今回は、TAMRON(タムロン)さんからレンズをお借りして、映像作家のTakakura Daisukeさんに、2021年10月28日に発売された高倍率ズームレンズ・18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)の動画性能を、対談形式でレビューしていただきました。実際に18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)で撮影した作例ムービーと併せてご覧ください。
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)の静止画に関するレビュー・作例写真はコチラ↓


18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)の作例ムービー
使用機材・スペック

| X-T4 | |
|---|---|
| マウント | 富士フイルムXマウント |
| センサーサイズ | APS-Cセンサー |
| 有効画素数 | 2610万画素 |
| ISO感度 | ISO160~12800 |
| 高速連写 | 約15コマ/秒 |
| 幅×高さ×奥行き | 134.6×92.8×63.8mm |
| 質量 | 526g |
レンズ:18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)

| 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)スペック | |
| 対応マウント | 富士フイルムXマウント |
| 焦点距離 | 18mm-300mm |
| F値 | F3.5〜F6.3 |
| レンズ構成 | 15群19枚 |
| 最短撮影距離 | 0.15m(広角端)、0.99m(望遠端) |
| 最大撮影倍率 | 1:2(広角端)、1:4(望遠端) |
| 最大径 | φ75.5mm |
| 長さ | 125.8mm(富士フイルムXマウント用) |
| 質量 | 620g |
| 付属品 | 花型フード、レンズキャップ |
| 希望小売価格 | 96,800円(税込) |
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)のレビュー

ー本日はよろしくお願いします。実際に完成した作品を観て、ただただ感動しました……。今回はどちらで撮影されたものなんですか?
Takakura:ありがとうございます。これは山梨で撮影した作品です。「富士山の朝焼けって、どんな感じなのかな〜。一度撮ってみたいな〜」と思って(笑)、山梨県まで行ってきました。
ーわざわざありがとうございます(笑)。まずは、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)を使用した、率直な感想を教えてください。
Takakura:はい。(ソニーEマウント対応レンズの印象が強かった)TAMRONさんが富士フイルムXマウント対応のレンズを作ったことに驚きました。現在、動画市場全体で、”フィルムルック”が流行っていると感じています。でも、ボディにFUJIFILMを選ぶクリエイターが増えている中で、Xマウントは(他のメーカー・マウントに比べて)まだまだラインナップが少ない。その中でTAMRONさんがXマウント対応の新作レンズを開発したっていうのは、時代にマッチしていて、クリエイターのことをちゃんと考えてくれているな、と感じました。
ー確かに、最近のTAMRONさんは動画性能に長けた、映像クリエイター向けのレンズを発表している印象があります。
Takakura:あ、やっぱりそうなんですね。そのレンズの中でも、高倍率ズームレンズを開発したという点が、すごく大きなポイントだったのかなって思います。一言で言うと、使い勝手の良さは完璧でした。ワイドマクロから写せるのもすごい良かったですし、ワーキングディスタンスが5mmっていうのもエグかったですね(笑)。マクロからワイド(広角)から標準域〜望遠まで。全てのレンズがこの1本に集約されている感覚というか、「これ1本あったら一旦は大丈夫だろ」という安心感がすごかったですね。
500mlペットボトルと遜色ない軽さ。
ーでは、その安心感を一つずつ、紐解いていこうと思います。まずは、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)の特徴である、「軽さ」について聞かせてください。
Takakura:望遠端が300mmあるレンズとは思えないほど、とにかく軽いですね。「500mlペットボトルを持ってるんじゃないか?」って思うくらい(実際は620g)、軽さには驚きました。以前にSONYの長玉・70-200mmを持ってたんですけど、めちゃめちゃ重いじゃないですか(1,480g)。それに比べると、望遠端が100mm伸びて、ほぼペットボトルと同じ重さだなんて、(良い意味で)化け物じみたレンズだなと思いましたね(笑)。
レンズ数本分の画角をカバーする焦点距離で、体力的な負担を軽減。
ーありがとうございます。続いては、高倍率ズームレンズ史上・トップクラスの焦点距離についてはいかがでしょうか?
Takakura:案件にもよるんですけど、今でもたまにワンオペで撮影を任される場合があります。ワンオペ時って、やっぱり何本もレンズを持っていくと体力的な負担が大きいので……そんな時に、この18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)っていう高倍率ズームレンズが1本あると、全然違うんだろうなって思いますね。たとえば、アウトドアシーンとか山を登って撮影する時に、広角・標準・望遠のレンズを計3本持って歩いたら、重くて肩バキバキになるので(笑)。「できれば現場に持っていくレンズは1本で収めたいよね」っていう会話はこの(映像クリエイター)界隈で、ずっと昔から話されているトピックスですね(笑)。
ー確かに、過酷なロケーションになればなるほど、このレンズが活きる場面が増えそうですね。
Takakura:あとは、案件によっては現場に着くまで、どんな画を撮るのか分からないケースや、いざ現場に着いてみると光の入り具合が想像と違う場合など、想定できない・想定外の事態が発生することがあるので、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)みたいに高倍率で、現場に合わせて臨機応変な対応ができるレンズは嬉しいですね。
現実味のある、ちょうど良いボケ。
ー続いて、描写力について伺います。作品中では、ボケを効果的に使用されていたと思いますが、絞り(F値)はどのくらいの設定で撮影されたんですか?
Takakura:今回の作品は、基本的にF3.5〜4.0で撮影しました。一般的に、単焦点レンズって開放値が低いじゃないですか、F1.4とか、F1.8とか。それより少しF値を高くすると、ちょうど良いボケ感が出るんですよね。ボケすぎてしまうと、不可思議感というか、非現実感が強くなりすぎちゃって。F3.5〜4.0くらいが、全体的にフォーカスの合った、現実味のあるボケを出すというか。もちろん多少はボケているんですけど、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)のちょうど良いピント・ボケ感は、今回の作品に活かせたんじゃないかなって思います。たとえば、0:23〜に流れるシャボン玉のシーンも、ボケすぎちゃうと、何が飛んでるか分からなくなっちゃうので。
ー確かに、「ちょうど良いボケ」という言葉がしっくりきますね。今回の作品は、映画のように明らかなフィクションを観ているのではなく、実際に自分がその場面に入り込んだような印象を受けました。
Takakura:ちょうど良いボケを生み出せる理由は、Xマウント(がAPS-C向け)だからっていうのもあると思うんですよね。少しF値を上げても、フルサイズだとボケボケになるし。普段は(APS-Cとセンサーサイズの大きさが近い)シネマカメラを使うことが多いんですけど、Carl Zeissの開放値が低めな単焦点レンズを装着しても、フルサイズに比べてボケがちょっと浅くなるんですよ。なので、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)は、シネマカメラ+単焦点レンズみたいな表現ができると思いましたね。かなりGeekな話ですけど(笑)。
毛穴が気になるほどの解像力。
ー高倍率ズームレンズは、広い画角をカバーする反面、描写力に物足りなさを感じる声が挙げられているのも事実です。その中で、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)は、高倍率ズームレンズトップクラスの描写力を誇るレンズだと言われています。解像感はいかがでしょうか?
Takakura:解像感は特に気にならなかったですね。これまでシネマカメラ・フルサイズ機に他メーカーの高性能レンズを付けて撮影していた時と、全く変わり映えしなかったので。
ーおお!それはすごいですね!
Takakura:これは余談なんですけど、モデルの女の子に今回の撮れ高を見せたら、「綺麗すぎて毛穴まで映るんで止めてください(笑)」って言われたので(笑)。18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)で写した動画は、それぐらい綺麗でした!
広角端18mmでも、気にならない歪み。
ー歪みはどうでしょう?18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)の広角端は18mmなので、気になっている方は多いと思います。
Takakura:確かに、広角レンズで撮影すると、画面の端が歪んじゃったりしますよね。僕も個人的な意見としては、GoProとかアクションカメラで撮る分には歪みがあって良いと思うんですけど、一眼カメラで撮った映像が歪んでると、若干「ん?」と思うところがあります(笑)。でも、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)に関して言えば、広角端の18mmで撮影した場面でも、正直あまり歪みは気になりませんでした。
JAPANを撮るなら、馴染みのあるクラシックネガ。
ー先ほど”フィルムルック”という言葉がありましたが、FUJIFILMのカメラといえば、フィルムシミュレーションを連想される方も多いと思います。今回の撮影でフィルムシミュレーションは使用されましたか?
Takakura:いえ、今回の作品はF-Logで撮影しました。ただ、モニター上では、フィルムシミュレーションのクラシックネガを組み合わせて、フィルムルックに撮っていましたね。クラシックネガを選んだ理由は、完全に好みの問題です(笑)。
ーいいですよね、クラシックネガ。私もプライベートで(FUJIFILMの)X100Vを使用する際は、よくクラシックネガで撮影しています。
Takakura:あとは、やっぱり今回の撮影地が山梨県の富士山という”JAPAN”感が強い場所だったので、「”JAPAN”のカメラっていったら、やっぱりFUJI(FILM)だよね」っていうところが僕の中でありました。そうなると、この景色を写すんだったら、やっぱりクラシックネガかなって。日本人の眼に元々合ってるのかは分からないですけど、僕としては、クラシックネガが、日本人と馴染みが良い色かなと僕的に思うところがあるので。日本の景色を写すんだったら、できれば元々昔からある、見慣れている、心地良いFUJIFILMさんのオリジナルのカラーがバッチリ合うんじゃないかな、と思ってクラシックネガで撮影しました。
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)のオススメ撮影シーン

ーここまでの使用感を踏まえて、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)は、どんな撮影ジャンル・撮影シーンにオススメしたいレンズでしょうか?
Takakura:そうですね、最近流行ってるショートフィルム系の動画を撮影する時に、すごく使い勝手が良いんじゃないかと思いますね。ショートフィルムの撮影って、望遠・中望遠レンズを使うことが多いんですよ。18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)なら、望遠も中望遠もカバーしてるので、被写体が動いている様子をズーム1つで追えますし。1回1回シーンによってレンズを交換する必要がない、手間が省けるところはすごく良いですよね。
ー先ほど「TAMRONさんが時代にマッチした製品を開発している」という話がありましたが、ショートフィルムという撮影ジャンルは正しくその通りですね。
Takakura:あとは、地方のPR動画撮影にも使いやすいんじゃないですかね。地方ロケは現場に着くまでどんな画が撮れるか分からないことが多いですし、それこそ観光系の動画だったら、その一瞬しか撮るチャンスがないから、レンズを替えてる時間が勿体ないんですよね。レンズを替えるのなんて1分でできるでしょ、と言う人もいると思うんですけど、その1分で光の入り方がガラッと変わっちゃうので。その瞬間を収めて、やっと良い画が撮れるんですよ。そのチャンスを逃したらおしまいです。そういう意味では、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)は、瞬間を、シャッターチャンスを収められるレンズだと思います。
18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)のオススメしたいレイヤー

ーでは、18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD (Model B061)は、スキル感や使用用途など、どんな人に向けてオススメしたいレンズでしょうか?
Takakura:まず、一言いいですか?このレンズは、普通に僕が欲しいです(笑)!
普段の撮影現場はもちろん、プライベートでパートナーと旅行に行く時も、このレンズが1本あれば、パートナーがごはん食べてるシーンを写真や動画で引きで撮れるし。ごはんのパーツも寄りでグッと撮れるし。自分が移動しなくても、レンズを回せばズームできるので。オールマイティーに使用できる、持ってて損はない、むしろ、持つべきレンズだと思います。
ープロの映像クリエイターにも自信を持って薦められる1本、ということですね。
Takakura:はい。あとは、初心者の方にもオススメしたいレンズですね。初心者の方が最初に触れる、いわゆる標準ズームレンズの焦点距離って、24〜55mmくらいじゃないですか。でも、それって正直あんまり画が変わり映えしないというか…。ズームしてもあまり変わらない画角のレンズを付けて撮影するより、広角も望遠も引きも寄りも撮れる、変わり映えする画角の方が、「焦点距離で、こんなに画って変わるんだ!」と初心者の方が思うはずなんですよ。それに、このレンズを使うことで、自分の好きな画角を知ることができるんじゃないですかね。自分の好みの画角が、広角なのか、標準なのか、望遠なのか…。まずこのレンズを経て、35mm・50mm・85mmとか、自分の好きな画角の単焦点レンズを買うと、より表現の幅が広がるんじゃないかと思います。最初の1本になれば良いと思いますね。カメラを始めたばかりの頃って、どんなレンズを買って良いか分からないじゃないですか。だから、どんなレンズを使えば良いか分からないという初心者の方にも、現場でどんな画を撮ることになるか分からないと言うプロの方にも、どちらにも、どなたにも、オススメできる1本です。
著者プロフィール:Takakura Daisuke

外語大卒、大手グローバルIT企業にて3年務め独立。フィリピン政府観光省・ドイツ政府観光局・DJI・SONY・ANKERなどの映像・写真を多数手がける。企画立案・撮影編集・ドローン操縦・キャスティングなど全て一貫し受託するワンストップ制作を行う。飲料・飲食・紳士服店のTVCMにも役者として出演実績を持ち、出る側と撮る側という両極端の環境を活かしたユニークな製作を得意とする。 愛犬家・ヴィーガンであるなど、生物・地球環境問題にも積極的に取り組んでいる。
■Webサイト:TAKAKURA DAISUKE
■Instagram:@takakuradaisuke
■YouTube:Takakura Daisuke




