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カメラ・シーン~Scenes through camera lenses~【14】デジタル時代の新解釈ライカ Leica Q2を辻堂に連れて

カメラを愛する皆さん、ごきげんいかがでしょうか。
おかげさまで7時間におよんだ手術も無事終わりまして、新たな気持ちで『カメラ・シーン』の撮影に出かけることができました。とはいえ身体に5ヵ所穴をあけた身、まだ完調ではないので今月も良子(カミさんです)が同行です。辻堂は20代の昔に何者かになれるつもりでアパートを借りて住み込んで写真を撮った場所です。結局何者にもなれませんでしたけどね、というオチです。笑

あの頃はライカのM型に35mmと50mm。フィルムはコダックのトライXかプラスXの長尺をローダーで巻いて使っていたんです。そこで今回はLeica Q2を選びました。ズミルックスの名を冠した28mm F1.7が搭載されたコンパクトなカメラですが、デジタルズーム機能で35mm相当、50mm相当、75mm相当としても使えるんです。いわゆるクロップですね。最近、さらに90mm相当としても使えるQ3が発表されて話題ですよね。このQシリーズならあの頃の感覚を思い出しつつ、あの頃よりも気軽に撮れそうだなあ、と。

後半のポートレートは6月17日デビューライブを行う、雨をテーマにした新結成のアイドルグループ・il pleut(イルプル)の安堂瑠那さんに谷中で写真モデルをお願いしました。

目次

今回選んだカメラ:Leica Q2


M型ライカにはトリエルマーという3種類の焦点距離をワンタッチで切り替えることのできるレンズがありますが、私はそれをちょっと思い浮かべてしまったんです。Q2の場合はデジタルズーム機能なので実際に焦点距離が変わるわけではありませんが35mm相当、50mm相当、75mm相当にクロップすることで本来の28mmに加え、あたかも計4本のレンズを交換したかのような感覚を楽しめる、これが大きな魅力です。もちろんその辺は人によって用途によって違います。望遠側に行くほど画素数が落ちるので、それが我慢できるならってことですが。Q2はコンパクトで気軽にフルサイズのライカを使える良さがある。何ものにも代えがたい魅力があるんですよね。

Leica Q2とは

2019年に発売されたQ2はフルサイズセンサーにズミルックス f1.7/28mm ASPH.を搭載したコンパクトデジタルカメラ。2015年発売の前モデルLeica Qの改良発展型ですが、かなり違います。大きな違いは画素数が2420万画素から4730万画素にパワーアップしISO 50の低感度にも対応したほか、Qは28mm以外にクロップ機能で35mm、50mmの焦点距離での撮影が可能だったのに対してQ2は75mmも可能としました。
最近発表された最新型のQ3では約6000万画素となりクロップ機能も90mmが加わりましたね。

防塵防滴にも対応しファインダーは有機ELに、動画性能もQがフルHD(1920×1080) 60pまでだったのに対してQ2はシネマ4K 24pや4K(3840×2160)30pの撮影に対応。フルHDで120fpsのスローモーション動画も撮影可能となっています。他にも通信機能(QのWi-FiとNFC対応からQ2はWi-FiとBluetooth対応に改良、スマホと常時接続可能になった)はじめ操作性などがブラッシュアップされています。

Leica Q2の魅力

4本のレンズを持ち歩ける感覚

高性能なズミルックス28mmを最大限活かすならQ2は28mmレンズを搭載したコンパクト機として本来の28mm限定で使用すべきかもしれませんし、そういう使い方をしている人も多いと思います。私はせっかく使えるクロップ機能で、画素数は落ちてもQ2の機動性を最大限活かしたいと考えました。実際にレンズ自体の焦点距離が変わるわけではないのですが、あたかもレンズ交換をしているかのような感覚で使えるのが楽しいです。


クロップ機能を使うとファインダーやモニターに撮影範囲を示すブライトフレームが表示されます。これは35mmですね。3000万画素相当(6704×4472)となります。
ファインダーやモニターに映し出された画像の倍率は変わらないので不便に感じる人もいるでしょうが、この感覚がM型ライクで好きです。


50mm時は1470万画素相当(4688×3128)になりますが、これでもA3ないしA3ノビ程度までならプリントできるクオリティです。


75mm時は660万画素相当(3136×2096)。個人の感覚や写真の内容にもよりますが私はたいていA4ぐらいまでならプリントいけるかな、と思います。

ライカらしさを感じるデザイン


オスカー・バルナックの時代からライカのチャームポイントですよ、ボディ両端のカーブは。これがQ2でも美しく継承されています。説明書がなくてもしばらくいじっていれば撮影はできるんじゃないかと思われる使いやすい操作系も嬉しいですね。


ボディ背面のちょっとしたくぼみは、すべすべではあるんですがここに親指を当てるとホールディングの役に立ちます。その左隣り、シャッターダイヤルのすぐ下にある丸いボタンを押すとワンタッチでクロップできます。


純正のレザーストラップは黒一色でQ2の存在感を引き立たせます。よ~く見るとライカの筆記体ロゴがエンボス加工されているんですが。

ストラップがレザーだったんで、バッグはZOZOの中古で3,000円で入手したB:MING by BEAMSのレザーにしました。
ところでQ2で一番困ったのは純正のレンズキャップ。摩擦が甘いのか簡単に脱落しちゃうんですよ(新品時は大丈夫との噂も)。Q3で改良して欲しい点です。

Leica Q2作例写真(ストリートスナップ)

28mm F値:11.0 SS:1/320 ISO:100

浜見山交番そばの歩道橋をのぼっていくと空と海が見えます。

28mm F値:8.0 SS:1/250 ISO:100

歩道橋の途中で犬を散歩させている女性に明るく笑顔満面で話しかけられました。こちらから話しかけたんじゃありません。辻堂、大好きです。いつかまた住むかもです。

28mm F値:8.0 SS:1/400 ISO:100

サーファー通りと134がぶつかる浜見山交番前、この場所もとても好きです。

50mm F値:11.0 SS:1/200 ISO:100

クロップしました。50mm。カルティエ・ブレッソンや木村伊兵衛といったレジェンドがライカで使っていた焦点距離ですね。いわゆる標準レンズ。脚を痛めているのにまたもや付き添ってくれた良子を撮りました。

75mm F値:11.0 SS:1/200 ISO:100

浜に着いて気分も上がって、調子に乗ってとうとう75mmにクロップしました。ネットで見るぶんには問題ないクオリティかと思います。

28mm F値:4.5 SS:1/1000 ISO:100

開放よりもこのぐらい絞ったほうが立体感が出ます。被写体のエッジがはっきりするからです。湘南の雰囲気も江の島のこっち側とあっち側でだいぶ違います。あっち側のほうが七里だ鎌高前だ稲村だ由比ヶ浜だ、観光名所は多い感がありますね。あなたは湘南のどこが好きですか?なんてここで聞いたりしても意味ないですね、すみません。

借り物ですからね、過酷な使い方はできません。ライカのオンラインショップで82万5,000円(税込)ですよ、あなた。でもQ2は防塵防滴ですから浜に持って行っても安心です。

35mm F値:8.0 SS:1/100 ISO:100

キター!ついに35mmにクロップですよ。辻堂に住み込みで撮っていた頃、もっとも使った35mm。超個人的に感激です。砂に写ったフェンスの影を撮りました。

75mm F値:8.0 SS:1/250 ISO:100

サーファー通りは正式には昭和通りって言うんですよ。地味ですね、昭和通り。やっぱりサーファー通りと呼びましょう。

28mm F値:8.0 SS:1/320 ISO:100

やっぱり最新の高性能カメラですね。逆光耐性素晴らしいです。でも、派手にフレアが出てくれちゃったりするほうが味わいがあるんですけどね。と、そう感じたあなたはクラシックなカメラマニアです。

28mm F値:8.0 SS:1/60 ISO:100

駅の近くまで戻ってきましたよ、この夫婦。

35mm F値:5.0 SS:1/50 ISO:400

よく行くお店に入りました。35mmでISO400って、昔トライX(コダックの白黒フィルム)で撮っていた組み合わせだなと懐かしくなりここでも勝手に感激。歳とると涙もろくなります、どうもすみません。

50mm F値:11.0 SS:1/50 ISO:800

パンケーキ美味しいんですよ、ここ。Q2はマクロモードを搭載しているので結構寄れます。ISO800っていうのはトライXなら2倍増感ですね。フィルムだと1本まんまその感度で撮らないとなりませんが、デジタルは1枚ずつ感度を変えられる。便利な時代になりました。

Q2はコンパクトながら存在感があってさすがライカ、と思わせてくれます。それでいて周りの雰囲気に馴染むというか。やわらかいんですよね。

28mm F値:4.0 SS:1/50 ISO:5000

昔はなかったんですよ、このデッキ。2000年代に入ってから湘南C-X(シークロス)っていう再開発で北口側に大きな商業施設なんかができて、ずいぶんと便利に住みやすくなりました。

28mm F値:11.0 SS:1/50 ISO:1250

晩ごはんの買い出しのため入ったスーパー。普通に中古のサーフボードとか売ってるんですよ。場所柄ですね。

28mm F値:8.0 SS:1/20 ISO:6400

20分の1秒なんですけどブレずに撮れました。光学式の手ブレ補正が効いています。小さいけど頼もしいカメラですね。

28mm F値:4.0 SS:1/50 ISO:5000

昔はこの位置から見ることはできなかった景色ですね。時代はこうして変わって行きます。いまやライカもコンパクトデジタルカメラで、クロップで4種の焦点距離のレンズを交換しているかのような感覚で使えちゃうんですよ。

Leica Q2の作例写真(ポートレート)

50mm F値:2.8 SS:1/250 ISO:100

Q2って日常使いにはそこそこオールラウンダーだと感じました。ポートレートにも積極的に使いたくなりますね。クロップも本当に便利ですよ。

35mm F値:2.5 SS:1/2000 ISO:100

谷中は地名に「谷」がつきますよね。坂道が多くて、なおかつこの日は真夏日並みの猛暑ということで手術後3週間程度の身体には少々こたえましたがQ2のコンパクトさに救われました。コンパクトは正義、ですね。

28mm F値:2.8 SS:1/50 ISO:250

写真モデルをお願いしたのはアイドルグループ・il pleut(イルプル)の安堂瑠那さん。@Luna_ilpleut
安堂さんの写真をご覧になりたい方は下記noteに続きがあります。
https://note.com/kojishiwa/n/n773c65ff87b0/

Leica Q2と過ごして

辻堂で写真を撮るのは私としては気持ちの中で多分にノスタルジー入っちゃうんですけど、Q2は昔辻堂で使っていたM型とは違って最先端のコンデジなんですよね。デジタルでもM型はあるわけですが、レンジファインダー機として撮影の作法自体は基本的にはフィルムからの流れを継承しているじゃないですか。Q2はそれとも違ってライカのテイストをたたえながらも中身は新しいデジタルで、AFのコンデジで気軽で、新鮮な気持ちで使うことができましたし、それでいてクロップのおかげで4種類のレンズを使い分けるような感覚を楽しめるっていうところが本当に魅力。レンズ交換せずに、この1台だけでですよ。

ライカってもともとはクラシック的な雰囲気やじっくり撮るっていうよりも、スナップやドキュメンタリーなんかで最大限活かせる速写性がウリのカメラだったと思うのですが、Q2はそういった意味でもデジタル時代の新解釈ライカって感じがします。

今回使用したカメラ

Leica Q2

製品名Leica Q2
有効画素数4730万画素
ISO感度ISO50-5000
手ぶれ補正光学式(静止画および動画)
サイズ約130×80×91.9mm
質量約718g

■購入する場合は、739,799円(税込 、※2023/8/10現在 カカクコム調べ)となっているようです。
■GOOPASSなら月額54,780円(税込)でレンタル可能です。

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この記事を書いた人

1962年11月生まれ。東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)中退。フリーランスのフォトグラファー兼編集者として、これまで『夕刊フジ』をはじめ数々のメディア制作に携わった経験を持つ。現在は撮影の仕事とともに、ヤフーをはじめメディアのニュース記事制作を手掛けている。

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