「勿来IGCC発電所(福島県)」工場夜景写真家が選ぶオススメ撮影スポットVol.3

(編集:GOOPASS TRAVEL MAGAZINE編集部)
おかげさまで3回目となる工場夜景の撮影スポットシリーズ。今回ご紹介するのは、石油化学系工場の操業停止が相次ぐ中で、逆にその数を増やしつつある新興勢力――「発電所」。なかでも、『勿来(なこそ)IGCCパワー合同会社発電所』は黒と黄色の警戒色に白銀のLED灯が最高に映えるイチオシスポットです。
余談ですが、新しい発電所の多くが「バイオマス発電所」ということもあり『勿来IGCCパワー発電所』もそうであると、あろうことか「今の今まで」盛大に勘違いをしておりました笑。調べたところ、正しくは「石炭火力発電所」なのだそうです。「石炭火力発電所」はどうしても環境負荷が高いイメージですが、『勿来IGCCパワー発電所』は高効率な発電により、CO2の排出量を削減できるとのこと。かがくのちからってすげー。
さて、勉強不足を晒したところで、そろそろ本題に行ってみましょう!
※営業状況・営業時間・料金・イベント情報などは異なる場合があります。各スポットへ訪れる際は、事前に公式ページなどで詳細をご確認ください。
※記事内容は2022年4月26日時点の情報に基づきます。
素敵な旅先・おすすめスポットはいいカメラで写真を残したいですよね。
撮影機材は購入する以外にも、まずはレンタルして試してみるという方法もあります。
“カメラのレンタル・中古買取・中古販売” GOOPASS(グーパス)では、1泊2日からの短期でもレンタルすることが可能(ワンタイムプラン)ですが、長期で借りる際には月額のサブスクプランがお得。
たとえば、イベントや旅行の際には短期で借りて、お気に入りの機材は数ヶ月じっくり借りるといった使い方ができます。
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目次
撮影前にチェックしたいこと
撮影を楽しむ際は、撮影のマナーをきちんと守り、様々な環境下で撮影を使用する際の注意点を知っておくことが大切です。
撮影マナー
下記の記事では、観光スポットをはじめとする公共の場所で撮影する際のマナーや、ジャンル別の基本的な撮影マナーを解説しています。
撮影が初めての方はもちろん、撮影マナーについてよく知らない方・不安のある方は、撮影前に必ずチェックしてください。
さまざまな環境で機材を使用する際の注意
特に、雨天時・冬季の撮影や、寒冷地・水中・砂埃の発生する場所などでの撮影。
通常とは異なるハードな環境下でカメラ機材を使用する際は、注意が必要です。
防水性・耐低温性・耐衝撃性・防塵性など、メーカーの保証範囲外で利用すると、カメラが故障したり不具合が発生したりする危険があります。
事前に、使用する機材の仕様を確認しましょう。
また、保証範囲内での使用であったとしても、結露の放置によりカメラが故障する可能性などもあります。
結露対策として急激な温度変化をさせない、結露が発生した場合はすみやかに対処する必要があります。(結露予防 参考:Canon公式)
はじめに
著者プロフィール,寺生まれのS

Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。一番頻繁な時期には週に1度以上、工場夜景撮影に明け暮れており、撮影した場所は日本全国20ヶ所以上。カメラを始めた当初からInstagramを開設。『変わる廃墟VS行ける工場夜景展』にて作品を出展。
カメラを始めたのは2015年で、始めたきっかけは、旅行などで撮るスマホの写真に納得がいかず、一眼カメラを購入したこと。工場夜景を撮りだしたのは、カメラを始めてから約1年後。カメラの社会人サークルにて、工場夜景を撮りに千鳥町へ行ったものの悪天候のため不発で、もう一度1人でリベンジしたのが工場夜景にハマったきっかけ。
今回紹介するスポット:勿来IGCC発電所(勿来IGCCパワー)

Lens:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、ISO:64、Focal Length:28mm、F:9.0、SS:1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0
今から1年半ほど前に話題沸騰した、福島の『勿来IGCC発電所』。Instagramにアップされていた方の写真をみて、「なんだ、この美しすぎる工場は…」と驚いたのを覚えています。
そして、Instagramの写真を参考にGoogleマップでリサーチして、2020年の9月頃、私も足を運びました。
『勿来IGCC発電所』までは、千葉から車で2時間半ほど。都心からアクセスする場合や、混雑時はそれ以上かかるかもしれません。
日暮れ前からロケハンを兼ねて撮影をはじめて、休憩を挟みつつも深夜2時近くまで撮影していました。
勿来IGCC発電所の基本情報
| 勿来IGCC発電所 | |
| 住所 | 〒974-8222 福島県いわき市岩間町川田102−3 |
| アクセス | 【電車】(常磐線) ・「泉駅」からタクシーで20分 ・「植田駅」からタクシーで8分 ・「勿来駅」からタクシーで15分 【自動車】 |
| TEL | 0246-51-2211 |
| URL | 勿来IGCCパワー合同会社 |
勿来IGCC発電所(勿来IGCCパワー)の魅力

Lens:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、ISO:64、Focal Length:105mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
1.幾何学的な美しさ
一番に、『勿来IGCC発電所』は整然とした幾何学的な美しさが素敵だと思いました。鉄骨やパイプなど、縦横一定のパターンがとられている、工場ならではの美しさがありますね。
2.白銀の城のような全体像
発電所は建設されたばかりで新しく、全体にLEDライトが使われているのもあり、煌びやかなんです。他の工場とは雰囲気が大きく違いますね。また、これまで紹介した川崎や和歌山の工場とは違い、お城を彷彿させるような、一ヶ所にどっしりと構えた姿が魅力です。
3.ズームしたときに見られる個性
全体を見ると前述したように白銀の城のように見えるのですが、望遠レンズでクローズアップすると、『勿来IGCC発電所』ならではの個性が見えるのも魅力の一つ。
黒くシルエットになる鉄骨に、オレンジ色の階段や手すりがアクセントになるんです。まるでハチみたいな警戒色で、くっきりとしたキャラクターがでてきて面白いんですよ。
勿来IGCC発電所(勿来IGCCパワー)の撮影におすすめなカメラ機材

Lens: AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR ISO:64、焦点距離:165mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
カメラ
- ミラーレス一眼カメラ
- 一眼レフカメラ
カメラはミラーレス一眼カメラや一眼レフカメラで、InstagramなどSNSにアップするのであれば、センサーサイズはAPS-Cやマイクロフォーサーズでも問題ないと思います。ただし、現像して大きく印刷するなどといった場合で、引き伸ばしても綺麗な画質を保てるのはフルサイズのカメラですね。
レンズ
- 24~200mmをカバーする便利ズーム
『勿来IGCC発電所』は被写体との距離が近いので、24~200mmの焦点距離をカバーしているレンズがあれば十分です。初心者の方なら、一本で幅広い焦点距離をカバーしてくれる、お財布にも優しい便利ズームが良いかと思います。
その他
- 三脚
三脚はできれば用意しておくのが◎。カメラを載せても安定して撮影できる、堅牢で軽量なカーボン製のモデルがおすすめです。自動車以外で訪れるなら、持ち運び易い、コンパクトなトラベル三脚が良いでしょう。
勿来IGCC発電所(勿来IGCCパワー)のおすすめ撮影場所・構図
『勿来IGCC発電所』の敷地はそれほど広くありません。そのため、撮影にオススメの場所は「発電所の正面や斜めに位置する場所」と、「少し高台になっている発電所の裏側」の大きく2パターンです。
1.「勿来IGCC発電所」正面付近 国道239号の歩道

Lens:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、ISO:64、Focal Length:24mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0+α

Lens:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、ISO:64、Focal Length:200mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
まず、『勿来IGCC発電所』を正面から見られる場所。歩道から三脚を使用して撮影できます。
おすすめの焦点距離:24~200mm
レンズは白銀の城全体を収めるなら、広角端24mm前後。オレンジ色の階段をクローズアップして、『勿来IGCC発電所』の個性を際立たせるなら、望遠端200mm前後あれば問題ありません。
私は350~500mmのレンズも持っていたんですが、アップしすぎると『勿来IGCC発電所』の良さが損なわれてしまうと思いました。撮影位置と建物との距離も近いので、望遠域は70~200mm、あっても300mm程度で十分だと思います。
撮影のコツ
手前の道路を走る車の光跡(レーザービーム)を一緒に写すのがオススメ。ただし、レーザービームを写したい場合、30分ほど粘る必要があります。あまり車が通る場所ではないので…。遅い時間ほど車が通らなくなってしまいます。
また、『勿来IGCC発電所』の道路を挟んですぐ隣にある、「常盤共同火力 勿来発電所」の煙突(1枚目参照)を入れると面白いと思います。オレンジ色にライトアップされていて、写真の副題になりますね。日によっては煙突のライトアップの色が変わるようです。

Lens:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、ISO:64、Focal Length:36mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
上記は、『勿来IGCC発電所』前の国道239号を挟んで向かい側にある『岩間防災緑地』から撮影した作品です。『岩間防災緑地』は歩道よりも若干高台にあり、後ろに下がる形になります。レーザービームは写りませんが、アングルを変えられるのでオススメです。
位置情報
2.神社「天神様」付近

Lens:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、ISO:80、Focal Length:105mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0-60.0

Lens:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、ISO:80、Focal Length:105mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0-60.0 .
『勿来IGCC発電所』の裏側を見られる場所です。正面側にライトが集中しているので、逆光のようになっています。光と影を感じられる、正面側とは異なる雰囲気で撮影できました。
おすすめの焦点距離:100~200mm
レンズは100~200mm程度が◎。便利ズームの望遠端で十分だと思います。
撮影のコツ
基本的に、引きではなく寄りで撮影するのがオススメです。というのも、引きで撮ると手前のフェンスや盛土が写り込んでしまうんです。加えて、明かりが少ないので、引きで撮ると暗くなってしまいます。
正面と明るさが異なるので、同じ設定で撮影すると暗い写真になってしまう点に気を付けてください。黒つぶれしてしまうと修正できないので、露光の調整はしっかりと行なうと良いと思います。
位置情報
勿来IGCC発電所(勿来IGCCパワー)での撮影に使用した機材

Lens:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR、ISO:64、Focal Length:135mm、F:9.0、SS:1/125-1/60-1/30-1/15-1/8-1/4-0.5-1.0-2.0-4.0-8.0-15.0-30.0
今回紹介した写真の撮影に使用した機材は下記の通りです。
カメラ
Nikon D850

言うことなしの1台
D850に関しては、完成されているというか、いうことなしの1台ですね。
夜景撮影するにあたっては、タッチスクリーンが結構便利なんですけど、以前使っていたD750にはなくて。
D850でタッチスクリーンが使えるようになって、効率が上がりました。
夜景撮影では、必ずもっていくメイン機種です。D750から乗り換えた決め手は、タッチスクリーンはもちろん、高画素な点でした。
使用してみて驚いたのは、高画素機はノイズが結構出ると聞いていたのですが、実際はD750よりも全然少なかったことです。
細部までビシッと描写されていて、本当に買って良かった1台ですね。
| Nikon D850 | |
|---|---|
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 対応マウント | Fマウント |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度(通常) | 64~25600 |
| シャッタースピード |
1/8000~30秒 |
■購入する場合は、297,800円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
Nikon Z7

Fマウントはどうしても広角に弱いんですよね…。それがZ7を使う理由です。
工場夜景は基本的に70-200mmF2.8のレンズか、それ以上の超望遠で撮影することがほとんどなんですが、たまに14mmとかじゃないと撮れない構図があって…。
Z7は、ほぼそのときの広角での撮影用で持っているというような形ですね。
| Nikon Z7 | |
|---|---|
| センサーサイズ | フルサイズ |
| 対応マウント | ニコンZマウント |
| 有効画素数 | 4575万画素 |
| ISO感度(通常) | 64~25600 |
| シャッタースピード | 1/8000~30秒 |
■購入する場合は、259,034円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
レンズ
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

58mm以下担当
Z7のキットレンズなんですが、とても優秀な1台です。広角も望遠も解像が甘くならずに、バランスが良いと思います。
| NIKKOR Z 24-70mm f/4 S | |
|---|---|
| 対応マウント | ニコンZマウント |
| レンズ構成 | 11群14枚 |
| 絞り羽根枚数 | 7枚 |
| 最短撮影距離 | 0.3m |
| 最大撮影倍率 | 0.3倍 |
■購入する場合は、99,800円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

工場夜景のオールラウンダー
基本的に、工場夜景撮影で必ず使う1台です。はじめて行く場所はもちろん、特に撮影する写真を決めていないときは、だいたいこのレンズがあれば、どうにかなります。
| Nikon AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR | |
|---|---|
| 対応マウント | ニコンFマウント |
| レンズ構成 | 18群22枚 |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 1.1m |
| 最大撮影倍率 | 0.21倍 |
■購入する場合は、281,800円(税込 2022/09/13現在 カカクコム調べ)となっているようです。
GITZO 三脚 システマティック 4型 カーボン 5段 脚のみ ジャイアント GT4552GTS

出典:Amazon.co.jp
カーボン製のため、スペックの割には軽いと思います。が、持ち運びには苦労するので、持ち出す際は基本的に車です。工場夜景を始めて、千鳥町や浮島などフェンスのある場所で、フェンスを越えて撮りたいと思い購入しました。
| GITZO 三脚 システマティック 4型 カーボン 5段 脚のみ ジャイアント GT4552GTS | |
|---|---|
| 最大高 | 240 センチメートル |
| 最低身長 | 10.7 センチメートル |
| 重量制限 | 25 キログラム |
| 商品重量 | 2.72 キログラム |
あとがき
発電所の夜景はいかがでしたでしょうか。人生いろいろとは言いますが、工場もその種類によって内部構造や夜景の表情が千差万別で、そこが観るものを飽きさせない「萌えポイント」なのかもしれません。
『勿来IGCCパワー発電所』は都心から少々(?)離れてはいますが、和歌山のように「脇を擦る」「側溝に落ちる」心配をせず、比較的のびのびと撮影できる初心者にも優しいスポットです。工場夜景の定番ともいえる「石油化学系工場」以外にも興味がわいてきた方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人

工場夜景写真家.寺生まれのS
Instagram:S_TELLAR (寺生まれのS)/Twitter:寺生まれのS (for photo)
1988年生まれ。千葉県出身。事務職たまに僧侶。Instagramで不定期に工場夜景の写真を投稿。
▼Vol.1
▼Vol.2
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