「横浜(磯子)の工場夜景」工場夜景写真家が選ぶオススメ撮影スポットVol.9

今回は、横浜(根岸)の工場夜景に+αして、超望遠夜景撮影における「ブレ対策」についてお話しさせていただきます。
みなとみらいの夜景が有名な横浜ですが、根岸エリアまで足をのばせば「ENEOS根岸製油所」の夜景を観賞することもできるのです。
今回ご紹介する場所は、海を挟んで離れた場所から工場を撮るタイプです。したがって、足を使って構図のバリエーションを見出したい方には少々物足りないかもしれません。
しかし、超望遠レンズで工場内部を撃ち抜いたときの「悦び」を知りたい方にはうってつけ。
徐々に画角を狭くしつつご紹介しますので、迫りくる工場の迫力をお楽しみいただければ幸いです!
なお、昨年1月のニュースリリースによると、ENEOS根岸製油所は2022年10月を目途に装置の一部を廃止するとのことでした。既に工場の一部が消灯している可能性がございますので、予めご了承ください。
※営業状況・営業時間・料金・イベント情報などは異なる場合があります。各スポットへ訪れる際は、事前に公式ページなどで詳細をご確認ください。
※記事内容は2022年11月14日時点の情報に基づきます。
素敵な旅先・おすすめスポットはいいカメラで写真を残したいですよね。
撮影機材は購入する以外にも、まずはレンタルして試してみるという方法もあります。
“カメラのレンタル・中古買取・中古販売” GOOPASS(グーパス)では、1泊2日からの短期でもレンタルすることが可能(ワンタイムプラン)ですが、長期で借りる際には月額のサブスクプランがお得。
たとえば、イベントや旅行の際には短期で借りて、お気に入りの機材は数ヶ月じっくり借りるといった使い方ができます。
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目次
撮影前にチェックしたいこと
撮影を楽しむ際は、撮影のマナーをきちんと守り、様々な環境下で撮影を使用する際の注意点を知っておくことが大切です。
撮影マナー
下記の記事では、観光スポットをはじめとする公共の場所で撮影する際のマナーや、ジャンル別の基本的な撮影マナーを解説しています。
撮影が初めての方はもちろん、撮影マナーについてよく知らない方・不安のある方は、撮影前に必ずチェックしてください。
さまざまな環境で機材を使用する際の注意
特に、雨天時・冬季の撮影や、寒冷地・水中・砂埃の発生する場所などでの撮影。
通常とは異なるハードな環境下でカメラ機材を使用する際は、注意が必要です。
防水性・耐低温性・耐衝撃性・防塵性など、メーカーの保証範囲外で利用すると、カメラが故障したり不具合が発生したりする危険があります。
事前に、使用する機材の仕様を確認しましょう。
また、保証範囲内での使用であったとしても、結露の放置によりカメラが故障する可能性などもあります。
結露対策として急激な温度変化をさせない、結露が発生した場合はすみやかに対処する必要があります。(結露予防 参考:Canon公式)
はじめに
著者プロフィール,寺生まれのS

Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。一番頻繁な時期には週に1度以上、工場夜景撮影に明け暮れており、撮影した場所は日本全国20ヶ所以上。カメラを始めた当初からInstagramを開設。『変わる廃墟VS行ける工場夜景展』にて作品を出展。
カメラを始めたのは2015年で、始めたきっかけは、旅行などで撮るスマホの写真に納得がいかず、一眼カメラを購入したこと。工場夜景を撮りだしたのは、カメラを始めてから約1年後。カメラの社会人サークルにて、工場夜景を撮りに千鳥町へ行ったものの悪天候のため不発で、もう一度1人でリベンジしたのが工場夜景にハマったきっかけ。
今回紹介する撮影スポット:ENEOS根岸製油所

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:64、焦点距離:200mm、F10、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
工場の種類としては、石油系になるので、これまで紹介してきた中だと、ライトの感じとかが「ENEOS和歌山製油所」に近いですね。
たとえば、発電所とか下水処理場のように、白銀に近い色というよりかは、少し緑や黄色がかった感じです。
工場の規模的にはそこまで大きくありません。
ENEOS根岸製油所の基本情報
| ENEOS根岸製油所 | |
|---|---|
| 住所 | 〒235-0006 横浜市磯子区鳳町1番1号 |
| アクセス | JR根岸線「根岸駅」から徒歩8分 |
| TEL | 045-757-7111 |
| URL | ENEOS 公式ページ |
ENEOS根岸製油所での撮影におすすめなカメラ機材
カメラ
- ミラーレス一眼カメラ
- 一眼レフカメラ
カメラはミラーレス一眼カメラや一眼レフカメラで、InstagramなどSNSにアップするのであれば、センサーサイズはAPS-Cやマイクロフォーサーズでも問題ないと思います。
ただし、現像して大きく印刷するなどといった場合で、引き伸ばしても綺麗な画質を保てるのはフルサイズのカメラですね。
レンズ
- 130mm前後以上
見応えを出すためには、中望遠の135mm以上は欲しいところです。
撮影場所から工場までの距離が遠いため、上記の焦点距離以下で撮影すると、もう少し空と海の比率が多くなってしまいます。
たとえば、空に鱗雲があったり、月が出ていたりするなら話が違ってくるんですけどね…。
そうでなければ、なんでもない空と海のくすんだ色が写真を占めるようになっちゃいます。
その他
- 三脚
周囲が開けていて風が強い場所なので、堅牢なモデルが◎。私は、2m越えの三脚を伸ばさずに足を開いて安定させて使っています。
ENEOS根岸製油所のおすすめ撮影場所・構図
1.東京ガス 根岸LNG基地 付近

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:64、焦点距離:135mm、F9.0、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:100、焦点距離:400mm、F10、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
おすすめの焦点距離:135mm~800mm
撮影のコツ
三脚の部分で前述した通り、風が基本的に強い場所です。
ひどいときは200mmくらいでも、ブレて使い物にならないときもありますし…。
そのため、まず一番にブレを考慮する必要があります。
低いISO感度で長時間撮影して綺麗な写真にするために、ひたすら風がやむタイミングを待つか。
ISO感度をあげてシャッタースピードを速くするとか。
コツというより、ごり押しですね(笑)
なんというか、この場所ってあまりにコスパが悪いんです。それもあって、今回ある実験をしてみたので、後程紹介します。

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:64、焦点距離:400mm、F10、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0

使用レンズ/KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL (TX-10) 設定/ISO:64、焦点距離:500mm、F11、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0

使用レンズ/KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL (TX-17) 設定/ISO:64、焦点距離:850mm、F13、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
引きで全体を撮るほか、右端に写っていた煙突を切り撮ってみました。
背景がうっすらと赤色なのは、工場よりも奥にある貨物ターミナルのライトなのではないかなぁと、勝手に予測しています。
位置情報
検証してみた!~強風対策について~
風の影響を受けやすい場所だと、シャッタースピードを落とすと、どうしてもブレが発生してしまいます。
反対に、ISOを上げてシャッタースピードを速くすればブレは抑えられますよね。ただし、ブレない分、画質が悪くなるじゃないですか…。
そこで今回、【高感度による画質低下がどこまで許容できるのか】【何秒くらいなら風によるブレが気にならないのか】を知りたいと思い、検証してみました。
3パターンの作例
ISO感度とシャッタースピードを変えて、全部で3パターン撮影したので、それぞれ確認してみてください。
- ISO感度を低くして、長時間露光(ISO:64、SS:30秒)
- 中間(ISO:500、SS:4秒)
- ISO感度を高くして、高速シャッター(ISO:4000、SS:0.5秒)
パターン1:ISO感度を低くして、長時間露光(ISO:64、SS:30秒)

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:64、焦点距離:400mm、F10、SS:30.0
パターン2:中間(ISO:500、SS:4秒)

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:500、焦点距離:400mm、F10、SS:4.0
パターン3:ISO感度を高くして、高速シャッター(ISO:4000、SS:0.5秒)

使用レンズ/NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S 設定/ISO:4000、焦点距離:400mm、F10、SS:0.5
Web上で(横1024px)見ると、ほとんど違いが分からないかもしれません。若干、なにもない空の部分にザラつきが確認できる程度でしょうか。
これが、拡大するとそれぞれ結構違いがでてきました。
一部拡大して比較
拡大した際の違いが分かりやすいよう、一部を拡大して並べて比較してみます。
拡大したのは、下の写真内で赤い四角がある部分です。
並べたのが下の写真2枚です。
左からパターン1→2→3の順で並んでいます。
パターン3は風によるブレはない分、ザラつきが目立っています。
撮影した日は風が割と穏やかでしたが、それでも30秒で撮影したパターン1は、ザラザラ感はないもののなんとなくモヤッとしているのが分かるはず。
真ん中のパターン2と比べると分かりやすいですね。
拡大して比較して改めて分かったことですが、結構写りに差がでていました。
そういう意味で、真ん中のパターン2が落としどころなのかなぁと感じています。
多少ザラつきはありますが許容できる範囲で、風のブレもパターン1よりは幾分マシです。
私は、今まで基本的にISO感度を64とか100とかで撮っていたのもあって、「風がある=行っても意味がない」みたいになることが多かったんですけど…。
ISO感度を下げられるだけ下げてバッチリ撮れるのが理想ではありますが、今回検証してみて、ある程度ISO感度を上げても良いんだなという結果に至りました。
ENEOS根岸製油所での撮影に使用した機材
今回紹介した写真の撮影に使用した機材は下記の通りです。
カメラ
Nikon D850

D850に関しては、完成されているというか、いうことなしの1台ですね。
夜景撮影するにあたっては、タッチスクリーンが結構便利なんですけど、以前使っていたD750にはなくて。
D850でタッチスクリーンが使えるようになって、効率が上がりました。
夜景撮影では、必ず持っていくメイン機種です。D750から乗り換えた決め手は、タッチスクリーンはもちろん、高画素な点でした。
使用してみて驚いたのは、高画素機はノイズが結構出ると聞いていたのですが、実際はD750よりも全然少なかったことです。
細部までビシッと描写されていて、本当に買って良かった1台ですね。
| Nikon D850 | |
|---|---|
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 対応マウント | ニコンFマウント |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度(通常) | 64~25600 |
| シャッタースピード |
1/8000~30秒 |
■購入する場合は、297,800円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
Nikon Z7

Fマウントはどうしても広角に弱いんですよね…。それがZ7を使う理由です。
工場夜景は基本的に70-200mmF2.8のレンズか、それ以上の超望遠で撮影することがほとんどなんですが、たまに14mmとかじゃないと撮れない構図があって…。
Z7は、ほぼそのときの広角での撮影用で持っているというような形ですね。
| Nikon Z7 | |
|---|---|
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 対応マウント | ニコンZマウント |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度(通常) | 64~25600 |
| シャッタースピード | 1/8000~30秒 |
■購入する場合は、259,034円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
レンズ
Nikon(ニコン) NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S

中望遠100mmから望遠400mmのズームレンズです。
単焦点レンズと比べると解像力は落ちるものの、いわゆる便利ズームでありがちな絶対に許せないような写りはしません。むしろ画質もしっかりした優等生的なレンズだと思います。
何よりズームできて、F値も柔軟に決められる点が便利です。
| NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S | |
|---|---|
| 対応マウント | ニコンZマウント系 |
| レンズ構成 | 20群25枚 |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 0.75m(焦点距離100mm) 0.98m(焦点距離400mm) |
| 最大撮影倍率 | 0.38倍 |
■購入する場合は、314,820円(税込 2022/10/17現在 カカクコム調べ)となっているようです。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
Kowa PROMINAR 500mmF5.6FL

出典:Kowa
100万円の写りが二十数万くらいで手に入る、コスパ最強のレンズです。
しかし、安く仕上げている分、マニュアルフォーカスという点と、絞りが2段分しかない制約があります。
描写は文句なしで、四隅が甘くなることがなく、線が線として写ります。ワイドコンバーターやテレコンバーターで350mmや850mmにもなるので、短くしてさらに明るくする使い方もできます。
| PROMINAR 500mmF5.6FL | |
|---|---|
| 対応マウント | ニコンFマウント系 |
| レンズ構成 | 7群7枚 |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 3m |
| 最大撮影倍率 | 0.17倍 |
| F値 | 350mm(F4~F8) 500mm(F5.6~F11) 850mm(F9.6~F19) |
そのほか
GITZO 三脚 システマティック 4型 カーボン 5段 脚のみ ジャイアント GT4552GTS
カーボン製のため、スペックの割には軽いと思います。が、持ち運びには苦労するので、持ち出す際は基本的に車です。工場夜景を始めて、千鳥町や浮島などフェンスのある場所で、フェンスを越えて撮りたいと思い購入しました。
| GITZO 三脚 システマティック 4型 カーボン 5段 脚のみ ジャイアント GT4552GTS | |
|---|---|
| 最大高 | 240cm |
| 最低身長 | 10.7cm |
| 重量制限 | 25kg |
| 商品重量 | 2.72kg |
あとがき

使用レンズ/KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL (TX-17) 設定/ISO:64、焦点距離:850mm、F13、SS:1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
超望遠レンズを使うことで、肉眼では見ることのできない世界を間近に引き寄せることができる。
シンプルですが、私にとっては非常に大きな感動を与えてくれるものでした。
しかし、いざデータの隅をつついてみると、撮影現場での感動はどこへやら。
風のせいでブレた細部に幻滅させられること数知れず。撮った写真すべてが「パー」だったことも日常茶飯事。
そんなことが続くと、そのうち撮影自体のモチベーションも下がってしまいます。コロナ自粛ムードもあり、実はここ2年ほどそんな状況だったりします。
そのような中、なんとなしに「画質を犠牲にシャッタースピードを短くする」方法を試してみたら、風によるブレは抑えられ、画質もそこまで悪くない。
ちっぽけな気づきでしたが、私にとっては意外と大きな感動でした。
ISO64至上主義の私にとって地味に勇気の要るチャレンジでしたが、つまらないプライドを捨てただけの成果はあったように思います。
こだわりを持つことは素晴らしいことですが、時にはそれを捨てることも決して「悪」ではないのかもしれません笑。
この記事を書いた人

工場夜景写真家.寺生まれのS
Instagram:S_TELLAR (寺生まれのS)/Twitter:寺生まれのS (for photo)
1988年生まれ。千葉県出身。事務職たまに僧侶。Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。
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