動物園で上手に撮影するコツ!カメラの設定から構図、レンズまで徹底解説

動物園には迫力あるゾウやライオン、可愛らしいモルモットやうさぎなど、さまざまな動物がおり、その生態に合わせて動物が過ごしやすい環境が整えられています。自然環境に近い状態で飼育されているため、動物本来の姿を撮影できるのが魅力です。動物が好きな方にとって動物園は、最適な撮影スポットといえるでしょう。
しかし、実際に動物園で撮影をしてみると、檻が邪魔になってしまったり、動物がぶれてしまったりすることがあります。動物園で動物を上手く撮影するためには、事前に撮影のコツを把握しておくべき。この記事では、動物園で動物を撮影する時のカメラの設定や撮影のコツを紹介します。これから動物園に撮影に行く・動物園での撮影がうまくいかないという方は、ぜひ参考にしてください。

目次
動物園とは

動物園では生きた動物を飼育・研究しながら一般に公開する施設のことで、多くの場合は陸上の動物を中心に展示しています。陸上の動物とともに水中の動物も飼育されている場合がありますが、水中の動物が主に飼育されている施設は「水族館」と呼ばれます。
ほとんどの動物園では動物の撮影が自由に行なえますが、個人的な利用以外を目的とした撮影や商業目的での撮影には別途許可が必要な場合もあります。
動物園で撮影する際の注意点

ストロボやフラッシュはたかない
一部の動物園ではフラッシュ撮影自体が禁止されており、フラッシュ撮影をしている方に対して声掛けなどが実施されています。フラッシュは動物に強いストレスを与え、その目に白内障や網膜の火傷などのダメージを負わせてしまう恐れがあります。フラッシュ使用の断り書きが何もない場合でも、動物園でのストロボ・フラッシュ利用は控えてください。カメラが暗さを察知して自動的にフラッシュをたいてしまうことがないよう、事前にフラッシュの設定を「発光禁止」にしておきましょう。
長時間同じ場所を占領しない
撮影をしていると夢中になってしまうものですが、撮影スポットを長時間占領すると、他の来園者に迷惑をかけてしまいます。周囲を見て様子を見ながら撮影ができると良いでしょう。一部の動物園では人気の動物の見学に対して人数制限・時間制限を設けています。制限内に理想の写真が撮影できなかったとしても、必ず動物園の指示に従うようにしてください。
三脚の使用には注意する
動物園での三脚の使用は特に制限がない場合がありますが、あまりに大きな三脚で広いスペースを陣取るようなことは避けましょう。動物園には小さな子供も多いため、子供が三脚につまずく恐れも…。三脚を利用するのなら、周囲に十分な配慮が必要です。
音などを出して動物の興味を引かない
撮影時に被写体の視線が欲しいからといって、檻やガラスを叩くようなことをしてはいけません。動物は人間よりも優れた嗅覚を持っており、そのような行為は大きなストレスになります。もちろん、独断で餌などを与えるような行為も避けてください。
動物に近づきすぎない
動物園には来園者と動物の間に柵や檻が設けられていますが、動物によってはこの仕切りを超えて尿を飛ばす・糞を投げる・唾を吐きかける場合があります。また、猿のような手先が器用な動物なら、カメラを引っぱる・奪われる可能性もゼロではありません。撮影中に被写体が近づいてくれると、シャッターチャンスと感じてしまうかもしれませんが、相手が動物である以上、十分な注意が必要です。
動物園で撮影できる主な被写体
さまざまな種類の動物を撮影できる動物園。ここでは動物園にいる代表的な動物と、その動物の撮影ポイントについて紹介します。
ゾウやキリンなどの大きな動物

ゾウやキリンなどは動物園で人気が高い動物です。比較的広い見学スペースが設けられているため、撮影がしやすいでしょう。また、動きもゆっくりなので、初心者にピッタリの被写体です。ほとんどの動物園ではゾウやキリンと一定の距離を保って撮影します。望遠レンズを使ってズームすれば、迫力満点の一枚を撮影できるでしょう。体全身を撮影しようとせず、被写体を画面いっぱいにフレーミングするような構図もおすすめです。
ライオンなどの肉食動物

ライオンなどの肉食動物は、その野生味溢れる姿を撮影したいもの。ところが、動物園で猛獣らしさを感じる荒々しい写真を撮影するのは難しいのが現実です。なぜなら、動物園で過ごす肉食動物は狩りをしないから。特に、動物園のライオンは日中お昼寝をして過ごす時間が多いので、のんびりした姿を撮影することになります。猛獣らしさを感じる写真を撮影したいと考えているのなら、牙が際立つあくびの瞬間や、遠くを眺める鋭い眼光をクローズアップした構図がおすすめです。
猿など自由に動き回る動物

猿のように群れて自由に動き回る動物は、メインの被写体に何を選べば良いか分からないことがあるかもしれません。何十匹もいる猿を遠目から撮影しても、印象の薄い写真に仕上がってしまうでしょう。どの猿を主役にするのか決め、その動きを観察しながら望遠レンズで撮影してみてください。毛繕いや他の猿とのじゃれ合いなど微笑ましい瞬間を写真に残せます。檻のある展示スペースでは、猿と距離が近い場合があります。猿は手が長く器用なので、カメラを奪われないように注意してください。
ウサギなどの小動物

小さく陸上を動く・跳ねるタイプの動物を撮影する時には、低い姿勢になり、動物の背丈くらいの位置でカメラを構えましょう。上から見下ろすように撮影すると、可愛らしい瞳や表情を撮影できません。可動式の液晶画面を搭載しているカメラなら、無理な姿勢にならずに小動物を撮影できるでしょう。
ヘビなどの夜行性動物

夜行性の動物は、室内など薄暗い環境で展示されています。撮影時は、その他の動物と同じように、絶対にストロボやフラッシュをたかないようにしてください。暗い場所ではシャッター速度を下げる・ISO感度を上げるなどの方法で対処します。カメラの性能に左右されますが、それでも撮影が難しいほどの暗い環境もあります。動物のために、撮影自体を諦めなくてはいけないタイミングもあることを知っておきましょう。交換レンズをF値の小さい単焦点レンズにするのもオススメです。
動物園で撮影する際のカメラの設定

動物園の動物を綺麗に撮影する時に最適なカメラの設定について説明します。
動きの少ない動物を撮影するのなら絞り優先モード

絞り優先モードでは写真ボケ具合である絞り以外の設定を、カメラが自動で行なってくれます。具体的には、シャッタースピードとISO感度※を絞りに合わせてカメラが調整します。そのため、自分の希望するボケ具合の写真が簡単に撮影できるのがポイントです。背景に他の来場者が入ってしまうような場面では、F値を小さくし、被写体以外を強くぼかすと良いでしょう。また、背景をぼかすことで、ふんわりとした可愛らしい雰囲気を演出できます。
※ISO感度が自動になるのはISOオートに設定した場合
| メーカー名 | 撮影モード |
|---|---|
| Canon | Avモード |
| SONY | Aモード |
| Nikon | Aモード |
動きの激しい動物の撮影にはシャッタースピード優先モード

シャッタースピード優先モードは、シャッタースピードを撮影者が設定し、その他の絞りやISO感度の設定※をカメラに任せる撮影モードです。シャッタースピードが速いほど、素早い動きの動物もブレずに撮影できます。常に動き回っているようなハムスターや機敏な動きの猿の撮影などに最適です。
シャッタースピードを1/1000秒以上に設定すると、走っている犬程度の早さでもブレることなく撮影できます。シャッタースピードは、撮影したいと考えている動物の動きに合わせて調整すると良いでしょう。
※ISO感度が自動になるのはISOオートに設定した場合
| メーカー名 | 撮影モード |
|---|---|
| Canon | Tvモード |
| SONY | Sモード |
| Nikon | Sモード |
連写設定でシャッターチャンスを逃さない
動物は思わぬ動きをするものです。あまり動かない動物でも、その表情はタイミングによって大きく変わります。一瞬のシャッターチャンスを逃さないためには、連写設定をしておくのがおすすめ。ドライブモード(Nikonはレリーズモード)でシャッターの切り方を高速連続撮影に設定すれば、1秒間に20枚など連続で写真を撮影可能です。撮影時には同じような写真が撮影されていると感じるかもしれませんが、後で見直してみると1枚ずつ違った表情が楽しめます。
| メーカー名 | ドライブモード |
|---|---|
| Canon | 高速連続撮影+ |
| SONY | Hi+ |
| Nikon | 高速連続撮影 |
AFモードはサーボAFに設定
AFモードを『サーボAF』に設定すると、シャッターを半押しにしている間、動きの激しい動物をカメラが自動で追ってピントを合わせてくれます。そのため、初心者でもピンボケの少ない写真を撮ることが可能です。ピント合わせにかける時間が減らせるため、シャッターチャンスを逃しません。
| メーカー名 | AFモード |
|---|---|
| Canon | サーボAF(SERVO) |
| SONY | コンティニュアスAF(AF-C) |
| Nikon | コンティニュアスAFサーボ(AF-C) |
動物園での写真撮影が上手くなる4つのコツ
ここでは、動物園で動物を撮影する際に知っておくべき写真撮影のコツを4つまとめました。コツを知っているだけでレベルの高い写真が撮影できるので、ぜひ参考にしてください。
その1. なるべく人工物を写り込ませない

看板・柵・檻・写り込むと「動物園で撮影しました」というイメージの写真に仕上がってしまいます。可能な限り、人工物を入れない写真を撮影できれば、動物の野生溢れる魅力が写真に残せるでしょう。
檻の中にいる動物を撮影する際には、望遠レンズを使って絞りを開放したうえで、レンズを檻に近づけましょう。手前の檻を大きくボカせば、檻の存在自体が消えた写真に仕上がります。
また、人工物が写り込まないようにするには、撮影者の位置・動物のいる場所をよく考えなくてはいけません。手前の檻を消して撮影した場合でも、背景に人工物が入っていると意味がありません。動物の背景に檻や看板が入らないようにしましょう。
その2. カメラはできる限りガラス近づけて写り込みを防ぐ

動物と撮影者の間がガラスで仕切られている場合、何も考えずに撮影をすると光の反射によって自分や近くにいる来園者がガラスに写り込んでしまうことがあります。また、窓ガラスに太陽光が直接当たっている場所では、窓自体が白く光ってしまうことも…。なるべく日陰で撮影できるポイントを探してください。
撮影時には、カメラをガラスに近づけて写り込みや反射を防ぎます。さらに撮影時の服装を暗い色にすると、写り込みが軽減できるでしょう。
その3.動物の動きを追わずに待つ
動物を撮影する時には、その動きを追わずにシャッターチャンスを待ちましょう。動物の行動範囲やパターンを見ながら、先に構図を決めて、構図の中に動物が入ってくるのをじっと待ちます。被写体となる動物を観察し、動きのパターンが見つけられれば、シャッターチャンスも掴みやすくなるでしょう。
その4. 動物の一部を切り取った構図で撮影してみる

動物を撮影しようと考えた時、つい全身を撮影したくなるものですが、望遠レンズを使ってグッと被写体にズームし、迫力のある写真を撮影するのもおすすめ。毛並みや瞳の輝きなど、普段近づくことができない動物の細部まで鮮明に写真に残せるでしょう。動物の柄や毛並みの美しさが際立つ、見応えのある個性的な写真に仕上がります。
動物園で撮影する際にオススメの構図
動物園で撮影をする時は、日の丸構図、三分割構図での撮影がおすすめです。基本的な構図ですが、動物撮影のさまざまなシチュエーションで活用できるでしょう。
日の丸構図

日の丸構図とは、日本の日の丸国旗のような構図のこと。写真の中心に被写体を置く構図のことを指しています。中心に視線が集まるため、動物の存在感を強調したい時におすすめ。ただし、ありきたりな構図になりやすいので、前ボケを活用したり、背景を強めにぼかしたりするなどの工夫が必要です。
三分割構図

三分割構図とは、写真の縦横それぞれを三分割して、縦と横の線が交わる点に被写体を配置する構図のことです。日の丸構図と違って被写体が中心からずれるため、余白を有効に伝えばストーリー性のある写真に仕上がります。ただし、被写体の位置と背景によっては、バランスが悪いように感じられる恐れもあるので、注意しましょう。縦と横の線が交わる交点や線上に被写体を配置するのがポイントです。
動物園の撮影にオススメの機材

カメラ
ミラーレス一眼カメラ
ミラーレス一眼カメラは一眼レフカメラよりも軽くボティが小さいのが良い点です。ほとんどの動物園は敷地が広いため、移動や持ち運びで疲れてしまうことも…。そのため、軽量かつコンパクトなミラーレス一眼カメラがおすすめです。特に体力に自信がない方は、軽さにこだわってカメラを選ぶと良いでしょう。
可動式の液晶がついているカメラ
小動物の撮影では、非常に低いボジションから撮影しなければならない場合があります。液晶画面が自由に動かせるバリアングル式やチルト式の液晶なら、無理のない姿勢でローポジションからの撮影が可能です。
レンズ

望遠レンズ
動物園では、動物に近づくことができないため、望遠レンズを使うのがおすすめ。目の前に動物がいるかのような写真を撮影できます。望遠レンズがあれば、動物と撮影者の間にある柵や檻も大きくぼかせるのもポイント。焦点距離70〜200mm前後のレンズなら、ある程度大きく動物を撮影可能です。また、動物園以外の撮影でも使いやすいでしょう。
超望遠レンズ
超望遠レンズとは、望遠レンズよりもさらに焦点距離が長いレンズのこと。焦点距離300mm以上のレンズが該当します。遠くにいる動物をアップで撮影したり、とろけるようなボケ感のある背景を作ったりできます。レンズ本体が高価で大きくなるため、日常使いには適していません。超望遠レンズの購入を検討しているのなら、一度レンタルで使い心地を確認すると良いでしょう。
アクセサリー
シリコン製レンズフード
シリコン製のレンズフードをレンズの先端につけると、反射による写り込みを最小限に抑えられるため、ガラス越しの動物でも美しく撮影できます。ガラスとレンズフードの間に隙間がなくなるためです。多くのシリコン性レンズフードは折りたたみ可能なので、ガラス越しの撮影があるか分からない場合でも、念のために持っておくと良いでしょう。
まとめ

動物園の動物を上手に撮影するために知っておきたいカメラの設定や撮影のコツを紹介しました。動物園に行く前に撮影のイメージを膨らませておけば、理想通りの写真を撮影できるでしょう。動物園では場所や天気に合わせた臨機応変な対応も必要ですが、基本的な撮影方法やカメラの設定、構図などを理解していれば、どんなシチュエーションでも撮影を楽しめます。
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