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センチメンタルなひとり旅 #11

写真家アラーキーとその奥様である荒木陽子さんの愛の軌跡を辿るため、陽子さんの著書「愛情生活」をもとに二人が訪れた場所へ赴き、写真コラムを綴るこの企画。
(この連載の細かな企画内容については#1をご覧になっていただけますと幸いです

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遂に引越し先が決まった。

偶然なのか、荒木夫妻が住んでいたマンションがあった豪徳寺と同じ世田谷区だ。
私は以前にも三軒茶屋に住んでいたことがある為、これで2度目の世田谷区民となる。

しかしながら、おふたりが住んでいたマンションへは新居の方がずっと近い。
少し頑張れば歩いて行けるほどの距離だ。
時を経て、荒木夫妻とこうしてご近所さんになれたことはやはり嬉しい。

引越し当日を迎える前に、街の雰囲気をよりよく知る為、おふたりが当時住んでいた豪徳寺へと足を運んだ。

カメラはFUJIFILM GFX 50S Ⅱに GF 50mm F3.5のレンズを付けた。

いわゆる中判デジタルカメラ。
中判フィルムカメラはいくつか持っているし使ったことがあるが、中判デジタルは所有していない。
ずっと気になって使ってみたかったカメラだ。

富士フイルムのネガフィルムをよく使っていたせいか、デジタルになっても富士フイルムの色味が好きだ。
この記事に載せている写真は多少の編集を加えているが、RAWデータの状態でもとても綺麗な色情報だった。

見た目はクラシカルで、アナログカメラ好きにも嬉しいデザイン。
小さくて軽いカメラももちろん魅力的だが、重くて存在感のあるカメラも結構好きだ。
これはとても個人的な意見だけれど、どこか職人感があるような気がする。

三軒茶屋から東急世田谷線に乗り、宮の坂駅で下車した。

そのあたりの地名にもなっている豪徳寺は、招き猫発祥の地としてよく知られている。
そして荒木夫妻が初詣にも通っていたお寺だ。
著書の中には、境内で陽子さんが着物を着て招き猫のポーズをした写真が収められている。

境内は広く、空気がとても澄んでいて気持ちの良い空間だ。
そして噂通りにたくさんの招き猫が奉納されている。

寺務所にいたお寺の方に奉納の手順を聞くと、まず招き猫を寺務所で購入し、招福殿でお参りをし願い事を伝え、購入した招き猫を持ち帰り家に飾る。
そしてその願い事がかなったら、お礼の挨拶に招き猫を返納するそうだ。
願いが叶った招き猫は縁起が良いので、必ずしも返納する必要はなくそのまま家に飾っておいてもいいとのこと。

私も早速小ぶりな招き猫を購入し、新居での家内安全をお願いした。
新居の玄関に飾り、またいつか引っ越すことが決まったら、お礼の挨拶をして返納しようと思う。

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この記事を書いた人

1991年生まれ、東京都在住。 日本大学芸術学部写真学科卒業。セルフポートレートや 自己の体験を中心に作品制作を行う。

2020年12月に初の作品集『きっと誰も好きじゃない。』を刊行。