそうだと思う。なにかを探しているの”なにか”はゴミの場合が多い。

全部のゴミを撮るわけではない。惹かれるゴミとそうでないゴミがある。

ゴミはその瞬間にしか訪れない。数十秒後には風に吹かれて、どこかへ飛んで行くかもしれない。その虚しさが好きだ。

昔はゴミをゴミらしく撮影していた。僕にとってはそれで良いと思っていたけれど、最近は意識が変わった。ゴミをゴミらしく撮っても振り向いて来れる人は少ない。少しでも多くの人に振り向いて欲しくて、ゴミなんだけど、綺麗に撮ることを心がけている。

ゴミと花を並べても僕には同等の存在だ……なんてことを言ったら花が好きな人に怒られるのだろうか。でも僕にとっては本当にどちらも好きであり、どちらにも違う美しさがあると思っている。花は枯れても美しいし、ゴミも捨てられても美しい……と思うんだけどな。

「じゃあ、部屋にゴミを飾ってください」

と言われると困ってしまう。部屋は綺麗にしておきたいし、衛生上の問題も気にする。だから、写真にする。

AM5:30。

ひととおりゴミを撮っていると、3駅分ぐらい歩いていた。スナップをするときはスマートフォンを見ないようにしている。撮り終わったあとマップを確認すると、電車の駅もバスの停留所も遠い中途半端な場所で終わることがある。冬はまた歩いて帰るけれど、夏はそうもいかない。そういうときはコンビニで自転車を借りて帰る。

この日は幸い、駅が近かったので帰りは電車で帰ることにした。

まだ電車のなかは人が少なく、1車両に5〜6人ぐらいしか座っていなかった。一番端の席に座り、逆の右端の席を見ると、女子高校生がパンを食べていた。コロナ禍では見ることができなかった光景だ。

電車に揺られながら最近の出来事を考える。

4年ぶりの花火大会。実家への帰省。電車でパンを食べる学生。

日常が戻りつつあることを再確認する。

今回使用したカメラ・レンズ

FUJIFILM X-T10

フジノンレンズ XF35mmF1.4 R

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この記事を書いた人

フォトグラファー 1984年生まれ、長崎県出身。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのラ
イターに。その後フォトグラファーに転身。セクシー女優たちのデジタル写真集”とられち”シ
リーズ撮影担当。#なんでもないただの道が好き発案者。愛用機材はFUJIFILM X-Pro3。好き
な撮影ジャンルはスナップ。