2020年6月に完成したばかりの、横浜の新ランドマーク、横浜武道館。
約3000席のキャパシティを誇る、プロレス・フットサル・柔道・バスケットボールなどの興行に対応した大アリーナです。
この横浜武道館を本拠地・メインアリーナにしているのが、Bリーグに所属するプロバスケットボールチーム・横浜エクセレンス。
2024年3月現在はB3リーグに所属しており、チームのOBでもある石田剛規GM・HCを中心に、B2リーグ昇格を目指しています(2024-2025シーズンのB2ライセンスを取得済み)。
全18チームがひしめく大混戦のB3リーグで、毎シーズン上位に位置する横浜エクセレンスですが、ただシンプルな強さだけが魅力のチームではありません。
著者が考える横浜エクセレンス最大の魅力は、個性豊かなロスターです。
毎シーズン選手が大幅に入れ替わるBリーグにおいて、毎シーズン個性的でキャラクターの立った選手を揃えています。
たとえば、勇猛果敢なリングアタックに定評のある増子匠選手。
たとえば、冷静沈着なゲームメイクと変幻自在のピック&ロールがウリの西山達哉選手。
数え上げればキリがありませんが、横浜エクセレンスブースターは、1人ひとりがそれぞれ自分の推しを心に持っていると感じました。
そこで今回は、横浜エクセレンスブースター向けに、自分の推しを尊く撮影するためのコツを紹介したいと思います。
(ただし、著者は独学でカメラを覚えた我流・亜流のため、絶対的なマニュアル・解決策ではなく、あくまで選択肢の1つ・参考文献としてお読みください)
コツその1…F2.8通し70-200mmのレンズを使用すべし!

結論から書きます。
「横浜武道館で躍動する推しを美しく撮影したい!」なら、実はカメラ選びよりも、レンズ選びが重要です。
その中でもオススメなのが、バスケットボールなどプロスポーツカメラマン愛用のレンズ、F2.8通し70-200mm、通称“ナナニッパ”(と呼ばれることがあるレンズ)。
一般的にズームレンズは、焦点距離を変えて被写体に近づく・クローズアップするほど開放F値(F値の最小値)が大きくなる=写りが暗くなる傾向にありますが、F2.8通し70-200mmは、焦点距離が70mmでも200mmでもF2.8の明るさをキープすることができます。
会場にもよりますが、照明が差しているとはいえ、アリーナ・体育館は思いのほか暗いもの(横浜武道館は比較的明るい会場ではあるのですが)。
プロカメラマンのように明るく綺麗な写真を撮るためには、F2.8通し70-200mmが必要不可欠!……と記載しても過言ではないと思うのです。
カメラはF2.8通し70-200mmを装着できればOK
カメラはF2.8通し70-200mmが装着できるデジタル一眼カメラであれば、(モデルや性能にもよりますが)大体何とかなります。
強いて言えば、スポーツ写真は被写体が激しく動くためAF性能に長けたモデルや、フレーミングで苦戦しがちなのでトリミングを見越して2000万画素あるカメラを選ぶと良いでしょう。
コツその2…撮影モードはM(マニュアル)に設定すべし!

マニュアルモードとは、「F値」「シャッタースピード」「ISO」の3項目を自分で設定する撮影モードです。
「何だか難しそう……」と感じる方がいるかもしれませんが、撮影前に予め設定しておけば試合中・撮影中に設定を変更する必要はありません。
また、後述しますが、3項目のうち1項目はAUTO(オート)です。
F値はF2.8で固定
F値は一番小さいF2.8に設定しましょう。
F値を小さい値に設定することで、ピントの合う範囲が狭くなる+写真が明るくなります。※
「え?ピントの合う範囲が狭くなったら、撮影に失敗する確率が上がるのでは……?」と考える方がいるかもしれませんが、どうかご安心を。
ピントの合う範囲が狭くなるということは、裏を返せば『ピントの合っていない範囲を意図的にボカせられる』ということ。
つまり、推し選手の顔にピントを合わせさえすれば、背景が綺麗にボケて、被写体にフォーカスした一枚を撮影することができるのです。
集合写真などであれば話は別ですが、ピントが合う範囲が広すぎると、「この写真は一体何を写したかったんだろう……?」というふわっとした印象の写真になってしまいがち。
せっかく推しを撮るなら、主役である推しのご尊顔をを際立たせた、自分得な一枚を狙ってみましょう。
尚、推し選手の顔にピントを合わせやすくするコツは、下の「AF(オートフォーカス)」で説明します。
※余談ですが、F値を大きくするとピントの合う範囲が広くなり、写真が暗くなります
ISOはAUTOでOK
前述の通り、ISO感度は、AUTO(オート)でOKです。
AUTOとは、カメラが撮影環境から逆算して、適切な値を自動で設定してくれる便利なモードのことす。
ただし、ISOが高くなりすぎると(カメラにもよりますが、ISOが2500を超える場合は要注意)、写真にザラザラとした砂粒・粒子のようなノイズが発生してしまいます。
次のシャッタースピードでも説明しますが、もしザラザラとした質感の写真が撮れてしまった場合は、ISOをAUTOから4000以下に変更して、シャッタースピードを下げることでザラザラ感を抑えることができます。
(シャッタースピードを下げると被写体がブレやすくなるため、撮影時はワキをしっかり締めて撮影することを心がけましょう)
シャッタースピードは1/800〜1/500で調整
シャタースピードは、1/500〜1/800で設定しましょう。
ちなみに、シャッタースピードを上げると(分母の数字を大きくすると)写真が暗くなる+被写体がブレにくくなり、シャッタースピードを下げると(分母の数字を小さくすると)写真が明るくなる+被写体がブレやすくなります。
まずは1/800に設定して、前項目のISOで記載した通り、写真にザラザラ感が出現した場合は、1/640、1/500と1段階ずつシャッタースピードを下げていくと良いでしょう。
コツその3…自分でピントを合わせた後、カメラにピントを合わせてもらうべし!
撮影時の設定に続いて、被写体(推し選手のご尊顔)にピントを合わせやすくするコツを解説します。
【①まず画面中央でピントを合わせる】【②次に、動く被写体や撮りたい画角に合わせてズームしたりカメラを動かしたりする】ことを心がけてください。
現在販売されている、ほとんどのデジタル一眼カメラには、“AF(オートフォーカス)機能”と“被写体自動追尾機能”が搭載されています。
オートフォーカス機能とは、カメラが特定のエリアで自動的にピントを合わせてくれる機能のこと。
被写体自動追尾機能とは、カメラが一度ピントを合わせた被写体を自動で追い続けてくれる機能のこと。
つまり、【①ピントを自分で合わせる】【②カメラの自動追尾機能で推しのピントを合わせ続けてもらう】という2ステップ後にシャッターを押すことで、推しのご尊顔にピントがしっかり合った写真が撮りやすくなります。
2つのステップを、1つずつ解説していきましょう。
コツその3-1:フォーカスエリアは一番小さい狭いものを選択
まずは、自分で被写体(推しのご尊顔)にピントを合わせる方法から。
フォーカスエリアとは、デジタル一眼カメラが、自動でピントを合わせてくれる範囲のことです。
範囲を広くすることもできますが、画面に(推し選手ではない)他の選手が入り込んでしまった場合、推しではなく他の選手にピントを合わせてしまう場合があります。
そこでおすすめしたいのが、フォーカスエリアを狭く設定すること。
ピントが合う範囲こそ限られますが、その範囲に限っては高確率でピントが合うようになります。
メーカーによって呼び方は異なりますが、Canon製カメラの場合は『スポット1点AF(または1点AF)』、Nikon製カメラの場合は『シングルポイントAF』、SONY製カメラの場合は『スポット』を選択すると良いでしょう。
ピントの合う位置は画面中央がおすすめ。
まずは、画面中央で推しの顔へ一点集中的にピントを合わせることを心がけてください。
コツその3-2:AFモードはAF-C(AIサーボAF)に設定
続いて、カメラに被写体追尾機能を設定します。
メーカーによって呼び方が異なる、被写体自動追尾機能。
(Canonの場合は『AIサーボAF』、NikonやSONYなどその他メーカーの場合は『AF-C』と表記されています)
これを設定することにより、シャッターボタンを半押ししている間は、(ステップ1でピントを合わせた被写体に)カメラが自動でピントを合わせ続けてくれます。
フレーム内を動き回る推しに合わせてカメラを動かしたりズームしたりして、これぞ!という画角でシャッターボタンを強く押してださい(長く押し続けている間は連写できます)。
コツ4…とにかくシャッターを切るべし!

ここまで被写体(推しのご尊顔)にピントを合わせるコツ、もとい準備を説明しました。
あとはシャッターを押すだけです。
ただし、準備ができたからといって、望む写真が撮れるとは限りません。
AF(オートフォーカス)や被写体自動追尾機能が付いているからといって、いつも完璧にカメラがピントを合わせてくれる訳ではありません。
なかなかピントが合わなかったり、シャッターを切る寸前で合わなくなったりすることもあります。
途中まで推しのご尊顔にピントが合っていたのに、突如横から現れたレフェリーに画面をジャックされてしまうことだってあります。
液晶モニター越しではバッチリとピントが合っていたと思っていたのに、PCモニターやスマートフォンで観てみたらピントが甘かった……なんてことも往々にしてあります。
だからこそ、とにかくシャッターを切りましょう。
自分の心が動いた瞬間に、シャッターボタンを押し続けましょう。
あくまで本記事は「良い写真を撮る方法」ではなく「良い写真を撮れる確率を上げる方法」なのです。
横浜エクセレンスホームゲームにオススメの撮影機材
前述の通り、横浜武道館などで横浜エクセレンスのホームゲームを撮影する際は、F2.8通し70-200mmの望遠ズームレンズと、それを装着できる一眼カメラを用意しましょう。
カメラもレンズも持っていない方(カメラもレンズも借りたい方)
カメラを所有していない方は、GOOPASSでF2.8通し70-200mmのレンズを含んだセットをレンタルすると良いでしょう。
カメラを持っている方(レンズを借りたい方)
既にカメラを持っている方は、GOOPASSで70-200mm F2.8のレンズをレンタルするのがおすすめです。
レンズを持っている方(カメラを借りたい方)
既にカメラとF2.8通し70-200mmを持っている方は、GOOPASSでカメラをレンタルするのがおすすめ。
AF性能に優れたカメラを選べばピントの合う確率が高くなり、画素数に優れたカメラを選べば画質のアップする確率が高くなりします。
レンズによって装着できるカメラは異なるため、お持ちのレンズに「どんなカメラを選べば良いか?」迷っている方は、下記のオンライン機材相談からご予約ください。
最後に(撮影時の心構え)

ここまで読んでいただきありがとうございました。
本記事では「横浜エクセレンスホームゲームで推し選手の写真を上手に撮る方法」を解説してきましたが、最後に1つ、お伝えしたいことがあります。
それは、「上手な写真」と「いい写真」は違うかもしれない、ということです。
それはバスケットボールも同じで、スキルフルなプレーをする選手だけが、推し選手になるとは限らないと思うのです。
決してスマートではないかもしれないけど、決死の形相で泥臭く必死にボールを追いかける選手のプレーに心を打たれたことはありませんか?(僕はあります)
写真も一緒だと思います。多少ピントが甘くても、多少ブレていたとしても、観た者の心を震わせる「いい写真」は存在します。
いい写真を撮る方法は1つだけ。
それは、「心が動いた瞬間にシャッターを切ること」です。
夢中でシャッターを切っていた現場は、比較的“いい写真”が撮れている場合が多いように感じます。
小手先のテクニックも大事ですが、推し選手を夢中で追いかけてください。
他者からの『いいね!』が気にならなくなるような、自分が“いい!”と思う写真を撮ってください。
写真撮影は楽しいものです。推し選手のご尊顔や勇姿を眺めるのも楽しいものです。推し選手の写真を撮ることは、とってもとっても楽しいものです。
どうか自分の心に素直になって、夢中で推しを追いかけて、写真撮影を楽しんでください。
著者:石井ジョゼ
Bリーグの撮影経験を持つプロスポーツカメラマン。
ライターとして携わっていたストリートボールリーグ・SOMECITYでカメラ・写真の可能性に衝撃を受けて、独学でカメラを学ぶ。
主な撮影種目は、バスケットボール、バレーボールなど。




