野鳥撮影時におすすめのカメラ設定!メーカー別にモードを解説

「野鳥撮影にチャレンジしたいけれど、カメラの設定がよく分からない」「そもそも、カメラのどれがどんな機能なのか理解できていない」
カメラの設定が難しいと思うと、撮影する気さえ起きなくなりますよね。
でも、ご安心ください。一部の基本的な設定をするだけで、あとはカメラ任せで綺麗な野鳥写真が撮れるようになるんですよ。
この記事では野鳥撮影の初心者の方に向けて、野鳥の写真を撮るための具体的な設定を紹介しています。設定自体は決して難しくはありません。この記事を参考にカメラの設定を覚えて、綺麗な野鳥写真を撮影しましょう!
目次
野鳥の姿を綺麗に写すために知っておきたいこと
まず、初心者の方が目指したい野鳥写真について、解説しましょう。
ひと口に野鳥写真といっても様々な種類があります。目指したい野鳥写真によってカメラの設定が異なるため、どのような野鳥写真があるか理解しておくことが大切です。下記は、野鳥写真の例です。
木の枝などにとまっている写真

飛翔や採餌など、「動き」を魅せる写真

風景の中に野鳥が佇む写真

親子や群れなど鳥同士の関係を表現した写真

ここに挙げただけでも、それぞれに適するカメラ設定は異なります。
そこでこの記事では、野鳥撮影の基本である、止まっている野鳥を美しく撮影する設定について紹介します。いわゆる「止まりもの」といわれる、野鳥撮影の基本であり、初心者の方でも撮影に成功しやすい撮影方法です。まずは止まりもので野鳥を綺麗に撮影するための設定を覚えて、それ以外の撮影にも応用していきましょう。
美しい野鳥写真を撮影するために意識したいポイント
止まっている野鳥を美しく撮影するために意識したいポイントは、次の3つです。
- ピントがしっかりと合っていること
- 野鳥の姿がブレていないこと
- 羽毛までくっきりと写っていること
それぞれ、詳しく解説します。
ピントがしっかりと合っていること
写真を見る人は、ピントが合っている場所を主題(主役)と認識します。そのため、野鳥撮影でも、主役である鳥にピントを合わせることを意識しましょう。
ちなみに、このような野鳥にピントが合っていない写真は、残念ながら失敗写真です。

また、生き物の撮影では、ピントは目に合わせるのが鉄則です。鳥の顔が大きく写る写真の場合は、特に目にピントを合わせることを意識しましょう。
カメラのAF(オートフォーカス:自動でピントを合わせてくれる機能)はとても優秀ですが、カメラが苦手とする環境もあります。例えば、野鳥が入り組んだ枝の中にいる場合。AFは手前の物からピントを合わせようとするので、野鳥が枝の入り組んだ場所にいる場合には、手前の枝にピントを合わせてしまうのです。
そこで本記事では、カメラの性能を活かしながら、野鳥にしっかりとピントを合わせた写真が撮影できる設定をお伝えします。
野鳥の姿がブレていないこと
主役をしっかりと写すためには、ピントが合っていることのほかに、ブレがない写真である点も重要です。
ブレとは、被写体やカメラが動いてしまい、ぼやけて写ってしまうこと。一般的に、ブレには2種類あります。
- 手ブレ写真:シャッターを押す時に、カメラを動かしてしまうことで発生するブレ
- 被写体ブレ:被写体である野鳥が動いて発生するブレ
下記の写真は被写体ブレの例です。

せっかく、野鳥が飛び出した瞬間にピントを合わせてシャッターを押せたのに、ブレたことで失敗写真に仕上がってしまいました。こういった失敗を避けるための設定についても、本記事で説明します。
羽毛までくっきりと写っていること
野鳥撮影の醍醐味は、野鳥の羽毛まで綺麗に撮影すること。肉眼では見られないほどの細部、羽毛一本一本の細かい毛の流れまでくっきりと見えるほどの、精細な写真に仕上げたいものです。

羽毛まで綺麗に写すには、ピントが合っていること、ブレていないことのほかに、解像感(細かい部分まで描画されていること)やノイズ(写真のざらつき)の少なさも重要です。細部までしっかりと描画するための設定も、お伝えします。
野鳥を撮影する際のカメラの設定
野鳥を撮影する際の、具体的なカメラの設定について紹介します。
紹介するのは、以下の項目です。
- 撮影モード
- AF設定
- AFモード
- ドライブモード
- ホワイトバランス
- 測光モード
- 露出補正
「難しそうかも……?」と思われたかもしれませんが、決してそんなことはありません。設定自体は簡単ですし、一度この記事に沿って設定すれば、次回以降はそのまま撮影にチャレンジできます。
撮影モードは『シャッタースピード優先モード』に設定
まずは、「撮影モード」の設定について。撮影モードとは絞りやシャッタースピードなどの要素を、撮影者がどの程度コントロールするかを選ぶものです。
野鳥撮影で使用する撮影モードは、主に次の3つです。
- 絞り値を手動で設定する「絞り優先モード」
- シャッタースピードを手動で設定する「シャッタースピード優先モード」
- 絞りもシャッタースピードも手動とする「マニュアルモード」(上級者向け)
これらの撮影モードの中から、どのような撮影をしたいかによって撮影モードを決めます。

止まっている野鳥を撮影する場合、初心者の方におすすめの撮影モードは「シャッタースピード優先モード」です。シャッタースピード優先モードとは、シャッタースピードを手動で設定して、それ以外の設定はカメラが自動で決めるモード。EOS R6の場合は、写真のようにモードダイヤルを「Tv」に設定します。
野鳥撮影では望遠レンズを使用しますが、一般的に望遠レンズは手ブレが発生しやすいといわれています。狭い範囲を写すため、ちょっとした手ブレも大きく写りこんでしまうのです。
また、野鳥の動きは速いため、シャッタースピードが遅いと被写体ブレした写真に仕上がってしまいます。そのため、シャッタースピードをある程度以上確保しましょう。手ブレと被写体ブレを防げます。シャッタースピードは、止まっている野鳥であっても、1/400秒以上に設定するとよいでしょう。
各メーカーのシャッタースピード優先モードは、次の表の通りです。メーカーによって名称が異なりますが、機能は同じです。
| シャッタースピード優先モード | |
| Canon | Tvモード |
| SONY | Sモード |
| Nikon | Sモード |
| OM Digital Solution | Sモード |
AFは『鳥認識』に設定
AF(オートフォーカス)とは、ピントを合わせる場所を指定すると、その場所の被写体に自動でピントを合わせてくれる機能です。野鳥にしっかりとピントが合うように、AF機能の設定を工夫しましょう。
『鳥の自動認識』機能があれば、カンタン!
もし、カメラに鳥を自動で認識してくれる機能がある場合は、その機能を利用しましょう。
2020年以降に発売されたミラーレスカメラには、野鳥の姿をカメラが認識して、自動でピント合わせてくれる機能が搭載されたモデルが増えました。例えばCanonのEOS R6の場合、「(顔)+追尾優先AF」+「動物優先」+瞳検出を「する」に設定することで、画面内の野鳥の目に自動的でピントを合わせてくれます。

実際に鳥認識AFを使ってみると、野鳥を画面に入れていればよいので、撮影が非常に楽になります。これまでの野鳥撮影のやり方を、根底から変えてしまうほどの機能です。構図にだけ意識を向けられるので初心者の方にはもちろん、熟練者の方にもおすすめします。
各カメラメーカーの野鳥認識機能の名称は、次の表の通りです。
| 鳥の自動認識機能 | |
| Canon | 動物優先+瞳 |
| SONY | リアルタイム瞳AF(鳥) |
| Nikon | ワイドエリアAF 他 |
| OM Digital Solution | AI被写体認識AF(鳥) |
各社メーカーの、野鳥の自動認識機能が搭載されたカメラは、次の表の通りです。
| 鳥の自動認識機能搭載カメラ | |
| Canon | EOS R3/EOS R5/EOS R6 |
| SONY | α1/α7Ⅳ |
| Nikon | Z9 |
| OM Digital Solution | OM-1/E-M1X |
自動認識がない場合は、AFエリアを『ゾーン』に設定

もしカメラに鳥の自動認識機能がない場合は、「AFエリア」を設定してピントを合わせる範囲を決めます。
AFエリアでは、ピントを合わせる測距点(そっきょてん:被写体を認識してピントを合わせる点)の広さを設定します。小さいエリアを選択すると、野鳥の目など、ピンポイントでピントを合わせられます。しかし、動く野鳥を撮影する場合、その位置を指定するのは非常に難しいため、おすすめできません。広いエリアを設定すると測距点が広がり、そのエリアのどこにピントを合わせるかはカメラが自動で決めてくれます。
初心者の方におすすめなのは「ゾーン」というAFエリア。ゾーンは狭すぎもせず広すぎもせず、初心者の方でも野鳥をエリアの枠の中に捉えやすいAFエリアです。ゾーンで指定したエリアの中に野鳥を入れると、カメラが野鳥を認識してピントを合わせてくれます。鳥の背景が広く抜けていて、野鳥が大きく写っている状態は、カメラが野鳥を認識しやすいシーンです。

Canonは『ゾーンAF』、SONYは『ワイド』、Nikonは『ワイドエリアAF』、OM Digital Solutionは『Middleターゲット』に設定しましょう。メーカーによって名称が異なりますが、機能は同じです。
| AFエリア / ゾーン設定 | |
| Canon | AF方式:ゾーンAF AF方式:顔 + 追尾優先 AF |
| SONY | フォーカスエリア:ワイド |
| Nikon | AFエリアモード:ワイドエリアAF AFエリアモード:オートエリアAF |
| OM Digital Solution | Middleターゲット |
撮影に慣れてきたら、AFエリアをより狭いものに変更しても良いでしょう。枝などが野鳥の手前に多い場所でも、枝の隙間から顔をのぞかせる野鳥にピンポイントでピントを合わせられます。
AFモードは『サーボAF』に設定

AFには、主に二つの方式があります。
一つは「ワンショットAF」。これは、AFフレームの当たっている被写体に、ピントを一度だけ合わせる設定です。一度ピントが合うと、もう一度AFを開始しない限りピント位置は動きません。
もう一つは「サーボAF」です。これはAFフレームの当たっている被写体に、常にピントを合わせ続ける設定です。
野鳥撮影の場合、野鳥は動く可能性があるので「サーボAF」に設定しましょう。サーボAFに設定して画面内に野鳥を常に入れておくことで、野鳥を自動で認識しながらピントも合わせ続けてくれます。
Canonは『AI サーボAF(AI SERVO)』、SONYは『コンティニュアスAF(AF-C)』、Nikonは『コンティニュアスAFサーボ(AF-C)』、OM Digital Solutionは『コンティニュアス AF (C-AF)』に設定しましょう。メーカーによって名称が異なりますが、機能は同じです。
| AFサーボ | |
| Canon | AI サーボAF(AI SERVO) |
| SONY | コンティニュアスAF(AF-C) |
| Nikon | コンティニュアスAFサーボ(AF-C) |
| OM Digital Solution | コンティニュアス AF (C-AF) |
ドライブモードは『連写』に設定

ドライブモードは「連写」に設定しましょう。野鳥は枝に止まっている時も首を振ったり羽根を伸ばしたりと、ちょこちょこと動きます。連写で多くの写真を撮っておけば、羽根を完全に広げた状態など、良い姿の写真を撮れる可能性が高まるからです。

上記の写真は、ハトが水浴びしているシーンを連写した中で、ハトや水の動きが派手だった一枚を選んだもの。連写すると、とっておきの瞬間を写真に収められます。
ただし、連写が速すぎる場合、カメラ内の処理が追いつかなくなり、しばらく次の撮影ができなくなることがあります(これをビジー状態といいます)。止まっている野鳥撮影では最高速の連写設定までは不要なので、ビジー状態にならない程度のバランスの良い連写速度を選びましょう。
各メーカーのおすすめ設定は、次の通りです。メーカーによって名称が異なりますが、機能は同じです。
| ドライブモード | |
| Canon | 高速連続撮影 |
| SONY | Low/Mid |
| Nikon | 低速連続撮影 |
| OM Digital Solution | 連写 |
ホワイトバランスは『オート』に設定

ホワイトバランスとは、色味を調整する設定です。ホワイトバランスを適切に設定すると、写真の色味が人間の目に映る色と近くなります。野鳥撮影をする屋外では、ホワイトバランスはオートにしておけば問題はないでしょう。
ホワイトバランスにはプリセットという、強調したい色味を簡単に指定するための設定が準備されています。例えばEOS R6の場合は、次のようなプリセットです。
| オート | 赤味が増す | 青味が増す | その他 |
|---|---|---|---|
| オート(雰囲気優先) | 太陽光 | 白熱電球 | ストロボ使用 |
| オート(ホワイト優先) | 日陰 | 白色蛍光灯 | マニュアル |
| くもり、薄暮、夕やけ空 | 色温度 |
EOS R6の場合は「オート(ホワイト優先)」がおすすめです。
測光モードは『評価測光』に設定

測光とは、被写体の明るさを測ることです。カメラは、被写体の明るさに応じて露出を決めています。露出とは写真の明るさのこと。カメラは適正な写真の明るさを、被写体の明るさから判断しています。その測光の方法を設定するのが「測光モード」。画面上のどの部分を被写体として認識し、写真の明るさを決めるか指定します。
初心者の方は「評価測光」にしておけばOK。「評価測光」は測光モードのひとつで、一般的な撮影全般におすすめの設定です。画面の中に逆光などの極端な明るさがあっても、全体のバランスが取れた明るさにしてくれます。
『露出補正』は野鳥に合わせる

「絞り優先」や「シャッタースピード優先」に設定すると、露出(画像の明るさ)はカメラがある程度適切に設定してくれますが、場合によっては野鳥が暗く写ってしまうことがあります。例えば木の枝にいる鳥を下から見上げる場合。太陽が上にあるため、野鳥の身体の底部に影が出て、野鳥が暗く写ってしまいます。そのようなときには、露出をプラスに補正してみましょう。
露出補正とは、写真を明るくしたり暗くしたりする機能です。1/3段ごとに上げたり(明るくなる)、下げたり(暗くなる)調整できます。
露出は、主役である野鳥に合わせることが重要です。野鳥の身体の中で最も明るい色(白に近い色)の部分が白飛び(明るすぎて諧調が残らずに、ただの白データになってしまうこと)しない程度に露出を明るくすると、写真全体も印象の良い明るさになります。どれぐらいの露出が適正なのか不安な場合は、いくつか露出を変えて写真を撮っておくとよいでしょう。
逆に、野鳥が静かに佇むような表現をしたい場合は、少し露出を下げてみましょう。暗くすることで、落ち着いた印象深い写真に仕上がります。
まとめ

この記事では、初心者の方が野鳥を撮影するための、基本的なカメラの設定方法を紹介しました。これらの設定をすることで、野鳥にピントが合ったブレのない成功写真が増えるはずです。
いちおしの機能は、「鳥の自動認識」機能です。これはまだ、プロやハイアマチュア向けのカメラにしか搭載されていない機能ですが、ピント合わせまでカメラに任せられます。そのため、構図だけに意識を集中することが可能に!より良い野鳥写真を簡単に撮影できます。カメラのレンタルなどで、ぜひ一度試してほしい機能です。
この記事の設定を参考に、野鳥撮影に出掛けてみてください。
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