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カメラ・シーン~Scenes through camera lenses~【5】OM SYSTEM OM-1 x 柊木まあや 2ページ目

OM SYSTEM OM-1について

フィルム時代からのカメラファンにとってOM-1という機種名は胸が高鳴るものがあります。

1972年に発売されたオリンパスOM-1(当初はM-1でしたがM型ライカを出すドイツのエルンスト・ライツ社から製品名変更の申し入れがあり、73年にOM-1と改称)は当時世界最小最軽量の35mm一眼レフとして注目を集めました。

高度成長期の「大きいことはいいことだ」的な発想が残っていた時代、多くの機能を搭載しズッシリした一眼レフがありがたがられる風潮が残る中でOM-1はその真逆の発想が結実。高いクオリティーを保ちながら限界まで小型に軽量に、を目指したのです。

設計者の米谷美久氏に生前お話をうかがいましたが、「小さなカメラなんか売れるわけがない」と反対する社内の理解を得るのに約1年かかったとか。

宇宙からバクテリアまであらゆるものを撮影できる、しかも最小最軽量のシステムカメラ。

スペックとしてはシンプルなTTLマニュアル露出の機械制御式で、正面から見るとほぼ中央に位置するレンズ部分やシェイプされたペンタ部などデザインの美しさは今日見ても魅力的です。

またレンズマウントをぐるり巻くように設けられたリング状のシャッターダイヤルも特徴的でした。

その後74年にはモータードライブ装着可能としたOM-1 MD、75年には露光中のフィルム面の反射を測る画期的なTTLダイレクト測光を搭載した電子制御の絞り優先AE機OM-2も加わり、OMシリーズとして発展していきました。

そんなカメラ史に残る名機OM-1の名称が復活した本機。

オリンパスから映像事業が分社化されOMデジタルソリューションズ(OMDS)として再出発した今、本機のブランド名はOM SYSTEMでありボディに「OLYMPUS」のエンブレムが刻まれるのは最後になるとのことです。

ICレコーダーや双眼鏡を含めて今後の製品にはOM SYSTEMの名が冠されるとメーカーは発表しています。

そのOM SYSTEM OM-1、長年懇意にしていただいている写真家の赤城耕一さんから「従来のOM-Dとは別物と言っていいぐらい進化しているよ」と聞き興味を抱いていました。

今回手にとって実際使用してみてその言葉通りの進化を感じました。

スペック面では有効画素数約2037万画素裏面照射積層型Live MOSセンサーと、高速化した画像処理エンジンTruePic Xを搭載、ノイズ処理技術により常用で最高ISO 25600、拡張で最高ISO 102400の高感度を達成。

防じん・防滴保護等級IP53、マイナス10度の耐低温性能を備えます。

5軸シンクロ手ぶれ補正は最大8段、ボディ単体で最大7段の補正効果を発揮。

さらに1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF方式を採用しAF性能が向上。

ダブルSDカードスロットは両スロットともUHS-II対応。バッテリーは520枚(CIPAの試験基準による)の撮影が可能な大容量リチウムイオン電池BLX-1となりました。

そういったスペック面での進化はもちろんですが、デザイン面で嬉しかったのは深く握ることのできるグリップとシャッターボタンのレイアウト。

しっかりボディをホールドし指の腹で押さえるようにレリーズできます。

優れた性能のカメラでもデザインが悪いと使い心地も悪くなりますが、OM-1はこの使いやすいデザインも大きな魅力です。

構えやすさが嬉しいOM-1。EVFも進化し約576万ドットの解像度とファインダー倍率 0.83倍 (35mm判換算)、表示遅れ0.005秒、120コマ/秒の高速表示性能を実現しました。

なお、付属のストラップも使いやすくモノトーンでおとなしめなデザインだったので付け替えずにそのまま出かけることにしました。

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この記事を書いた人

1962年11月生まれ。東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)中退。フリーランスのフォトグラファー兼編集者として、これまで『夕刊フジ』をはじめ数々のメディア制作に携わった経験を持つ。現在は撮影の仕事とともに、ヤフーをはじめメディアのニュース記事制作を手掛けている。